『のだめニューイヤーガラ』でラフマニノフ第2番が好評のBudo、新プロジェクト『目で知るクラシック』を発表
“新しいクラシックを求めて”敢行したビルボード公演を成功のうちに終え、ますます注目が高まるピアニストBudo。ついにYouTubeチャンネルも12万3千人のフォロワー数を超えた。いよいよ『Budo Classic Winter Wonderland2024』、そして年明けの『のだめカンタービレ・ニューイヤーガラ2025』など最新のBudoの活動をレポートの準備中ではあるが、その前に、2025年2月9日(日)より新しくスタートするYouTubeチャンネルのプロジェクトの発表が飛び込んできた。
本日発表されたのは、ライブエグザムとの共同事業としてスタートする、新しいYouTubeチャンネルのプロジェクトである。タイトルも『目で知るクラシック』。世の中のクラシック音楽の新潮流や話題のコンサート、フェス、映画、よろずクラシック音楽にまつわる、楽しい情報を週に一回ショート動画にギュッと詰め込んで、毎週日曜日の夜19時に配信していく。Budoはキャスターとして、彼独自の視点と表現でクラシック音楽のさまざまな情報を届けてくれる。Budoとともにチャンネルの共同プロデューサーであるライブエグザムの青木氏に話を聞いた。
――このチャンネルの目指すものはどんなことなのでしょうか?
クラシック音楽のコンサートを企画して、を販売していくときに、雑誌やSPICEのようなメディアなどいくつかのお世話になっているパートナーはあるのですが、これだけYouTubeやTikTokやインスタなどのSNSメディアが世の中を席捲しているのに、その世界ではそういう役割をしてくれるメディアが少ないと感じていたのです。ならば自分たちで立ち上げて頑張ってみようかと、こういうことに前向きで新しい感性でクラシックを捉えていて、しかもナレーションがとてもうまいBudoさんに相談してみたところ、是非トライしてみたいと言ってもらえたのです。半年以上の時間をかけて、彼やスタッフと議論しながら準備をしてやっとローンチできることになりました。
――タイトル「目で知るクラシック」にはどんな意味があるのでしょうか?
読んでそのままなのですが、本当に視覚で感覚的にクラシックを楽しいと感じてもらえるようなものにできればと思っています。僕自身もそうですが、クラシック音楽の楽しみ方ってCDを中心に世の中に広がった時代があって、なんとなく今もその時代の視聴スタイルや価値観がまだ支配的なように感じたりもします。でも、POPSでもミュージックビデオがムーブメントを作ってた時代が20世紀後半にあって今はもう当たり前のようになっていますが、クラシック音楽だけがまだ耳で聴くストイックな視聴が中心で、例えば「推し活」みたいなことはどこか邪道のように思っている人たちがまだまだいます。でも、果たして本当にそうでしょうか?
反田恭平さんや角野隼斗さんがシーンに登場して活躍するようになって確実に何か地殻変動が起こっているように常々感じています。以前ある映像ディレクターが反田恭平さんの演奏を撮影しているときに、「絵になるなあ、絵になるなあ」と言いながら楽しそうに撮影していたのです。耳で聴く彼の音楽が素晴らしいのは当然ですが、彼の動きってとても美しくて、動きからも魅了されませんか?演奏する姿の美しさやユニークさでファンになってもいいと思うのです。
オーケストラのコンサートでも視覚的に楽しいことを作曲家自身が仕掛けていることもあって、例えばマーラーの巨人でホルン隊が立ち上がることが譜面に指示されていたりする、あのシーンを目にすると視覚的にも確実に気分がアップしますよね。ブルーレイやDVDでの演奏も昔に比べると格段に増えて、YouTubeで自分たちの演奏を無料で提供し続けているhr交響楽団のようなドイツのオケも存在します。個人的な話になりますが、ドビュッシーの海は一番好きな楽曲で、以前はマルティノン指揮のCDを何度も聴いてましたが、アバドのルツェルン祝祭管弦楽団のブルーレイが登場して以降、もっぱらこれを見るようになりました。何度見ても、アバドを大好きな世界の名手たちが彼のために必死にトゥッティしている様は、自然と涙が出てきてしまいます。
この企画では、視覚的にクラシック音楽の中にあるエンターテイメントの要素をもっと紹介できればと考えています。
――なるほど。視覚的に「目で知って」楽しむクラシックを紹介していくということですね。
そうですね。僕自身がクラシックの中にあるエンターテイメントの要素にずっと惹かれ続けてきたので、そうした要素をいろいろと伝えられるような動画にしていきたいと思っています。
YouTube『厳選“目で知るクラシック”』より
――日曜日の夜に配信されることにした理由も何かあるのでしょうか?
