『大阪アジアン映画祭』まもなく開催、アップ&プーウィン主演作などタイ作品8作、金馬奨主演女優賞で歴代最年少受賞作品など台湾7作品ほか上映
3月1日(金)から10日(日)の期間、大阪の4会場にて『第19回大阪アジアン映画祭』が開催される。
「アジアの作品であること。または、アジアと深い関係を有する作品であること」が全部門共通の条件となり、暉峻創三プログラミング・ディレクターが全作品を決定する同映画祭。ジャンルなど一切問わず、今、世の中に伝えたい63作品(うち、世界初上映14作、海外初上映11作、アジア初上映6作、日本初上映22作)、24の国と地域での制作作品が上映される。
『盗月者』 (C)2024 Emperor Film Production Company Limited MakerVille Company Limited All Rights Reserved
スペシャル・オープニング作品は、香港の人気グループMIRRORのメンバーが主演の一角を担う、東京でも撮影されたスタイリッシュな犯罪ドラマ『盗月者』、クロージング作品はアメリカ映画初主演となる井浦新が、「東京から来たカウボーイ」に扮する注目のヒューマンドラマ『東京カウボーイ』に決定。そのほか『カンヌ映画祭』上映、遅咲きの女性に突然訪れた人生の転機を描く『ブラックバード、ブラックバード、ブラックベリー』などもラインナップされている。
『東京カウボーイ』
また特別企画として、「タイ・シネマ・カレイドスコープ」を用意。都会で孤独を感じる男女のスタイリッシュなラブストーリー『仮想』、ナデート・クギミヤ主演のWEBで話題沸騰のホラー伝説を映画化した『ティーヨッド 死の囁き』が選ばれている。これに伴い、アップ・プーンパットとプーウィン・タンサックユーンが出演する『フンパヨン 呪物に隠れた闇』など、2022~23年の間にタイ本国で上映され、日本または海外初上映となる注目の映画8本が上映。そのほか「台湾電影ルネッサンス2024」、「Special Focus on Hong Kong 2024」と題された、台湾と香港作品に関する特別企画も発表されている。その他の国や地域の作品はHPをチェックしよう。
●タイ
・『親友かよ』【コンペティション部門】
『親友かよ』 (C)2023 GDH 559 AND HOUSETON CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
突然の事故で亡くなった級友を偲ぶショートムービーを作ることになった少年が、級友の生前の秘密を知ってしまい……。青春と友情、映画作りへの情熱を描いた物語。アカデミー賞タイ代表作。アンソニー・ブイサレート(『ユー&ミー&ミー』(OAFF2023))、BNK48のフォン(ナッティチャー・チャンタラワーリーレーカー)が出演。
ゲスト:アッター・ヘムワディー(監督)、バズ・プーンピリヤ(プロデューサー)
・『Solids by the Seashore (英題)』【コンペティション部門】
『Solids by the Seashore (英題)』
家族から結婚をせかされているイスラム教徒の女性シャティは、防波堤がテーマの美術展の為にタイ南部の町を訪れた芸術家の女性フォンと出会う。砂浜を侵食する波の音。二人は惹かれ合いながらも葛藤の波に飲み込まれていく。『マンタレイ』(2018年ヴェネチア国際映画祭)や『時の解剖学』(2021年東京フィルメックスグランプリ)で助監督を務めたパティパン・ブンタリクの長編デビュー作。2023年釜山国際映画祭NETPAC賞受賞。
ゲスト:パティパン・ブンタリク(監督)、アイラダ・ピツワン(出演)
・『フンパヨン 呪物に隠れた闇』
『フンパヨン 呪物に隠れた闇』
出家した兄のティーに会うため、旅に出たタム。ドンシンタム島の寺院で、ティーが住職を殺して消えたという噂を耳にする。人形に妄信的な信仰を寄せる村人たち。やがて村を恐怖に陥れる奇怪な出来事が起こっていく。タイBLドラマ『Lovely Writer The Series』や『Step by Step』などに出演しアップ・プーンパットと、『The Gifted Graduation』や『Fish Upon the Sky』などに出演したプーウィン・タンサックユーが主演している。
ゲスト:ポンタリット・チョーティグリッサダーソーポン(監督)
・『仮想』
『仮想』
