Hello Sleepwalkersが結成15年で迎えた大きなターニングポイント、現体制ラストワンマン『アルストロメリア』に込めた想いとは
シュンタロウ(Hello Sleepwalkers)
――休止から復活した時もそうでしたけど。何度目かの生まれ変わりかも。
面白いですよね、おんなじバンドをやってるのに。そのへんが、バンドっておんなじ生き物だな」と思った理由でもあって、生身の感じが、曲にも歌詞にも演奏にも、直結してくる感じがあって。それも含めて、次の成長を見せれたらなと思います。ユウキもめちゃくちゃ応援してくれてます。今回、ユウキがやめるということに関して、メンバーで話した時に、僕らも(バンドを)やめるという選択肢も全然あったんですけど。僕は、最初はそっちのモードではいたんですけど、ほかのメンバーと話した時に――けっこう何回も話したんですけど、「これ以上面白いことってほかにないから。自分からやめることはない」って言ってくれて。そういう話をしているうちに、僕自身の気持ちも固まって来たという感じです。この先、終わりは絶対に来ると思うんですよ。不老不死じゃないんで。そういうことも頭の片隅にありつつ、終わりまで、ユウキの気持ちも乗っけて、バンドとして行けるところまで行こうという気持ちで今はいます。
――正直、逆だと思ってました。シュンタロウくんは「俺は絶対に続ける」って、最初から言ってたんだろうなと。
いや、けっこう、そのパターンは多いです。僕が一番折れがち(笑)。というか、この年になると、同年代のバンドでやめてく人もけっこう見てきたし、そっちの選択肢も全然あるのかなって思いつつも、でもやっぱり、あらためて考えたら「そうだよな。シンプルに、楽しいよな」って。悩みとか苦しみとか、少なからずあるとは思うんですけど、それが「楽しい」を超えなかったというか、その結果ですね。
――その、「これ以上面白いことってほかにないから。自分からやめることはない」って言ったのは、誰だったんですか。
タソコです。一番最後に入って来たんですけどね、バンドには。仮のリーダーにさせられてますけど(笑)。でも、そういうバランスが取れてるのかなと思います。メンバー的にも。すごい助かったというか。
――僕が言うのもおこがましいですが。ここがメンバー全員が人間的に成長する、大きな分岐点になると思います。
そうですね。みんなで話し合った時に、「とりあえず不満をぶちまけようぜ」みたいな会が、一回あって。いろいろあったんですけど、けっこう初歩的なことで、「人間的に出来てない」とか、「遅刻しない!」とか、そういうことをめちゃくちゃ、マコトに詰めてました(笑)。
――その会、いつやったんですか。
それは、ユウキがやめると言った後です。共同生活してたら、「あいつが何分遅れてくるって」「わかった」みたいな感じになるけど、これから、そういうこと言ってる場合じゃないというか。バンド全体がカタマリとして動くには、そのへんを徹底しないといけないという話をして。「そもそも、そういうところが直らないとやる気がしない」とか、そういうの、言い合うタイミングがなかったんですよ。ケンカとか、あんまりしないんで。だからそういう場を設けて、再確認して、ちゃんと始めようと。
――新体制のHello Sleepwalkersを。それが出来るなら、このバンド、絶対に大丈夫だと思います。
逆に、仲良くなった気がします。さらに仲良くなった気がする。
シュンタロウ(Hello Sleepwalkers)
――頼もしいです。というわけで、いよいよ間近に迫って来た、現体制最後のワンマンライブ「アルストロメリア」。どんなライブになりそうですか。
間違いなく、かなり特別なライブになると思うんですけど。経験したことない種類のライブで、気持ち的には、早くライブしたいという気持ちと、逆に「したくない」という気持ちもちょっとあって、難しいんですけど。この十数年間、この5人でやってきたことを、ちゃんと全部届けて、乗せれたらいいなと思ってます。気持ちはそうなんですけど、まだ、どんなライブになるかがわかってないんで。これからお互いの人生が、けっこう違ってくると思うんで、「頑張ろう」とユウキが思ってくれるように、お客さんにも、「ここから新しいHello Sleepwalkersを応援しよう」と思ってもらえるように、過去イチのライブにしようと思ってます。
――ライブタイトルの「アルストロメリア」というのは、花の名前ですか。
そうです。その、ユウキに書いた曲のタイトルも「アルストロメリア」にしようと思ってて。はなむけ、じゃないですけど、そういう曲になったらいいなという思いで、歌詞を書いて、ライブもそういうライブにしたいというか。「アルストロメリア」の花言葉は、「エキゾチック、持続、未来への憧れ」とかで、並んでる言葉が全部刺さったというか、ぴったりだなと思って、響きもかっこいいし、「これだ」と思いました。歌詞の中に、“もしもこんな歌が/花になって/未来をそっと彩ってくれたら”という歌詞があって。そういう思いを込めて、ライブ全体を通してやっていけたらなという感じです。
――楽しみです。そしてその3日後にはもう、新体制でのライブをするんですよね。板歯目の対バンで、広島のライブハウスで。
そうなんですよ(笑)。そこは、新しい僕らの姿を早く見てもらおうという気持ちはすごくあって。これから、ドラマーがいなくなったけど、Hello Sleepwalkersは続いていくわけで、そういう姿を見せるライブにしたいっていう感じです。
――そしてその後も、活発な活動は続く。
そうです。とりあえず今は、このライブに向けて全力で準備中です。
――セットリストは、どうなりそうですか。
セットリストは、ドラムのユウキがやりたい曲を並べてもらって、そこから組みました。意外な曲もあって、「それが叩きたかったのか」と思ったり(笑)。「せっかくなので」という気持ちも特にあって、いい感じのバランスになってると思います。めっちゃ久々の曲もあります。セットリスト的には、今までの僕らの歴史がまんべんなく入ってるかなと思います。
――みんながいろんな思いを持って、全国各地から来てくれると思います。ファンに対しては、どんな気持ちで来てほしいですか。
最後のチャンス、と言ったら最後のチャンスなんで。僕らにとっても、お客さんにとっても。5人で同時に演奏してる、音が鳴る、そのビートの上で歌える最後のチャンスなんで、本当に貴重なラストだと思うので、それを見に来てほしいなというか。これからのためにも、一緒に歴史を作って行きたいというか、そこにいてほしいなという気持ちがあります。
――どんなライブになっても、見届けます。楽しんでください。
はい。頑張ります。
取材・文=宮本英夫 撮影=大塚秀美
シュンタロウ(Hello Sleepwalkers)
ライブ情報
7月28日(金) 大阪 BANANA HALL
7月30日(日) 東京 恵比寿LIQUID ROOM
各会場 前売り¥5,500(D別)