石井一成・吉成名高・松田龍聖インタビュー! 『RWS JAPAN』は4/14開催
ラジャダムナンワールドシリーズ(RWS)の第2回日本大会『RWS JAPAN』が、4月14日(日)にTIPSTAR DOME CHIBA(千葉県)で開催される。その記者会見が実施され、出場選手へのインタビューが行われた。
石井一成「ラジャとRWSのタイトルを狙っていきます」
――今回RWS JAPAN参戦が決まりました。
石井:前回2月の旗揚げ興行に出られなかったので、やっと出場が決まって嬉しいですね。旗揚げ興行は会場で観ていたのですが、タイ本場の雰囲気がそのまま日本に来た感じでモチベーションが上がりましたし、しかもお客さんが詰まった超満員の後楽園ホールでかなり盛り上がっていたので、自分も次は絶対に出たいなと思っていたところ、メインに選ばれたのでありがたいです。
――前回3月のタイ・ラジャダムナンスタジアムでのRWSではコンパヤック・ポーラクブンを1RKOで沈めましたが、最後の左フックは狙っていたものでしたか。
石井:対戦相手は2回変わったんです。最初と次の相手はオーソドックスだったのですが、最終的にサウスポーの相手になりました。正直、オーソドックスの相手の方が正直、自分の技が入りやすいのですが、対戦相手が変わるのはタイではよくあることなので、そこまで気にしてませんでした。サウスポー対策としてジムの(石井)寿来とやってきて、最後にKOしたコンビネーションは練習通りのものでしたね。その時にすでに4月にRWS日本大会は開催されることは聞いていたので、ここで勝てば間違いなく出られるなと思っていました。
――試合前に見せた鳥山明先生追悼のかめはめ波ポーズも話題になっていました。
石井:海外からの反響が凄く大きかったです。ドラゴンボールは、僕が小学生、中学生に観ていて大好きなアニメでした。タイの会場にはドラゴンボールのTシャツを着ている人も多く、試合後はそういう方々から「かめはめ波ポーズで一緒にして写真を撮ってください」と言われて(笑)。自分もドラゴンボールのように、石井一成というムエタイ選手が日本にいることを世界中の人にももっと知ってもらいたいと思いました。
――今回は松田龍聖選手との日本人対決が決まりました。
石井:僕はムエタイのタイトルを狙っている中で、前回(吉成)名高とやっているプレーオプラーオとの試合が見たいという声も多くあったので、やりたいなと思っていました。まさか日本人選手とやるとは思っていなかったので、最初にそのオファーをいただいた時は、『なんでRWSのリングで日本人と?』という気持ちが大きかったんですけど、すぐ気持ちを切り替えられています。
――もともと、松田選手のことは知っていたんですか?
石井:もちろん知っていますが、生で試合を観たこともなく、18歳と若くて出ている団体も全然違かったので、対戦することはないと思っていました。
――ご自身の18歳の時を思い出したりは?
石井:18歳の時の僕といえば、true4Uのベルトを獲ったり、旧KNOCK OUTのリングで矢島直弥選手に勝った時ぐらいですね。あの時の僕はタイだけでなく、日本の団体でも試合をやり始めて、凄く勢いがあって調子が良かった時ですね。矢島戦の時は若かった僕が勝って、世代交代みたいな試合になりました。若い時は何も怖くないし、目標が常に上にあって、この人を倒せばまた上に行けるといういう目標があるから、そういう怖さは松田選手にあるかもしれませんが、今回は僕が負ける気はさらさらなく、僕もまだ25歳なんで若手の勢いを止めてやりたいと思います。
――選手としての印象はどういう印象がありますか。
石井:反応が早いなと。攻撃と防御の切り替えが早く、トータル面でもすごく上手いなと思いました。
――タイ人と多く戦っていることで、日本人選手が相手だとリズムが違うことでやりにくさはありますか?
石井:ムエタイルールで日本人とやるのはBOMの小嶋・ノーナクシン戦(2021年11月7日)以来なのですが、ジムでは多くスパーもやっているので特に問題はないと思います。
――松田選手は今回の試合に向けてタイで修行を行ってきたようです。そこは警戒ポイントになりますか?
石井:ならないですね。そんなにすぐにムエタイテクニックを覚えられるものでもないですし、少しかじったくらいでムエタイをやっているとは言えないので、何も気にしてないです。
――どういう試合展開をイメージしてますか?
