SUGIZO×KenKen×別所和洋×SPECIAL OTHERS、SHAG主催ジャムイベント『WHAT IS JAM?』開催目前、即興演奏のような座談会が実現

インタビュー
音楽
2023.8.1
写真前列左から:KenKen、柳下 "DAYO" 武史 、SUGIZO、芹澤 "REMI" 優真 後列左から:宮原 "TOYIN" 良太 、又吉 "SEGUN" 優也、別所和洋

写真前列左から:KenKen、柳下 "DAYO" 武史 、SUGIZO、芹澤 "REMI" 優真 後列左から:宮原 "TOYIN" 良太 、又吉 "SEGUN" 優也、別所和洋

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即興演奏を意味する“JAM(ジャム)”という言葉を掲げ、音楽カテゴリーを超えた一つのカルチャーでもある“ジャムバンド”というスタイル。その音楽に魅せられたSUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN、THE LAST ROCKSTARS)が2002年に結成したジャムバンド・SHAGが、結成20年にして遂に1stアルバム『THE PROTEST JAM』を発表したのは昨年こと。同時に主催イベント『WHAT IS JAM?』を立ち上げ、日本にジャムバンドのシーンを根付かせるべく精力的に活動してきた。その1年間の集大成と言えるイベントが、8月11日の「山の日」に横浜BAY HALLで開催される『WHAT IS JAM? VOL.8』だ。
出演はSHAG、そしてSUGIZOが「日本のジャムバンドの頂点」と熱烈な賛辞を贈るSPECIAL OTHERS、さらにSHAGのメンバーである別所和洋のバンド、パジャマで海なんかいかない=通称「パジャ海(うみ)」と、同じくSHAGのメンバーであるKenKenの参加するAfro Begueなど、多種多様の音楽が入り乱れる一大パーティーだ。ジャムバンドのシーンの勃興にかける彼らの熱い思いを伝えたく、SHAGからSUGIZO、KenKen、別所和洋、そしてSPECIAL OTHERSから宮原"TOYIN"良太、又吉"SEGUN"優也、柳下"DAYO"武史、芹澤"REMI"優真を迎えた、7人のジャムの達人たちのトークバトル。イベントへの意気込みを語る言葉から始まった、即興演奏のような自由な言葉のグルーヴを楽しんでほしい。

――お一人ずつ、自己紹介というのも何ですが、イベントに向けて現在の心境を一言ずつお願いできますか?

KenKen:KenKenでーす。古い友達や、最近出会った新しい友達が入り乱れて、久々の楽しいパーティーが横浜でできて嬉しいです。よろしくお願いします。

又吉"SEGUN"優也:SPECIAL OTHERS、ベースの又吉です。こういうイベントってなかなかなくて、僕らとしては新鮮なので。楽しみです。

SUGIZO:SUGIZOです。SHAGというバンドをやっています。いろいろ僕のイメージがあるかもしれませんが、これこそが一番好きでやりたい音楽です。1周年目のこのイベントで、大好きなスペアザと共演できることが最高に嬉しいです。

柳下"DAYO"武史:ジャムをコンセプトにしたイベントということで、お呼びいただいて本当にありがたいです。久々に自由にジャムしちゃっていいのかなという思いもありつつ、楽しみながらやりたいなと思ってます。

宮原"TOYIN"良太:イベント名が『WHAT IS JAM?』とうことで、かなりジャムったライブにしたらいいのかなと思いつつ。中学の時から聴いていたSUGIZOさんと同じ舞台に立ててめっちゃ嬉しいです。

芹澤"REMI"優真:同じく、高校生の頃、このメンバーでLUNA SEAのコピーバンドをやらせていただいていた身としては、認識してもらっているだけで嬉しいです。呼んでいただいてありがとうございます。

別所和洋:別所です。SHAGももちろん楽しみですし、僕のバンド「パジャマで海なんか行かない」も出ますので。(横浜BAY HALLは)過去最大に海に近づいている気がしますので、楽しみです(笑)。

