超特急、ららぽーと豊洲にて約5年半ぶりとなるショッピングモールでのリリースイベントを開催　公式レポートが到着

超特急が3月22日にららぽーと豊洲にて、約5年半ぶりとなるショッピングモールでのリリースイベントを開催した。本記事では同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

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昨年8月に新たなメンバーが4人加わり、9人組の新体制となったダンス＆ボーカルグループ・超特急が、3月22日にニューアルバム『B9』をリリース。発売当日にららぽーと豊洲 シーサイドデッキ メインステージにてリリースイベントを開催した。コロナ禍でファンとの対面イベントが制限されていたこともあり、彼らがリリースに伴うフリーライブを行うのは2017年9月以来、実に5年半ぶり。普段のライブではあり得ない距離感でメンバーと空間を共有できるまたとない機会だけあり、会場に詰めかけた8号車（超特急ファンの呼称）がステージを360度ぐるりと取り囲んで、ペンライトで夜空に光の海を作った。

スタート時刻となり、アルバムと同じくBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之の手によるイントロダクションが幕開けを告げると、なんと密集したオーディエンスの合間を縫ってメンバー9人がステージへ！ こらえきれない悲鳴が客席からあがるなか、ダンスリーダーのユーキが右手を挙げたのを合図に、ライブは「Re-TRAIN」で始まった。新体制始動にあたってリメイクしたデビュー曲を、バックボーカルのタカシとシューヤがステージ両端で歌い、その前でダンサー7人が踊るという構図は、超特急がデビュー以来掲げてきた“メインダンサー＆バックボーカルグループ”というスタイルを見事に具現化したもの。クライマックスでは異なる旋律をたどるツインボーカルと躍動的なダンスが見事なコラボレーションを果たし、ユーキと交差するようにアクロバットを披露したアロハは“してやったり”とばかりにニヤリと笑って、新体制ならではのダイナミックなパフォーマンスを見せつける。

続く「Cead Mile Failte」でも、曲のモチーフであるアイルランドの海賊を思わせるガッツある力強いステップを踏んで、9人という人数を活かした迫力あるダンスで圧倒。しかしMCになれば、会場前のレストランでガラス越しにステージを観ている人々に向かって「美味しいですか～？」とリーダー・リョウガが手を振ってみせたりと、人懐っこい彼らのパーソナリティは変わらない。ららぽーと豊洲は過去に何度もリリースイベントをやってきた、いわば彼らにとっての“聖地”ということで、ユーキからは「360度囲まれているのが懐かしい！ 後ろにもいるから気が抜けないやつですよ」という言葉も。新メンバーのシューヤも「過去にフリーライブはしたことあるけど、こんなに囲まれたことないです。緊張しちゃって！」と、初々しくオーディエンスに語りかける。

さらに、この日着用している衣装についても「アルバムのリード曲「MORA MORA」のテーマは求愛。求愛行動をする動物といえば鳥ということで、カラフルな羽の衣装を作らせてもらいました」と、アルバムのビジュアル全般をプロデュースしたカイから説明。そして「次の曲、1曲だけ撮影OKです！ SNSにあげてほしいな」（ユーキ）と、その「MORA MORA」がパフォーマンス初披露され、オーディエンスを大いに沸かせることとなった。軽快にして素早い動きから生み出される緻密なダンスは見ごたえ満点で、絶え間なく踊るダンサーたちの中から突然ボーカリストが現れるという構成もエキサイティング。凄まじく難易度の高いダンスの最中、客席に笑顔を向けるマサヒロの余裕綽々ぶりもさすがで、9人が一列となってシンクロし、シューヤのロングトーンをバックに魅せる妖艶な空気感が、歌詞にある通り“ヤバい予感”をかき立てる。そこで8号車が撮影した映像と写真は、タクヤの「ぜひSNSに載せて、みんなで「MORA MORA」を共有してもらえたら」という指示により、当日22時以降に“#moramora”のハッシュタグで投稿されているはずなので、ぜひチェックしてみてほしい。

そして「一緒に踊る時間が来たよ！」という17歳のハルの号令から、ライブ鉄板曲の「Burn!」になだれ込むと、ダンサー陣はステージから飛び出してバッテンダンスを繰り出し、大声で掛け声を発してオーディエンスを煽動。突如として間近に迫ってきたメンバーに8号車も「カッコいい！」と大興奮で、ステージ上では見つめ合いながら大サビを歌い上げるタカシ＆シューヤの姿もグッと胸を揺さぶる。そんな二人の「この9人で『B9』というアルバム出せたこと、本当に嬉しく思ってます」（シューヤ）、「もっと新しい超特急をお届けできるように、これからも全力で走り続けていきます」（タカシ）という言葉から贈られたのは「NEW WORLD」。夢に向かって進まんとする彼らの意志を、そのまま歌とダンスの双方で具現化したナンバーは、昨年末に行われたアリーナツアーのテーマソングでもあり、ピタリと一糸乱れぬ9人の動きからは、未来に対する確かな決意と覚悟が感じられた。

ライブ後の特典会では、彼らが初期に行っていたファンとの“電車ごっこ”も復活。抽選で選ばれた幸運なファンと、各メンバーが一人ずつ縄跳びで電車ごっこするという微笑ましい光景が繰り広げられた。さらに、イベント後にはYouTubeの生配信で「MORA MORA」のMVが解禁。ライブ中に「9人バチバチに踊ってまして、見た瞬間MORA MORAしちゃう！ 僕たちホントに燃え尽きてるんで、観た瞬間“キャーッ！”ってなると思う」とユーキが断言した通り、コメント欄は“カッコいい！”で埋め尽くされた。

5月27・28日のカルッツ川崎を皮切りにスタートする全国ホールツアーに向け、最高のスタートを切った彼ら。MV制作やこの日のリリースイベントなど、その裏側を押さえたドキュメント映像も、3月23日、26日、30日の3回にわたりオフィシャルYouTubeチャンネルで公開されるという。嘘偽りのない姿をさらけ出し、8号車と共に理想の世界を目指さんとする9人の旅は、まだ始まったばかりだ。

文＝清水素子　撮影＝米山三郎