六甲山で見て、乗って、叫ぶ!? 『神戸セラボ探検日誌』Vol.4――奥村頼斗と崎元リストが紅葉で盛り上がった六甲山を散策
神戸セーラーボーイズ 奥村頼斗、崎元リスト
神戸で活躍中の演劇ユニット・神戸セーラーボーイズ(以下、神戸セラボ)が神戸のまちをナビゲートする連載『神戸セラボ探検日誌』。第4弾は、昨年の神戸セラボリレー対談企画第2弾を飾った奥村頼斗(らいと)×崎元リストコンビが約1年ぶりに登場!(昨年のインタビューはこちら) 紅葉でにぎわう秋の六甲山をめぐった二人は、現代アートや音楽、パワーワードなどをダイレクトに浴び、六甲山からの眺望も満喫。「また来たい」とリピート確定、大満足の散策の様子をお届けしよう。そして、12月20日(金)からはAiiA 2.5 Theater Kobeで神戸セーラーボーイズ 定期公演vol.3 『なんて素敵にピカレスク』『天使を憐れむ歌。』がスタート。これまでの経験を生かして、さらなる高みを目指す二人。意気込みを大いに語った。
ケーブルカーで山上へ!
ROKKO森の音ミュージアムで崎元リスト、まさかの人生初体験!
ケーブルカーに乗って六甲山上へ。最初にお邪魔したのは、ROKKO森の音ミュージアム。こちらは六甲山の癒しの場として、自然に囲まれたガーデンと、様々な「音」を楽しめる博物館だ。「SIKIガーデン~音の散策路~」を散歩し、六甲山の冬の風物詩としても知られる360度透明の「SIKIドーム」にも入ることに。「こたつに入るの初めて~!」と嬉しそうな声を上げる崎元、なんと人生初のこたつ体験となった。奥村も今シーズン初こたつ。ドームから見る森の風景に癒された。「SIKIドームはプライベートでも来たいなと思いました。夜もロマンチックなりそうですよね。これからの季節、雪が積もったらさらにきれいだと思います」と奥村。二人は森の中の非日常空間を楽しんだ。
崎元はSIKIドームで初こたつ!
縦横約3mの大型の手回しオルガン。華やかな音にもびっくり。
また、ミュージアム内では特別に手回しオルガン体験も。ハンドルを回した奥村は「手回しオルガンはゆっくり回すのかと思っていましたが、意外と速くて。一定のスピードを保って回さないといけないので、演奏は大変でした」と予想外の感触にびっくり。ちなみに崎元は、奥村の隣で指揮者に扮し、無邪気に指揮を執っていた。オルゴールを中心に、クラシカルな音楽に触れることがきるROKKO森の音ミュージアム。奥村は「かなてぃ(細見奏仁)は音楽が大好きなので、ここに来たら大はしゃぎだと思います」と、ほかの神戸セラボのメンバーとも訪れたいと笑顔を見せた。
(右)『神戸六甲ミーツ・アート』で展示されていた、のんの作品
ROKKO森の音ミュージアムを訪れた時期は、現代アートの芸術祭である『神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond』の会期中で、館内には俳優・アーティストののんによるリボンアートが展示されていた。「のんRibbon Art 昔といまを結ぶちょうちょ」と題された作品を鑑賞した二人。その感想を尋ねると「魂が込められているのが伝わってきました。腕とか、体の一部だけにリボンアートをすることによって目立つし、すごくおしゃれ」と崎元。奥村も「凡人な自分には思いつかない、のんさんはすごい発想力を持ってる方」と感心しきった様子だった。
人生を乗りこなすのは難しい!?
彼らの人生も勢い良く進んでいきますように!
