「自然豊かな京丹後の野外で、大好きなロックンロールバンドを」野外イベント『ROCK’N’ROLL HEAVEN』誕生秘話、開催への想いを主催・南出氏が語る
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2025年5月31日(土)、6月1日(日)に京都・京丹後森林公園スイス村「BEATCAMP」にて野外音楽イベント『ROCK’N’ROLL HEAVEN 2025』が開催される。本イベントは神戸・三宮にあるライブハウス・神戸VARIT.が手掛けるもので、今年で4回目の開催を迎える。会場は「野外にライブハウスを」をテーマに、2022年7月にオープンした野外音楽施設「BEATCAMP」。”ロックンロール天国”の名にふさわしい、大音量のロックサウンドを野外で体感できる施設となっている。
2日間に渡って繰り広げられるロックのお祭り。出演者も強者揃いばかりが名を挙げている。5月31日(土)はKING BROTHERS、忘れてモーテルズ、THE NUGGETS、hotspring、(The)SEGARE KIDS、THE BLACK DOLPHINS、The howlin’dogs、蟹光船、オータムス、DJ Masa。6月1日(日)はTHE NEATBEATS、KiNGONS、Johnny Pandora、the Tiger、YAPOOL、ムステインズ、UNCLE JOHN、Kensuke Sudo、ひょうへんクラブ、DJ nobu3 / SHIROMARU。アーテイストのファンならご存じの通り、『ROCK’NROLL HEAVEN』を主催する神戸VARIT.といえば、毎年年始に開催される『ROCK’N’ROLL CIRCUS』を主催するライブハウスだ。今年1月にも開催された同イベントは神戸市内の複数のライブハウスを巡るサーキット型イベント。そして今回開催される『ROCK’N’ROLL HEAVEN』は野外での開催。出演するアーティストは両イベントにも名を連ねているけれど、季節が、会場が変われば、心に、体に感じる音楽は大きく変わってくるはず。
今回はイベント開催を前に、発起人である神戸VARIT.などを手掛けるアームテックパブリッシャーズの代表・南出 渉氏にインタビュー。実は今回のイベント会場となる『BEATCAMP』を手掛けているのも南出氏なのだ。どんな思いで会場を作り上げ、そして『ROCK’N’ROLL HEAVEN』を立ち上げたのか。これまでのイベントの歴史を振り返りつつ、話を訊いてみた。
アームテックパブリッシャーズの代表・南出 渉氏
ーー『ROCK’N’ROLL HEAVEN』の開催まであと少しです。イベント前には南出さん自ら会場に足を運んで、会場整備を行っているんですよね? SNSで4月初旬に会場を訪れた際にはまだ雪が残っていたとありました。その時には大阪はとっくに桜が満開の頃だったので、会場の雰囲気や気候がどんなものなのか気になりました。
今年は京丹後の辺りがすごく寒くて。現地の人に話を聞くと、会場近くでは4m近く雪が降ったらしいんです!
ーー4mですか!? 都心部では想像できない積雪量ですね。
雪が積もりにくくなったとはいえ、BEATCAMPのあるエリアは元々はスキー場だったんですよ。しかもその雪が土地柄もあって溶けにくい。廃業したスキー場跡地をどう活用するかという問題が浮上したときに、偶然僕がその場所と出会ったんですよ。野外で音楽を鳴らせる場所をずっと探していたので、「ここで音楽施設をやらせてください!」ってお願いしたのがキッカケで。
ーー大阪市内や神戸市内の人からすると、京丹後まではすごく距離がある。神戸VARIT.から会場までの距離を調べてみると……正直に言います! 遠いです!
ですよね(笑)。
ーー神戸VARIT.から車移動だと、どれくらいの距離があるんでしょうか。
高速を使っても、車で2時間はかかりますね。
ーー南出さんは神戸・三宮にある神戸VARIT.をベースとして活動されているなかで、京丹後のBEATCAMPの土地と出会うキッカケは何だったんでしょうか?
