アザミ×ぼっちぼろまる、まさかのコラボで話題を集める2人が語るポップスとは
ぼっちぼろまる×アザミ
昨年9月に渋谷WWW Xのワンマンライブを成功に収め、VTuberから一人の音楽アーティストへと見事に転進を遂げたアザミ。そんな彼女が2月21日にリリースする新譜「サブカルチャー・ドール」は、V-tuber時代から親交のあったぼっちぼろまるとのコラボとなっている。さらに3月からは東名阪のツーマンツアーも開催するというアザミとぼっちぼろまるに、出会いから新曲の制作秘話、さらにはライブへ向けての想いを語ってもらった。
──おふたりが初めて会ったのはいつ頃だったんですか?
アザミ:コロナ全盛期のときぐらいでしたよね? 実際に対面したのはそんなに前じゃないと思いますけど。
ぼっちぼろまる:うん。Discordで通話しました(笑)。僕が最初にアザミさんを知ったのは、Twitterで“Siriに歌わせてみた”みたいなやつを見たんですけど。
アザミ:ああー! はい(笑)。
ぼっちぼろまる:歌詞をSiriにしゃべらせて、それをメロダインか何かでメロディにして、自分とデュエットするみたいな面白ソングというか(笑)。かっこいい感じの曲だったんですけど、それを見て、いいなと思ってフォローした感じでしたね。
──なぜまたSiriに歌わせてみようと思ったんです?
アザミ:元々バンドをやっていたんですけど、外出自粛時期でライブができなくなってしまって。そこから個人で活動するとなったときに、誰かと一緒に音楽やるのはできないだろうから、全部ひとりでやるようになって、たぶんちょっとおかしくなっちゃったんだと思います(笑)。
──(笑)。アザミさんがぼろまるさんのことを知ったのはいつ頃でした?
アザミ:私がVTuberの界隈に入ったときには、もうかなり有名な方だったので。
ぼっちぼろまる:一部ではね(笑)。
アザミ:音楽をやられてる方は界隈にも多かったんですが、これはすごい失礼な言い方かもしれないけど、自分寄りというか。自分はずっとロックバンドやってきたので、自分と近いタイプの音楽をやられてる人もいるんだと思って嬉しかった記憶がありますね。
ぼっちぼろまる:VTuberの曲となると、一般的に想像されるのは、やっぱりアイドルっぽい人達が有名だと思うんですけど、なんていうか、インディーズVTuberがいっぱいいて(笑)。僕らもそこにいた感じなんですよね。あと、界隈的にはアニクラのイベントをやっている人もいたりして、クラブ系の文化とかダンスミュージックが多かったので、そういう意味で、僕らはちょっと外れていた感じはありましたね(笑)。
──そうやってお互いに認識をしていた中で、初めて会話をしたのは?
ぼっちぼろまる:VTuberの友達とネットラジオみたいなことをしていたんですけど、そこにアザミさんを呼んだんですよ。内容的にはゲストの音楽歴を探ったりとか、音楽についてトークするというものだったんですけど、趣味が自分とすごく似てたというか。なんか言い方が難しいんだけど、結構年いってる子なのかな?って。
アザミ:あははは!(笑)
ぼっちぼろまる:アザミさんの実年齢は分からないんだけど(笑)、“残響レコードが好き”みたいな話をされていたので。あと、暗めというか、カッコいい曲を作っているから、雰囲気ある系の方なのかなと思っていたら、結構あっけらかんとしてるというか。カラっとしていたのでびっくりしました(笑)。暗い人なのかなと思ってたので。
アザミ:よく言われます(笑)。“もっと尖ってる人だと思ってました”とか。
ぼっちぼろまる:歌詞が攻撃的だったりするからね。だから、怒られたらどうしようみたいな(笑)。気分を害されたら申し訳ないなと思いながら初対面に臨んだ感じでしたね。
アザミ:私としては、なんとかして関係を持ちたいというか……あ、いや、そういう意味ではなくて(苦笑)。
ぼっちぼろまる:変な言い方しないでください!(笑)
アザミ:あははは!(笑) 知り合いになる機会なんてないと思っていたので、呼んでいただいたときは単純にすごくびっくりしました。話してみると、自分が勝手に思っていた“わりと自分に近いものがあるのかな”という感じは、そのときにもあって。今までロックバンドをやっていた感じとは全然違う界隈に、いきなりひとりで入って結構不安なところがあったんですけど、自分がやりたいことをやっていてもいいんだなと思えて、すごく嬉しかったです。
アザミ
──日頃からよく相談し合ったりするんですか?
