柿澤勇人「生きるのが不器用なエヴァンに強く共感」~ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』インタビュー

2026.2.17
インタビュー
舞台

柿澤勇人

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ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール(『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』、ドラマ『SMASH』)が作詞・作曲を手がけ、第71回トニー賞にてミュージカル主演男優賞(ベン・プラット)、ミュージカル作品賞、最優秀作曲賞など6部門を受賞した『ディア・エヴァン・ハンセン』が待望の日本初演となる。SNS社会で自分の居場所を切実に求める青年の孤独感と葛藤、彼がついたとっさの嘘により、事態は思いもよらぬ方向に進んでいく……。小山ゆうなが翻訳・演出を担当、日本版ならではの魅力を楽しめるはずだ。主人公のエヴァン・ハンセンを務めるダブルキャストの一人、柿澤勇人が作品に対する想いを語った。

柿澤勇人

ーー『ディア・エヴァン・ハンセン』の映画をご覧になったそうですが、どんなところに魅力を感じましたか。

まず真っ先に音楽が素敵だなと思いました。どの曲もキャッチーで、全曲すぐに口ずさめるくらい、本当にいい楽曲ばかりです。

作品は現代の闇のようなものを描いています。SNSが普通にある時代、人と繋がっているようで全然繋がれていない孤独と寂しさ。現代に生きている僕らはちゃんと人とコミットするって何だろう? といつも思っているので、今の日本に生きている我々が観ても確実に共感できる部分はいっぱいあるはず。社会はすごく豊かになっているように見えて、実は全然違うのかもしれないと思っていて、そこにすごく孤独を感じるんです。多分、ご覧になる方はエヴァンに共感できる部分も多いのではないかなと。そこがこの作品の魅力だと思っています。

ーー出演したいと強く思われた理由は?

2016年のブロードウェイ初演時に音楽を聴いて面白いと思い、トニー賞のパフォーマンスも観て、英語の台本をすぐに取り寄せました。当時まだ28歳くらいだったので年齢的にも高校生のエヴァン役もギリギリできる、100%やりたい役だと思いました。でもあれから10年という結構な年月が経ってしまい、今回のお話をいただいた時はすごく悩みました。もちろん嬉しかったけれども年齢を考えるともうできないと思いましたね。俳優は何歳の役でもできると思われるかもしれませんが決してそうではなく、やはり相応の役というのがあるんです。でもダブルキャストが吉沢 亮くんと聞いて、頑張ろうと思えたんです。僕は一方的に吉沢 亮という俳優のファンで、普段どのように役と向き合っているのかとても興味がありました。他の共演するキャストもご一緒したいと強く思わせてくれる魅力的な方ばかりです。そういったところにも後押しされて、迷いが吹っ切れましたね。

柿澤勇人

ーー柿澤さんが演じるエヴァン・ハンセンという人物の印象を教えてください。

すごく優しい人物だと思います。いろんなことがわかっていて、感じ取れたりもするので、不安に陥りパニックになったりします。人と付き合う、コミュニケーションをとったりコミットすることが難しいのかなと。多分、優しすぎるんじゃないかな、そんな印象です。自分はこうなりたいと思っていても、自家発電して行動することはおそらくできない。自分に自信もない。そしてこの作品においては、とにかく喋りすぎかな(笑)。

ーーエヴァンに共感できるところはありますか?

いっぱいありますね。例えばいろいろと考えすぎちゃうところ、そして友達がいないところ(苦笑)。人とコミュニケーションをとるのは嫌いじゃないけど上手くできないところも。僕も不安になったりパニックになることも当然あります。わかりやすく言うと、自己肯定感が低い。今日はダメな日だった、もう終わった! みたいな毎日(笑)。この業界にはものすごくポジティブな人や、ものすごく元気な人がいて、それが良しとされていたりもします。時には同じことを求められることもあって、なぜやらないの? なんでできないの? と。社会全体で多様性と言われているこの時代、内心、人それぞれでいいじゃん! と思ったりするわけですが。ミュージカルというもの自体も、明るくてハッピーな作品や登場人物が多い中、この作品みたいに陰と陽の陰のほうをテーマにしたものがもっと上演されていいのにと思っていたので、その点で作品にも共感しましたね。

柿澤勇人

ーー舞台でエヴァンを務めたベン・プラットが2021年公開の映画でも同役を演じています。柿澤さんは映画をご覧になったそうですが、ベン・プラットの印象は?

伝説的な方でもちろん映画でも素晴らしかったです。でもやはりこの作品は舞台で観たかったというのが一番。ブロードウェイの俳優がすごいと思うのは、歌えるのは当たり前、芝居も上手くて映像作品のお芝居も普通にできる。本当に素敵ですよね。

ーー演出の小山ゆうなさんとやりとりはなさいましたか?

