「月曜から幸せすぎる！」美容師のための音楽フェス『BOB ROCK FESTIVAL 2024』にネバヤン、LOVE PSYCHEDELICO、中村佳穂、荒谷翔大、S.A.R.と心地よく踊り明かす

『BOB  ROCK FESTIVAL 2024』10月28日（月）＠大阪・服部緑地野外音楽堂

“ハッピーマンデー美容師フェス”をテーマに、週のはじまりである月曜の真っ昼間に、自然に囲まれた野外音楽堂で音楽とお酒、おいしいごはんに包まれた音楽フェスとして2019年にスタートし、今回で4回目の開催となった『BOB ROCK FESTIVAL 2024』。週末に休みを取りづらい美容師に音楽フェスを楽しんでほしいと、大手美容ディーラー「ガモウ関西」が主催し、野外フェス『たとえばボクが踊ったら、』チームが制作しているイベントで、美容師はもちろん、週末に仕事を頑張る音楽ファンに、明日への活力になればという願いが込められている。

今回は、荒谷翔大、LOVE PSYCHEDELICO （Premium Acoustic Set）、中村佳穂、never young beach、S.A.R.が出演。司会は、イベントではお馴染み、FM802 DJの板東さえかが登場した。イベントには“美容師割”もあり、会場にはたくさんの美容師が集まっていた。回を重ねるごとに、年齢層も幅広く、子ども連れのひとも増えてきたように思う。会場には大阪市内の人気立ち飲み「THE MUSEN IN SHOCK」や「ヨコボリ」、岡山の美容師・白神氏の『ALLDAY STAND』が集結。さらに、yamyamの似顔絵屋さんも大好評に。開放感たっぷりの野外で音楽を全身で浴びながら、お酒やフードを味わえる最高の月曜日に。

S.A.R.

トップバッターは、東京を拠点とするオルタナティブ・クルーのS.A.R.（エス・エー・アール）。santa（Vo）、Attie（Gt）、Imu Sam（Gt／MC）、Eno（Ba）、may_chang（Dr）、Taro（Key）がステージに登場し、「Abstract Blue」でライブをスタート。1st アルバム『Verse of the Kool』から「Clouds」「UPTOWN」「POOL」を披露し、フロアをゆらゆらと揺らす。

 SOUL、R＆B、HIP-HOP、JAZZなどをベースにしながらも、メンバーそれぞれのルーツミュージックが混ざり合った楽曲の数々は、どれも心地よくて超刺激的。新曲も披露しながら、「Kaminari」「Cannonball」と終盤へと向かうにつれて、ライブでしか味わえないグルーヴがより濃密に。クルーの存在感をしっかりと焼き付けながら、『BOB ROCK FESTIVAL』のムードにぴったりな、最高に気持ちいい幕開けに。

荒谷翔大

続いて、『BOB ROCK FESTIVAL』にはyonawoでの出場を含めると最多4回目、ソロとしては今回が初出演となる荒谷翔大。集まった観客の期待値の高さは、拍手喝采の熱量が物語っていた。踊り出さずにはいられない「caffè e llatte」で会場をぐっと惹きつけ、「すっぽんぽん」を続けて披露（両楽曲は、その後25年3月にリリースしたメジャー1st EP「ひとりぼっち EP」に収録）。さらに色気と哀愁が漂うミディアムバラード「紫苑」を歌い届け、全身で聴き耽る観客たち。

荒谷にとっては、もはやホームグラウンドともいえる『BOB ROCK FESTIVAL』の温かいムードに包まれるなか、椎名林檎の「丸の内サディスティック」のカバーが披露されると、会場の熱気が一気に上昇。後半は24年12月にリリースした「Focus」、「涙」、そしてメジャーデビューシングル「雨」とじっくりと歌われ、より荒谷の歌声が心に沁みる、うっとりとするほどメロウでロマンチックな時間を分かち合った。

中村佳穂

リハーサルで鍵盤を奏でながら、「美容師のみなさま。そうじゃないみなさまの前で、オシャレをして歌うのは、少し緊張する」と語りかけるように歌い始めた中村佳穂。ワッと歓声が沸き、荒谷からバトンを受け取ったように、「丸の内サディスティック」（東京事変）をマッシュアップしてみせ、のっけから観客の心を鷲掴みに。

