吉沢 亮「『ディア・エヴァン・ハンセン』は人の内側を抉ってくる」~ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』インタビュー

2026.2.17
インタビュー
舞台

吉沢 亮

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この作品が日本で上演される日を心待ちにしていた方は多いだろう。2016年にブロードウェイで初演。社交不安障害を抱える孤独な高校生エヴァンはクラスメイトの死について、とっさについた嘘が意外な形で広まり、注目を浴びることになる…。SNSに焦点を当て、SNSに翻弄される人々とその心理をリアルに描き出した衝撃作。ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール(『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』、ドラマ『SMASH』)による美しい音楽が物語を彩り、そのメロディーは一度聴いたら頭から離れない。主役のエヴァン・ハンセンを演じるダブルキャストの一人、吉沢 亮に作品の魅力と意気込みを聞いた。

吉沢 亮

ーーブロードウェイでこの作品を観たとのこと。その時の印象は?

多分、初演の2016年頃だと思います。当時、僕は22歳くらいで英語も全然わからなかったので、あらすじを事前に読んでから観劇に行きました。感想としてはベン・プラットさんのお芝居がすごすぎて、その印象がめちゃくちゃ強かったです。こんなにいい歌が多いのに、歌の印象よりも、どちらかというと芝居の延長線上にミュージカルがあることを強く感じました。特にこの作品は現代劇で今っぽい話なので、芝居と歌に分かれるよりもそのままの流れで展開した方がいいミュージカルになる気がしたし、実際にそうでした。僕自身もそんな芝居と歌の融合を目指したいなと思いました。

ーーそもそもなぜ観ようと思われたのですか?

偶然です。ブロードウェイでミュージカルはちょくちょく観ていたので。ニューヨークが好きで、行くと1日1本ぐらいのペースで何かしらのミュージカルを観ています。

吉沢 亮

ーー本作に出演したいと強く思われた理由は?

初めて観た時、こういう作品をやりたい! という思いがずっと心に残っていたんです。約10年越しにオファーをいただいて、おお! ってなり、「やります」と言ってから、歌などを調べ出したら、こんなに難しいの? って(笑)。お芝居の印象がすごく強かったら、歌がこんなに難しいことを忘れていたというか、知らなかったというか。今、とても焦っています(笑)。

ーー『プロデューサーズ』から約6年ぶりのミュージカル出演ですね。『プロデューサーズ』はブロードウェイミュージカルそのものという雰囲気で、『ディア・エヴァン・ハンセン』とは全く違います。

本当に対極だなと思います。『プロデューサーズ』は曲調や衣裳もとても華やか。コメディで楽しくてザ・ミュージカルという感じ。それに対して『ディア・エヴァン・ハンセン』は感覚的にストレートプレイに近く、人の内側を抉ってくる作品だと思います。また、純粋に音が高すぎます(笑)。『プロデューサーズ』も大変でしたけど、自分の音域で収まる曲が多かったので、高すぎて声が出ないということはなかったです。今回はその点、かなりビビッています(笑)。

ーー台本を読んで感じたことはありますか。

詳しいところまで物語を知っていたわけではなかったので、残酷な話で結構グサグサ刺さってきました。「You will be found」はあんなにいい曲なのに、実は嘘をものすごく美化している歌だなと。日本語訳がなされて意味がわかってくると、えぐいことをやっているんだと、その気持ち悪さがものすごく今っぽい気がして、非常に僕の好みでした。

吉沢 亮

ーー吉沢さんが演じるエヴァン・ハンセンという人物にどのようなイメージを抱いていますか。

彼は目の前の人と距離感を取るのが難しく、同時にSNSを通した世間との距離感もバグっています。彼に特殊な部分があるとは思いますが、人との距離感がわからなくなっているところに今の人たちは共感できるんじゃないかな、と。エヴァンは特に対人のコミュニケーションが苦手なんですよね。でも優しさも持っていて、いい奴ではある。それがあまり表に出ずに空回りしてしまう。だから自分がちょっとついた嘘に巻き込まれて、大変なことになっていくわけですが。確実にエヴァンが悪いのだけど、どこか憎みきれない人間らしさを感じます。

ーーダブルキャストの柿澤勇人さんの印象は?