BEATCAMPがオープンしたのは2022年7月。その少し前はコロナ禍で、ライブハウスの営業が出来ない状態でした。全国どこのライブハウスも同じ状況でしたけど、この先どうなるのかなって、想像さえつかない状態。そんな時に野外にライブハウスみたいなところがあればいいのにな、という発想を思いついたんです。タイミングよく、その頃にキャンプにハマったんですよね。
ーーコロナ禍、ソロキャンプにハマる人は多かったですね。
そうそう。それでキャンプ場に行くんだけど、楽器禁止、大きな音量は禁止とか、注意書きが書かれているところが多かったんですよ。そうなんやぁと思いつつ、楽器や音を鳴らしていいキャンプ場ができたら面白いのになって思って、場所探しを始めたんです。コロナ禍で暇でしたしね(苦笑)。
ーー色々なタイミングが重なったんですね。
それから、六甲山の六甲ケーブル山上駅の近くにある653カフェという自然に囲まれたカフェで『ロッコーデーキャンプフェスティバル』というアウトドアイベントをさせてもらったんですよ。芝生広場のあるカフェなんですけど、それがめちゃくちゃ気持ちよくって。ますますこういう施設を作りたいと思って、場所を探すんですけどなかなか条件が合わない。
――“野外”とひと言で言っても、いろんな環境がありますよね。
近くに民家があると、昼間でもクレームが来る可能性もありますからね。そんなときに、たまたま知り合いの知り合いがBEATCAMPの会場となる京丹後森林公園スイス村の指定管理を京丹後市から受けたことで「うちで(ライブハウスを)やってみませんか?」という話が舞い込んで、そこからBEATCAMPを作り上げていったんです。
ーーコロナ禍に突入したのは2020年春頃ですから、オープンの2022年7月まではとんとん拍子で進んでいった感じですか?
そうですね。会場の周辺は元々がスキー場ということもあって周囲に民家がなく、夜通し音を出しても問題がない。それならぜひここで!となりました。
ーーBEATCAMPを立ち上げるときにはすでに『ROCK’N’ROLL HEAVEN』の構想はありましたか?
オープンは2022年7月ですけど、その直前にプレオープンのイベントを5、6月に開催したんです。大学生の軽音団体の子たちが神戸VARIT.で2020年3月に卒業式ライブを予定していたんですけど、大学のほうからコロナ禍ということで開催禁止と告げられて。プロのアーティストは振替公演ができるけど、学生の子たちはそれができない。卒業の思い出作りができなかったことがずっと心残りで。そこで彼らの大学の現役生を招待してBEATCAMPでフェスみたいなことをしようと、1発目のプレイベントとして開催したんです。その後、機材のチェックも兼ねて、僕たちが『ROCK’N’ROLL CIRCUS』も主催しているということで、THE NEATBEATSやKING BROTHERS、ザ50回転ズ、忘れてモーテルズ、KiNGONS、騒音寺の6バンドに来てもらって開催したのが『ROCK’N’ROLL HEAVEN』の始まり。そこから毎年開催するようになりました。
ーーBEATCAMPを作ろうと思っても、元はスキー場。土地の整備やステージの設置など、ひと筋縄ではいかないことも多かったんじゃないでしょうか? BEATCAMPの会場写真を見ると、常設のステージはコンテナなんですね。
そう、コンテナです。僕がこうしたいな、ああしたいなって考えても、そもそも会場は京丹後市から指定管理を受けているとはいえ、丹後天橋立大江山国定公園という国定公園の中にあるので、基礎を打って建物を建てることができないんです。そこで苦肉の策で「(基礎が打てないから)置いたらいいですか?」ってことで、コンテナをステージにすることにしたんです。最初はコンテナをそのまま置いておけばいいだろと思ったんですけど、「(コンテナが)動かせないからダメ」と言われてしまって。それならトレーラーの上に乗せてしまおうと、今のステージの形になったんです。国定公園のなかに野外のライブハウスを作る。条例とかグレーな部分を潜り抜けて、ようやく完成したんです。
ーー国定公園のなかに野外のライブハウスを作る。全国的にも珍しい会場ですよね。
そうですね。野外の音楽フェスなんかはその都度、会場を作り、屋根を設置し、音響設備を設置しないといけないですけど、『BEATCAMP』ではステージはもちろん、音響設備も最初から常設されていますからね。
ーー『ROCK’N’ROLL HEAVEN』のこれまでのレポートなどは写真などでもアップされていますが、会場に足を運んだことがない人はどんな空間か気になる人も多いと思います。元はスキー場ということですが、会場の広さはどのくらいの規模なんでしょうか?