アザミ:お会いしたときにこういうのってどういうふうにやりましたか?とかお伺いしたりします。
ぼっちぼろまる:うん。そこまで密に連絡を取り合っていたりはしないんですけど、会ったら音楽の話をしたりとか。
──音楽の話ってどういうことを話すんですか?
ぼっちぼろまる:作曲に関してですね。僕らは楽曲提供もしているんですけど、同じ人に曲を書かせてもらったこともあって、レコーディング現場で一緒になったりとか(笑)。
アザミ:結構いろんな方の楽曲をやらせていただいたんですけど、結構一緒でしたよね?
ぼっちぼろまる:そうそう(笑)。
──ぼろまるさんとしては、音楽の趣味以外にもここは似ているなと思った部分はありました?
ぼっちぼろまる:活動マインドは似てますね。楽曲提供させてもらってお金を稼いだり(笑)、書かせてもらったことで知名度を上げてもらったりしつつ、自分の曲では自分のやりたいことをがっつりやって、ゴリゴリやっていくぜ!っていう。そういう根本はすごく近いなと思いますね。
アザミ:私としては、こういう形で活動してる人があまりいないので、次にどういうことしようかなってなったときに、ぼろまるさんってどういうことしてるんだろうなって、勝手に見たりしてしてます。
ぼっちぼろまる:必ずしもそれは正解じゃないからね?(笑)
アザミ:あははは!(笑)
ぼっちぼろまる:やめといたほうがいいよ?
ぼっちぼろまる
──先ほど、界隈の中で“僕らはちょっと外れていた”というお話がありましたが、その感覚はかなり強く持っていたんですか?
ぼっちぼろまる:仲間外れにされていたとか、そういうのはないですよ?(笑) 友達もいっぱいいたので、外れていたとも思わないんですけど。ただ、VTuber界隈と言ってもめちゃくちゃ幅が広いんですよ。メインはやっぱり配信者なんですけど、“歌ってみた”みたいなことをやってる人もいるし、その本当にごく一部でオリジナル曲をやってる人達がいて、自分たちはそのさらに端っこにいるバンドサウンドをやっている人達っていう(笑)。その認識はあったんですけど、それも全部含めてVTuber界隈だから、まあ、中にはいるなとは思ってましたね。
──アザミさんは?
アザミ:私は本当に何にも知らない状態で始めたんですけど、みなさんにすごく優しくしていただけたし、物理的に外れていたわけでもないんですけど。活動としては、他に同じことをやってる人があまりいないから、参考にする人がいないんですよね。たとえば、バンドはたくさんいるから、こういうときはこうすればいいという例があるけど、自分がやろうとしていることは前例がないことばかりだったので、そういう意味で外れている感覚もあったんですけど。でも、不安な感じはあったけど、二番煎じをやるよりはいいんだろうなと思っていたので、この気持ちはいいことではあるんだろうなって思うようにしてました。
──ぼろまるさんは、友達はいながらも不安とかありました?
