圧倒的な存在感で心を奪う、さとう。が初のバンド編成ライブで楽曲にさらなる輝きを

レポート
音楽
2025.3.24
さとう。

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さとう。LIVE TOUR『朗朗、その声だけを頼りに』2025.03.21(fri) 渋谷duo MUSIC EXCHANGE

ミニアルバム『とあるアイを綴って、』を引っ提げて開催された東名阪ツアー『朗朗、その声だけを頼りに』。静岡県伊豆出身のシンガーソングライター「さとう。」が初のバンド編成でステージに立ち、多彩な楽曲をじっくり届けてくれた。初日となった3月21日(金)・東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGE公演のはソールドアウト。会場に集まった観客が歌声にじっくりと耳を傾けながら過ごし、時には大合唱の歌声を響かせたこのライブの模様をレポートする。

サポートミュージシャンの出口博之(Bass/モノブライト)、ZACK(Drums)が演奏を始めると、アコースティックギターを手にして登場した「さとう。」。ステージ中央で深々とお辞儀をした彼女が、「お越しいただき本当にありがとうございます。立っちゃいます? 立てちゃったりします?」と呼びかけると、椅子に着席していた観客が一斉に立ち上がった。そして「この景色、最高ですね。踊ってもいいし、声を出してもいいし、好きなように楽しんでください。みんなで楽しい時間にできたらいいなと思っています」と言った直後、彼女はアコースティックギターの弦を力強くストロークして出口とZACKの演奏に合流。観客の手拍子も加わり、活き活きとしたアンサンブルが構築された。「さとう。」の歌を支えるバックバンドでありつつも、出口とZACKが演奏をピュアに楽しんでいるのが伝わってくる。弾き語りでの活動を重ねてきた彼女だが、バンドスタイルも抜群に似合っていた。

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このツアーは今後、3月29日(土)・愛知・名古屋SPADE BOX公演と3月30日(日)・大阪・南堀江knave公演が予定されている。初日の東京公演で披露された曲や全体の構成について具体的に触れるのは避けるが、『とあるアイを綴って、』を引っ提げてのツアーなので、以下の6曲が披露されたのは紹介しても構わないだろう。アコースティックギターの豊かなコードの響きが、バンド全体のビート感を爽やかに彩った「朗朗」。《出会いたいな あなたに》というフレーズを観客と何度も交わし合った彼女が、とても幸せそうだった「Aini」。3ピースバンドとしてのエネルギッシュな魅力を存分に輝かせていた「点滅する」。観客の力強い手拍子が加わりながら開放的な盛り上がりを生んだ「夕陽になった人」。爪弾く瑞々しいサウンドと力強いピック弾きを併用した表現力豊かな弾き語りが繰り広げられた「アマレット」。「さとう。」が弾いたピアノがリズム隊と温かく融け合っていた「春一番」……バンド編成の際はメンバーと音を重ね合わせる喜びに溢れ、弾き語りでは自身が奏でるギターで歌声を鮮やかに躍動させる姿に心奪われずにはいられなかった。

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歌っている時は圧倒的な存在感だが、時折挟む小休止のMCでは親しみやすいキャラクターを発揮するのも「さとう。」の微笑ましい魅力だった。「お集まりいただき」と言うつもりが「お祭りいただき」と言い間違えたことすらも「お祭りみたいなもんですよ(笑)。楽しみにしてましたから」とポジティブに捉えて笑う姿が明るい。「今回のツアーは、ミニアルバムを携えてのツアーなんですけど、聴いてくださっているのをSNSとかで伝えてくれて、それがステージに立つ勇気、やる気になったというか。みなさんの声に助けられてます。受け取ってくださってありがとうございます」と、朗らかな声でお礼を伝えていたのも印象的だった。「“誰にも聴いてもらえなくてもいいから自分の言葉で歌わなきゃ”と、ずっと思っていました。でも、そんな『さとう。』の曲をそばに置いてくれたり、“さとう。さんの曲、好きですよ”と伝えてくれる人がいたり。なんて素敵な出会いなんだろうと思います」と心の底から嬉しそうに語っていたのも思い出される。歌声と演奏だけでなく、アーティストの胸の内にある想いにダイレクトに触れる感覚にもなれるのがライブの醍醐味だ。「さとう。」とファンが心を通わせ合う空間が、今回の東京公演でも作り上げられていた。

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弾き語りはもちろん、バンド演奏でも各曲を輝かせることができた手応えは、彼女の今後の活動を後押しする頼もしい力となるのだろう。観客もバンドによる「さとう。」のライブを目一杯に楽しんでいた。東京公演の終盤でバンド編成による次のステージが発表された際に上がっていた歓声は、とても大きかった。『地平線、そこで会えたら』というタイトルが掲げられたツアーは、 7月5日(土)・大阪・梅田 Shangri-La、7月13日(日)・愛知・新栄 Shangri-La、8月2日(土)・東京・下北沢 Shangri-La――東名阪での3公演が予定されている。そして、もう1つのライブ企画も発表された。「さとう。」主催のマンスリーライブ『見上げてばかりの月を背に』が、ゲストを招いて開催されることも決定。公演予定日は5月22日(木)、6月18日(水)、7月18日(金)。会場は東京・青山月見ル君想フ。さらなる詳細は近日公開されるそうだ。精力的にライブを重ねながら進化を遂げようとしている「さとう。」に、ぜひ注目していただきたい。


取材・文=田中大

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ツアー情報

さとう。 LIVE TOUR『朗朗、その声だけを頼りに』
3月21日(金)【東京】渋谷duo MUSIC EXCHANGE
3月29日(土)【愛知】名古屋SPADE BOX
3月30日(日)【大阪】南堀江knave

[SUPPORT MUSICIAN]
Ba. 出口博之(モノブライト)
Dr. ZACK3/30(日大阪】南堀江kne [SUPPORT MUSICIAN] Ba. 出口博之(モト) Dr
 
LIVE TOUR「地平線、そこで会えたら」
7月5日(土)【大阪】梅田 Shangri-La
7月13日(日)【愛知】新栄 Shangri-La
8月2日(土)【東京】下北沢 Shangri-La
※全てバンド編成

リリース情報

mini album「とあるアイを綴って、」
2025年3月12日(水)リリース
BZCS 1226 ¥2,000(税抜¥1,818)
 
[収録曲]
1.点滅する
2.朗朗
3.アマレット
4.春一番
5.夕陽になった人
6.Aini
 
[タワーレコードオリジナル特典]
「さとう。描きおろし オリジナルステッカー」
https://tower.jp/item/6765269
※特典は数に限りがございます。無くなり次第終了となります。

さとう。「とあるアイを綴って、」linkfire
https://lnk.to/toaruai
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