『BEATCAMP』の敷地すぐの場所にスキー場の斜面が残っているんですけど、会場全体は平地にあります。40m×100mくらいの広さかな? そこにコンテナで2つのステージを設置しています。あと「野外にライブハウスを」というコンセプトがあるので、DJブースがついたバーカウンターも作りました。
ーーバーカウンターはまさにライブハウスさながらの雰囲気を感じられそうですね。
会場は地元・京丹後の職人さんにも手伝ってもらって。僕の母親が京丹後の久美浜の生まれだったり、親戚に地元で顔が広い人もいたりして。
ーー人が人を呼んで出来上がったんですね。
”よそ者”って思われなかったのが良かったんですよね。
ーー確かに。野外の誰も使わない場所で、夜通し音を鳴らせるライブハウスを作るんだって、いきなり知らない人がやってきたら、いくら周囲に民家がなくても、地元の人は身構えちゃいますよね。
何するつもり⁉って思われそうなところを、「あ、あの人の知り合いね」みたいな感じで進めることができました。
ーーBEATCAMP完成後、プレイベントのあとに神戸VARIT.でおなじみのTHE NEATBEATSたちが出演したとのことですが、アーティストの反応はいかがでしたか?
意外と、THE NEATBEATSもKING BROTHERSも「なんか面白そうやな。やるやる」って言ってくれる人ばかりで。
ーー面白いこと大好き人間の集まりですもんね(笑)。
そう(笑)。初年度からみんなめちゃくちゃ楽しそうだったんですよね。
ーーお客さんの反応はいかがでしたか? ライブハウスから野外へ、しかも神戸市街地からも遠い。いくら好きなバンドが出演するとなっても距離の問題があるかと思います。
そうなんですよ(苦笑)。行きにくい、というのはどうしたって問題にはなってしまうんですよね。でもお客さんの数が少なかったのは最初のうちだけで、すごく評判が良かったんですよ。アーティストとお客さんの距離感も、街中のライブハウスなんかとは全然違っていて、なんかみんな楽しそうなんですよね。
ーー野外ならではの開放感があるんでしょうね。
自分で言うのもなんですが『ROCK’N’ROLL HEAVEN』って、うまいこと名付けたなって。ここだけ別世界なんですよ。お客さんも車で来ることがほとんどなんですが、山を登って会場に着くまでは「ホンマに着くの?って思った~」って言われたくらいで(笑)。それぐらい自然豊かな場所にあるんですけど、会場に到着すると目の前が開けていて。みんな自由だし、子ども連れの人も多いから虫探しをして遊んだりなんかして。
ーー大人はライブを楽しんで、子どもは自然のなかでのびのびと遊ぶ。素敵ですね。
会場ではBBQもできるんですけど、みんなBBQしながら自由にイベントを楽しんでくれて。『ROCK’N’ROLL HEAVEN』のお客さんはすごく素敵で、荒れることもなく平和なんですよね。
ーー『ROCK’N’ROLL CIRCUS』はガチャガチャうるさいロックンロールが神戸の街の至るところで鳴り響くイベントですが、お客さんも平和だけど、静かなんじゃなく、盛り上がるところはしっかり盛り上がる。ライブレポートを3年連続で担当させてもらっていますが、お客さんはみんなピースフルだな、というイメージがあります。そのイベントから派生した『ROCK’N’ROLL HEAVEN』もそうなるのは当たり前のことなんでしょうね。
そうだと嬉しいですね。お客さんも2、3年目となるにつれて楽しみ方がわかってきて。
ーーSNSでもよく見かけていました。BBQをしていたり、子どもと駆けっこしたり。プロキャンパーみたいな人もいて、みんなそれぞれの楽しみ方を満喫している。お客さん自らが宣伝隊となって、イベントの素晴らしさを伝えてくれているのも印象的でした。
ありがたいことに、お客さん自らイベントの良さを広めてくれています。ここでしか味わえないものがあるっていうのは行ったら分かる。だからもっとたくさんの人に足を運んでほしいですね。
ーー会場のキャパはどれくらいなんでしょうか?