ブルー・マンデイって言いますけど、土日がお休みの人はなんとなく、日曜日の夜に仕事のことを考えてちょっと憂鬱になったりするじゃないですか、そういうときにちょっと気分が上がるようなものになったらいいなあと思って。あ、こんなことが来週以降にあるんだ、だったら、楽しみにしよう!みたいな。
あと、Budoくんが自分のチャンネルやコンサートでも「ごきげんよう」と並んでお別れのときに口にする「それでは。みなさん、よい夢を」というキメ文句が日曜の夜にいいなあと思って。古いですけど、淀川長治さんという、映画解説者のおじいさんが「それではみなさんさいならさいなら」って言いながら、週末の映画番組が終わったときのような、寂しさと楽しさが入り混じった気分。そんな存在になれるところまでこのYouTube動画が成長出来ると、クラシック音楽の普及にも貢献出来るのではないかと、妄想を膨らませてます。何年かかるかわかりませんが。
キャスターとして共同制作のオファーを受けたBudoにも話を聞いた。
――この話のオファーをされたときにどう感じられましたか?
とてもワクワクさせられましたね。目指す方向性が、自分自身音楽で目指している方向性とピタリとあっていましたから。それに、BS11さんの「貴公子たちの音楽会」にはじまって、BSフジさんの展覧会の特別番組やリアル・トラウムの特別番組などでナレーションの仕事をやらせていただいて、自分の声にこんな力があるんだと気づかせていただけたので、そうした自分の気づいていなかった能力を試せるのがとてもうれしいですね。
第1回の2月9日(日)19時には、『Budo Classic Winter Wonderland 2024』、その先には、2月5日(水)に清塚信也・角野隼斗が記者会見に揃って登場した話題の『こども音楽フェス』の記者会見レポートや、角野隼斗のドキュメンタリー映画『不確かな軌跡』試写レポートなど、充実したコンテンツが予定されている。もちろん、Budo自身の次なるビッグ・プロジェクトのレポートも近日あるとの噂も!
文責=神山薫
Budo今後の出演予定
公演日:2025/6/16(月)19:00開演
会場:サントリーホール(東京都)
出演
指揮:園田隆一郎
ピアノ:Budo
管弦楽:パシフィックフィルハーモニア東京
演奏予定曲目
グルック(ワーグナー編):歌劇《オーリードのイフィジェニー》序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64
イープラス最速先行(先着・座席選択あり)受付期間:~2/26(水)23:59まで受付
https://eplus.jp/ppt175-2506/
一般発売:3/11(火)10:00~
https://eplus.jp/sf/detail/4206320001-P0030003P021001
ピアノで聴く『のだめカンタービレ』BEST
会場:サントリーホール 大ホール(東京都)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 作品13「悲愴」より 第2楽章
ラヴェル:『ボレロ』 ほか
歌とピアノによるクラシカル・クロスオーバー・スペシャル・コンサート
『プリンス・ガラ+』
会場:下呂交流会館アクティブ泉ホール(岐阜県)
会場:橋本市サカイキャニング産業文化会館「アザレア」(和歌山県)
会場:早島町町民総合会館 ゆるびの舎(岡山県)