2010年に誕生した六甲山のランドマークの展望台「自然体感展望台 六甲枝垂れ」にも訪れた。「人生」と書かれた佐川好弘作の「あっというまスライダー」に乗ることにした二人。まずは崎元が勢いよくスライダーを飛ばすも、着地点で上手に降りられず、奥村に抱えられる一幕も。「言葉に深い意味があると思った」と崎元。何かを感じ取ったようだ。
※通常は立ち乗り禁止。特別に施設の許可を得て、撮影しております。
『パワーワード展』に出展、ちょんまげ小僧×北浦和也の作品とともに「ひき肉です!」
やまびこ体験では、「舞台で鍛えた大声を出しますよ!」と二人して「ヤッホー!」と絶叫。わずかに聞こえてくるやまびこに「すごいー!」「返ってきた!」と楽しそう。また、標高888メートルの展望台から見える神戸の街並みにも感動。崎元は「坂を登ると疲れますけど、その疲れがあるからこそ、いい景色が見られる。坂って登るためにあるんじゃなくて、仲間といい景色を見るためにある。登ってこそ見られる景色があると思うんですよね……」と意味深な(?)コメントを残した。奥村も「本当、景色が最高です。夜の時間帯にも行ってみたいと思いました!」と堪能した様子だった。
神戸セラボを支える、その道のスペシャリストたち
SIKIドームでまったり
散策の合間には、神戸セーラーボーイズ 定期公演vol.3 『なんて素敵にピカレスク』『天使を憐れむ歌。』についても話を聞いた。いずれもMANKAI STAGE『A3!』の劇中劇を原作としたもので、『なんて素敵にピカレスク』では神戸セラボメンバーは4人、『天使を憐れむ歌。』は5人で上演する。
演出を担うのは古谷大和。神戸セラボにとって古谷は頼りになる大先輩だ。「僕が提示したものに対して、古谷さんが「それもいいと思うんだけど」と言って、ご指導してくださるのがめちゃくちゃ好きなんです。一緒にやらせていただいて、本当に勉強になるし、楽しいなと思うし、めちゃくちゃいい匂いがします! もう意味わからんくらい、いい匂いなんですよ!」と近くにいるからこそわかる喜びも語る崎元。「古谷さんは自分で作品の解釈をさせてくれるので、自分で考える力がめちゃくちゃ身につきますし、僕たちに寄り添ってくれて一つ一つ丁寧に、優しく教えてくださるので、とてもありがたいです」と奥村。安心感も抱いているようで、だからこそ「前回よりもっともっといいものを作るために頑張ろうと思えます」と意欲を見せた。
タイミングを合わせると一つのメロディーが聴こえるが……難しい!
劇中の振付を担当するのは、梅棒の楢木和也。崎元は「楢木さんは言語をダンスで表すのが本当に素敵で、僕が今、何を言いたいのかがわかる振り付けを考えてくださるので、本当に楽しみです」と、取材後に始まる稽古に期待を寄せた。奥村も「劇中のダンスということで、ライブパートとは違う表現を見せられるのではとワクワクしています」と声を弾ませた。
ライブパートの振付はおなじみ後藤健流。ダンスが苦手だった崎元は、「ダンスができない人はできない人なりに、がむしゃらにやって、上手い人に追いつこうとする姿勢でお客様に見せないと」という後藤のアドバイスが、今も胸に響いていると話し、モチベーションも上がったとやる気をみなぎらせる。また、神戸セラボとの関わりも長いだけに親しみやすさも感じていると奥村。「ご指導してくださるときは端的に言ってくださるので、自分の直す点や課題が見つかりやすくて、本当に感謝しています」とメリハリのある関係性も良い影響を受けているようだ。
「ガンアクションも多い、見どころのある物語!」(崎元)
崎元リスト(のんのフォトスポットにて)
反りが合わない二人がコンビを組んだ、とある街を仕切るマフィア「カポネ・ファミリー」の物語『なんて素敵にピカレスク』にベンジャミン役として出演する崎元。公演については、「今回はカッコ良い音楽がずっと流れていて、スピーディーかつ繊細なお芝居が求められるので、焦らずお客様に届けられるようにしたいと思います。でも、スピーディーな展開だからこそ、お話もすっと入ってくるし、キャラクターの情報も分かりやすいので、楽しいお芝居になるんじゃないかな。ガンアクションも多いので、見どころがたくさんあると思います」と期待を寄せた。