石井:組んだり、こかしたりすぎるとRWSのリングでは注意され、今のRWSでは特に打ち合いが求められているので、いつも通りヒジも狙っています。ヒジの展開になると、僕の方が全然うまいですし、向こうがヒジを出せる距離は自分も出さる距離なので、そこに入った時に怖さを感じるんじゃないですかね。
――ここで勝って次に見据えているものはありますか。
石井:ラジャとRWSのタイトルを狙っていきます。階級はバンタム級かスーパーフライ級になり、スーパーフライ級だと名高が持っているのでRWSのトーナメントがあれば、そこでベルトを狙いたいと思います。今年3試合目で今回またKO勝ちすれば、3連続KOになるので、やっぱり“ムエタイの石井一成”は違うなというところを見せます!
松田龍聖「石井選手も回転は速いですけど、僕は上回れる」
――まず格闘技のキャリアから教えてください。
松田:5歳の時に漫画「はじめの一歩」を読んでいて、何か格闘技をしたいと思って家の近所にあった大原道場で、空手とキックボクシングを始めました。アマチュア戦績では200戦ぐらい経験して、全日本グローブやWBCムエタイなど、トータルで10本以上のタイトルは獲っています。ちなみに今プロで活躍している吉成士門や塚本望夢と対戦経験があります。2021年8月にNJKFのリングでプロデビューし、プロ8戦目の2023年3月にホーストカップで滉大選手から判定勝ちでベルトを獲り、今11戦11勝の負けなしです。
――記者会見で石井一成選手との試合が発表された後、タイに武者修行に行かれていたそうですね。
松田:今までプロで11戦してますが、全てキックルールで、ムエタイルールの試合は今回が初めてになるので、ムエタイルールを知るために行きました。
――ヒジありの試合も初めてになりますか?
松田:そうです。アマチュアの時にタイでヒジありの試合を一回したことがあり、それ以来になります。
――タイではどちらのジムに行かれたんですか?
松田:ピークマイジムに3日間、ペッティンディーアカデミーに1日、ロンポージムに2日間行きましたね。
――それぞれのジムにはどういう理由で?
松田:ピークマイジムは、以前、タイ修行に行ったジムで同い年のファイターや小学生のファイターが結構いて、仲良くなった子が多く、「また絶対来るね」と約束していたので行きました。練習内容としては、このジムでは結構細かいことも教えてくれて、めちゃくちゃ勉強になっていいジムなんです。あと、ペッティンディーアカデミーはクマンドーイ、ペットモラコットといった有名な選手がいて、先に北野克樹君も練習していて、北野君の紹介で行きました。ロンポージムも昔からタイに練習に行ったら、行かせてもらっているジムです。
――一番収穫できた部分は何でしょう。
松田:ヒジや首相撲の技術を教えてもらいましたが、1週間では身体に染み付いて覚えたりするのはまだなんですけど、首相撲の対処法を教わり、だいぶ手応えもありました。いつも行っているタイ修行とはまた違った修行になりましたね。
――今回、石井選手が得意とするヒジで勝負することもありますか?
松田:せっかくのムエタイルールなので、いつもの動きは崩さずヒジを出したいですね。
――石井選手に関しては、どういった印象がありますか。
松田:僕が小学校の時から石井選手のことを知っていて、憧れはなかったですけど、強い選手だなと。まさかムエタイで何百戦のキャリアを持ってる選手と、キックで11選手しかやっていない僕がやることが決まって、違和感というか、変な感じはしましたね。反響は今までの中でも一番大きいです。スタイル的にはガツガツ来て打ち合ってくるファイターで、僕は相手の攻撃に合わせるタイプなので、結構攻撃を当てやすいかなと思っています。
――どういう試合をイメージしてますか。
松田:ムエタイルールなのでムエタイなりの戦い方で戦ったろかなという感じですね。KOする自信もあります。多分、最初のうちは僕のコンビネーションを出しても何発かは防げると思うんですけど、僕は回転数が早いので、石井選手がそれに付いてこれなくなった時に僕が倒せるのかなと。石井選手も回転は速いですけど、僕は上回れると思います。
――記者会見では吉成選手とも対戦したいとのことでしたが、すぐにでもやりたいですか。
松田:別にすぐでなくても全然いいですよけど、強いファイターを倒していきたいという願望があり、その強い選手の中には吉成選手はいるのでいずれは絶対に戦わなあかんし、やる準備はいつでもできています。
――ファンにメッセージをお願いします。
松田:ファンの皆さん、今回RWSのムエタイルールっていう初めてのルールで戦うんですけど、いつも通りにバチバチ打ってパンチのスピードの速い松田龍聖を見せて、石井選手に勝つので応援よろしくお願いします。
吉成名高「自分の技のキレを見せる試合をしたい」
――前回2月のRWS JAPAN旗揚げ戦でラジャダムナンスタジアム3階級を制覇し、燃え尽き症候群はなかったですか?