SUGIZO:最初に『WHAT IS JAM?』のコンセプトの話をさせていただくと、90年代からのニューヨークを中心としたジャムシーンが、僕はずっと好きだったんですね。みなさんご存じのように、その総本山がグレイトフル・デッドだと思うんですが、(彼らが体現してきた)ジャムであり、山であり、大自然であり、そういう感覚は日本ではシーンとしてまだないんですね、残念ながら。それをこれからみんなで構築することができたら素敵だなと思って、去年SHAGのメンバーで作戦を立てて始めたのが『WHAT IS JAM?』というイベントです。そして日本のジャムシーン、インストシーンを見ると、音楽的にも動員的にもスペアザが最高峰で、インストバンドで普通に野音ができて武道館ができる、スペアザという存在がいてくれるのは素晴らしいと思っています。ただ、そこに追随して来る層が出て来ていないので、そのシーンを作りたいという夢があるんですよね。そういうことを、『WHAT IS JAM?』を始めた時にKenKenとけっこう話していました。

KenKen:インストバンドで、最初に出てくる名前は当然スペアザですよね。俺は未だに最初にスペアザを聴いた時のことを覚えてて。21歳ぐらいの時に、デビュー前かデビュー1枚目のアルバムを、一緒に住んでいたDAG FORCEっていうラッパーに教えてもらって、聴いて驚いたのを覚えてる。そんなに年も離れてないのに、お洒落で、うまくて、雰囲気があって、“超カッケー”って思った。最初に話したのは、10年ぐらい前の福岡のフェスだったと思うんだけど。

柳下:サンセット(『Sunset Live』)?

KenKen:じゃないかな。「超ファンです」とか言って、メンバーに海で声をかけた(笑)。俺は確かRIZEで出てたのかな。憧れの人たちでしたよ。

宮原:今日はこんなに褒められるとは思わなかった(笑)。普段は褒められることなんてないのに。

又吉:慣れないね(笑)。

別所:スペアザとは長い付き合いで、僕がYasei Collectiveというバンドに入っていた時(2010-2018年)に、インストバンドの先輩として出会って、ライブを見に行かせてもらったり、ツアーの沖縄に勝手について行ったり。

柳下:「来なよ」って言ったら、「じゃあ行きます」って、普通に遊びに来てくれた。で、ついて6時間以内に携帯電話を落としてた(笑)。

別所:それで打ち上げに行けなそうになった(笑)。結局みつかって、めっちゃ飲みましたね、あの日は。

KenKen:青春を過ごしているんだね。

SUGIZO:僕が最初に会ったのはいつでしたっけ。『ap bank Fes '18』で一緒でしたよね。

柳下:近年では、そうですね。ただ僕が覚えてるのは、2005、2006年ぐらいに代官山UNITでお会いしたこと。当時はミクシィがあって、SUGIZOさんと「マイミク」させていただいて、「あのSUGIZOさんとマイミクになった!」って思ってました(笑)。

SUGIZO:その時はどういうイベントでしたっけ。

柳下:GOMA(ディジュリドゥ奏者)さんがいらっしゃいましたね。

SUGIZO:ああ、覚えてる。実は当時、もうSHAGをやってたんですよ。KenKenと一緒に。

KenKen:僕、17歳ですから。最初にSHAGをやったのは。

SUGIZO:その時は生ドラムがいなくて、DJのリズム、ベース、ギター、ヴィブラフォンで、クラブイベントにガンガン出ていた頃ですね。その時スペアザはデビューしたぐらいですか。なので、僕らの好きなインストやジャムのシーンでガンガン行けるバンドが出て来たんだって、衝撃がすごくありました。

