井上瑞稀、本髙克樹らが、“好き”に向かって突き進むヲタクたちの熱い青春を描く 青春POP ROCK『ルーザーヴィル』ゲネプロレポート

レポート
舞台
2023.3.6

※以下、ゲネプロ写真及びレポートあり。

<あらすじ>
1971年のアメリカ。「負け犬」の名前がついた町「LOSERVILL」で暮らす高校生・マイケル(井上瑞稀)はコンピューターヲタクで、世界初の“ネットワークを通したコンピューターメッセージ(E-mail)”を開発すべく試行錯誤を重ねている。彼の親友・SFヲタクのルーカス(本髙克樹)をはじめ、個性豊かな仲間と共に好きなことに没頭する日々。だが、御曹司のエディ(山本涼介)やその彼女のレイア(青野紗穂)には、ヲタクであることをバカにされ、毎日のように絡まれる。
夢に向かって邁進していたマイケルは、とあるIT企業のコンピュータールームに不法侵入したことがバレ、学校のコンピュータールームへの出入り禁止を言い渡されてしまう。新技術の開発ができず、途方に暮れるマイケル。そんな時、宇宙飛行士を目指す秀才・ホリー(高月彩良)が転校してくる。

 

客席に足を踏み入れた瞬間、ポップで可愛らしい舞台セットにワクワクが高まった。映像や小道具を上手く活用したおしゃれで楽しい空間とレトロな衣装やヘアメイクが、SF感満載の70年代に連れて行ってくれる。キャストはもちろんバンドメンバーもカラフルな衣装に身を包んでおり、ステージ上どこを見ても明るくパワフルなパワーに満ちていると感じた。

マイケル(井上)、ルーカス(本髙)、フランシス(塩田康平)、マーヴィン(島太星)のヲタク4人組は、それぞれ違う個性を持っており実に魅力的。4者4様のヲタクっぷりが楽しく、彼らの友情や自らの“好き”に対する真っ直ぐな情熱に胸が熱くなる。

井上は、大好きなコンピューターに向かうキラキラした顔、エディにいじめられている時のおどおどした様子、ホリーとの距離感など、様々な表情を見せてくれる。最初はホリーとまともに会話もできなかったマイケルの成長が眩しく、応援したくなる主人公だ。

本髙はマイケルの頼れる相棒として活躍。友情の厚さを見せつつ、少しずつ生じる疎外感の中で揺れる思春期の少年らしい苦悩を切なく表現。塩田と島はノリよく元気にグループを盛り上げ、等身大の少年たちの賑やかさを描きだす。

ヒロイン・ホリーを演じる高月は、確固たる目標と芯を持つ強い少女を好演。エディにも毅然と立ち向かう姿が眩しく、マイケルたちが好印象を抱くのも納得の魅力を放っていた。

山本が会見で「観に来たお客さん全員に嫌われたい」と言っていた通り、エディはヲタク4人や取り巻きのウェイン(柴原直樹)とヒューイ(鈴木凌平)をはじめとする全キャラクターに対して俺様全開で接する嫌な奴。だが、突き抜けたおバカなせいで台詞の端々に愛嬌があり、憎みきれないヒールになっている。

青野はエレイン(Ema)とサマンサ(高嶋菜七)を従えた学校の女王的な存在・レイアを、キュートに堂々と演じる。ネタバレになるため詳細は伏せるが、彼女たちのストーリーも見逃せない。

変わり者・はみ出し者にスポットをあて、彼ら自身の成長や周囲に与える影響をエネルギッシュに描いた本作。爽やかながらパンクな雰囲気もあるキャッチーなメロディの楽曲とキャラクターの心情がまっすぐにのった歌詞も作品を大きく盛り上げている。キャスト陣はしっとりした曲からポップな楽曲、ハードロックまで歌いこなし、観る者を夢中にさせてくれる。

宇宙や近未来を思わせる演出・パフォーマンスがあったり、SFの名作にまつわるワードが出てきたり。ちょっとした伏線になっている部分もあり、クスッと来る場面も。映像や照明、小道具を活用した幻想的な演出も得意とするウォーリー木下らしく、美しい世界が次々に描き出されるのも大きな魅力だ。

フレッシュなキャスト陣が演じる、ヲタクたちの一風変わった青春ストーリー。たくさんのワクワクと前向きなメッセージを受け取り、キャスト陣と一体になって盛り上がることができる本作を、ぜひ劇場で体感してほしい。

本作は3月5日(日)より新橋演舞場にて上演され、4月6日(木)より大阪、4月20日(木)より広島、4月26日(水)より愛知と、各地で公演が行われる。

公演情報

ミュージカル『ルーザーヴィル』
 
【脚本・音楽・歌詞】エリオット・デイビス&ジェイムズ・ボーン
【演出】ウォーリー木下 
【翻訳・訳詞】福田響志 
【音楽監督】NAOTO 
【振付】梅棒

【出演】
出演者
井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)
 
本髙克樹(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)
高月彩良
 
塩田康平
島 太星
高嶋菜七
柴原直樹
鈴木凌平
Ema
 
青野紗穂
山本涼介

熊澤沙穂 鳥居留圭 焙煎功一 東倫太郎
森本さくら 山本咲希 横山祥子 米澤賢人
スイング
伊藤里紗 西尾郁海

■東京公演
日程:2023年3月5日(日)〜3月22日(水)
会場:新橋演舞場
 
■大阪公演
日程:2023年4月6日(木)〜4月16日(日)
会場:大阪松竹座
 
■広島公演
日程:2023年4月20日(木)、4月21日(金)
会場:上野学園ホール

■愛知公演
日程:2023年4月26日(水)〜4月30日(日)
会場:御園座

 
【制作協力】シーエイティプロデュース
【製作】松竹株式会社 
 
主催:
【東京公演】松竹株式会社
【大阪公演】松竹株式会社 関西テレビ放送
【広島公演】清水芸能企画
【愛知公園】御園座 中日新聞社
 
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