グァンス、百成瑛、ウォンシク、ミヌ、柏原収史(演出)に聞く、ミュージカル『マイ・バケットリスト』Season9への思い

インタビュー
舞台
2025.3.12
(左から)柏原収史、ウォンシク、ミヌ、グァンス、百成瑛

(左から)柏原収史、ウォンシク、ミヌ、グァンス、百成瑛

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2025年3月20日(木)~23日(日)浅草 花劇場にて、韓国ヒューマンバディミュージカル『マイ・バケットリスト』Season9が上演される。この度、オフィシャルインタビューが公開された。


韓国そして日本でも何度も上演されるほど多くの人々に愛されて来た『マイ・バケットリスト』は、不良少年カングと余命宣告された少年ヘギが出会い、ヘギの死ぬまでにやりたい100個のバケットリストを二人で埋めていく感動のストーリー。 舞台に登場するのはカングとヘギの二人だけ。いたってシンプルだからこそ、二人の心情をより強く深く感じることができる。

今回上演となるSeason9では、カングとヘギそれぞれWキャストで演じられ4通りの組み合わせで物語を味わうことができる。

不良少年カングを演じるのはデビュー以来不動の人気を誇るダンスボーカルグループ超新星のメンバーとして活動しながら俳優としても数多くの作品に出演、昨年5月に上演されたSeason8ではヘギ役を演じたグァンスと、イギリス出身でモデルそして俳優として舞台『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』 や舞台『弱虫ペダル』他、多くの作品にて活躍の百成瑛(どうみきあきら)。

余命宣告された少年ヘギを演じるのは、ダンスボーカルグループApeaceのメンバーとして活動後、現在は2人組ボーイズユニットTMCのリーダーとして音楽活動のほかMCや舞台などでも幅広い活躍を見せるウォンシクと、今年デビュー14年目を6人の完全体で迎え変わらぬ人気を誇るBOYFRIENDのメンバーで、本作品Season5、Season6に続き今回3度目のヘギを演じるミヌ。

演出を担当するのは自身も俳優として多数のドラマや映画などで活躍する柏原収史。役者の気持ちや感覚を理解できる柏原ならではの演出で舞台を作り上げていく。

二月下旬に行われたビジュアル撮影の際、4名のキャストと柏原収史の5名による座談会を実施。カング役のグァンスと百成、演出の柏原の3名はすでに稽古で顔合わせが済んでいたが、ヘギ役のウォンシクとミヌはスケジュールの都合でこの日が初めての合流となった。

ーー最初に今回『マイ・バケットリスト』に出演することになってどんな気持ちか、おひとりずつにお伺いします。まずグァンスさんはSeason8でヘギを演じた際に「カングのキャラクターを知れば知るほど魅力を感じ、いつかカングもやってみたい」とおっしゃっていましたが、今回カング役を演じることになりどのような気持ちがしましたか?

グァンス:後悔してます!(笑)

全員:(爆笑)

グァンス:いや~演じてみたら難しすぎて! 甘く考えていたとすごく反省しました。カングはすごく強がっているしちょっと不良っぽく見えるかもしれないですが、心の中に抱えるせつなさや大きな悲しみをみなさんにきちんとお届けできるよう稽古に取り組んでいます。

ーー前回ヘギを演じる時8キロダイエットしましたが、今回カングを演じるにあたっては?

百成:(※ちょっとあせった表情を浮かべるウォンシクを見て)あれ? ちょっとその言葉でささってる人がいるみたいです(笑)。

グァンス:今、別の仕事の関係で前回のヘギの時のようにからだをしぼっているんですが、それが終わったら本番までには戻そうかなって思ってます。しぼるのは大変だけど戻すのは食べるだけなんで!(笑)

ーーミヌさんはSeason5と6、そして今回もヘギを演じます。 ヘギとの3回目の出会いはいかがですか?

ミヌ:久しぶりで楽しみっていう気持ちと、前回よりもっと成長した姿を見せなくちゃいけないっていうプレッシャーがあります。でもちゃんと準備していい姿を見せたいと思います。

ーーウォンシクさん、百成さんは初めての出演になります。オファーを受けていかがでしたか?

ウォンシク:実は心配しかなかったです。今までの公演の動画を観ましたが、こんな素晴らしい舞台、僕にできるかなっていう心配と、あと…ダイエットしなくちゃっていうのが…。スタッフさんから「グァンスさんはヘギをやるためにものすごく頑張ってた」って聞いていたのですが、動画を観たら本当にすごく細くて…。それで自分の姿を鏡で見たら「やべっ!」って。 で、今日現場についたらまた「やべっ!」って(笑)今衝撃を受けてる真っ最中です。でも頑張ります!