KenKen:当時はPhish(フィッシュ)だったり、ジャムバンドが好きな洋楽好きはいっぱいいたんだけど、たとえばRIZEとかDragon Ashとかが出てるようなイベントにそういうバンドが出るのは、結局今もスペアザしかいないよね。それってすごく大事なことだと思ってて、俺たちがいろんな壁を頑張って超えなきゃと思っていたのを、勝手にフッと超えていく人たちがいると、めちゃ助かる(笑)。俺は、RIZEみたいなサウンドとジャムやインストのサウンドは別だと思ってたけど、それを同じシーンでやれるのは、一番音楽的なことだと思うので。

又吉:フェスの文化って、いろんなジャンルの音楽が聴ける場所じゃないですか。フェスはそういうものであるべきだなって、僕は思うんですね。もちろんコンセプトがあって、ロックの人たちをいっぱい集めるとかも全然ありだと思うけど、いろんな音楽に触れるのがいいなと思うので。

KenKen:だから今回のイベントがすごく面白いのは、パジャ海も出て、俺はAfro Begueっていう、アフリカのセネガルの人とやってるバンドでも出るんだけど、ジャンルは全部違うじゃん。けどジャムなんだよね。

別所:そういえば、スペアザのファンの人って、テーパーの人がいるじゃないですか。あれ、いつもやってるんですか。

宮原:あれはね、すごくハードルが高いの。メジャー(レーベル)に所属してると、超えないといけない壁。

SUGIZO:テーパーって何?

宮原:グレイトフル・デッドとかから始まった文化なんですけど、マイクを立てて、ライブを録音する人たちがいて。「自分の持ってるのはこれで、あなたの持ってるそれと交換してくれ」とか、やってるんですよ。

SUGIZO:ああ、それでテーパー(Taper:アナログテープに録音する人)。それは日本では難しいだろうね。

芹澤:俺ら、武道館で一回だけOKにしたんですよ。だから、できなくはないんですけど。

柳下:あのときは「テーパーズ・チケット」といって、エリアを解放して、録音可能にしたんです。

SUGIZO:日本でジャムというシーンが巨大になりにくいのは、そういう文化がないせいもあるよね。ライブを自由に録音して交換するとか、それを一つのカルチャーとして認識することが根付いていないからかもしれない。

KenKen:ミックステープの文化とかもそうだよね。

SUGIZO: 僕がジャムという言葉をちゃんと認識したのは2000年ぐらいで、フィッシュ、ソウライブ、レタスとかを聴いて、「こういうことがすごくやりたかった」って思ったんです。97年に自分のソロのツアーをやった時に、DJ KRUSH、ミック・カーンと一緒に回って、3人でジャムを延々とやってたんですよ。それがすごく良くて、即興に目覚めたんだけど、そのシーンを掘っていくと60年代に行きついて、(大型フェスの原型とされる)『ウッドストック』もまさにそういうシーンですよね。たとえばジミヘンはロック畑、スライはファンク畑として認識されるけど、みんな即興でやってて、フリーな感覚でみんなが高揚できるのはすごいなと。そこにはドラッグもアルコールもあったから、日本では難しいと思うけど、スペアザはビール片手にライブを見てると最高だという、日本では稀有な存在なので。そこに後続してくれる新しいアーティストが、バンバン出て来るべきだなと思っているんですね。

KenKen:いい意味で、見てなくていいんだよね、ジャムって。好きにしていい。逆にずーっと見られても困る(笑)。「みんな好きにしてる中で、俺らはずっとやってるからさ」ぐらいの感じがいいよね。

宮原:俺たちもそういう感じで聴いてほしいと思ってます。

柳下:海外では、けっこう気楽に聴いてるお客さんが多いですよね。日本のお客さんは、アーティストに失礼のないように、周りにも気を使ってきっちりと聴くみたいな、それはそれで日本のいい文化だと思うけど。