SNS上で気に入った女性と対面を果たした男。2人は惹かれ合うが、彼女は度々姿を消してしまい……。都会で孤独を感じる男女のスタイリッシュなラブストーリー。46歳で亡くなった監督の遺作。
ゲスト:シワポーン・ポンスワン(プロデューサー)、タッダナイ・プラマーン(プロデューサー)
・『ティーヨッド 死の囁き』
『ティーヨッド 死の囁き』 JOINT VENTURE MAJOR JOIN FILM AND BEC WORLD
50年前の農村を舞台に、悪霊に取り憑かれた妹を救うため、元軍人の長男が家族とともに闘う! WEBで掲載された話題沸騰のホラー伝説に着想を得て映画化。東南アジアの各国でも公開された。『愛しい詐欺師』のナデート・クギミヤ主演作。
・『ブレイズド・アウェイ』(短編プログラムE内)
『ブレイズド・アウェイ』
家族のもとに帰る恋人を孤独を感じながら見送った若い女。翌朝、彼女は飼っていたウサギが部屋で死んでいるのを見つける。昨夜のデモの喧騒が原因と考えた彼女は、以前会ったことのあるデモ実行者の少年のもとへ行き……。アノーチャ・スウィチャーゴーンポン(『暗くなるまでには』(OAFF2017))らが率いるプリン・ピクチャーズ主催、Netflixスポンサーのワークショップから生まれた一作。
ゲスト:スパマート・ブンニン(監督)
・『さよならの言い方』(短編プログラムD内)
『さよならの言い方』
寮のルームメートで仲良しの女子2人。大学卒業後、片やイギリスに渡り、片や写真家を目指す彼女たちが一緒に過ごせる時間は残りわずか。学生生活を共にした親友との別れの日までを瑞々しく描く。
ゲスト:タンヤチャノック・アピサムポークン(監督)
・『葬儀屋』
『葬儀屋』
病気の父に代わり、村でおくりびと(葬儀屋)をすることになった青年。でも幽霊が怖い。そこで元カノの幽霊に会いたいという男に助手をしてもらうことに。タイで大ヒットの心温まるコメディホラー。
ゲスト:ティティ・シーヌアン(監督)
●台湾
・『サリー』(台湾、フランス)【コンペティション部門】
『サリー』
養鶏で泥まみれの毎日を過ごすうち中年にさしかかっていた女性が、出会い系アプリでフランス人と恋に落ちる。ロマンス詐欺だと周囲に言われるなか、彼女は愛を確かめにパリへ行き……。自分を愛する大切さを描くヒューマンドラマ。ヒロインの弟役でリン・ボーホン(『僕と幽霊が家族になった件』)が出演。釜山国際映画祭上映作。
・『トラブル・ガール』【コンペティション部門】
『トラブル・ガール』 (C)Geppetto Film Studio
小曉はADHDの少女。学校では孤立し、家でも母親とはうまくいかず、父親は仕事で不在がち。彼女を理解してくれるのは担任のポールだけだった。しかし、嵐の日、彼女は母親とポールの不倫を見てしまい……。小曉を演じたオードリー・リンは金馬奨主演女優賞で歴代最年少(12歳)受賞。
ゲスト:ジン・ジアフア(監督)
・『春行』【特別注視部門】
『春行』
不便な山中で暮らす高齢の夫婦。妻はくどくどと文句を言いながらも、脚の悪い夫を支えている。夫は妻に悪態をつきながらも頼りにしている。仲がいいのか悪いのか、そんな夫婦にある日突然……。全編、スーパー16ミリで撮影されたという独特な画調と、静かで緩やかなリズムが心を打つ。サン・セバスティアン国際映画祭最優秀監督賞。シンガポール映画祭脚本賞、妻役のヤン・クイメイが最優秀演技賞。
・『BIG』
『BIG』
小児がん病棟で共に暮らす、異なる背景を持つ6組の家族の悲喜こもごもを描いた感動のヒューマンドラマ。ドキュメンタリー撮影で出会った少女の明るさに衝撃を受けた監督が製作を決意。『セデック・バレ』(OAFF2012)、『52Hz, I love you』(OAFF2017)監督最新作。
ゲスト:ウェイ・ダーション(監督)、フェイフェイ・チェン(出演)
・『馬語』(短編プログラムC内)
『馬語』
段ボールと荷物が散らかり放題の大きな古いアパートの一室。引っ越しのため、荷造りをしようとしていた女性の前に、突然、茶色の馬が現れる!? 彼女と馬は言葉もなく互いに見つめ合い……。金馬奨上映作。
ゲスト:ラン・イーズ(監督)
・『ちょっとだけ逃げてもいい?』(短編プログラムB内)
『ちょっとだけ逃げてもいい?』
太陽が輝き活気に満ちた朝、不動産屋の男は圧迫感と息苦しさを感じていた。行き場のない彼は長年売れ残っている家に向かい、コールガールを呼び出すが、そこには思わぬ展開が待っていた。高雄映画祭上映作。2013年台北電影奨で最優秀短編賞を受賞した監督の最新作。
ゲスト:ウー・ジーエン(監督)