2つの会場はお互いのハの字のように設置していて、その間にバーカウンターやBBエリア、ポップアップテントを置くエリアもあって。ステージは交互に展開していくので、400人くらいいたら一番良い感じかな。
ーーBBQしながらずっとステージが観られちゃうんですね。
ずっと食べながらライブを観ている人もいますよ(笑)。あとは出店ブースもありますし。
ーーキャンプ初心者やBBQの用意をしなくても存分に楽しむことができるんですね。
『ROCK’N’ROLL CIRCUS』はサーキット型イベントなので、いろんな会場を巡らないといけないですけど、『ROCK’N’ROLL HEAVEN』は大自然のなかで食事をするだけでも非日常感があって楽しいですし、そこに最高の音楽が鳴って、大好きなロックンロールバンドのステージを全部観ることができる。問題があるとしたら、お客さんがトイレに行く暇がないくらいですかね?(笑)。
ーーそれは悩ましい問題ですね(笑)。昨年からは2デイズでの開催になりました。元々の理想だった、キャンプをしながら音楽を聴く、それが実現しましたね。
自分たちの車で来る人は家と往復したり、街のホテルに泊まるという方も結構いらっしゃいます。家族連れの方はキャンプをする人が多いですね。車中泊をしたり、テントを張ったり。
ーーイベントを丸ごと楽しんでいるんですね。
『BEATCAMP』の近くにはコテージもあるので、そこを貸し切って利用される方もいらっしゃいます。車の運転ができなかったり、車を持っていない人のためにバスツアーも実施しています。でも、昨年は開催直前にバスの運行についての法律が変わり、運転手さんに日帰りで運転してもらうことができなくなったんですよ。日帰りとなると運転手を2人手配しないといけなくなるので、費用が大きくかかってしまう。1日ごとに往復ができるのが運営としてはベストなんですけど、それができない。だから運営としては1泊してもらおうと思って、宿泊施設の手配も始めました。
ーー回を重ねるごとにシステムが整備されているんですね。
駐車場を利用する人も増えてきたんで、少し距離は遠くなるんですけど、スイス村にお願いして駐車スペースを確保したり。今年からは駐車場と会場のピストン輸送も始めることになっています。
ーー居心地の良い環境作りがどんどん進んでいますね。
クレームではないけど、もっとこうしたら?こうなってほしいな、というお客さんからの意見やアンケートを吸い上げさせてもらって。お客さんとバンドと僕ら、みんなで作りましょう!というスタンスでやっているんで。
――『ROCK’N’ROLL CIRCUS』のときも思っていたんですけど、南出さんってめちゃくちゃアンケートを取りますよね?