芹澤:外国のクラブ好きの人が日本のクラブに遊びに来て、びっくりするらしい。「なんでみんなDJのほうを見て、体操みたいに体動かしてるの?」って。

SUGIZO:良くも悪くも真面目なんだよね。日本人は。

柳下:そこをもうちょっと、周りをケアしつつも楽しく自由にできるような文化になっていけば、ジャムというものも良いほうに変わっていくんじゃないかな。

芹澤:俺らが10代の頃、ジャムバンドが大好きな青春時代を過ごして、今またこういうイベントに出会えるのも、高校生の時にLUNA SEAのコピーバンドをやってた俺らが、SUGIZOさんと出会って同じイベントに出るというのも、まさにジャムみたいなものだと思うし。DJのほうを向いて聴く人も、遊び慣れた人も、とにかく音楽だけ聴きたい人も、全員がここに集まって楽しめたらいいなっていうのが、俺の望みだったりします。本当の意味で自由なものだから、ジャムは。

SUGIZO:表現手段ではあるけど、カテゴリーではないからね。「自由であること」が俺にはすごく大切で。それこそジャンル関係なく、ヒップホップがいてもロックがいてもいいし、パンクがいてもプログレがいてもいい。ジャズがいてもいい。そこでみんなが即興で会話をするというところが、とても音楽的だなと思うんですよね、人間的で。だって、人間の会話って全部即興じゃないですか。

KenKen:そこで、しゃべるより楽器のほうが得意な人もいるし。

SUGIZO:スペアザって、完全即興はやります?

宮原:曲間でやったりしますね。曲の中では、場所を決めてやります。「ここはフリーで」とか。

SUGIZO:スペアザの音楽を聴くと、インストでジャムなんだけど、ちゃんとポップスとして成立していて。AメロBメロがちゃんとあって、歌ものと同じように聴ける。それがたぶんポピュラリティの重要なポイントの一つだと思うんだけど、でもしっかりとジャムを感じる、ぎりぎりのバランスってすごく大事じゃないですか。

芹澤:わかります。

SUGIZO:マニアックに行き過ぎちゃうと、一般リスナーがついて来れない。SHAGはどっちかというとやりすぎるんですよ(笑)。

Kenken:すいません! って(笑)。謝りながらやりすぎる。

SUGIZO:とはいえ行くところまで行っちゃうのが楽しいんですよ。それこそ60年代後半から70年代初期のマイルス・デイヴィスって、行き過ぎるところまで行くじゃないですか。1曲が1時間あったりとか。SHAGはそっちの方向に行っちゃうんだけど、たとえばマイルスのバンドなら、ハービー・ハンコックとかチック・コリアとかがちゃんと同じようなことをやりながらついて行く。そのバランスがすごく重要だなと思っていて、スペアザもそうですよね。見ていて、すごく勉強させられます。

KenKen:パッと聴いたら「あ、スペアザだ」っていうものが個々にある、それってミュージシャンにとって一番大事なことだと思う。だからそれぞれやってることは違うけど、仲良くできるんじゃないかな。(感性が)まるっきり違う人とやるのも面白いしね。だからきっと、優しさなんだよ、ジャムって。結局「人をどう思うか」みたいなことになって来るし、その究極なんだと思う。人の音を聴いてなかったら、なんにも楽しくない。煙草を吸おうと思ったら灰皿をくれる、みたいな(笑)。「お、ありがとう」っていうものを音で返す。そういうことなんだと思う、ジャムって。

芹澤:熟年夫婦が、後ろを振り向くだけで「はい、お茶ね」ってわかるみたいな(笑)。でもいつの日からか、ドラムのスネアの叩き方で、これからどういう展開がしたいのかがわかるような感覚があるんですよ。それって本当に熟年夫婦のお茶みたいなもので、ほかの人が聴いたらただ(音が)強いか弱いかぐらいの差なんだけど、「ここで展開するんだろうな」ということがわかるようになったりとか。

宮原:(無言でうなずく)

KenKen:全員でやってて、0,2秒先が一緒だったりすることもあるよね。あれは未来予知に近い。

芹澤:テレパシーだね。あの意識だけは、ChatGPTにも解析できない。

KenKen:しかも毎回違うわけで、人の違いを楽しんだり、空気の違いを楽しむみたいな感じがあるから。あれはどんな快楽よりも上にあるよね。ゾクッとする感じ。

芹澤:たぶんこのライブの当日にも、まだ一緒に音を出したことのないSUGIZOさんの音に、それを感じられることがあるかもしれない。「たぶん今、SUGIZOさんはこうしたいんだろうな」みたいなことがわかって、ついていけたりもするし。もう、一緒にやる前提でしゃべってるけど(笑)。