ぼっちぼろまる:どうだろう……僕はワクワクしながらやってはいましたけど、難しいなぁというのはやっぱり思いましたね。それこそ、バンドだったらこうするというのが当てはまらないので、そういう中で手探りをしていたんですけど。でも、難しいなと思いながらやっていたことが、いまに繋がっているというか。アザミさんもそうだと思うんですけど、僕、べらべらしゃべるのがあまり得意じゃないんですよ。いまべらべらしゃべってますけど(笑)。
──しかもかなり流暢に(笑)。
ぼっちぼろまる:でも、これはVTuberをやったことで身についたものだと思っていて。それまでずっと曲を作ることだけをしてきたけど、VTuberを始めたら、いろんな人の配信に呼ばれたりして、しゃべらなくちゃいけない状況になっているうちに、しゃべれるようになってきたんです。いろいろやってみて、なんとかなるなってメンタル的に強くなったところはありますね。
アザミ:そこはめちゃくちゃありますよね。私も本当にしゃべれなくて。人見知りもあったので社交的じゃなかったんですけど、界隈の方によくしていただいたのもありますし、単身でイベントに呼ばれて行ったりすることも多かったので、社交性を身に付けざるを得ない状況になって……(笑)。
ぼっちぼろまる:はははは(笑)。分かる。
アザミ:あと、ひとりで配信することも今まで一度もやったことなかったんですよ。でも、画面に向かってひとりでしゃべり続けていたら、修行じゃないですけど、だいぶしゃべれるようになったと思います。
──確かに修行ですね。最初は配信でコミュニケーションがどうこうとか、それどころじゃないというか。
アザミ:そうですね。だから本当に最初は嫌でした(笑)。
ぼっちぼろまる×アザミ
──(笑)。今回、アザミさんが開催されるツーマンライブ「Meet with POPs TOUR」にぼろまるさんが出演されるわけですが、元々仲がよかったという点はありつつ、どういう経緯で決まったんです?
アザミ:元々ツーマンをやってみたかったんですよね。ただ、私はそれまでワンマンしかやってきていなかったので、親和性のある人がいいなとなったときに、(ぼっちぼろまるに)ぜひ出ていただきたいと思って声をかけたら、奇跡的にやっていただけることになって。
──ぼろまるさんは、今回のツアーの告知をXでされた際に、“エモい。”とポストされてましたよね。
ぼっちぼろまる:見られてる(笑)。そうですね。僕も3年前ぐらいまではVTuber界隈でゴリゴリやっていたんですけど、リアルでライブをする活動に主軸を置き始めたので、友達と結構疎遠になってしまっていたし、“ぼっちぼろまる、VTuberやめたんかな”みたいに言われることも多くて(苦笑)。そういうつもりも別になかったんですけど、友達と疎遠になっていた中で、久し振りに“おつかれっす!”っていう感じでやらせてもらえるのはすごく嬉しいし、エモいなと思いました。
──ツアーの開催に合わせて、アザミfeat.ぼっちぼろまる「サブカルチャー・ドール」を配信されますが、どんな曲にしたいと考えていましたか?
アザミ:めちゃくちゃポップな曲にしようと思ってました。ハッピーなツーマンにできたらいいなと思っているので、ライブでやったときにどちらのお客さんも楽しいと思えるような曲調にはしようと思っていて。ただ、あまりストレートにポップな歌詞を書けないので、曲調だけはとにかくひたすらポップにしようと思って作ってました。
──曲を受け取って、ぼろまるさんはどう思われました?
ぼっちぼろまる:攻撃的な歌詞だなぁって(笑)。でも、明るくパーっとなる感じではあったので、狙って書いてくれたのかなと思いましたね。
──グっときたポイントを挙げるとすると?
ぼっちぼろまる:一行目からいいですよね(笑)。
──〈我が物顔風吹かすシモキタ 大して知らないバンドで体揺らす〉。
ぼっちぼろまる:歌い出しからすべてを表しているような感じがしますね。分かりやすくイラついてる感じが出ていて(笑)。結構直接的というか。
アザミ:確かに(笑)。最初の5秒でどれだけ引きを作れるかを考えたんですけど、あまり直接的すぎると特定の誰かを攻撃してしまうことになるので、バランスをどうするのかは結構悩みました。でも、これぐらいなら大丈夫だろうと思って、結構攻めてます。
ぼっちぼろまる×アザミ
──個人的には〈最近はBPM90の曲ばかり 作って擬態している〉が好きでした。
アザミ:自分のBPM90の曲を洗い出される気がしてちょっと怖いです(笑)。
ぼっちぼろまる:“このときは擬態してたのかぁ”みたいな(笑)。
アザミ:“擬態曲かぁ”みたいな(笑)。
──(笑)。〈左じゃないし右でもないし 迷い迷ってくらりくらり〉というサビも象徴的ですね。
アザミ:ぼろまるさんがどう考えているのかはわからないですけど、自分はバンドをやってみたり、VTuberだけどVTuberじゃないようなことをしたり、それこそ界隈で外れたことをやったりしてきて。どっちにしようかなって迷いながら活動をしてきたので、この歌詞にしようかなって。自分の活動の包括的なものというか。
ぼっちぼろまる:共感性高いですよね。〈左じゃないし右でもないし〉っていうのは、すべての活動している人がそうだと思うので。みんな迷いながらやっているよねっていうのはありますよね。
──「サブカルチャー・ドール」というタイトルはどこから出てきたんです?
