雑誌『SAVVY』の世界観や誌面づくりの裏側に触れる「かわいくておいしくてすてきなもの」が集結した『SAVVY FES.2025』レポート

レポート
イベント/レジャー
2025.4.14
『SAVVY FES.2025』 撮影=福家信哉

『SAVVY FES.2025』 撮影=福家信哉

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『SAVVY FES.2025』2025.3.20.THU ハービスホール

「関西の! すてきを見つける!」をテーマに、ショップやごはん、カフェ、スイーツ、旅行、ライフスタイルなどの関西の情報を伝える、京阪神エルマガジン社発行の月刊誌『SAVVY(サヴィ)』。そんな『SAVVY』の世界観を楽しめる読者参加型イベント『SAVVY FES.2025』が、3月20日(木・祝)にハービスホールで行われた。本誌でおなじみの人気店や美味しいもの、旅先の情報などが大集結、さらに読者とSAVVY編集部が交流したスペシャルな1日となった。

『SAVVY FES.2025』

『SAVVY FES.2025』

『SAVVY FES.2025』

『SAVVY FES.2025』

関西でおしゃれなお店や美味しいごはんを見つけたい時は『SAVVY』を読む、という人もきっと多いだろう。昨年、『SAVVY』創刊40周年を記念して10年ぶりに行われた『SAVVY FES.』は、関西の人気店や話題店を集めた『SAVVY』セレクトブースや、注目の商品や体験コンテンツが満載の協賛ブースが並び、『SAVVY』の世界観に浸れると大盛況で終了した。今年はさらにパワーアップして、より読者に『SAVVY』の魅力や裏側が伝わるコンテンツが用意された。もちろん人気店や協賛ブースも盛りだくさん。

『SAVVY FES.2025』

『SAVVY FES.2025』

その期待を表すかのように、会場のハービスホールはオープン前から大勢のお客さんで大賑わい。めいめいにオシャレした読者たちがうきうきとした様子で列を作り、開場の時を待っていた。

『SAVVY FES.2025』

『SAVVY FES.2025』

入り口付近には昨年に続きフォトスポットが登場。『SAVVY』といえばのピンク色がかわいらしいパネルの前で早速記念写真を撮る人も。

久保沙絵子の原画

久保沙絵子の原画

また、SAVVY.jpで連載中の「久保沙絵子の勝手に表紙作ります」でイラストを手がける久保沙絵子の原画を展示。緻密に描き込まれた線画に引き込まれた。

土井コマキ(FM802 DJ)

土井コマキ(FM802 DJ)

定刻の14時になると、メインホールのステージに司会でFM802 DJ・土井コマキが登場。襟が大きなワンピースを着用した土井は、この日のあたたかな陽気に「『SAVVY FES.』に合わせてちょっと春が近づいてきてくれたかな」とウキウキしている様子。ばっさりと髪を切っていた土井だが、実は「SAVVY FRIENDS x LIMヘアケア体験会」で、ヘアドネーションのために公開ヘアカットを行なった。その模様は後日SAVVY.jpにて公開されるようなのでお楽しみに。

 
秦啓編集長

秦啓編集長

そして『SAVVY』の秦啓編集長もステージに。会場の盛況ぶりに「普段読者の方と接する機会が思ったより多くないので、こういった機会はありがたいですね」と頬をゆるめ、新たな取り組みとして設けられた、誌面で活躍しているプロのカメラマンによる撮影ブースを説明した。

土井がチョイスした会場BGMに乗せて、いよいよ『SAVVY FES.2025』が開幕! 土井は選曲について「昨年の『SAVVY FES.』を思い出したり、誌面を思い描いて、読者の皆さんの春のウキウキするような気持ちを盛り上げられたらという想いを込めた」と話していた。

●本誌で見た、あのお店に出合える機会

『SAVVY FES.2025』

『SAVVY FES.2025』

開場して真っ先に大行列ができたのは、やはりおやつブース。『SAVVY』読者は「かわいくて美味しいもの」が大好き。昨年も大人気だった大阪・都島の「TIMO BAGELS」は、ものすごい勢いで列が伸びていき、早々に完売のお知らせが出ていたのだった。

