BIGMAMA『RUSH BALL 2023』ライブレポートーー挑戦し続けるバンドの決意、新たなチャプターを刻んだ渾身の35分
BIGMAMA 撮影=河上良
『RUSH BALL 2023』BIGMAMA
FM802 DJの大抜卓人曰く「『RUSH BALL』の軌跡と未来が詰まった」最終日。大抜に「『RUSH BALL』に欠かせない、色んなドラマを生んできたバンド」と紹介され、GREENSの力竹総明に「事前にハッパをかけたので、ライブは期待してもらっていいと思います!」とハードルを上げて、トップバッターのBIGMAMAが呼び込まれる。いよいよ『RUSH BALL 2023 25years Goes On!』最終日が開幕!
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金井政人(Vo.Gt)が爽やかに最新曲「Time is like a Jet coaster」をワンコーラス歌い、「始めようぜ『RUSH BALL』!」と叫ぶと同時にBucket Banquet Bis(Dr)の豪速ドラミングが炸裂。安井英人(Ba)のグルーヴィなベースと柿沼広也(Gt.Vo)の鋭いギター、東出真緒(Vio.Key.Cho) のバイオリンの高音が泉大津の空に吸い込まれる。5人がステージから放つ迫力は凄まじく、ビリビリと鳥肌が立った。
続けざまに「POPCORN STAR」を披露。さらに「the cookie crumbles」「Strawberry Feels」と一切勢いを緩めることなく、唯一無二のアンサンブルをこれでもかと投下し続ける。チャイコフスキーの『白鳥の湖』を再構築した「Swan Song」のイントロでは客席から歓喜の声が上がる。彼らにしか作れない世界観はさすがとしか言いようがない。
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一気に6曲を駆け抜け、ラストスパートに「MUTOPIA」を高らかに響かせる。曲中、金井が「踊れー!」と叫ぶと客席はジャンプの大騒ぎ。さらに「泉大津ご案内します、シンセカイへ」と言って初期から鳴らし続ける「荒狂曲“シンセカイ”」を、ラストはまだライブでしか聴けない「虎視眈々と」を怒涛のように叩き込んだ。20年以上のキャリアを重ねた安定感に同居するヒリヒリ感。それは彼らが挑戦を続けるからこそ生まれるものだろう。
今年は、これまでリリースした全149曲を25箇所のライブハウスで演奏するツアー『BIGMAMA COMPLETE』を完遂した彼ら。秋には新体制初のアルバムリリースに加え、バンド史上初のZeppツアーを行う。「挑戦することでしか、たどり着けない未来がある」決意の深さをまざまざと見せつけた、渾身の35分だった。
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取材・文=久保田瑛理 撮影=河上良
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