ラブリーさとリッチさと揺るぎなさを全開に!Poppin'Party 10th Anniversary LIVE「ホシノコドウ」レポート

レポート
アニメ/ゲーム
2025.6.2
 写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

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■2025.05.26Poppin'Party 10th Anniversary LIVE「ホシノコドウ」@日本武道館

(C)BanG Dream! Project

(C)BanG Dream! Project

5月26日、東京・日本武道館で「Poppin'Party 10th Anniversary LIVE『ホシノコドウ』」が開催された。本公演はその名のとおり、ブシロードのメディアミックスプロジェクト「BanG Dream!」内の“リアル”ガールズバンド・Poppin'Partyの結成10周年を記念して開催されたもの。Poppin'Partyにとって6年ぶり3度目のライブ会場となる日本武道館はアリーナ席、1・2階のスタンド席、2階スタンド後方の立ち見エリアともにソールドアウトしており、国内外から集まったファン・通称“ポピパー”がバンドのアニバーサリーを祝福した。

そんなポピパーたちは開演前から“できあがった”状態に。開場SEとして流れるPoppin'Party楽曲のインストバージョンに乗って5色のメンバーカラーのペンライトを振り、サビやキメのフレーズをシンガロング。そして定刻、オープニング映像を背に愛美(Gt.&Vo. / 戸山香澄役)、大塚紗英(Gt. / 花園たえ役)、西本りみ(Ba. / 牛込りみ役)、大橋彩香(Dr. / 山吹沙綾役)、伊藤彩沙(Key. / 市ヶ谷有咲役)がステージに現れると同時に武道館のボルテージはいきなりピークに。

そんな中、階段ステージでスポットライトに照らされ、アカペラで「きらきら星」を歌った愛美が階下へと歩き出し、そこにある愛機で武道館いっぱいにフィードバックノイズを鳴らしたところでライブはスタート。これに合わせて軽くジャムセッションした彼女たちは、愛美の「10th Anniversary LIVE『ホシノコドウ』、いっくよー!」の声とともに、TVアニメ『BanG Dream!(バンドリ!)』のオープニングテーマ「ときめきエクスペリエンス!」をドロップ。どこまでもラブリーな愛美の歌声とメロディ、伊藤のスムーズなピアノ、複雑にリズムチェンジする大橋のドラム、ストレイトアヘッドなロックギターといった大塚のバッキングとソロ、西本の骨太なスラップベースのアンサンブルが光るこの曲でポピパーの「ハイ! ハイ!」コールやシンガロングを巻き起こす。続いて、かわいらしくも性急な8ビートナンバー「ぽっぴん'どりーむ!」の曲中、メンバーがそれぞれソロを回し合う。

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

さらに真っ赤なトランジスタメガホンを手にした愛美がポピパーを煽ったのを合図に、西本の繰り出す高速ベースリフとともに、最新Single曲「TARINAI」を畳みかけて、わずか3曲で自身のキャリアを横断し、また自己紹介まで済ませた5人はMCタイムに。愛美が「ポピパの鼓動をいっぱい感じてもらいたい」と意気込みを新たにし、西本の「武道館だって!」の声に伊藤が「武道館は3回目だけど、今回は特にこだわってるよ」と返し、また大橋が「今日は盛りだくさんのライブになっているので最後まで楽しんでください」と語ってライブへの期待を煽る中、本ライブにて新しい衣装がお披露目されたことに話が及ぶと、伊藤が客席に向かって「え? 『かわいい』って?」と笑顔でひと言。さらにメインステージから伸びるランウェイの先に視線を送った大塚が「あれれ?あんなところに楽器があるぞ」と棒読みする、お祝いムードとコミカルさが交錯するトークを展開したバンドはそのセンターステージへと歩を進める。

スネアとタムとシンバルというシンプルなドラムセットと、シンセサイザーが1基置かれたセンターステージで行われたのは、メンバーそれぞれの想い出のPoppin'Partyナンバーを選曲した「スターソング」タイム。1曲目は西本セレクトの「私の心はチョココロネ」だ。牛込りみとして「私とお姉ちゃん、ポピパのみんなと一緒に作った曲です」と、「BanG Dream!」プロジェクトが展開するゲーム・アニメの歴史と自身が演じるキャラクターの歴史を重ね合わせた選曲であることを告げ、タイトルとは裏腹にどこかメロウなこの曲をプレイ。自ら2コーラス目のメインボーカルを務めて、ステージを取り囲むポピパーたちを大いに盛り上げた。