「SHE'S GONE」から「GUM」と続けて披露されると、会場は瞬く間に祝祭感でいっぱいに「静かな曲を」と「Hank」など一音一音に耳を傾けながら、聴き入る観客たち。「友達ができたらと、おまじないのように作った曲です」と紹介し、「口うつしロマンス」へ。『紅白歌合戦』への出演も果たし、一気にお茶の間にも知られることになり広い会場でライブが開催できるようになったが、一人一人に寄り添うように歌を届ける親近感は、小さなライブハウスでひとり弾き語りをしていた頃と変わらない。文字通り音を楽しみながら、歌い音楽を鳴らす彼女はとにかく自由で、明るい気持ちにしてくれる。最後の「きっとね！」まで、これぞライブという、生き生きとしたステージをみせてくれた。

LOVE PSYCHEDELICO （Premium Acoustic Set）

LOVE PSYCHEDELICOは、KUMI（Vo.Gt）とNAOKI（Gt）、ヴァイオリニスト・美央を迎えてのスペシャル編成で登場。アコースティックギターが鳴らされ、歌われた「Your Song」から、「みんな楽しんでる？ 一緒に楽しんでいこうね！」と、続けて「Swingin'」へ。温かいギターの音色に、KUMIの歌声が広い空へ伸びていく。ヴァイオリンの戦慄がスケールを増し、陽が沈みはじめた夕暮れどきにピッタリなムードに。

ボブ・ディランの「風に吹かれて」も披露され、野音の開放感が増幅。60年代アメリカはニューポートのフォークフェスティバルは、こんな風に最高に気持ちよかったのだろうな、なんて思いを馳せたくなったほど。20年以上前に発表された「裸の王様」「Last Smile」と歌い鳴らされると、楽曲の持つパワーとソウルはそのままに、アコギとヴァイオリンの美しい音色が温もりを感じさせてくれる。ラストは、NAOKIも身を乗り出してプレイ。「LADY MADONNA 〜憂鬱なるスパイダー〜」で熱気を高めるクラップが巻き起こり、新旧織り交ぜたセットリストでこれでもかと魅了した。

never young beach

トリを飾るのは、結成10周年のnever young beach。背中に「祝」の文字があしらわれたおそろいの法被で登場。すっかり陽が暮れたステージに、おろいの法被を身にまとったメンバーが登場。「なんかさ」でライブをスタートさせると、早くも会場のテンションは最高潮に。安部勇磨（Vo.Gt）が「歌ってちょうだい！」と投げかけ、「らりらりらん」ではお祭り騒ぎに。あちらこちらから「やばい！」「さいこー！」という声が飛ぶ。

明日は火曜日。みんな仕事や学校の人が多かったはず。お酒も進み、ハッピーマンデーに何も思い残すことがないように、バンドと一緒に高らかに歌い、キラキラの笑顔で踊る姿はなんとも眩しい。ラストの「明るい未来」では、腕が痺れるぐらいにグラスを掲げて、オイ！コールが自然発生。安部が「みんなさいこーです！ありがとー！」と言い残し、最高潮のままアンコールは「お別れの歌」。胸をきゅっとさせる名残惜しさもスパイスに、この瞬間をとにかく楽しもうというバンドと観客の熱気と興奮は、明日からもまた頑張ろうと励みになるような特別な体験となった。

カラフルで個性的なヘアスタイルもファッションも、ありのままに人生を謳歌しているからこそ。さまざまな個性が音楽で繋がってひとつになり、自由に歌って踊る光景はとても美しくエネルギーに満ち溢れていた。月曜日から、こんなにも生き生きとしたハッピーな空間は『BOB ROCK FESTIVAL』でしか味わえない。

次回は、2025年6月2日（月）に同じく大阪・服部緑地野外音楽堂で開催が決定した。出演は荒谷翔大、PUFFY、離婚伝説、YOGEE NEW WAVESの出演が発表されている。次回も『BOB ROCK FESTIVAL』ならではの心地よさと多幸感で満たされるに違いないラインナップに。そのほか出演者や詳細の続報は、公式SNSを要チェックだ。

取材・文＝SPICE編集部（大西健斗）　撮影＝渡邉一生

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S.A.R.

荒谷翔大

中村佳穂

LOVE PSYCHEDELICO （Premium Acoustic Set）

never young beach