僕は柿澤さんが出ていたミュージカル『ラディアント・ベイビー〜キース・ヘリングの生涯〜』がとても印象に残っています。ニューヨークでキース・ヘリングの展覧会を観たことがあり、実際に柿澤さんが演じるキース・ヘリングを観たら、これはすごすぎる、素晴らしい !と。僕からしたら柿澤さんは雲の上の人。そんな人と同じ役をやるという恐怖たるや。恥ずかしくないように僕も今、全力で頑張っています。どうにか本番までには隣に立てるように努めたいです。

ーー公演に向けての意気込みをお願いします。

僕自身がものすごく衝撃を受けたミュージカルを、初めて日本版として皆様にお届けします。僕が感じたあの衝撃を皆様に感じていただけるように、柿澤さんを始め、キャストの皆さんやスタッフの皆さんに支えていただき、全力で頼りながら、僕なりのエヴァンをお届けできればいいなと思っています。

吉沢 亮

 
スタイリスト:荒木大輔


取材・文=三浦真紀    撮影=荒川 潤

公演情報

ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』
 
<スタッフ>
脚本:スティーヴン・レヴェンソン
作詞・作曲:ベンジ・パセック/ジャスティン・ポール
翻訳・演出:小山ゆうな
訳詞:高橋知伽江
音楽監督・歌唱指導:清水恵介
振付:松田尚子
美術:乘峯雅寛
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
映像:上田大樹
衣装:伊藤佐智子
ヘアメイク:鎌田直樹
音楽監督助手・稽古ピアノ:浅野直子
演出助手:河合範子
舞台監督:幸光順平
 
<キャスト> ※各役五十音順
エヴァン・ハンセン:柿澤勇人/吉沢 亮*
ハイディ・ハンセン:安蘭けい/堀内敬子*
ゾーイ・マーフィー:木下晴香/松岡茉優*
コナー・マーフィー:立石俊樹/廣瀬友祐*
ジャレッド:上口耕平/須賀健太*
アラナ:高野菜々/宮澤佐江*
シンシア・マーフィー:瀬奈じゅん/マルシア*
ラリー・マーフィー:石井一孝/新納慎也*

尾関晃輔、澤村 亮、瀬崎宙乃、十川大希、福島玖宇也、藤田実里、渡邉 南
*=Wキャスト
 
<東京公演>
日程:2026年7月25日(土)~8月23日(日)
会場:EXシアター有明
(東京ドリームパーク内)
主催:ホリプロ/テレビ朝日
企画制作:ホリプロ
星取り・キャストスケジュール>>
 
<上演時間>
3時間(休憩込み)※変更の可能性あり
 
料金>
S席:平日14,000円/土日祝15,000円
A席:平日9,000円/土日祝10,000円
Yシート(20歳以下当日引換券):2,000円*
U-25(25歳以下当日引換券):5,500円
*=ホリプロステージのみ取扱い
※3階席最前列は安全確保の手すりが視界に入るため、演出の一部が見えにくい可能性がございます。
ご了承の上、お買い求めください。

※ホリプロステージ、抽選先行などあり
【一般発売】3月18日(水)11:00~
 
<公演中イベント>
【アフタートーク】
・7月30日(木)18:00 登壇者:立石俊樹、宮澤佐江、瀬奈じゅん
・8月4日(火)18:00 登壇者:木下晴香、須賀健太、新納慎也
・8月5日(水)13:00 登壇者:柿澤勇人、松岡茉優、高野菜々
・8月13日(木)18:00 登壇者:安蘭けい、上口耕平、石井一孝
・8月18日(火)18:00 登壇者:堀内敬子、廣瀬友祐、マルシア
※終演後、約20分間実施予定。
※アフタートークの登壇者は急遽変更になる場合もございます。
※対象公演回のをお持ちの皆様ご参加いただけます。
 
<e+貸切公演>
日程:
8月2日(日)昼12:00
8月20日
昼13:00
会場:EXシアター有明
(東京ドリームパーク内)

◎終演後、出演者によるご挨拶あり
◎サイン入りパンフレットを抽選でプレゼント(1公演あたり2部)


貸切公演のは【こちら】から

■ツアー公演詳細
<愛知公演>
日程:2026年8月29日(土)~9月6日(日)
会場:御園座
主催:御園座
お問い合わせ:御園座 052-222-8222(平日10:00~18:00)
URL:https://www.misonoza.co.jp/lineup/month260829.html
【アフタートーク】
・8月31日(月)17:00 登壇者:柿澤勇人、堀内敬子、瀬奈じゅん
・9月3日(木)17:00 登壇者:松岡茉優、廣瀬友祐、新納慎也

<大阪公演>
日程:2026年9月10日(木)~21日(月祝)
会場:梅田芸術劇場メインホール
主催:梅田芸術劇場
お問い合わせ: 梅田芸術劇場 0570-077-039(10:00~13:00/14:00~18:00)
URL:https://www.umegei.com/schedule/1357/
【アフタートーク】
・9月14日(月)18:00 登壇者:安蘭けい、木下晴香、立石俊樹
・9月17日(木)18:00 登壇者:柿澤勇人、マルシア、石井一孝
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