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

「みんなで一緒に歌って踊ったこの曲。一緒に三三七拍子やってくれよな」と横ノリサマーソング「夏空 SUN! SUN! SEVEN!」をセレクトした伊藤は、曲中センターステージ最前でアイドルダンスを披露。さらに2コーラス明けには大橋と2人でポピパーたちに楽曲のキーである三三七拍子に乗せて繰り出す〈POPIPA! PIPOPA! POPIPA! PA! PIPOPA!〉コールをレクチャーし、メインステージに舞い戻ると今度は大橋とともにダンス。これまた周年ライブならではの仕掛けで魅せた。

3番手は大橋。「私はポピパに出会ってなかったらこんなにたくさんの想い出を作れなかったと思う。みんなと出会ったあの季節の想い出、みんなにも届けます」とやはり彼女のストーリーと自身が演じる山吹沙綾のストーリーを重ね合わせた、少しオールドスクールでセンチメンタルな「夢みるSunflower」でシャープな8ビートを刻みながら、自ら伸びやかな歌声を響かせた。

そして大塚はより一層スペシャルな演出を。「Returns」を選んだ彼女はひとり改めてセンターステージへと進むと、エレキギター1本で情感たっぷりにこの曲を歌い上げ、ワンコーラス直後に演奏をブレイクさせて「私、ポピパが好き」「香澄とりみと沙綾と有咲と」とポツリ。この声を合図にバンドがプレイを引き継ぐとメインステージで彼女たちのアンサンブルに合流した。

最後の「スターソング」は愛美セレクトの「Live Beyond!!」だ。彼女がギター1本で〈伝えて 昨日のわたしに〉〈伝えて 今日からのキミに〉と頭サビを歌った彼女は、ステージ直上のミラーボールが武道館いっぱいに乱反射する中〈大好きなステージに恩返し〉〈生きよう 笑おう 走ろう 叫ぼう〉〈歌のチカラ 集めたら——〉と、10年にわたってメンバーとともにPoppin'Partyとして音楽活動を続けられたこととこれからの未来を明るく力強く祝福した。

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

「スターソング」タイムでのそれぞれの選曲意図をあらためて解説するMCが終わったところで、ライブは折り返し地点に。愛美の「次のブロック、声を出す準備はできてますか? 盛り上がる準備はできていますか? まだまだイケますか?」の煽りとともにPoppin'Partyは正調ロックチューン「イニシャル」をドロップする。大塚のノイジーでいてテクニカルなギターと伊藤の少しゴシッキーで流麗なピアノのフレーズが絡み合うこの曲で愛美の言葉どおり、客席の熱気を一段高くしてみせ、その余韻を与える間もなくまたも大塚のピーキーなリフをきっかけに「ティアドロップス」を投下。カラフルなレーザー光が飛び交う中、その大塚と西本がステージ両端に伸びたランウェイを闊歩して、それぞれの客席上手エリア、下手エリアのポピパーたちを盛大に挑発してまたも大歓声を集めてみせていた。

愛美がライブ最序盤に歌った「きらきら星」に秘められた想いを語りつつ、この10年を振り返るMCコーナーも、先のMC同様の展開に。「武道館には魔物が棲んでいるってよく言うじゃない?」と水を向けた西本に大塚が客席を眺めながら「魔物のみなさん?」と返し、いざバンドのキャリアを追う段になっても大橋が「プロフィールの趣味・特技の欄にドラムって書いていたらポピパに入れたんですよ。書いとくもんだなー」と言い出すも、伊藤が感極まって言葉に詰まってしまうとメンバー全員がキーボードセットに駆け寄り、彼女の鍵盤を弾いたりしながら、優しく声をかける微笑ましいひと幕も。ユーモアと感動が錯綜する不思議なトークに振り落とされそうになるも、その後バンドは周年記念にふさわしいセットリストを用意していた。

愛美の「いつか雨が上がる日を信じて」の言葉をきっかけに彼女たちは2コーラス目のボーカルの掛け合いがかわいらしい「二重の虹(ダブルレインボウ)」でライブ終盤戦をキック。そこにタイトルのとおりブライトな「キラキラだとか夢だとか 〜Sing Girls〜」、音楽を通じて輪になって手を繋げることを信じる「CiRCLING」と2曲をリレーして祝祭ムードを盛り上げる。

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

さらに、スマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』の限定ストーリーとして”香澄がずっとみんなに見せたかった星空”=「ホシノコドウ」を探す物語を演じた5人は、アニメのキャラクターと同じ制服姿で登場するやライブタイトルにもなった1曲「STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜」をパフォーマンス。武道館の天井に投影された星空とミラーボールのまばゆい光の下、〈昨日までの日々にサヨナラ〉して〈いつか走りだす〉と高らかに歌い上げた愛美が「ホシノコドウを胸に、’ポピパは新しい明日へのドアを開きます」と宣言すると、バンドはその言葉を裏打ちするかのように、最新Album収録曲にして結成10周年を祝う「Tomorrow's Door」をステージ初披露して、ライブ本編の幕を下ろした。