確かに(笑)。
ーーちゃんとお客さんの声を拾ってくれる。翌年のイベントにちゃんととその声が反映されているから、お客さんもしっかりとアンケートに応えているんだなと感じましたね。
僕らはやっぱり東京とか大阪のイベントではないから、個性を出そうと思ったらお客さんと一緒に作り上げるのがいいなと思ってやっていることなんです。バーカウンターにはウッドデッキがあるんですけど、それもお客さんの声から作り上げたものなんですよ。
ーーみんな味を占めて、次から次に要望が飛び出てきそうですね(笑)。
良いアイデアだといいんですけど(笑)。でもそうやっていくと愛着を感じてもらえる。”自分たちの場所”ってみんなが思ってくれるから、お客さん同士がSNSでイベントの宣伝をしてくれているのかなって思いますね。
――『ROCK’N’ROLL HEAVEN』は遠方から来る人も多いそうですが、SNSを見て決意を固める人もいるでしょうね。
ありがたいですね。不便なとこなんですけど(苦笑)。
ーーこれまで『ROCK’N’ROLL HEAVEN』は3回開催されています。印象に残っているステージはありますか?
KiNGONSがね……羽目を外すんですよ(苦笑)。
ーー昨年のSNSで見かけました。羽目を外すというか…KiNGONSは何かしらハプニングを起こすバンドですね(笑)。
見て見ぬふりをするようになりましたね(苦笑)。でもみんな、ここで爪痕残したろう!っていうのを感じますね。危ない場面もあったりしますが…ケガだけはせんといてくれよって願いながら。
ーー主催者としては無事に終わることが大切ですからね。でも写真を見るとどれもすごく素敵なものばかりなんですよね。普段は夜のライブハウスでしか観ることのできないアーティストが、真っ昼間、自然いっぱいのなかでライブをする姿はそれだけで見応えがあります。4回目となる今年も素晴らしいラインナップがそろいましたね。
いつものメンバーにはいつものにように来てもらうんですけど、みんなが出演したいって言ってくるんですよね。『ROCK’N’ROLL HEAVEN』に出たいのか、遊びに行きたいのかよくわかんないんですけど(笑)。
ーー今年は若手バンドとして、蟹光船やオータムス、hotspringが初出演となります。
今年は初出演が多いですね。『ROCK’N’ROLL HEAVEN』はみんな出演を即決してくれる。断られたことがないんですよ。
ーートリはお馴染みのTHE NEAT BEATS、KING BROTHERSですが、THE BLACK DOLPHINSやthe Tigerも「ROCK’N’ROLL HEAVEN」の定番、という印象があります。
THE BLACK DOLPHINSやthe Tigerはウッドストック感がすごいんですよ。あの会場の雰囲気がすごく似合うんで、ぜひ観ていただきたいですね。あと、Kensuke Sudoもぜひ。BEATCAMPのコンテナは扉を閉じるとリハーサルスタジオになるんですけど、彼はそのスタジオで音源を作っていて。その作品の音がすごく良いんですよ。ザ50回転ズのダニーも、会場の音がすごく良いって言ってくれて。
ーー自然に囲まれた野外、音の響きが良いのは嬉しいですね。
電源が良いのか、音がめちゃくちゃクリアでキレイな音なんですよ。もちろん、音響担当とは会場に適したスピーカーを選んではいるんですけど、想像以上にめちゃくちゃ音が良いんですよね。
ーー開放感いっぱいの自然のなかでライブを楽しむ。しかも音も良い。贅沢な空間ですよね。
そうなんです。現地に行ってみたら、よりそう思いますよ。
ーー泊まり組の人たちは開放感良し、音良し、の中でお酒を飲みながら楽しめるなんて贅沢ですねぇ。お酒といえば、今年もTHE NUGGETSが出演します。
今年もお客さんにお酒を振る舞うでしょうね(笑)。彼らは今年神戸VARIT.でフリーライブを開催して、その時にビールの最高売上の記録を達成したんですよ。
ーー出演者は神戸VARIT.でおなじみの面々ばかりです。ライブハウスとBEATCAMPのステージ、パフォーマンスの印象も違いますか?