アザミ:今回ツーマンをするにあたって、元々バンドをやっていた自分の中では、元にいた場所に戻ってきた感覚がなんとなくあるんですけど、ロックバンドの在り方とか、バンドの売れ方や進み方みたいなものとか、なんか結構雰囲気変わったなと思って。自分がやっていたときは、ロックバンドって結構サブカルチャーみたいな感じだったんですけど、“サブカルチャーのサブとは?”みたいな感じになったなと思っていて。サブカルチャー・ドールというのは、その当時のライブキッズみたいな意味合いというか。あのときの感じでもう一回やろうよって呼びかけていくイメージで歌詞を書いていたので、これがタイトルだなと思って、最後に決めました。
──変化みたいなものを感じているんですね。
アザミ:自分が蚊帳の外に一度出たから、変わったと思っているだけかもしれないですけどね。それがいいとか悪いとかの話じゃなくて、なんとなく肌感的に変わったなって。なんか、前はもうちょっと野生っぽかったというか。もうちょっと足で稼ぐじゃないけど、どさ回りっぽいイメージがあって。
ぼっちぼろまる:昭和の考えじゃん(笑)。
アザミ:あははは(笑)。私がやっていたときのインディーズバンドってわりとそういうイメージだったので。いまはいまでスタイリッシュな感じでかっこいいなと思いますけどね。
ぼっちぼろまる:離れていたのがコロナの時期だから、それも大きかったのかもね。
アザミ:たぶんそうだと思います。ライブハウスの感じとかもちょっと変わったかもなぁって。
──ぼろまるさんもそういう変化を感じることはあります?
ぼっちぼろまる:でもまぁ、変わっていくものだと思いますからね。ガコーン!って大きく変わったというよりは、ぬる〜っと変わり続けて、いまに至っているというか。きっと今後もぐにゃぐにゃと変わっていくと思うので、自分としてはそこに流されるまま行ければいいかなと思ってます(笑)。
アザミ
──今回のツアータイトルが「Meet with POPs TOUR」で、アザミさんの前回のワンマンツアーのタイトルが「Attract to POPs TOUR」。今日のお話の中にも出てきましたが、“ポップ”というのはご自身の中で重要なものであると。
アザミ:そうですね。J-POPを聴くのが好きというのもあるんですけど、自分はポップスにだいぶ人生を狂わされたなと思っていて(笑)。昔は自分がポップな曲を書くとはまったく想像していなかったんですけど、紆余曲折、それこそ左じゃないし右でもないしという中で、ポップな曲も書いてみたほうがいいのかなと思って。いまはそういう曲を書くのも楽しいんですけど、自分の活動ですごく悩まされたものが“ポップ”なんです。ライブをするときも、このセトリだとあんまりポップじゃないなとか、新しい曲を作るときも、もうちょっとポップにしたほうがいいかなとか、最初にまず思うのが“ポップ”なので。きっとこれは今後の活動でもずっと出てくるものだろうなと思ったので、ツアーのタイトルにはつけていこうかなと思います。
──となると、アザミさんが自分にとって足りないと思うのはポップということ?
アザミ:ポップじゃないことを敢えて書くポップもあると思うんですけどね(笑)。すごく概念的なので、それぞれが思うポップがあると思うし、自分が活動しているうちはずっと考え続けるものだと思っていて。なので、ツアータイトルに“ポップ”ってつけなくなったら、すべての悩みから解放されたんだなと思ってもらえれば(笑)。
──アザミさんが思うポップって、言語化難しいと思うんですけど、どんなものだったりします?