SUGIZO:SHAGとスペアザは、すごく面白い組み合わせだと思うんですね。伝わるところに伝われば、めちゃめちゃいいイベントになると思います。

柳下:僕らもずっとインストバンドとして、ジャムというものをテーマにしてやってきてはいたんですけど、カルチャーを作ろうみたいなことは、意外と僕らにはなかったので。SUGIZOさんがこういうふうに渦を作って、カルチャーとして広げていこうというところに、一緒に参加できることが本当に嬉しいし、めちゃくちゃ楽しいです。

SUGIZO:僕もすごく嬉しいです。強く思うのが、やっぱりシーンをちゃんと作っていかないと、大きくなりにくいんですよ。音楽だけじゃなく、世の中ってそういうもので、一つのアーティストや一つの表現者がものすごく実力と知名度と結果があったとしても、シーンができて来ないと、そこだけが孤立して終わってしまう。大切なのは、この感動やかっこよさをちゃんと伝えたいし、知ってもらいたいし、できれば「こういう音楽をやりたい」という次の世代が出て来てほしいと思うので、近い精神性や趣味嗜好を持った仲間が徒党を組むことはすごく大切だと思います。さっきの話とは真逆ですけどね。音楽のカテゴリーはフリーでいいという話とは真逆のことを言ってるんだけど、やっぱり一度しっかり徒党を組んで、近しい人たちが集まって、土壌を作るのは大事だと思うので。その上でまたフリーにしていけばいいから。だから今は「ジャム」というキーワードで、共感できるアーティストがこうやって集まること。スペアザのようにすでにそこの頂点にいる人たちが、ちゃんと日本にいるということで、将来が楽しみで仕方ないです。

KenKen:さんざんやってきて、今集まるというのがいいよね。

芹澤:今だからこそ、だね。

SUGIZO:芹澤くんは、もともとピアノをやってたんでしょう?

芹澤:やってないです。バンドの中で圧力がかかって、やっただけです(笑)。20歳ぐらいで、ドレミファソラシドの指使いを初めて覚えました。

SUGIZO:え〜! 信じられない! この前、二人(芹澤&別所)のピアノのコンサート(『2PIANO4HANDS「芹澤優真×別所和洋」』4月10日 月見ル君想フ)に行ったんですよ。素晴らしかった。大人になってから鍵盤を覚えた人のピアノにはとうてい聴こえなかった。

芹澤:途中であきらめたんですよ。子供の頃からピアノを習ったり、音大に行ったりしてる人たちとは、圧倒的にスキルが違いすぎて。だったら自分の性格とか、思いとか、ロックやハードコアが好きだとか、そういう気持ちを100パーセント乗っけて、それで面白いと思ってくれればいいやって。技術で闘ってもかなわないから。そしたら「いい」って言ってくれる人が出て来たんです。

SUGIZO:ちゃんと音があるよね、芹澤くんの音が。ちょっと歪んだローズ(エレクトリック・ピアノ)の音のイメージがすごくあって。さっきKenKenが言った「一発でわかる音がある」というのは、それが最も大事なところだって俺も思う。(柳下に)ずっと175(ギブソンES-175)じゃないですか。あれもすごいよね、一発でわかる。

柳下:インストバンドは歌がないので、個性としてはちょっと難しいんですよ。歌声よりも楽器の音は、一般の人には届きづらいと思うので、だったら一つの音を使っていこうって、途中で決めました。