「BRUN」

「BRUN」

口コミでその美味しさが広まったという神戸・元町のドーナツ専門店「BRUN」は、「3時のおやつに食べてほしい」という想いで、小学生でも買いやすい価格帯で揚げたてのドーナツを提供している。この日はたくさんある種類の中から「プレーン」「シュガー」「きなこ」「抹茶」など数種類がやってきた。「ベリー」はこの日初めて販売したという新メニュー。こちらも大人気で、ショーケースにぎっしり詰まったドーナツもイベント後半にはすっかり空になっていた。花隈店限定の「キャラメルナッツ」や六甲道店限定の「アーモンドナッツ」と、実店舗でしか出合えない味もチェックしてみては。

「senの台所」

「senの台所」

朝6時半から優しい一汁一菜の朝ごはんが味わえる兵庫・夙川の「senの台所」では、和風のカウンターに「桜」「豆」「いなり」の土鍋で炊いたおむすびや、「綿あめケーキ」「ガトーバナナ」といったスイーツ、嬉しい2個入りの「スコーン」がちょこんと並ぶ。その佇まいがすてきで、美味しい朝食をいただきに実店舗にも行きたくなった。

ドリンクブースでは、コーヒー、チャイ、ビール、日本茶と魅力的なドリンクが集合。

「7T+」

「7T+」

京都・河原町のお茶専門店「7T+」では、番茶や抹茶、紅茶など5種のお茶から好きなものを選ぶと、目の前でプロがお茶を淹れてくれる。扱うものの中には高級茶葉もあるが、スタッフは「何よりも気軽に飲んでいただけることを大事にしています」と笑顔。この日のイチオシは『SAVVY FES.』でしか食べられないスペシャルクッキー。新商品の「和烏龍茶クッキー」は、細かくした烏龍茶の葉っぱ、米粉、てんさい糖、米油と身体に優しい素材で作ったヴィーガンクッキーで、人気のため復刻した「チャコール京番茶クッキー」も横に並んでいた。

お買い物ブースには、アジア雑貨特集や本屋特集で誌面を飾ったお店がこの日のために出張販売。

「MEKEARISA」

「MEKEARISA」

大阪・枚方の「MEKEARISA」は、昨年の『SAVVY FES.』でも大好評で、アンケートで「このバッグが買えるの嬉しい」という声があり、今年も出店が決定。ハンドメイドのバッグやハンカチがカラフルにブースを彩った。自前の「MEKEARISA」バッグを持って、新しいバッグを見に来た読者の方も嬉しそうにバッグを手に取り、どれを買うか迷っている様子だった。

「ラフエイジア」

「ラフエイジア」

兵庫・伊丹の姉妹で営むアジアン雑貨ショップ「ラフエイジア」は、見た目もキュートな日用品やキッチンアイテムをはじめ、「クロック・ヒン」というタイの石うす(調理器具)を販売。さらに「クロック・ヒン」で梅、クミン、黒ゴマを使ったスパイス「梅クミン」をすりつぶすワークショップを実施。ひきたては風味豊かで、「ごはんにもおにぎりにも納豆にも冷奴にもよく合います。インドの方も美味しいとおっしゃいます」とのこと。少しいただいたが、言葉通り本当に美味しかった。

●『SAVVY』の誌面づくりを垣間見れるスペシャルブース

『SAVVY FES.2025』

『SAVVY FES.2025』

SAVVY書店ブースでは、約1年分の『SAVVY』のバックナンバーや京阪神エルマガジン社の雑誌・書籍がずらり。購入者にはノベルティをプレゼント。中にはもう手に入らないレアものも!

『SAVVY FES.2025』

『SAVVY FES.2025』

さらに今年は「雑誌がどうやってできているか、その現場を見てもらおう」という試みで、ふたつの撮影ブースを初めて用意。ひとつは、誌面のモデルページをほぼ毎号手がける写真家・横浪修さんが実際に会場内でモデルをシューティング。『SAVVY』の世界観満載の小物やインテリアでスタイリングされた撮影ブースの中だけではなく、会場内を練り歩いてお客さんに紛れたりと、さまざまなシチュエーションで撮影を行っていた。そばにはメイクさんなどスタッフも大勢いて、興味津々で撮影の様子を見守っている人も。

『SAVVY FES.2025』

『SAVVY FES.2025』

もうひとつは「おやつ特集」の誌面では撮影をほぼ一任されているという、カメラマン・コーダマサヒロさんの商品撮影ブース。被写体によって何色の背景にするかを決め「『SAVVY』らしい」スタイリングを行う様子が目の前で体感できるとあって、コーダさんの周りには黒山の人だかりが。実際にクッキーを半分に割り、少し重ねてシャッターを切ると、横に置かれたビジョンに写真が映し出され、オーディエンスは「わあっ!」と歓声をあげていた。『SAVVY』の「かわいい」はこんなふうにして作られているんだ、ということがよく伝わるブースとなっていた。

