秋山和慶(指揮) 東京交響楽団 リズミックで躍動感溢れる名作を集めて

2016.1.4
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クラシック

リズミックで躍動感溢れる名作を集めて

 2015年2月の公演で指揮者生活50周年を祝った秋山和慶だが、正確なタクトさばきはそのままに、最近は趣味や好み(鉄道もの企画など)をストレートに反映させたプログラミングで聴き手を楽しませてくれている。『リズムは踊る』と題した東京交響楽団との1月定期も聴きどころ満載だ。ジャズやライト・テイストの作品上で二人のスーパー・ソリストを交差させるという、とにかく欲張りなプログラムなのだ。

 コンサートはヒンデミットのシニカルな冗談といった風情の管弦楽曲「ラグタイム」で幕を開ける。続くケルシェック「トランペット・ダンス」のソリストを務めるマティアス・ヘフスは、ハンブルク国立歌劇場管のトランペッター。超絶技巧の持ち主で、2つのベルを持つダブルトランペットを自由自在に吹きこなす。ケルシェックはビック・バンドのアレンジや指揮を手掛けている作曲家で、肩の凝らない、そしてエキサイティングな音楽が聴けるだろう。

 ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第1番」では、鋭いセンスを武器にクラシックとジャズの境界を軽やかに往還する小曽根真をソリストに招聘。この曲は弦楽合奏の他に独奏トランペットが配置されてピアノと火花を散らし、フィナーレでは絶頂に向かってピアニストをがんがんと煽り立てる。ヘフス vs 小曽根—— 何かきな臭いことが起こりそうな異種格闘技戦ではないか。

 締めには同じくショスタコーヴィチ「ジャズ組曲第2番」。ジャズとは言い条、マーチやワルツ、ポルカが並ぶ人を食った、しかしどこかお茶目な音楽だ。演奏会全篇に漲る秋山ワールドを共に楽しみたい。

文:江藤光紀
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)


秋山和慶(指揮) 東京交響楽団​ 第637回 定期演奏会
2016.1/16(土)18:00
サントリーホール
問合せ:TOKYO SYMPHONY センター044-520-1511
http://tokyosymphony.jp