海外音楽ファンも大興奮、日本を代表する北海道の野外オールナイトフェス『RISING SUN ROCK FESTIVAL』の魅力を外国人来場者に現地インタビュー

レポート
音楽
2025.6.7

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今年も日本を代表するオールナイト野外音楽フェスティバル『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO』が、8月15日(金)・16日(土)に北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージにて開催される。昨年は2日間で約68,000人を動員。大小5つのステージに70組以上のアーティストが出演し、詰めかけた観客と特別な時間を共有した。

1999年の初開催から今年で25回目の開催を迎える『RISING SUN ROCK FESTIVAL』(以下、『RSR』)は、音楽好きなら誰もが一度は訪れたいと思う憧れのロックフェスティバルである。近年は、在日外国人のほか海外からの観客(インバウンド)も増加しており、より多彩な盛り上がりをみせている。そこで、SPICE編集部では昨年の開催時に外国人の来場者にインタビューを実施。初参加という彼彼女らは、どんなところを魅力に感じたのだろうか。『RSR』の紹介とともに、リアルな声をお届け!

北海道の大自然で音楽を。北海道グルメも充実

『RSR』の会場となる石狩・小樽は北海道の西部に位置し、都心の札幌市内から車・シャトルバスで約40分で行けるためアクセスが良好。緑あふれる広大な敷地を活かした会場には、キャンプができるエリアも設置され、テントでBBQを楽しんだり、会場で一夜を過ごすことができる(2日目はオールナイトでライブが繰り広げられる)。

昨今の日本では夏の酷暑が問題となっているが、北海道は夏も涼しく(夜は寒く感じるほど)で、日中も快適に過ごすことができる。そして、ライブの時間が一部ステージを除いて1組約50分ずつ設けられているため、じっくりとロングセットで楽しめるところも醍醐味だろう。

英語の先生でヘヴィメタ好きのクリフさんとシャンさんは、2日間参加でLiSAやUVERworld、-真天地開闢集団-ジグザグのライブに大興奮。日本の音楽は、Spotifyなどのストリーミングサービスやアニメの主題歌で起用されていることをキッカケに知ったり、生徒からおすすめして教えてもらっているそう。『RSR』については、アイアン・メイデンやメタリカ、AC/DCらも出演している2人の母国・イギリス最大級のロック&メタル・フェス『ダウンロード・フェスティバル』などと比較して、『オーガナイズがすばらしい! フードはどれも美味しくて、種類が多いことにびっくりしました!』と話してくれた。

そう、ほかの外国人来場者がみんな驚いていたのは、フードのクオリティとそのバラエティの豊かさだ。北海道名物のラーメンやジンギスカン(羊肉の焼肉)のほか、新鮮なトウモロコシなど地元野菜、夕張メロンを贅沢に使ったスイーツなどの特産物も味わうことができる。クリフ&シャンはピザにラーメン、ジンギスカンを堪能。「ホットドッグが食べたくて探してるんだけど、なかなか見つからないんだ!」と言って、フードエリアへと向かっていった。

入り口のゲートで出会った中国から訪れたロスさんは、日系のコンサル企業に務めているためお盆休みの休暇を利用してひとりで参戦。日本に住んでいたこともあり日本語も堪能で、中国でも音楽フェスは開催されているけれど、好きな日本のアーティストを見たくてフェスデビュー。Vaundyや森山直太朗、羊文学、緑黄色社会のライブを楽しみに来たそう。前々日から札幌周辺や温泉街の定山渓などで観光を楽しみ、『RSR』の翌日はAdoのライブに参加し休暇を大満喫していた。

アメリカ・シアトルから旅行で訪れた初参戦のジェリーと、札幌在住で『RSR』は3回目というケイトランドさん。前日は味噌ラーメンに回転寿司と札幌で北海道グルメを楽しんでから、訪れた『RSR』のロケーションと規模の大きさに「スーパークール!」と感動した様子。Awichのライブが刺激的だったと話してくれて、インタビューの後はVaundyやKID FRESINOのライブを楽しみにしていた。