アザミ:私の中では、いまはキャッチーなものもそうですけど、存在というか。たとえば、楽曲が明るいとかだけじゃなくて、攻撃的なキャラクター性のある暗さとかは、人目につきやすい感じがあるかなと思っていて。そこは自分の美学的にちょっと反するものではあるんです、極端に攻撃的なことばかり言うというのは。
──そうなんですね。
アザミ:それって芸術的ではないというか、“食べやすいもの”みたいな感じなので。分かりにくいもののほうがおしゃれだし、高尚な感じがするので、個人的にはそういうものが好きではあるんですけど。でも、食べやすいということはいろんな人が好きになりやすいということですし、私も食べやすいものは好きなので、いまはそういうものをちょっと頑張っていきたいなって。あと、これは美学や気持ちとは全然関係ないんですけど、作曲家としてはポップスを書く人をすごくいいなと思ったり、勉強になるなと思ったりするので、ポップスを書いているときが一番血肉になっている感じがあります。
ぼっちぼろまる
──ぼろまるさんは、曲を作るときにポップということを考えたりします?
ぼっちぼろまる:“ポップとは”みたいなことはあんまり考えたりしないですね。でも、キャッチーで、インパクトのある曲を作ってやろうみたいなことはいつも考えていて、結果的にわりとポップな曲ができることが多いです。僕は見た目もポップっていうところもあるので。
アザミ:確かに(笑)。
ぼっちぼろまる:だから、もうちょっとカッコよくなりたいなって思ったりはしますね。
──ポップではあるんだけど、クールさをどう出すのかという。
ぼっちぼろまる:クール、ロック、パンクになりたいなって思いますね(笑)。そもそも自分の根底がポップだと思うんですよ。でも、やっぱりかっこいいものもやりたいし、いかにかっこいいものをやるかというのは、いつも考えながら作ってますね。だから逆かもしれないです、アザミさんと(笑)。
──敢えて攻撃性みたいなものを出すというのは、ご自身がやるものとしては違うかなと。
ぼっちぼろまる:そうですね。自分では書かないかなっていうのはあるかもしれないですけど、それが良くないとは全然思わないので。そういうものを書くのが得意な人が書いて、僕みたいなのが楽しい曲を書けたらいいなと思うので。それぞれが好きなようにやるのが一番いいなと思います。
──楽しい曲を書いたほうがいいんじゃないかと思ったこともありました? ぼろまるさんの曲って、根っこの部分では100%楽しいだけじゃない感情があると思うけど、曲調としてはどんどん楽しいに振り切っていった印象もあるんですが。
ぼっちぼろまる:楽しい曲なのであれば、より楽しいほうがいいと思うし、そこは追及してますね。自分としては、見た目もそうですけど、自分の作曲の癖を考えると、暗い曲を書くよりも明るい曲を書く方が得意だなと思ったし、暗い曲を書いている人のほうが割合的に多いのかなと思ったりもして。じゃあ自分は明るい曲を担当させてもらったほうが、みんなwin-winかなと思って。それで意識的に明るい曲を書くようにはしてますね。
──自分が得意だし、好きでもあるし。
ぼっちぼろまる:あとは隙間産業的な気持ちもあるし(笑)。
──このビジュアルで隙間産業と言われると……(笑)。
ぼっちぼろまる:もう全然考えてますよ。ビジネスについて学んで活動しているので。
──地球侵略を目論んでらっしゃるわけですし。
アザミ:すごい隙間だ(笑)。
ぼっちぼろまる:ここから始めていこうと思ってるから。
アザミ:地球から?
ぼっちぼろまる:そうそう。
アザミ:私も、自分の曲に関しては個性があるものというか、“アザミと言えばこうだろうな”というものがあったほうがいいとは思うんですけど、楽曲提供のときは自分が普段絶対できないものをやりたいなと思うので、アイドルソングのお話が来ると嬉しいです。自分ではそういう感じの曲はちょっと無理なので(笑)。
──歌うのが無理?
