篠井英介主演『欲望という名の電車』上演決定
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篠井英介
2026年3月12日(木)~22日(日)東京・東京芸術劇場 シアターイーストと、4月上旬に大阪にて、篠井英介主演『欲望という名の電車』の上演が決定した。
現代演劇の女方として燦然とその名を刻む 篠井英介。2023年には、イキウメ『人魂を届けに』と、ケムリ研究室『眠くなっちゃった』の女方を演じた2作品で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞し、唯一無二の稀有な存在として40年もの間、第一線で活躍を続けている。その篠井にとって『欲望という名の電車』は、必然ともいうべき運命的な出逢いの作品だった。中学生の頃に戯曲を読み衝撃を受け、のちに杉村春子氏演じるブランチを観て強烈に魅かれた、今もなお愛し焦がれている作品だ。自分の本来のからだ・性に甘えることを許さず、様式と形式を武器に、女方として現代演劇をサバイブしてきた篠井にとって、『欲望という名の電車』は人生を賭けて挑み続ける、ライフワークとなる作品だ。
これまで篠井英介は、2001年、2003年、2007年と3回ブランチ役を演じている。しかし実際は、1992年に初演を迎えられるはずだった。アメリカサイドに上演許可も取りいよいよ稽古開始というタイミングで、当時の著作権管理者から「歌舞伎でもないのになぜブランチ役が女方なのか」と公演中止要請がなされ、それを覆す時間と術がなく上演することは不可能となった。そこから9年の長きにわたり粘り強く交渉を続け、2001年に念願の上演に漕ぎつくことができ、【女方篠井英介=ブランチ・デュボア】が世界で初めて誕生した。
今回「これで(欲望を)成仏させたい」と最後の思いで挑んだ2007年の再々演から19年の時を経て、篠井が4度目のブランチ役に身を投じる。演出は、篠井が様々なアプローチで「女」を表現するユニット『3軒茶屋婦人会』でも多数タッグを組んできた G2 が手掛け、テネシー・ウィリアムズの詩的な情緒を損なわず、微妙な息遣いを活かしながら、自ら翻訳して“現代に生きている日本語”による新訳での上演となる。