カポネ役はゲスト出演の高崎翔太。ビジュアル撮影で顔を合わせた際の印象を、崎元はこう語る。「撮影の時からカポネの存在感を丸ごと持ってくることができる方だと思いました。ビジュアル撮影だけで、カポネの覇気というか、どっしりした感じを表現されていて、本当にレベル違うなと思いました」と、異次元の存在感に度肝を抜かれたようだ。
「経験のない天使の役。みんなでいいものを作りたい」(奥村)
奥村頼斗(のんのフォトスポットにて)
一方奥村は、人間界の女性に片思いした天使のミカエルを中心に繰り広げる『天使を憐れむ歌。』にメタトロン役で出演する。「『エーステ』は春夏秋冬の4組に分かれていて、『なんて素敵にピカレスク』は秋組、『天使を憐れむ歌。』は冬組の演目。昨年は春組の『ロミオとジュリアス』、夏組の『Water me! ~我らが水を求めて~』を僕らも上演させていただきましたし、締めくくりとなる冬組の演目は他の演目に負けないくらいに、また、去年よりも絶対に上達していないといけないと思います」と気合を入れる。そして「この物語自体がすでに切なく美しいストーリーとなっていますが、自分たちが演じるからこそ与えられる感動を作りたいです」と続けた。
演じるのは天使という未知なるキャラクターだが、「天使たちはそれまで、どう生きてきたのか背景を考えることで表現の幅を広げたいと思います。チーム内でも意見を共有して、みんなでいいものを作りたいです」と意気込んだ。
なお、両演目とも配役のない神戸セラボメンバーもお手伝いをしているようだ。「だれがどこでお手伝いしているかもぜひチェックしてください!」と崎元、目がいくつあっても足りない舞台になりそうだ。
アフタートークの豪華な日替わりゲストにも注目!
自然体感展望台 六甲枝垂れ
ライブパートはメンバー9人でおくるほか、少人数の編成も用意している。「少人数のパフォーマンスは、一人一人が輝いているので、推しがそこにいなくても誰を見ても面白いのが特徴だと思います。見応えも聞き応えもあるので、何回も観に来てほしいというのが僕の本当の気持ちです!」といざなう崎元。「AiiA 2.5 Theater Kobeの大きな舞台で少人数となると、一人に対するスポットライトもかなり大きくなると思うので、スポットライトが当たった時も堂々と表現して、お客さんに伝えたいと思います」と奥村。神戸セラボでは初めての編成もあるとのことで、こちらもぜひ楽しみにしてほしい。
この秋には神戸三宮シアター・エートーという観客100人規模の小劇場でも公演した。この経験は二人に何をもたらしたのだろうか。崎元は次のように話す。「シアター・エートーでは、お客様と近い距離感でのお芝居を学べたので、AiiA 2.5 Theater Kobeでは改めて広い空間でのお芝居を学んで、遠くからでも自分の表情や考えていることが相手に伝わるお芝居を目指しています。ライブパートでも、シアター・エートーで自分のダンスのベースを作れたので、AiiA 2.5 Theater Kobeではそれを大きく見せられたらいいなと思います」。
レトロタイプのケーブルカーが到着!
奥村はこう語った。「シアター・エートーでも5人芝居でしたが、今回は同じ5人でもステージが大きくなるので、前回よりもさらに大きく表現することが大事になってくると思います。シアター・エートーでの経験も大事しながら、舞台『銀牙 -流れ星 銀-』(2024年8月上演)以来のAiiA 2.5 Theater Kobeなので、『銀牙』の感覚を取り戻して、さらに大きく演じることを意識したいと思います。AiiA 2.5 Theater Kobeは僕たちにとって安心感のある劇場ですが、1公演1公演新鮮な気持ちで、全力で表現したいと思います」。
連日、行われるアフタートークのゲストも豪華だ。特に気になるゲストを挙げてもらった。「僕、赤澤遼太郎さんが大好きで、尊敬しています。今回、ゲストで来てくださるということで、早く会ってお話ししたいです! 赤澤さんには、なんでそんなカッコ良いんですか? って聞きたいです!」と崎元。奥村は上田堪大の名前を挙げた。「どの方も僕たちにいろんなことを教えてくださる尊敬する先輩方なので、アフタートークは本当にありがたい機会だと思います。そんな中で、どうしても目に入るのが上田堪大さんです。いろいろと感想などもお聞きしたいです」。
神戸セラボ初の冠番組もスタート! ステージの裏側をのぞき見!