なお、4月23日発売の「ランチ特集号」でこの日撮影されたモデル撮影の写真が使われるそうなので、「あの時のあれがこうなるのか!」と、誌面と連動した企画を楽しみにしてほしい。

●旅の魅力を発信。全国各地から集まった協賛ブース

協賛ブースには、12の企業や府県のブースが出店。それぞれの魅力を伝える情報やアイテムで、会場を大いに活気づけた。

JR四国 x 愛媛県ブース

JR四国 x 愛媛県ブース

JR四国 x 愛媛県のブースでは、ガラポン抽選に参加した人に「愛媛の都市伝説」こと「蛇口からみかんジュース体験」を実施。ブースには愛媛県のイメージアップキャラクター「みきゃん」が遊びに来るなど、会場全体を盛り上げていた。

「Totto PURIN」の「砂プリン」

「Totto PURIN」の「砂プリン」

鳥取県は「ご当地プリンランキング」全国1位にランクインした「Totto PURIN」の「砂プリン」を販売。鳥取砂丘をコンセプトにしたプリンで、なめらかなプリンの上から粉末状のカラメルをかけ、じゃりじゃりとした食感を楽しむ。鳥取県は石破茂首相の地元であることから、首相が帰省した時に味わうという「宝月堂」の「蜂蜜饅頭」や「いちご大福」「栗きんとん」なども用意。また、鳥取市在住のイラストレーター・伊吹春香さんのワークショップも行われていた。

伊吹春香さんのワークショップ

伊吹春香さんのワークショップ

また、協賛ブースを巡ってスタンプを集めると、その数に応じてオリジナルグッズとの引き換えができるというお得な「スタンプラリー」が実施され、みんなワクワクした様子でスタンプを集め、『SAVVY』本誌やイラストレーター・よしいちひろさんのオリジナルステッカーを受け取っていた。

●秦編集長に突撃インタビュー

秦啓編集長

秦啓編集長

にぎわう会場を歩いていた秦啓編集長に話を訊いてみた。会場を見ての感想を訊いてみると「我々編集者は読者さんと接する機会が意外と少ないので、必ず年に一度はイベントを開催できるようにしています。やはり実際の反応がわかってありがたいですね。今回は特に話しかけてもらいやすいブースを用意したので、編集部員ともお話しやすいと思います」と交流の生まれる空間づくりについて話してくれた。

イベントを通して、編集者という職業に興味を持つ読者の方もいるのだろうか。「現に『SAVVY FES.2024』に参加していただいた大学生の方がアルバイトに応募して、今も働いてくれています」と回答。しっかりと出会いに結びついていることを証明した。

秦編集長は、『SAVVY』の編集長に就任してちょうど1年。「新人だった頃に『SAVVY』にいて、そこから『Meets Regional』などを経て、また『SAVVY』に戻ってきました」と笑う。「『SAVVY』はどんな雑誌?」と訊いてみると「難しいですよね」と言いつつも、「でも今のテーマは「関西の! すてきを見つける!」にしていまして。昔は『SAVVY』は女性誌と言われていたんですけど、もう女性ということはそんなに謳わず、例えばカフェが好きな男の子たちにも手に取ってもらえるようにしています。今年創刊41年目なので、2世代でファンだという親子の方もいらっしゃいます」と、幅広い人に愛される雑誌であると語り、『SAVVY FES.』についても「ブース数も今後さらに去年より増えていき毎年拡大していけたらいいなと思っています」と意気込んだ。

●あたたかなアコギの音色と澄んだ歌声を聴かせてくれた、YeYeライブ

YeYe

YeYe

イベント中盤には、京都在住のシンガーソングライター・YeYeがライブを実施。これまでも『SAVVY』本誌に何度も登場したことのあるYeYeは、読者にもお馴染みの存在。「『SAVVY』の読者層が1番楽しめて、なおかつイベントに馴染みやすい、耳心地の良い音楽を鳴らすアーティストさんを」と秦編集長が土井と相談しつつライブが実現したそうだ。ステージ前に並べられた椅子は満席。