百成:僕にとって久しぶりのミュージカル出演なんですが、韓国の方ってみなさん歌が上手なので僕も頑張らなくちゃっていう不安な気持ちはあります。何度かミュージカルには出て歌も歌ってきたんですが、もっと頑張らなくちゃって思っています。

ーーいろいろな舞台の演出を手掛けて来た柏原さんですが、この作品の演出のオファーを受け、どのようにこの作品の世界を作りたいと考えましたか?

柏原:韓国でも日本でももう何度も上演されている名作で、僕自身も数回観劇したことがあります。僕なりの世界に作り上げようというより、二人芝居なので稽古をしながら役者さん同士の空気感で自然とその世界が作られていくのかなと思っています。

ーーすでにお稽古が始まったそうですが、キャストのみなさんの柏原さんの印象は?

柏原:どうですか??(笑)

全員:(笑)

ミヌ:僕は今日初めてで。

ウォンシク:僕は昨日、僕の出ていた舞台(『Home』)を観に来てくださって。

柏原:終わったあと「明日からよろしくね」っていう挨拶だけさせてもらったけど、ほぼ今日がはじめましてって感じだよね。

ウォンシク:そうです。ほぼはじめまして!(笑)よろしくお願いします!

百成:僕とグァンスさんはすでに稽古で3回。 

グァンス:そうですね。その3回で感じたのは、“優しい”ですね。ご自身でもお芝居をなさってるので、演者の気持ちをすごく理解してくださっているのを感じます。細かいところの演出まで僕たち二人に毎回意見を聞いてくださるのが演者としてはすごくありがたいですし、嬉しいです。まだ二人(※ウォンシクとミヌ)は稽古に参加できていないけれど、これからこの5人で作り上げる作業が楽しみですね。

(左から)百成瑛、グァンス

(左から)百成瑛、グァンス

百成:僕は…裏に連れていかれてボコボコにされました(笑)。

柏原:なんでやねん!(笑)

百成:(笑)。いや~、本当にグァンスさんが言った通り、演技にも演出面にもすごく僕たちの意見を取り入れてくださって、とてもいい関係ができているなって思っています。 僕たちの意見をかなり聞き入れてくださるので、時々「本当にこれでいいのかなぁ」って思うことがあるくらいです(笑)。

柏原:(笑)。なるほど。 それに関して話すと、僕は役者同志演技する中で、やりにくいって思いながら演じるのが一番ダメだと思っていて。 なのでこちらから「こういうパターンは?」って投げかけた時、どんな演技修正をしてくれるかを見て違和感無い形にするのが一番だと思うんですが、この二人は自分たちで器用にそれをこなして成立させてくれるから「じゃあ、それでいこうか」っていう流れになるんですね。

百成:よかった! 安心しました。

ーーこの作品は二人しか登場しないので公演時間中、ずっと舞台に立ち、ものすごい量のセリフをこなさなければいけません。 みなさん、その面でのプレッシャーはありますか?

ウォンシク:100%以上…。僕、こんなに大量のセリフがある作品ははじめてで。僕の中では成長できるチャンスって考えて全力でやろうと思っているんですが、とにかくみなさんにとってマイナス要素にならないように頑張るだけです!

柏原:ミヌくんはもう楽勝ってさっき言ってましたよ(笑)。

百成:僕も聞きました(笑)。もう3回目だから~って(笑)。

ミヌ:言ってないよぉ~~(笑)。

柏原:今の時代だとこういうジョークはパワハラになるな(笑)。

ミヌ:(笑)。プレッシャーというか、みんなの期待に応えられるように、出来る限りの準備をしたいと思います。

グァンス:僕は去年ヘギとして出演しましたが、ヘギはずっと舞台に出っぱなしなのであの時「カングは水を飲めるところが何度かあるぞ」って実は思っていたんです(笑)。僕、よく水を飲むんですが、ヘギを演じた時は本番中で1回しか飲めないくらい本当に出っぱなしだったから。カングは登場しないシーンがいくつかあるので少し水を飲めるかなぁ(笑)。 初めてのカングでいろんなプレッシャーはあるけど、とにかく楽しくやりたいって思っています。

ーーでもカングはヘギより少し休める部分があっても、その分エネルギーの使い方が激しいのでは?