YAPOOLもめちゃくちゃカッコよくなるんですよ。最近はバンドの存在自体が大きくなっていますけど、去年の『ROCK’N’ROLL HEAVEN』で観たステージはこれまでの印象と全く違ってましたね。
ーー今年の『ROCK’N’ROLL HEAVEN』、SPICE編集部も初レポートでお伺いします! スケジュールをチェックすると、『ROCK’N’ROLL CIRCUS』と同じく、前夜祭後夜祭も開催予定です。ずっと思っていたんですが……2デイズでの開催と言いつつ、もはや4デイズやん!と突っ込みたくなる内容の濃さですよね。
最長4日ですからね(笑)。『ROCK’N’ROLL CIRCUS』の前夜祭は無料で開催しましたけど、とにかくお客さんに楽しんでほしいんですよ。1日だけのために会場に来るよりも、前後にイベントがあればどっちも楽しんでもらえる。あと、遠方のバンドには稼いでもらいたいですからね。
ーーライブハウスが主催するイベントならではの思いですね。前夜祭に出演する忘れてモーテルズは町田出身のバンドですが、もはや神戸出身じゃないのか?と思ってしまうくらい、神戸VARIT.ではお馴染みのバンドですよね。
周りのみんなも関西のほうが似合うんじゃない?って言ってますからね(笑)。
ーー南出さんの「バンドに稼いでほしい」という思いがそう思わせるんでしょうね。
大阪でのライブを飛ばして神戸に来るバンドが多かったりしましたからね(苦笑)。
ーー神戸VARIT.を”西のホーム”と思っているバンドも多いですよね。
そう思ってくれたらうれしいですね。
ーー今年SPICE編集部も初めて『ROCK’N’ROLL HEAVEN』に参加しますが、同じように初参加のお客さんへアドバイスをお願いします。
4月初旬に雪が残っていたくらいなので、会場近辺は寒暖差が大きいんですよね。昼間は温かいんですけど、日が暮れると急に寒くなることもあるので、ぜひアウターを余分に持ってきてもらったほうがいいですね。
ーーインナーダウンがあると良いくらいですか?
終演は20時くらいなので、それくらいの装備があってもいいですね。足元も履き慣れた靴はもちろん、長靴やトレッキングシューズなんかがあると安心です。あと、周辺には民家がないので、足元を照らすライトがあるとより安全ですね。
ーーあとは都市型のフェスではおなじみのモバイルバッテリーや日焼け対策とか。出店ブースがあるので、食事はそこで楽しめますしね。
会場内にはWi-Fiもありますよ。
ーー野外なのにWi-Fiがあるんですか⁉ それはありがたいです。
実はBEATCAMP周辺はキャリアによっては全く電波が届かないエリアなんですよ。
ーー『ROCK’N’ROLL HEAVEN』の
ぜひ(笑)。
ーー
まずはオフィシャルツアーを利用して、イベントの雰囲気を知ってもらえるといいですね。ただ、往復バスの予約人数がそろそろ埋まりそうなので、別でバスを手配しようかと考えています。神戸VARIT.や僕に直接問い合わせしいただけたら、きちんと往復バスをご用意しますので安心していただければ。
ーーイベント参加初心者はまずは紙
そうですね。街中でやっている『ROCK’N’ROLL CIRCUS』との対比がすごく面白く感じてもらえると思います。やっぱり変わらないなって思う部分もあれば、全く違って見える部分もある。野外ならではの楽しみを見つけてもらえれば。『ROCK’N’ROLL CIRCUS』と違って、どのステージも被ることなく観てもらえますし。トイレ休憩の問題だけですね(笑)。
ーー悩ましい問題ですが、野外だと音も聴こえますしね。
トイレまでは少し歩かないといけないんですが、ライブの音は聴こえますよ。
ーー『ROCK’N’ROLL CIRCUS』の名物のひとつに、万歩計の歩数がすごい数になるという光景がありますが、『ROCK’N’ROLL HEAVEN』は動くことなく全てのステージが観られるんですね。
右見て、左見て、で全てのステージを観てもらえますね。