イエロー、ピンク、ブルーなどの、優しい春色がたくさん入ったパンツとニット姿で現れたYeYeは、アコースティックギターを奏でて透明感のある歌声を響かせていく。「暮らし」「ゆらゆら」に続けて披露された「水面に、アイス」ではクラップが発生。柔らかく満たされる音楽に、買い物中の人たちも耳を傾けながら、ゆったりとした時を味わっていた。

YeYe

YeYe

MCでは「SAVVYさんでは、よしいちひろさんのコスメページに登場させていただいたり、リリース時にインタビューしていただいたり、「花とグリーン」特集の時もお世話になりまして。今までは紙で2Dだったけど、最終的に3Dで呼んでいただいてありがとうございます」と『SAVVY』との関係性と感謝を述べる。

後半も「どれも美しい」「No Longer」「だけどそれは愛」「おとな」まで、全7曲をたっぷり演奏した。すうっと溶けていく、それでいて凛とした歌声はまるでオアシスのよう。ライブが終わると土井も嬉しそうに「ほんわかしました〜。春の日差しに似合うよね。素敵なライブありがとうございました」と感想を伝えていた。

●SAVVY編集部へ質問コーナー

質問コーナー

質問コーナー

そして16時からは「『SAVVY』ってどうやって作ってるの? SAVVY編集部へ質問コーナー」を実施。土井の司会のもと、事前に読者から募集した質問や当日来場者から集まった質問に、秦編集長と吉田副編集長が回答。直接編集部の話を聞けるとあって、多くの人が詰めかけた。

「特集はどのように決めているんですか?」という質問には、「1年間なので12個の特集をやることになります。毎年出しているのは「梅田特集」「神戸特集」「京都特集」。あと2〜3年に一度のサイクルで「パン特集」や「神社特集」「旅特集」など。それ以外は本当に白紙の状態から特集会議が始まります。編集長の企画は必ず採用されるといったことはなく、若手の入社2年目の子の意見が採用されたりすることもあります。この後は心斎橋や堀江周辺の特集もあって、最近『SAVVY』ではあまり扱っていなかったエリアなんですけど、それは吉田の肝入りで提出し、無事に採用されました(秦)」「私の庭なので頑張ります!(吉田)」と回答。

吉田副編集長

吉田副編集長

「1冊の雑誌はどうやって作られるんですか?」との質問には、1ヶ月間のうち、ざっくり1週間単位で4つの工程があると説明。「まずはリサーチをする期間がありまして、その時はひたすら食べに行ったり買い物に行ったり。今、吉田は毎日アメ村とかを飛び回ってます。2週目は足で稼いだ情報を企画立案でわけて、編集部全員で意見を言いながら特集にまとめていきます。3週目は実際にお店のアポイントを入れて、取材と撮影にお邪魔させていただく。4週目は実際の誌面制作や間違いがないか校正したり。大体この4つのサイクルを繰り返しています(秦)」。お店をリサーチするにも「1日の限界の軒数がある(吉田)」と、身体を張って誌面作りをしていることを明かしていた。

掲載されるお店については「多分編集者によって全然違います。Meets Regional編集部だと、馴染みの店や顔をよく知ってる店ですが、僕は自分のお金で行ってもいいかどうか。「自分が時間とお金を使って行っていい=読者さんにも価値を感じてもらえるだろう」ということで決めています(秦)」「私の場合は最終的に『SAVVY』の読者さんを想定して、自分の友達を連れて行きます。「どんな友達もこの店は好きだ」と思ったらゴーサインを出します(吉田)」とそれぞれの見方を回答した。

終始和やかな雰囲気で質問に回答していったふたり。読者からこの日募った質問では「表紙の決め方」や「梅田で朝食を食べるならどこがおすすめか」「撮影している時に意識していること」などに回答し、『SAVVY』や編集部の裏側を少し覗かせてもらった気分だった。

イラストレーター・よしいちひろさんのオリジナルステッカー

イラストレーター・よしいちひろさんのオリジナルステッカー

楽しかった『SAVVY FES.2025』もいよいよ終わりの時。存分にお買い物やライブを楽しんだ読者たちは、この日の感想をアンケートにしたため、よしいちひろさんによる「オリジナルステッカー」をゲットしていた。

『SAVVY FES.』は来年も開催を予定しているそう。誌面はもちろん、来年の開催も楽しみにしたい。

取材・文=久保田瑛理 撮影=福家信哉

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