板尾創路・松田凌 W主演 映画監督の甲斐さやかが描く、衝撃のオリジナルストーリー 舞台『聖なる怪物』2023年3月上演決定
舞台『聖なる怪物』
2023年3月10日(金)~3月19日(日)新国立劇場 小劇場にて、舞台『聖なる怪物』の上演が決定した。本作は新進気鋭の女性映画監督・甲斐さやかによるオリジナル脚本となる。
甲斐は、誘拐事件の数十年後を舞台に、曖昧な記憶と人間の存在意義について描いた『赤い雪 Red Snow』で長編映画監督デビューし、同作では、日本を代表する実力派俳優らが自ら出演を望み、世界的評価を集めた。
そんな甲斐の初舞台作品となる本作は、『信仰心』そして『神の存在』を問いかける。鋭く人間模様を描きだす映画監督としての感性を、演劇でしか味わえない生の空間に掛け合わすことで、観劇後の心に深い余韻を残す臨場感のある世界観を生み出していく。
主演は、お笑い芸人として確たる地位を築き、近年では映画監督・俳優としての存在感を放つ板尾創路と、2012年ミュージカル『薄桜鬼』で舞台初出演にして初主演を務め、以後、舞台・ドラマ・映画など多くの作品での活躍が目覚ましい松田凌がW主演として務める。板尾は教誨のため刑務所を訪れる山川神父役を、松田は自らのことを“神”と呼ぶ死刑囚・町月を演じる。
さらに、敬虔な信者で娘が行方不明になったことを山川神父に相談する母親・真知子役には、数多くのドラマ・映画・CM等で活躍を続ける石田ひかりを迎える。
教誨のため刑務所を訪れた山川神父が、新たに向き合うことになった死刑囚・町月。その死刑囚は自らのことを“神”と呼んだ− それ以来、山川のまわりで不可解な出来事が起きていく。町月の存在は、果たして“神”か、“ぺテン師”か、それとも“怪物”か...
強いメッセージ性と鋭い演出で、観客の心を徹底的に揺さぶる問題作に期待が寄せられる。
甲斐さやか コメント
甲斐さやか
『聖なる怪物』は、目にみえないけれど確実に存在する、不気味な影を踏んでしまう物語です。
登場するのは、孤独を抱えた普通の人たち。教会を訪れた彼らは、不安を吐露します。行方不明、警察の訪問、話題の死刑囚、家族の責任……彼らが問題に名前をつけて解決しようとすればするほど、なぜか、その人の人生が崩れそうになります。そして、目に見えた通りのものや人など、ほとんど存在しないということが、詳かになって行くのです。
彼らと同じく、誰もが後ろめたさや、不安を内包して生きているのだと思います。綻びに目を向けない限りは、問題の本質を見つめることもなく、なあなあに過ぎてゆけるのかもしれません。でも、もう一つの現実は消えることはなく、今もなお、すぐ横に存在しているのです。
「安心・安全」のような楽天的な言葉が現実を見ないための呪いでしかないことも、3.11を経験した私たちは知っています。それでもつい、事なかれ主義の日本人は、また同じ呪いを唱えてしまうのです。大きな破綻の境界に立っていると、頭の隅ではわかっているのに。
『ここでないどこか』を探す人たちに、私はいつも惹きつけられて、様々な形で描いてきたのだと思います。破綻の後、登場人物達にどんな新しい道が開かれて、どんな予兆が見えるのでしょうか。予想外の曲がり角と、人間の奥底に横たわる怖いものを、五感で楽しんでいただけたらと思います。
板尾創路 コメント
板尾創路
そう言えば、舞台やってないな、と思っていた時にオファーを頂き嬉しかったです。
なんだかんだ言って舞台は大変ですが、一番やり甲斐と達成感あり役者として成長する事ができます。観に来て良かったと思っていただけるよう全力で頑張ります。
松田凌 コメント
松田凌
今作のお話を頂いた時「何か」に吸い込まれるように、やりたいと思ったのを覚えています。それから出演を懇願しまして、誠に有り難く実現しました。板の上でいかなるものを体現していけるのか、全く想像がつきません。この身と心をもって尽力し、皆様と共に探していきたいと思います。その「何か」を。
石田ひかり コメント
石田ひかり
あるひとつの舞台を終えて間もなくこちらのお話をいただき、一瞬どうしようと思ったのですが、主演が大ファンの板尾さんだと聞いて、絶対にご一緒したいと思い決意しました。幼稚園の先生のような柔らかな印象の甲斐さんが書かれたとは思えない鋭さとスピード感のある戯曲は、読めば読むほど「これ面白いやつじゃん!!」と、早くも猛烈にやり甲斐感じています。少人数での芝居は緊張感があり楽しいです。皆様どうぞご期待ください。稽古頑張ります。
山川神父(板尾創路)は教誨のため週に2、3回刑務所を訪れている。死刑囚に宗教的アプローチで被害者への反省を促し、執行までの精神の安定を図る。敬虔な信者の真知子(石田ひかり)の娘が行方不明となり、山川は真知子の相談に乗ることになる。この娘も幼い頃から教会に通っていたので、心配の種となり、山川は神に祈りをささげる。
山川が新たに教誨を始めることになった死刑囚・町月(松田凌)はかなり奇妙でマイペースな人間だった。山川はいつも通り奪った命について考え、反省するように説教するが、町月は「反省?僕がするわけがないでしょう。僕は神なのだから」と言うのだ。
その日、真知子が懺悔室にやってくる。行方のわからなくなった娘は『神』と言う人物に、オンラインゲームを通じて呼び出された形跡があったそうだ。しかし捜査はなかなか進展しなかった。
数週間後。真知子は、娘の『神』を探すうちに、ある裁判記録をみつける。その被告は、「自分は神だ」と言い募ち、まるでゲームの様に通行人を刺したにもかかわらず「悪人を制裁した」と、反省の弁もなかった。
真知子はこの被告が娘の行方不明にも関与しているのではないかと感じているようだった。山川は、既に刑務所にいるその(元)被告人が、最近いなくなった娘に関与したとは信じられなかったが、その被告こそが、町月本人であった。
山川にとって、町月は到底『神』ではなかった。偉大な存在には思えず、単なる引きこもりか、強がりの男に思えたが、それ以来、山川のまわりで、刑務所内にいる町月の予言通りの出来事が起きていく。
山川は葛藤する。もし偶然が重なったとして、それを奇跡と呼んでもいいのだろうか。町月には本当に力があるのか。信じるなら、今までの信仰に反する。しかし、山川を根本から試すような出来事が重なっていくことで、 山川の中で神の概念が揺らぎ始める。本物の神は、一体どこにいて、何を示しているのか。 葛藤するうちに、町月の死刑執行の日は近づいていく....。
公演情報
■作・演出:甲斐さやか
■キャスト:板尾創路 松田凌/石田ひかり 他
<公演日程>
■2023年3月10日(金)~3月19日(日)
会場:新国立劇場 小劇場
<料金>
S席/8,500円 バルコニー席/6,500円
※未就学児入場不可
※全席指定
<発売日>2023年2月4日(土)AM10:00~
<公式サイト>https://thesacredmen.com
<公式Twitter>https://twitter.com/thesacredmen
■主催・企画・製作:ミックスゾーン