ジェリーさんは日本の音楽を、シアトルで流れている日本音楽専門のラジオで聴いているそう。また、「さっき子供たちが、雪でできた滑り台で遊んでいるのを見かけたよ!夏なのにどうして!?(笑)」と、PROVOエリアに設置されていた雪遊びができるブースに衝撃を受けたそう。

ロシア生まれで札幌在住のスヴェトラーナさんは、日本の音楽には詳しくないけれどロックが好きで『RSR』にいつか行ってみたいと思っていたところ、今回思い切って友人と初参戦することに。留学を経て日本で働いているそうで、知っているアーティストはいないけれど、ロックは言葉も文化も超えて心に響いて楽しめているとキラキラとした笑顔で語ってくれた。ロシアの小さな町で育ったため、こういった大規模なフェスは新鮮とのことで、「来年も来ます!」と宣言。

フランス出身のバスティアフさんは、日本語学校に留学中で東京からソロ参戦。数年前に日本旅行を予定していたもののコロナ禍で断念。しかし、日本語の勉強が楽しくなり、晴れて昨年より留学することに。アニメから日本の音楽にハマり、東京でもフェスに遊びに出かけたり、ライブに出かけているそう。初めての『RSR』ではVaundyのほか、Lucky KilimanjaroやLiSA、Saucy Dog、フレデリック、ammoらのライブを楽しみに来たそう。母国フランスでは、クリッソンで開催される世界最大級のメタル・フェス『HELLFEST』が有名だと教えてくれて、『RSR』はロケーションと快適さ、そしてやはりフードのバリエーションが魅力だとコメント。もうすぐ帰国するということで、オールナイトで2日間過ごして最後まで日本の音楽を楽しんで、また訪れたいと話してくれた。

スコットランド出身のユアンさんは、7年前に北海道に移住して、パウダースノーで知られるリゾート地・ニセコ近くの倶知安町にある、スノーボードブランド「アイランドスノーボード」で働いているそう。恋人のマヤさんは、9歳から毎年『RSR』に遊びに来ているそうで、彼女のお父さんは20年以上『RSR』に参加している生粋の“蝦夷ロッカー”(『RSR』を愛するファンの呼称)だという。ユアンさんは初参加で、マヤさんと妹のメイさんとお父さんたち一家で参加。オーストラリア出身の友人・ボーチャンも招いて、キャンプサイトで宿泊して2日間楽しんだという。ユアンさんは、「怒髪天、めっちゃいい!」「Awich すごいパワー!」と鼻息を荒くしながら、2日間の振り返って感想を話してくれた。日本のアーティストについては詳しくないけれど、「ロックが好きだし、『RSR』音楽も自然もあって大好きになった!エネルギーがいいね、バイブスが最高!」と大盛り上がりだった。

海外の来場者にインタビューしてみて、みんな口をそろえて「『RSR』にまた来たい!」と話していた。みんな北海道の自然、多彩なグルメに心を掴まれた様子で、音楽を通して言葉も文化も国境も超えて特別な時間を共有することができた。それぞれにあえて「困ったこと」も聞いてみると、「アプリが日本語で使えない」「シャトルバスのの購入が難しい」などリアルな意見もあったが、そういった課題を解決していくことで、さらに『RSR』は海外からの来場者が増えるはず。

今年も、8月15日(金)・16日(土)に開催が決定している『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO』。海外来場者向けのの販売もスタートしているので、ぜひチェックしてみてほしい。

取材・文・撮影=大西健斗

イベント情報

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO
2025年8月15日(金)・16日(土)
北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
公式サイト:https://rsr.wess.co.jp

<入場券抽選受付中>通し入場券・15日券・16日券
各種テントサイト付通し入場券はSOLD OUT、現在入場券の抽選受付中
【受付期間:2025年6月7日(土)12:00〜6月12日(木)23:59】
 
<Tickets for overseas>
https://eplus.tickets/rsr/
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