松竹新喜劇、大阪松竹座では最後の舞台『秋だ!笑いだ!松竹新喜劇九月公演』上演、取材会オフィシャルレポートが到着
左から曽我廼家桃太郎、曽我廼家一蝶、辰巳ゆうと、藤山扇治郎、渋谷天笑、曽我廼家いろは
9月20日(土)~28日(日)に大阪松竹座にて、『秋だ!笑いだ!松竹新喜劇九月公演』が上演される。
今回は、いずれも舘直志作の「愚兄愚弟」と「駕籠や捕物帳」の二本立て。公演に先立ち、9月2日(火)に藤山扇治郎、渋谷天笑、曽我廼家一蝶、曽我廼家いろは、曽我廼家桃太郎、そして、ゲスト出演となる演歌歌手・辰巳ゆうとによる取材会が行われた。オフィシャルレポートが到着したので紹介する。
藤山扇治郎
「駕籠や捕物帳」で千鳥足の直作役で出演させていただきます。桃太郎さんと駕籠かきコンビで愉快な役です。辰巳さん演じるお殿様と、途中台本があるようでないような掛け合いがあります。喜劇の中でも遊びがあるようなお芝居を楽しんでいただきたいと思います。道頓堀には昔五つの劇場があり、祖父の藤山寛美や、喜劇の先輩たちも中座に立っていましたので、道頓堀で芝居をしていると今もいらっしゃるのではないかと安心感があります。大阪松竹座が来年5月になくなってしまうのは寂しいですが、お客様に喜んでいただけるようなお芝居を目指して、最後の松竹新喜劇公演も頑張りたいと思います。
渋谷天笑
「愚兄愚弟」で弟の惣二郎を演じます。松竹新喜劇松竹座最後の舞台で、大きなお役をさせていただけることに喜びを感じています。兄弟喧嘩が周りを巻き込んでいくという、シンプルですがとても家族愛にあふれるお話になっています。松竹新喜劇には、同じ演目や同じ役でも、歳を重ねるごとに良さが増していく作品が多いですが、この年齢でこの役に挑戦できることは、自分にとって大きな財産だと感じています。これから先、さらに歳を重ねていくと、また違った形で演じられる作品ではないかと思います。
曽我廼家一蝶
「愚兄愚弟」は、古い映像はもちろん、楽屋に戻らず舞台袖からよく観ていました。そんな憧れの作品で、兄の惣太郎という役を演じる日が来るとは思っていなかったので、この嬉しい気持ちも込めながら一所懸命努めたいと思います。惣太郎は長年、藤山寛美先生が演じられていた役です。今回は惣二郎を天笑さん、金魚屋の高橋を山本喜楽さんが演じ、フレッシュな三人でこの作品ができることを楽しみにしています。また、「駕籠や捕物帳」でも、下っ引きの文太という役で辰巳さんと少し絡ませていただく予定です。辰巳さん、そして演出の寛太郎さんをはじめ、皆さんと楽しく作品を作り上げていけたらと思っています。辰巳さんのお力もお借りして、一人でも多くのお客様に劇場へ足を運んでいただけるよう頑張ります。
曽我廼家いろは
「愚兄愚弟」では、天笑さん演じる惣二郎の妹・よし子を演じます。前回はもう一人の妹であるすず子を演じさせていただきましたが、今回はよし子の天真爛漫な部分を表現したいです。また、「駕籠や捕物帳」では辰巳さん演じる殿様の奥方、妙乃を演じます。妙乃はとてもやきもち焼きで、お殿様も怖がるほどの役どころです。そのどっしりとした雰囲気を出すことが課題だと感じています。実は辰巳さんは高校の後輩なので、親近感が湧いています。同じ舞台に立てるという貴重な機会をいただき、とても嬉しく思っています。どちらも初めて演じる役ですので、気持ちを新たに頑張りたいと思います。
左から曽我廼家桃太郎、曽我廼家一蝶、辰巳ゆうと、藤山扇治郎、曽我廼家天笑、曽我廼家いろは
曽我廼家桃太郎
「愚兄愚弟」で演じる惣太郎のお店で働く良太という役は、のんびりと楽しく演じたいと思っています。「駕籠や捕物帳」の後向きの弥太は、プレッシャーで仕方がありません。2012年11月に、天外さんの付き人としてはじめて松竹座の舞台にあげていただいた時の演目が「駕籠や捕物帳」でした。当時駕籠やを演じていたのが、八十吉兄さんと寛太郎兄さんです。あれから13年、今度は藤山扇治郎さんと二人で駕籠やを演じさせていただくことになり、大変感慨深いです。扇治郎さんの胸をお借りしながら、この作品が私にとってまた一つ、思い出深い作品になるよう頑張りたいと思います。
辰巳ゆうと
辰巳ゆうと
今回初めて松竹新喜劇に出演させていただくことになり、とても楽しみにしていました。「愚兄愚弟」では、縁談で東京から大阪に帰ってくる常夫を演じ、「駕籠や捕物帳」では、お殿様と頭目赤鞘主水を演じます。「駕籠や捕物帳」は、五木ひろしさんをはじめ、代々多くの方が演じてこられた演目です。演歌の大先輩が演じた役に挑戦できることが嬉しいですし、演歌歌手ならではのお殿様領主前田能登守役を皆さんにお見せできればと思っています。また、今回はカーテンコールで数曲歌わせていただきます。大阪松竹座特別バージョンとして時代劇の扮装のまま、夏のポップス調の曲「運命の夏」を歌わせていただきますので、すごい化学変化が起きると思います笑。歴史ある劇場で、歴史ある演目を演じられることを誇りに思うと同時に、その舞台に泥を塗らないよう、一所懸命つとめさせていただきます。
『秋だ!笑いだ!松竹新喜劇九月公演』は9月20日(土)~28日(日)に大阪松竹座にて上演。はイープラスにて販売中。
公演情報
二等席:5,000円
三等席:3,000円
一、「愚兄愚弟」 三場
本店魚惣 惣二郎 渋谷天笑
金魚屋高橋 山本喜楽
惣二郎の妹 よし 子 曽我廼家いろは
知人 寺田あや 川奈美弥生
患者 高松 髙田次郎
医師 大河内 曽我廼家文童
寺田の息子 常夫 辰巳ゆうと
二、 「駕籠 や捕物帳」一幕
頭目赤鞘主水/領主前田能登守 辰巳ゆうと
千鳥足の直作 藤山扇治郎
後向きの弥太 曽我廼家桃太郎
奥方妙乃 曽我廼家いろは
下っ引き文太 曽我廼家一蝶
目明し伝 吉 近江飛龍
家臣赤沢 曽我廼家八十吉
家臣早瀬 曽我廼家玉太呂
金貸し重兵衛 渋谷天外