新しい年の幕開けを華やかに盛り上げた『カウントダウン ミュージカルコンサート 2023-2024』 オフィシャルレポートが公開
『カウントダウン ミュージカルコンサート 2023-2024』
2023年12月31日(日)東京国際フォーラム ホールAで開催した『カウントダウン ミュージカルコンサート 2023-2024』のオフィシャルレポートが公開された。
ミュージカルへの愛と楽しさ満載のカウントダウンミュージカルコンサート オフィシャルレポート
『カウントダウン ミュージカルコンサート 2023-2024』が、2023年12月31日、東京国際フォーラムホール Aにて開催された。甲斐翔真、木下晴香、sara、東啓介、平間壮一、三浦宏規、森崎ウィン、屋比久知奈、そして海宝直人の9名の次世代を担うミュージカルスターが、ともに年越しを過ごそうと集まった5000人の観客を魅了。新しい年の幕開けを、華やかに盛り上げた。
最初のオーバーチュアで演奏されたのは耳馴染みのある楽曲ばかり。早速心が弾んでくる。続いて聴こえてきたのは、『レ・ミゼラブル』の「One Day More」だ。ひとりずつ登場しながら歌い、どんどん声を重ねていく様がワクワクさせる。楽曲の力強さも相まって、一気に会場の熱が上がった。今回の構成・演出を担ったのは、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』、『グリース』『ネクスト・トゥ・ノーマル』など、数多くの作品を手掛けている上田一豪。音楽監督を、井上芳雄などのアーティストに支持されている大貫祐一郎が務め、クリエイティブ陣も冒頭から手腕を見せた。
全員がステージに揃ったところで、海宝がMCの口火を切る。「唯一の昭和生まれの自分が最初にしゃべるというお達しがあったので」と笑わせながらしっかり挨拶するも、「次の時代を担う若手スターというのがこのコンサートの主旨なので宏規くんに回していただこうと思います」とすぐに三浦にバトンタッチ。三浦が仕切って思い思いの自己紹介が始まった。しかし、カウントダウンに合わせなければならないためにタイムキープが厳しく、しゃべりすぎると大貫がピアノで合図。平間が「(0時を)超えちゃってもいいよね〜」と呟くなど、和気あいあいの空気が伝わってくる。このあとも曲の合間にMCが入り、今回が初共演の二人組でのトークもあったが、甲斐が木下に「どういう人なんですか」と聞いたり、森崎がsaraの苗字を聞き出してしまったり、笑いが絶えなかった。なかでも三浦の、「小学生のときに毎朝、『さぁ今日も俺の輝かしい人生が始まる』と言って学校へ行っていた」というエピソードには会場中が爆笑。歌はもちろんだが、MCから透けて見えるそれぞれの素顔も、観客は大いに楽しんだ。
甲斐翔真
木下晴香
sara
東啓介
平間壮一
三浦宏規
森崎ウィン
屋比久知奈
海宝直人
さて、MCのあとは、デュエットやソロで様々な楽曲を披露し、8名のダンサーたちが各曲の世界観を創り上げていく。それぞれが出演した作品からの楽曲では、東が『ジャージー・ボーイズ』の「Oh What a Night」を、甲斐が『デスノート THE MUSICAL』の「デスノート」を、三浦が屋比久とともに『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』の「Suddenly Seymour」を、『ピピン』の「Corner of the Sky」を森崎が歌い、『ロミオ&ジュリエット』の「Aimer」を、21年に出演した甲斐と17年・19年に出演した木下が、主演作『赤と黒』より「赤と黒」を三浦が熱唱。『RENT』の「I’ll Cover You」では、平間が演じたエンジェル役を彷彿とさせるパフォーマンスを東と見せた。『モーツァルト!』の「ダンスはやめられない」を歌った木下、『ミス・サイゴン』の「命をあげよう」を歌った屋比久、『In the Heights』の「In the Heights」を歌った平間も役を思い起こさせる。海宝と木下の『アナスタシア』「In a Crowd of Thousands」はセリフもあり。『ネクスト・トゥ・ノーマル』の「I’m Alive」はダブルキャストだった海宝と甲斐で。『ヘアスプレー』の「You Can’t Stop the Beat」を三浦と平間が踊りまくり、海宝が『ノートルダムの鐘』の「Out There」をたっぷり聴かせた。本公演だけのスペシャルコラボとなったのは、sara の『CHICAGO』(All That Jazz)、森崎と sara の『塔の上のラプンツェル』(輝く未来)、木下と屋比久の『Wicked』(あなたを忘れない)。そして、全員で歌った『RENT』の名曲「Seasons of Love」は、その歌声の豊かさが沁み入った。
圧巻は2023年に上演された作品のメドレーだ。甲斐・木下・sara・屋比久による「Lady Marmalade」を皮切りに、『SPY×FAMILY』(森崎)『キングアーサー』(平間・屋比久)『エリザベート』(甲斐)『ザ・ビューティフル・ゲーム』(木下・東)『ドリームガールズ』(木下・sara・屋比久)『ジェーン・エア』(屋比久)『ザ・ミュージック・マン』(東)『ファインディング・ネバーランド』(森崎)『ラグタイム』(東・屋比久)『スクール・オブ・ロック』(甲斐)『のだめカンタービレ』(三浦)『クレイジー・フォー・ユー』(sara・平間)まで走り抜け、全員揃ったところでカウントダウンが始まり、0時とともに「ハッピーニューイヤー」の声が響く。まさしく 2023年に楽しんだミュージカルを振り返りながら新しい年を迎えることができるとは。出演者にも観客にも、貴重な機会となったに違いない。
フィナーレで『Rock of Ages』から「Don’t Stop Believin’」が歌われてさらに盛り上がったあと、アンコールで『コーラスライン』の「愛した日々に悔いはない」が披露された。その歌詞が、ここに集った、ミュージカルを、舞台を愛する者たちの思いに重なっていく。この次世代のスターたちがいれば、これからもきっと良き作品に出会えるはず。そんな期待を募らせながら幕は閉じた。
レポート=大内弓子 撮影=福岡諒祠(株式会社 GEKKO)