舞台『No.9』×石井琢磨コラボ連載、第2弾は剛力彩芽が登場~3度目の出演で改めて構築する”マリア”像とは? 「if」だからこそできること
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ベートーヴェンに惹かれる気持ちはわかる?
石井:これは絶対に聞きたいなと思っていたのですが、ベートーヴェンに惹かれる気持ちってわかりますか?
剛力:めちゃめちゃわかります。
石井:わかります!?
剛力:わかります!
石井:えー!
剛力:(笑)。すごくムカつくし、大嫌いな時もあると思うんですけど、なんなんですかね? あの守りたくなる感じ。
石井:母性なんですかね~。
剛力:ほっとけないんですよね、結局。
石井:(音楽に)没頭している人、というのもあるんですかね?
剛力:ひとつのことを突き詰めていて、才能もある。そういう人ってある意味、孤独じゃないですか。(稲垣)吾郎さんが演じるベートーヴェンにそう感じているのかもしれないですけど、そう見える。だから「そばにいてあげたい。何かできるわけじゃないけど、私がいるだけで何か変わる?」みたいな。
石井:なるほどー!
剛力:1日に3回くらい「ほんとやだ」「ほんときらい」って言いそうですけど(笑)。
石井:だっていきなり癇癪起こして出て行ったりしますからね。
剛力:でもマリアは結局追いかけて「帰るよ」って引っ張ってくる(笑)。母性が強い人にとっては、(ベートーヴェンは)放っておけない人なんじゃないかなと思います。
石井:暴君は暴君でも、才能ある暴君ならOKってことですかね。
剛力:ははは! でもやっぱり自分の好きなことに夢中になっている人は素敵ですよね。
秘書としてどうあるか。音楽家(ベートーヴェン)のそばにいるには……
剛力:逆に私、石井さんに伺ってみたいことがあって。マリアはベートーヴェンの秘書で近くにいる存在なのですが、実際に音楽家の周りにいらっしゃる方ってどんな感じなのですか?
石井:そこは多分、俳優さんの周りにいる方と似ていると思いますよ。
剛力:似ているんですね。
石井:ただ、ピアニストに関しては基本一人なんですよ。そこがオーケストラの楽器奏者と違うところです。練習も一人だし、舞台に出る時も一人だし、舞台上にいる時も一人。だから「孤独」に関しては、ベートーヴェンと似た感覚があると思います。そこを楽しめる人がピアニストになると思います。
剛力:じゃあそこに(マリアのような)誰かが入ってきたらイヤですか?
石井:そうですね。なのでわかりますよ、劇中でのベートーヴェンの気持ち。「いま、集中してるんだから!」みたいなのはありますね(笑)。
剛力:そういう時に、どんなふうに入ってきたらうれしいですか?
石井:これは僕の場合ですけど、タイミングだと思います。一瞬ある“一息つきたい時”に来てほしい。そこはわかってくれてるね?って思いたい(笑)。つまり「言わなくてもわかってほしい」ってことだから、めっちゃ甘えん坊ですよね。わがままな甘えん坊。しかもそのタイミングって一瞬しかないんです。音楽家っておそらくそう。
剛力:へえ~なるほど。マリアって、ベートーヴェンが他の誰かとワーッと喋っている時に喋らずポツンといることが多いんです。今のお話で、そういうシーンでの居方や動き方が変わってきそうだと思いました。
石井:でもマリアは本当に包み込んでいる感じがありますよ! すごいです。そして僕、ベートーヴェンじゃないですからね!?
剛力:(笑)。でもすごくいいことを聞けました。ありがとうございます、うれしいです。
>(NEXT)インタビューを終えて