落語家・立川談春が電車の中で公開収録!芸歴40周年を迎えた心境を語る、FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS -AFTERNOON EDITION-』イベント公式レポート
FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS -AFTERNOON EDITION-』公開収録
大阪のラジオ局・ FM802にて、毎週土曜日(12:00〜18:00 )に放送している番組『SATURDAY AMUSIC ISLANDS -AFTERNOON EDITION-』が、ゲストに落語家の立川談春を迎えた公開収録を、11月28日(火)にJR桜島駅に停め置いた環状線車内にて開催した。数々の映画・ドラマへの出演等マルチな才能を発揮し今最も旬な落語家のひとりとしても活躍をする立川談春が、この度芸歴40周年を記念して、森ノ宮ピロティホールにて10か月連続公演を実施することが決定。記念すべき周年公演を迎えるにあたり行われた、電車内というスペシャルなシチュエーションでの公開収録のオフィシャルレポートをお届けする。なお、この日の模様は2024年1月6日(土)の同番組にて一部オンエア!お聴き逃しなく。
FM802 DJ 樋口大喜、立川談春
落語家・立川談春が芸歴40周年の特別企画として来年1月から大阪・森ノ宮ピロティホールで10カ月連続の独演会を実施することを発表!それを記念して樋口大喜がDJを務める『SATURDAY AMUSIC ISLANDS -AFTERNOON EDITION-』へのゲスト出演が決定し、11月28日に公開収録を行った。場所は森ノ宮ピロティホールの近辺を走るJR西日本の電車の中という異例のシチュエーション! JRゆめ咲線・桜島駅のホームに停まった電車を貸し切り、お昼の13:30に収録がスタートした。
座席の両側に招待リスナーが10名ずつ着座すると、落語に造詣が深く自身も高座で落語を披露したことがあるDJの樋口大喜が着物姿で現れる。その元気よくアットホームな前説に少し緊張気味だったリスナーの顔がほころんだ後、いよいよ立川談春がお囃子に乗って登場! のっけから入口でつまずくようなパフォーマンスで樋口の近くまで飛び出し、高座では見られない談春師匠のお茶目な姿に場内がワッと盛り上がる中、大きな拍手の下で収録が始まった。
新春1月6日の放送予定ということもあって、まずは立川一門のお正月の過ごし方の話へ。自身の著書『赤めだか』で描かれていたような一門の賑やかな様子を軽妙に話して笑いを誘ったかと思えば、落語の成り立ちや声のトーンやリズムなど“話すコツ”について真剣に語って観客の心を惹きつけ、緩急の効いた語り口にグイグイ引き込まれていく。その中で古典落語「夢金」の一節を披露するという嬉しいサプライズもあり、車内は大きな拍手に包まれた。やがて話題は芸歴40周年を迎えた自身の心境へ。これまで“もっと上手くなる“という気持ちでやってきたからこそCDやDVDなどの記録作品は出してこなかったという。
「“まだまだできる”とやってきたけど、60歳目前になって“今がピークだったらどうするの?”という気持ちに初めてなった。そろそろ自分も腹を決めて“ここまではやりました”という何かを残さなきゃいけないと思った」芸歴40周年の来年は東京で20公演40席、大阪では10公演20席の高座を披露する予定だが、そこに向けて「音楽で例えるならば東京公演は自分のベストアルバムを作るという気持ちで臨み、大阪公演は大阪では披露されてこなかった影に隠れている演目にチャレンジするつもり」と話す。最後に樋口大喜から「師匠のこれからの夢は何でしょう?」という質問に答え、全員で記念撮影をして収録は終了! “夢”についての回答など公開収録の模様の一部は2024年1月6日(土)の『SATURDAY AMUSIC ISLANDS -AFTERNOON EDITION-』で放送される予定なので、ぜひチェックしてほしい。
10カ月連続公演の前には大阪フェスティバルホールでの高座を12月28日(木)に開く。“人情噺”と銘打たれた本公演の演目は談春の十八番とも言える古典落語の名作「芝浜」。昨年改編にチャレンジして20代、30代、40代の若い女性にも共感が得られるような新しい解釈の「芝浜」を見せるという。17歳のときに師匠・談志の「芝浜」を聞いて立川一門への弟子入りを決意した談春が何度も披露してきた“これまでの「芝浜」”と、自身が惹かれた“談志の「芝浜」”、そして“新しい解釈の「芝浜」”を落語立川流創設40周年であり、師匠・談志の13回忌を迎えた2023年の締めくくりに披露する。会場のフェスティバルホールは、さだまさしとの縁によって2008年12月に談春が自身初めて独演会を開いた場所でもあり、15年以来毎年開催している恒例の公演だ。いつまでも落語の面白さを追求して広く世に広めたいという立川談春のチャレンジに触れて、その洒脱な話芸でぜひ年を締めくくってほしい。
取材・文=前田由香 写真提供:FM802(撮影:渡邉一生)