SUGIZO:あのギターの音が、ボーカルの声のような存在かもね。なかなかいないですよ、そういう人。逆に俺は、ギターをコロコロ替えちゃうから。

柳下:そういうのにも憧れます(笑)。

SUGIZO:1本でいければいいんだけど、納得いかなくてついつい替えちゃう。ずっとセミアコがいいと思ってたんだけど、この3年ぐらいはフルアコを弾いてます。(柳下のギターは)ものすごくいい音を出されるんですよ。50年代の175で、(ピックアップは)P-90。ものすごくいい音がする。

柳下:癖があるんで、扱いづらいですけどね。

SUGIZO:その癖が、SPECIAL OTHERSのサウンドの肝になってるから、すごいんだよ。あと、別所くんのバンドの話もしないと。僕、パジャ海のすごいファンなんですよ。

別所:僕のバンドはインストじゃないんですけど、ジャム感はすごくあります。僕とベースとドラムがジャズ寄りの演奏者なので、歌ものなんですけど、かなりジャムセクションが多いので、ジャム好きな人も楽しめるだろうし。ほんと、かっこいいんですよ、うちのバンド。自分で言うのも何ですけど、いろんな人に見せたいバンドです。

SUGIZO:パジャ海は、若いリズム隊二人がまたすごい。音楽が好きになった頃から、ディアンジェロとかが普通にいる世代だから、そういうグルーヴが当たり前に出せる。ここにパジャ海がいるのはすごくいいと思いますね。KenKenのAfro Begueとパジャ海が一緒に出るのも、すごくない?

KenKen:Afro Begueも、みんなに紹介したいな。Afro Begueのリーダーのオマール・ゲンデファルっていう奴は、セネガルのグリオっていう伝承音楽家一族で、500年ずっとジャンベしか叩いてませんみたいな、グリオの一族以外はその楽器に触っちゃいけないというぐらいの一族。歌舞伎の中村屋みたいな感じ。いろんなアフリカのミュージシャンとやったけど、レベルが違くて、そいつが最初に「カン!」って一発叩いた時に、ソニックウェーブ(衝撃波)が見える(笑)。見たら絶対わかるよ。ミュージシャンというより、「音楽がここにいるぞ」って感じ。

SUGIZO:曲、すごいかっこいいよね。歌もすごくいい。そこにSHAGとスペアザがいて、ほかにもいろんなミュージシャンが出てくれる。僕は、これをきっかけにもっとスペアザとやりたいと思っています。仲良くしてくれたら。

芹澤:こちらこそ。

又吉:お願いします。

柳下:今日は持ち上げられすぎて(笑)。逆に恐縮です。

SUGIZO:ジャムは素晴らしい音楽で、これをちゃんと日本でも大きくしたいなという夢があるので、ぜひ今後もご一緒できたらと思います。一緒にインストシーンを大きくしましょう。そのうち、野外で5,000人とか1万人を集めて、こういうバンドだけが集まるシチュエーションを作れることが夢ですね。


取材・文=宮本英夫
撮影=大橋祐希
SUGIZOヘアメイク=酒井夢美

ライブ情報

WHAT IS JAM? VOL.8 “THE 1ST ANNIVERSARY”
【会場】YOKOHAMA BAY HALL 〒231-0801 神奈川県横浜市中区新山下3丁目4-17
【開場】16:00
【開演】17:00

【出演】
SHAG (SUGIZO, KenKen, 別所和洋, 松浦千昇, 類家心平, よしうらけんじ)
Special Others, Afro Begue
パジャマで海なんかいかない, HATAKEN
坪口昌恭, Yumi Iwaki, Kenichi Takagi, tatata5
GIVE UP GUYS


【料金】スタンディング ¥6,600税込 アンダー23 ¥3,300税込
※入場時別途ドリンク代 ¥600 ※整理番号付き ※3歳以上要 ※一人1申込4枚まで
※アンダー23 学生証や免許証・パスポートなど顔写真つきのご年齢のわかるものをお持ちください。公演当日、23歳以下と確認ができない場合は差額をいただきます。
【受付ページ】https://eplus.jp/whatisjam/
【問い合わせ】DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/
 
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