大和シティー・バレエ『宗達』再演が決定 『風神雷神図屏風』の作者、俵屋宗達の半生をコンテンポラリーダンスで舞台化
稽古の様子(写真:Joseph Marcinsky)
2024年11月15日(金)~11月16日(土)にMOA美術館能楽堂にて上演される。
柳広司著「風神雷神 風の章」風神雷神 雷の章」(講談社文庫刊)を原作に大和シティー・バレエ/ダンスが、琳派の画家である俵屋宗達の生涯をダンスと和楽器で綴るコラボレーションで好評を博した『宗達』。謎に包まれた伝説の絵師・宗達の生涯をコンテンポラリーダンスで表現するという斬新さ、伝統的な日本美術をダンスでどのように再解釈するか、その独創性が見どころだ。クラシックバレエはもちろん、コンテンポラリーダンスとも非常に高い技術を持つ大和シティー・バレエのダンサーたちの繊細で力強いパフォーマンスに和楽器の生演奏も加わり宗達の美意識とバレエの表現力が融合し、日本美術を新たな角度から楽しめる公演となっている。
※こちらの映像は、2023年12月公演時のものです 。熱海公演におきましては、出演者、場面構成など 異なる部分がございます。
演出・振付 竹内春美コメント
この「宗達」~能楽堂版~は、本阿弥光悦を演じる辰巳満次郎氏の「能楽は引き算の美学」だ、と言うお言葉を借りて’引き算の美学’に挑戦しています。
普段のホールから能楽堂へ舞台をうつすことで、幕、舞台美術、多種多様な照明など、初演に駆使していた沢山のものが存在しなくなります。また乗せたいだけ乗せていた大量のダンサーも、能楽堂には似合わないものになります。 削ぎ落としていって、同じものを見せる。よりシンプルな演出で深いところへ誘う。 今回は、お客様の想像を促し、お客様の想像力をとともにこの作品を創り上げようと思っています。
様々なものが削ぎ落とされる分、踊りと芝居においてはダンサーたちの能力の高さを要し、より洗練され磨かれた振付と演出の必要性を強く感じます。 今回もYCB/YCDが誇れるキャスティングによりこれを叶え、私の演出振付も、初演を経験したからこそより磨きをかけることができていると感じます。
私たちの「宗達」には、和のファンタジーが広がり、俵屋宗達の絵そのもののように、春に向かう明るさがあります。
能楽師とのコラボレーションは、能楽堂版でさらに色濃く。特にクライマックスの「風神雷神」はとてつもない美しさです。
和楽器の生演奏とのコラボレーションは、前回からの楽曲そして今回のための新曲も含み、今回も目で、耳で、肌で楽しんでいただけること間違いなしです。
踊りに興味がある方、能楽に興味がある方、美術に興味がある方、どの入り口からでも楽しんでいただける舞台になることと思います。