アンコール代わりの「ポピパ!ピポパ!ポピパパピポパ~!」コールに応えたメンバーが登場したのは客席のアリーナエリアだ。それぞれハンドマイクを手にした5人はアリーナを練り歩きながら、ポピパーと、まさにこの日にピッタリな「アニバーサリー」を大合唱し、センターステージであらためてバンドと自身の10年を振り返り、メインステージに復帰。Poppin'Partyの、そして「BanG Dream!」プロジェクトの始まりの1曲である「Yes! BanG_Dream!」を披露。ステージ最前に揃った5人がオフマイクで「本日はまことにありがとうございました!」と叫んだところでライブは大団円……。

かと思いきや、客席すべてのポピパーがこの声にあわせて「Poppin'Party 10周年おめでとう!!」と書かれたフライヤーを掲げ出す。このスタッフとポピパーたちのサプライズに彼女たちは驚きながらも「うれしいからもう1曲やっちゃおう」「あの曲、まだみんな聴いてないもんね」「10年ぶんの感謝を込めて、私たちとみんなの絆を繋ぐ曲を歌わせてください」とダブルアンコールという逆サプライズをポピパーたちに仕掛けてみせる。

そして星型の紙吹雪が客席エリアに舞い散る中、真のラストナンバーであり、バンドのアンセム中のアンセム「キズナミュージック♪」で最大の熱狂を生み出した5人はセンターステージに再度集合。「バンドリ!とみんなの新しい未来に願いを込めて」と、ポピパーたちと「ポピパ!ピポパ!ポピパパピポパ~!」と声を合わせて本当に10周年記念ライブを締めくくった。

ライブタイトルとセットリストからもわかるとおり、本公演はPoppin'Partyの10年のキャリアを振り返りつつ、未来を予感させるものだった。また日本武道館という会場しかり、ステージ最奥はもちろん、ランウェイやセンターステージにまで映像を投影させる舞台装置しかり、自身の楽曲群にエクスクルーシブなアレンジを施した「スターソング」タイムしかり、セットリストや演出は10周年を記念するにふさわしくリッチなものだった。

しかし彼女たちの様子はいつものステージや配信番組などで見せるそれと変わりはしなかった。ステージにあったのは、どこまでも“ポップ”な“パーティ”を繰り広げる5人の姿だった。

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

メンバーの笑顔や楽曲のかわいらしさに魅了されつつも、パフォーマンスや佇まいの揺るぎのなさは紛れもなく10年のキャリアを誇るバンドのそれそのもの。Poppin'Partyの“確かさ”と“明るい11年目”を確信させてもらった。

取材・文:成松哲  写真:福岡諒祠(GEKKO)、Lin Okuno(GEKKO)、池上夢貢

セットリスト

■2025.05.26Poppin'Party 10th Anniversary LIVE「ホシノコドウ」@日本武道館

■アーカイブ配信
【配信
価格:5,500円(税込)
販売期間:~2025年6月2日(月) 21:00まで
配信期間:~2025年6月2日(月) 23:59まで
受付URL:https://eplus.jp/ppp_live2025/st/

01.ときめきエクスペリエンス!
02.ぽっぴん'どりーむ!
03.TARINAI
04.私の心はチョココロネ
05.夏空 SUN! SUN! SEVEN!
06.夢みるSunflower
07.Returns
08.Live Beyond!!
09.イニシャル
10.ティアドロップス
11.二重の虹(ダブルレインボウ)
12.キラキラだとか夢だとか 〜Sing Girls〜
13.CiRCLING
14.STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜
15.Tomorrow's Door
<アンコール>
16.アニバーサリー
17.Yes! BanG_Dream!
<ダブルアンコール>
18.キズナミュージック♪

 
「BanG Dream!(バンドリ!)」公式サイト:https://bang-dream.com/
「BanG Dream!(バンドリ!)」公式X:https://x.com/bang_dream_info
「BanG Dream!(バンドリ!)」公式Instagram:https://www.instagram.com/bang_dream_official_/?hl=ja
「BanG Dream!(バンドリ!)」公式TikTok:https://www.tiktok.com/@bangdream_music
YouTube「バンドリちゃんねる☆」:https://www.youtube.com/@bang_dream_official

(C)BanG Dream! Project

ライブ情報

Poppin'Party単独ライブ

(C)BanG Dream! Project

(C)BanG Dream! Project

日程:2026年1月3日(土)
会場:東京ガーデンシアター
最速先行抽選
受付期間:~2025年7月14日(月)23:59
※Poppin'Party 3rd Album「POPIGENIC」初回生産分に申込券が封入。
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