アザミ:自分がそれをやっているビジョンがないですね。自分が歌うとなると、それが自分の発言になってしまうし、アイドルソングに載せる語彙が自分の中にはないなと思うので、使っていない筋肉を楽曲提供とかで使えると嬉しいです。
ぼっちぼろまる:やってみたらハマるかもよ(笑)。いきなりライブでやったりとか。
アザミ:急に“踊ります!”みたいな(笑)。
ぼっちぼろまる:メンバーも楽器を置いて一緒に。
アザミ:メンバーの負担がすごい(笑)。
ぼっちぼろまる:頑張ってみんなでレッスンに通って。
アザミ:レッスンも!?(笑)
──(笑)。ぼろまるさんも楽曲提供でまた別の一面を出してみたいと思ったりは?
ぼっちぼろまる:僕はどちらかというと、楽曲提供も自分の曲と同じラインで独自のものを突き詰めていきたいなっていう気持ちでやっていて。だから、難しい曲のオファーが来ると、ムズいなぁ……って(笑)。自分の得意なものを突き詰めていきたいなっていう気持ちが、いまは強いですかね。ポップさ、楽しさ、明るさみたいなところを。
「サブカルチャー・ドール」アザミ feat.ぼっちぼろまる
──活動スタンスは似ているけど、また違う部分もあって面白いですね。そんな2人のエモい共演になるわけですが、ぼろまるさん的にこういうステージにできたらいいなと考えていることはありますか?
ぼっちぼろまる:僕がハッピーをお届けできればなと思っているので、アザミさんはキメちゃってださい! そんな気持ちですね。
──こんな感じでキメているアザミさんを観てみたいなって思うところはあります?
ぼっちぼろまる:まあ、いつもきまってはいるんですけど……この質問ムズいな(笑)。なんだろうな……なんていうか、狂気的?
アザミ:あははは!(笑)
ぼっちぼろまる:より狂気的なシーンが見たいですかね。
アザミ:どこまでやれるか試してみようかな。スタッフに止められるまで(笑)。
ぼっちぼろまる:きっとメンバーも付き合ってくれると思うので。
アザミ:相乗していってしまう可能性もある(笑)。
ぼっちぼろまる:ヌンチャク回したりとか。
アザミ:「サブカルチャー・ドール」にドラを入れてるから、中華チックでなんかいいかも(笑)。
──アザミさんはどんなステージにしたいですか?
アザミ:ワンマンのときは、暗い曲やソリッドな曲もあるんですけど、最後はわりとハッピーで楽しかったねというものにしたいと思っていて。ぼろまるさんとツーマンをやらせていただくとなると、自分の力以上に温かい空間になると思うので、それが楽しみですね。
──こういうぼろまるさんを見てみたいというのはあります?
アザミ:……確かにこの質問ムズいですね(笑)。
ぼっちぼろまる:ムズいでしょ!?
アザミ:なんだろう……この前、ぼろまるさんのワンマンを見せていただいたときに、三輪車に乗って出てきたのがすごくよくて。
ぼっちぼろまる:持っていこうか?
アザミ:あと、ギターを下から履くのがいいですよね。
ぼっちぼろまる:ああ。頭がデカくて困ってます(笑)。
──ギターを持ち替えるときとか大変ですね。
ぼっちぼろまる:だいぶ慣れて、相当早くできるようになりました(笑)。
アザミ:MV撮影のときもすごい勢いで履いてましたね。
ぼっちぼろまる:3秒ぐらいしか時間なかったけど大丈夫だったから。
アザミ:それが見れるのも楽しみです(笑)。
取材・文=山口哲生
ぼっちぼろまる×アザミ
ツアー情報
Guest:ぼっちぼろまる
3月15日(金)大阪・心斎橋 Music Club JANUS
OPEN 18:45 / START 19:30
3月16日(土)愛知・名古屋 ell. fits all
OPEN 17:45 / START 18:30
3月19日(火)東京・渋谷 WWW
OPEN 18:45 / START 19:30
リリース情報
2024年2月21日 DIGITAL RELEASE