・『1905年の冬 <デジタルリマスター版>』
『1905年の冬 <デジタルリマスター版>』
日露戦争の時代に、西洋絵画と音楽を学ぶために日本を訪れ、帰国後、中国の美術界に影響を与えた若き知識人、李叔同(弘一)を描いた歴史ドラマ。エドワード・ヤンの記念すべき映画界入り初仕事作品(脚本、出演)。ツイ・ハーク出演。監督は、エドワード・ヤン作品のプロデューサーである余為彦の兄。
ゲスト:ユー・ウェイチェン(監督)、ラウ・シンホン(評論家、映画監督)
●香港
・『盗月者』【スペシャル・オープニング作品】
『盗月者』 (C)2024 Emperor Film Production Company Limited MakerVille Company Limited All Rights Reserved
香港の人気グループ、MIRRORのメンバーが主演の一角を担う、東京でも撮影されたスタイリッシュな犯罪ドラマ。『暗色天堂』で長編デビューを果たしたユエン・キムワイ監督による長編第3作。2024年春節にあわせてまもなく現地公開される最新作を、日本初上映。
ゲスト:ユエン・キムワイ(監督)
・『作詞家志望』【コンペティション部門】
『作詞家志望』 (C)2023 Sonatina Film Limited All Rights Reserved
作詞の才能があると信じた女子高生が、その後10年間、あらゆる手を使って作詞家になろうと奮闘するが……。監督の自伝的要素を取り入れつつ、香港人に愛される広東ポップスをテーマに描いた青春コメディ。『私のプリンス・エドワード』(OAFF2020)監督最新作。香港アジア映画祭閉幕作。主演のジョン・シュッイン(『黄昏をぶっ殺せ』(OAFF2022))は作詞家としても活躍。
ゲスト:ノリス・ウォン(監督)、ウォン・ホイ(プロデューサー)
・『潜入捜査官の隠遁生活』(世界初上映)【特別注視部門】
『潜入捜査官の隠遁生活』 (C)2023 One Cool Pictures Production Limited Local Production Limited All Rights Reserved
ある事件以降、小さな商店を営み娘を育ててきた女性。正義感の強い娘は、内緒で空手を習い、困った人を助けて”空手少女”と話題になるが、危険な薬物事件に巻き込まれてしまい……。家族の秘密と再生を描くアクションドラマ。『黄昏をぶっ殺せ』(OAFF2022)監督最新作。
ゲスト:リッキー・コー(監督)
・『全世界どこでも電話』
『全世界どこでも電話』 (C)2023 DOT 2 DOT CREATION LIMITED
25年前に高校を卒業した40代の同級生男女3人は、1人がイギリスに移住するのを機に、メッセージを送りあった当時の携帯電話を持って集まることに。中国返還から25年の香港を舞台に、香港人の切なる願いをポップに描いた群像劇。『点対点』(OAFF2015)、『縁路はるばる』(OAFF2022)監督最新作。
ゲスト:アモス・ウィー(監督)
・『雲と人生』(短編プログラムA内)
『雲と人生』
人工の雲を作ることに夢中になってしまった男が夢の中で急死し、目を覚ますとあの世行きの飛行機に。雲作りに意義があったと判定されれば、天国に行けるという。彼は自分をよく知る5人を判定員に選んだのだが……。『私のプリンス・エドワード』(OAFF2020)のジュー・パクホンと『縁路はるばる』(OAFF2021)主演のカーキ・サムが共演。ジョニー・トーが発起人となって創設された鮮浪潮(フレッシュ・ウェイブ)国際短編映画祭上映作。
・『スウィート・ライム』(短編プログラムD内、香港、イギリス)
『スウィート・ライム』
パキスタンから来たおばを母親と空港へ迎えに行った11歳の少女は、帰りの車中で寝たふりをしながら2人の会話を聞いてしまう。子供の無邪気さと大人の現実の狭間で戸惑う少女の心を、インド・パキスタン系香港人の監督が繊細に描く。
ゲスト:ファティマ・アブドゥルカリム(監督)
・『烈火青春 <4Kレストア版ディレクターズカット>』
『烈火青春 <4Kレストア版ディレクターズカット>』 (C)Mei Ah Entertainment Group Co., Ltd
ルイの従姉妹で、日本に留学していたキャシーが帰ってきた。自由奔放な彼女はプール監視員のトムを虜にするが…。80年代香港の伝説的青春映画が蘇る! レスリー・チャンの魅力を堪能できる一本。2005年劇場公開時の邦題は『レスリー・チャン/嵐の青春』。