グァンス:そうですね。でも僕、ずーっと舞台上に出っぱなしの作品が好きなんです(笑)。休憩できる時間が多い作品だと物足りなさを感じてしまうくらい(笑)。なので『マイ・バケットリスト』はヘギもカングもほとんど舞台に立っていられるので本当にやりがいがあるし、楽しいですね!

百成:僕はプレッシャーというよりまず「喉が渇きそうだな~」って思いました(笑)。カングはすごく叫ぶし、エネルギッシュだから。稽古の初日、何本ペットボトルが空いたかわからないくらい飲みました。僕、普段からめっちゃ水を飲むんで、本番でちゃんと補給できるかということだけがちょっと心配です。

ーー柏原さんは カングとヘギをどのように演じてほしいと考えていますか?

柏原:基本的にはそれぞれ感じたまま素直に演じてほしいんですが、稽古が始まる前に1つだけ「カングとヘギは未成年だということだけは忘れないで演じてほしい」と伝えました。未成年ならではのもろさ、危なっかしさがこの二人に出たらいいと思っていて。生きたいヘギと死にたいカング、強がってるカングと病身だけどたくましく生きるヘギ…みたいな対比とか、ケンカしたと思ったら次のシーンでは仲直り、だけどまた言い争ったり。そういう未成年ならではのヒリヒリ感やドキドキ感、ワクワク感を出せたらいいなと思っています。

ーーまだお稽古が始まったばかりだと思いますがカンパニーの雰囲気は? 

柏原:まだヘギ役の二人も練習に参加していなかったし、二人芝居なんで稽古場がワイワイ賑やかっていう感じではないですが(笑)。でも少人数ならではの良さとして、話し合いや決めごとなどいろんな面でとてもやりやすいですね。でもやっぱりちょっとした寂しさはあるかな(笑)。

百成:寂しいですよね(笑)。普段の舞台では人数多くてワイワイって感じがするんですけど、今は少人数でこじんまりしてるから(笑)。ヘギ役の二人がこれから練習に参加するのを楽しみにしています。

ーーそれぞれWキャストで演じますが 「僕が演じるカング(ヘギ)は〇〇なカング(ヘギ)」とキャッチコピーをつけて、自分だけのその役の魅力を教えてください。(柏原さんも「僕は〇〇な演出家」でお答え願います)

グァンス:僕の演じるカングは「グァンスみたいなカング」です。 僕、普段お芝居をする時はあまり自分を出さないように気をつけています。たとえその役が自分に似ているところがあるとしてもなるべく出さないようにしていたんですが、今回は思いっきり出そうかなって。逆にこの役ではその方が合ってるかなって思えて。

百成:そっちの方が良かったです(笑)。「グァンスっぽいカング」って言われたら普段カングっぽいのかな、不良なのかな、ちょっと距離を置こうかなって(笑)。

グァンス:(笑)。いやいや~、不良ではないから安心して大丈夫!(笑)

ウォンシク:僕は逆に、僕の演じるヘギは「ウォンシクではないヘギ」ですね。僕、お芝居をするといつもキャラが自分に寄ってしまうんです。僕の演技を観たファンから「え? あれはお芝居だったの?」って言われるほど(笑) だから今回こそ、いつもの自分じゃない自分を見せたいなって思っています。

ミヌ:色んな方が演じたヘギを観たんですが、それぞれ魅力があってとても勉強になりました。でも僕個人的には、僕が演じるヘギは「台本に一番近いヘギ」にしたいと思っています。作者の方が考えたヘギのイメージに一番近いヘギを演じたいって考えています。

百成:僕は「人間くさいカング」を演じられたらと思っています。僕が役作りする時いつも大切にしているのは、その役の奥にある人間性。人の感性の上には性格とか理性とか感情が乗っていると思うので、その人物をどれだけ深められるかを大切にしています。カングは基本的にわかりやすく怒りや悲しみなどの感情を出しますが、その奥に人間として何を感じているのかということを大切にしていきたいです。

柏原:僕は自分自身を演出家って思ったことがなくて。俳優としてずっとやって来ましたが、音楽面でプロデュースしていたアイドルグループが舞台をやることになり演出を依頼されてたのがきっかけで始めたから。なので演出家としての強いこだわりっていうのは一切なくて、むしろ役者の気持ちはわかるから...。あえてキャッチコピーを付けるなら「役者な演出家」かな?

百成:かっけ~~!♡

柏原:いずれ百成くんも演出を。

百成:いやいや~、でも興味はあるのでいつかはやってみたいですね。

韓国ヒューマンバディミュージカル『マイ・バケットリスト』season9 

韓国ヒューマンバディミュージカル『マイ・バケットリスト』season9 


 
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