ーー1月に『ROCK’N’ROLL CIRCUS』が、5・6月に『ROCK’N’ROLL HEAVEN』。そして6月28日(土)には”今”のロックンロールバンドを知れる『ROCK’N’ROLL CIRCUS NOW』というイベントも開催されます。”ROCK’N’ROLL”シリーズ、この先の展開はどうなっていくのでしょうか。
今年の『ROCK’N’ROLL CIRCUS』で「日本武道館で開催したい」と言っちゃったんでね。。まだ告知はできないですけど、秋頃には『ROCK’N’ROLL CIRCUS 〇〇〇』も開催しようと思っています。
ーーまさに”ロックンロールは続く”、ですね。
まだまだ計画していることがいっぱいあるんで。
ーー徐々に2028年の日本武道館での開催に近づいてますね。
より多くの人に観てもらえる機会を作っていきたいですね。神戸の街が活気づく、神戸に人が来るキッカケになったらいいなと思っています。
――『ROCK’N’ROLL CIRCUS』の野望は日本武道館での開催ですが、神戸の街が音楽で賑わうことが根本にあるんですね。
はい。『ROCK’N’ROLL HEAVEN』とか、遠い山の中で何やってんねやろ……って思うこともありますけどね(苦笑)。
ーー大好きなバンドをいろんな場所で観られる楽しみもあるし、『ROCK’N’ROLL CIRCUS』を追い続けたら、いつか日本武道館に辿り着く。お客さんは楽しみでしかないですよ。
ビートルズが日本武道館でライブを開催したときと同じセットでやりたいんですよね。3ステージあったらしいんですけど、順番にいろんなアーティストがライブを展開していく。いろんなことを考えています。
ーー構想が実現するのも近そうですね。神戸VARIT.が主催する『ROCK’N’ROLL 〇〇〇』のシリーズは参加するたびに、次はこんなイベントします、あんなイベントします~っていう情報が次々に発表されていますよね。
そうそう。それをどんどん次から次に繋げていきたいですね。
ーーまずは『ROCK’N’ROLL HEAVEN』を楽しんで、次なる情報もお待ちしています!
取材・文=黒田奈保子 写真=『ROCK’N’ROLL HEAVEN』提供
イベント情報
5/31(土) 開場12:00 / 開演14:00 / 終演20:00(予定)
6/1(日) 開場10:00 / 開演12:00 / 終演18:00(予定)
・5/31(土)
KING BROTHERS / 忘れてモーテルズ / THE NUGGETS / hotspring / (The) SEGARE KIDS / THE BLACK DOLPHINS / The howlin' dogs / 蟹光船 / オータムス / DJ Masa / FOOD:VARIT.
・6/1(日)
THE NEATBEATS / KiNGONS / Johnny Pandora / the Tiger / YAPOOL / ムステインズ / UNCLE JOHN / Kensuke Sudo / ひょうへんクラブ / DJ nobu3 + SHIROMARU / FOOD:TOP BEAT CLUB
【料金】
ツーデイズ
ワンデイ
※新規募集も実施!contact@beatcamp-music.comにご連絡ください!
コテージは満室、風のがっこう(山頂ホテル)はあと僅かです。ロックンロールヘブン2025特設Webページよりお申し込みください。また往復バスについては、contact@beatcamp-music.com までお問い合わせください。
ロックンロールサーカス実行委員会(アームテックパブリシャーズ内)
イベント情報
[前夜祭]
日程:2025年5月30日(金)
会場:神戸VARIT.
時間:開場18:30 / 開演19:00
出演:忘れてモーテルズ / THE NUGGETS / hotspring / (The) SEGARE KIDS
前売3,500円(+1drink600円)
[後夜祭]
日程:2025年6月2日(月)
会場:神戸VARIT.
時間:開場18:30 / 開演19:00
出演:KiNGONS / the Tiger / UNCLE JOHN / THE☆ロケンローBOYS
前売3,500円(+1drink600円)
※25歳以下はPeatixにてディスカウント