名高:それは全くなく(笑)。試合が終わった後はホッとしたというのが一番で、ちょっと休みたいなとは思っていたんですけど、試合が終わって1週間経ったらすぐ練習もしましたし、常に向上心を持って練習できています。練習を再開をした時は、普段の試合前の練習ではできないようなフォームの確認や、頭を使ってやるような練習を重ねていき、あまり疲労が溜まるような追い込みのトレーニングはしなかったので、やりたい練習ができたかなと思います。
――休んでいた1週間は何をしていたんですか。
名高:家族で熱海旅行した以外は、ジムでキッズたちを指導したり、何だかんだいってジムにいたことが多かったかもしれないですね(苦笑)。
――前回のプレーオプラーオ戦の映像は何度も見返しました?
名高:結構見返したところ、いくつか反省点があったかなと。反省点としては、細かい話になるのですが、相手が来た時に自分の出せる技術や引き出しがもっと出せたかなというところと、あとは自分が攻め込む時にもう少し技を選ぶことができたなといった反省があり、もう少しやり方次第ではKOも狙えたのかなとは思いました。プレーオプラーオ選手は、あの階級で一番のヒジ打ちの名手だと思いますし、そういう選手を相手に、被弾もかなり少なく最後まで戦い切れたというのは良かったと思います。
――プレーオプラーオ選手の攻撃でクリーンヒットはありましたか?
名高:2Rにヒジと左ストレートを一発ずつもらいましたね。ヒジ打ちを顎にもらったのですが、あんなに綺麗にもらったのは初めてでした。
――それは死角をつかれたタイミングで打たれたもの?
名高:そうですね。まさか打たれるとは思っていなかったタイミングと距離で打たれたので、一発もらっちゃいました(苦笑)。そこからはこういうタイミングで打ってくるというデータがあることで警戒するようになったので、もらわなくなりました。あと、相手の疲労感とかでキレが鈍ってきたのかなと。パンチに関しても、顎にもらってしまい、次に打ってきたらこういうふうに動こうと頭の中で考えられました。そういうところの対応力は自分の中でもある方なんじゃないかなと思います。小さい頃からいろんなシチュエーションでいろんな相手と経験させてもらっているんで、経験から学ぶことは多いですね。
――タイ人選手は再戦が好きですが、その後、プレーオプラーオ陣営から再戦の話はないですか?
名高:再戦の話はないですね。このまま一生来ないでほしいです(笑)。僕の勝ち逃げということで。
――今回、対戦するスペインのケビン・マルティネス選手に対してはどのような印象がありますか。
名高:YouTubeで何試合か見たんですけど、とにかくヨーロッパ人の選手特有の頑丈さとフィジカルを活かして、どんどん前に出てくる選手でした。KOで負けた試合は一つもなく、負けた試合というのは、ミドルで封じられる展開が多かったので、技術の面では本場のタイ人選手の方があると思うんですけど、タフネスさに関してはプレーオプラーオ選手とは違った体の強さを使ってきそうな選手だなと。僕もミドルを使いつつ戦うことになると思います。スピード面では僕の方が優れてるかなと思うので、そのスピードを活かして捕まらないように試合をしようと思います。
――プレーオプラーオ戦の前は6連続KO勝ちでしたが、今回KOは狙ってますか?
名高:重い階級の試合となると、なかなか倒せなかったことも今までの経験ではあり、無理に倒しに行こうとしすぎると逆に空回りしちゃうので、自分の技のキレを見せる試合をしようかなと思います。今回はメインではなく僕はセミファイナルになりましたが、あまり試合順にこだわりはなく、セミでもメインでも自分のやるべきことは同じかなと。僕がしっかりいい試合を見せて、その後の大将の(石井)一成君にいい結果でつなげていきたいという気持ちです。
――今回、石井選手と対戦する松田龍聖選手は記者会見で「名高選手はこの先に倒さないといけない相手」ということでした。
名高:自分よりも若い選手がどんどん出て来て、そういった選手に戦いたい相手として名前が出るというのはすごく光栄なことです。もちろん、ムエタイでやる以上は一成君も絶対負けられないという気持ちでいるでしょうし、キックの松田選手を相手にムエタイの強さを見せてほしいですね。
――今回53.07kg契約になりますが、ラジャダムナンスタジアムのバンタム級タイトルを視野に入れてのものになりますか?
名高:僕的には3階級を取れたので、今後、強豪選手を倒していく中でそういう話が来たら是非という感じではあるんですけど、僕は世界の舞台で試合をしたいという気持ちがあります。
――4月の試合後、次の試合はもう決まっているんですか?
名高:まだ決まっていません。中川(夏生)会長とも今後について話をしているんですけど、すごく面白い展開になるんじゃないかなと思っています。今年は変化の年になると思うので、自分でもすごくワクワクしています。皆さんも僕の今後を楽しみにしていてください。
記事提供:RWS JAPAN