まだ本読みの時の1回しかお会い出来ていなくて。でもその時に、何かあったらディスカッションをして、みんなでいい方向に行きましょうという感じになるかなと思いました。センシティブな部分も多くある作品なので、セットや衣裳、照明がすごい! みたいなのはあまりないのかなって。繊細で日常的なモーメントがいっぱい散りばめられる作品になるだろうと今から楽しみにしています。

柿澤勇人

スタイリスト:五十嵐堂寿
 

取材・文=三浦真紀    撮影=荒川 潤

公演情報

ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』
 
<スタッフ>
脚本:スティーヴン・レヴェンソン
作詞・作曲:ベンジ・パセック/ジャスティン・ポール
翻訳・演出:小山ゆうな
訳詞:高橋知伽江
音楽監督・歌唱指導:清水恵介
振付:松田尚子
美術:乘峯雅寛
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
映像:上田大樹
衣装:伊藤佐智子
ヘアメイク:鎌田直樹
音楽監督助手・稽古ピアノ:浅野直子
演出助手:河合範子
舞台監督:幸光順平
 
<キャスト> ※各役五十音順
エヴァン・ハンセン:柿澤勇人/吉沢 亮*
ハイディ・ハンセン:安蘭けい/堀内敬子*
ゾーイ・マーフィー:木下晴香/松岡茉優*
コナー・マーフィー:立石俊樹/廣瀬友祐*
ジャレッド:上口耕平/須賀健太*
アラナ:高野菜々/宮澤佐江*
シンシア・マーフィー:瀬奈じゅん/マルシア*
ラリー・マーフィー:石井一孝/新納慎也*

尾関晃輔、澤村 亮、瀬崎宙乃、十川大希、福島玖宇也、藤田実里、渡邉 南
*=Wキャスト
 
<東京公演>
日程:2026年7月25日(土)~8月23日(日)
会場:EXシアター有明
(東京ドリームパーク内)
主催:ホリプロ/テレビ朝日
企画制作:ホリプロ
星取り・キャストスケジュール>>
 
<上演時間>
3時間(休憩込み)※変更の可能性あり
 
料金>
S席:平日14,000円/土日祝15,000円
A席:平日9,000円/土日祝10,000円
Yシート(20歳以下当日引換券):2,000円*
U-25(25歳以下当日引換券):5,500円
*=ホリプロステージのみ取扱い
※3階席最前列は安全確保の手すりが視界に入るため、演出の一部が見えにくい可能性がございます。
ご了承の上、お買い求めください。

※ホリプロステージ、抽選先行などあり
【一般発売】3月18日(水)11:00~
 
<公演中イベント>
【アフタートーク】
・7月30日(木)18:00 登壇者:立石俊樹、宮澤佐江、瀬奈じゅん
・8月4日(火)18:00 登壇者:木下晴香、須賀健太、新納慎也
・8月5日(水)13:00 登壇者:柿澤勇人、松岡茉優、高野菜々
・8月13日(木)18:00 登壇者:安蘭けい、上口耕平、石井一孝
・8月18日(火)18:00 登壇者:堀内敬子、廣瀬友祐、マルシア
※終演後、約20分間実施予定。
※アフタートークの登壇者は急遽変更になる場合もございます。
※対象公演回のをお持ちの皆様ご参加いただけます。
 
<e+貸切公演>
日程:
8月2日(日)昼12:00
8月20日
昼13:00
会場:EXシアター有明(東京ドリームパーク内)

◎終演後、出演者によるご挨拶あり
◎サイン入りパンフレットを抽選でプレゼント(1公演あたり2部)


貸切公演のは【こちら】から
 
■ツアー公演詳細
<愛知公演>
日程:2026年8月29日(土)~9月6日(日)
会場:御園座
主催:御園座
お問い合わせ:御園座 052-222-8222(平日10:00~18:00)
URL:https://www.misonoza.co.jp/lineup/month260829.html
【アフタートーク】
・8月31日(月)17:00 登壇者:柿澤勇人、堀内敬子、瀬奈じゅん
・9月3日(木)17:00 登壇者:松岡茉優、廣瀬友祐、新納慎也

<大阪公演>
日程:2026年9月10日(木)~21日(月祝)

会場:梅田芸術劇場メインホール
主催:梅田芸術劇場
お問い合わせ: 梅田芸術劇場 0570-077-039(10:00~13:00/14:00~18:00)
URL:https://www.umegei.com/schedule/1357/
【アフタートーク】
・9月14日(月)18:00 登壇者:安蘭けい、木下晴香、立石俊樹
・9月17日(木)18:00 登壇者:柿澤勇人、マルシア、石井一孝
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