山下側の展望車から紅葉を楽しむ二人
10月からはサンテレビで初の冠番組『神戸セーラーボーイズの放課後バックステージツアー』も始まった。すでにロケをおこなった明石侑成、石原月斗が、ミュージカル作品などのステージ裏で見聞きした体験をメンバーにフィードバックしている。「それは本当にありがたい」と奥村が話す。「ここが良かったとか、ここを参考にしたいとか、ロケでの出来事を神戸セラボに持って帰ってくれるので、それをみんなで共有して、自分たちも参考にさせてもらっています。大きな作品をどういうふうに進めているのか、そういったことも吸収できるのでありがたいです」。
ゲストには植田圭輔が登場。崎元に植田の印象を尋ねた。「もう、とにかく面白いです。あと、僕がどんなボケをやってもツッコんでくれるので、先輩ですが一緒にいて居心地がいいですし、一緒に番組をさせていただけてることが嬉しいです。もう名誉です!」
1年ぶりの奥村×崎元ペア、お互いの印象の変化とは?
ROKKO森の音ミュージアム カッコウボックスでピヨピヨポーズも
撮影の冒頭、1年ぶりの奥村×崎元ペアの印象を尋ねた際、「リストはこの1年ですごく大人になった」と話していた奥村。撮影中は、ぱらつく雪に「雪や~!!!」と飛び回り、山上に到着すると「山上に参上!!」とダジャレを言うなど、おもいっきり楽しんでいた崎元の姿に、「僕、リストが大人っぽくなったと言いましたけど、取り消します。全然、子供でした! めっちゃ子供でした。大人になったと思ったのは幻でしたね」と前言撤回する奥村。
そんな奥村に対して「取り消しを撤回してほしいですけど、二人で散策するのは本当に新鮮で、二人で巡ることに意味があるかなと思ってます! 頼斗くんがいたからこそ、今日、得られたものが大きいかなって感じがします!」とマイペースな崎元。終始、クールな奥村だったが、途中、ファンにはおなじみのピヨピヨポーズも取るなど、おちゃめな一面も見せ、二人して大いに楽しんでいた。
取材・文=Iwamoto.K 撮影=福家信哉
聖地情報
公演情報
【会場】AiiA 2.5 Theater Kobe(神戸)
【原作】MANKAI STAGE『A3!』
【脚本】松崎史也
【演出】古谷大和
【出演】
『なんて素敵にピカレスク』
ルチアーノ/明石侑成
ランスキー/中川月碧
ベンジャミン/崎元リスト
デューイ/石原月斗
カポネ/高崎翔太
アンサンブル/渡部恒司 福永 樹 目黒幸輝
『天使を憐れむ歌。』
ミカエル/髙橋龍ノ介
ラファエル/髙山晴澄
ウリエル/細見奏仁
メタトロン/奥村頼斗
フィリップ/田中幸真
【主催】神⼾セーラーボーイズ製作委員会
https://www.nelke.co.jp/contact/
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公演情報
【会場】神戸三宮シアター・エートー
【脚本】*pnish*
【脚色・演出】片岡百萬両
【音楽】齋藤晋介
【振付】MIWA
【主催】神戸セーラーボーイズ製作委員会
【キャスト】(ダブルキャスト)
兄…岡 竣太
弟…大熊蒼空
宮坂…片桐弐夏
遠峰…桑野颯太
店員…田中幸真(神戸セーラーボーイズ)
兄…崎元リスト(神戸セーラーボーイズ)
弟…髙山晴澄(神戸セーラーボーイズ)
宮坂…明石侑成(神戸セーラーボーイズ)
遠峰…中川月碧(神戸セーラーボーイズ)
店員…田内季宇
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