MAYSON’s PARTY、全34曲をぶつけた満員御礼リキッド初ワンマンは全員優勝のハッピーエンド
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MAYSON’s PARTY
MAYSON’s PARTY『全曲やりますパーティー!!』2026.03.21(sat)恵比寿リキッドルーム
東京で桜の開花が発表された2日後、恵比寿リキッドルームでMAYSON’s PARTYの初ワンマン『全曲やりますパーティー!!』を観た。結成8年、日本のスカパンクシーンの期待を一身に背負うバンドの晴れ舞台は、幅広い層のオーディエンスで埋まった。初々しいティーンズからパンクキッズ上がりのミドル世代まで、誰もがSKAでUNITEする気満々のフロアは1曲目「ONE」からリミッターを外して大騒ぎ、
「さぁお前たち、全曲踊る準備はできてるか!」(MIKI)
もみくちゃのフロアに向かってMIKI(Vo&Gt)が叫ぶ。フロントに立つSAKI(Vo&Tp)、AYATOMO(Vo&Gt)、MIKI、左右にMOE(Tb)、PON(T.Sax)、後方TSUKASA(Ba)とYANOK(Dr)が構える7人の侍。全員がツートーンカラーの衣装でばっちりキメて、「Super Fly High」「NOW WE GO」「Yummy Yummy」と、明るく激しく豪快な楽曲を連ねてぶっとばす。振り上げたコブシとジャンプとダイブでフロアは大騒ぎ、おいおい、これで本当に最後までもつのか?
MAYSON’s PARTY
「今日はみなさんのおかげで
SAKIがボーカルの先陣を切る「TRY and TRY」から始まるセクションは、マイナーコードのシリアスでハードボイルドな楽曲を連ねてガンガン攻める。「Let me go」から「TURN BACK TO THE KIDS」へ、PONがフロアに飛び込んで熱狂の火に油を注ぎ、タオル回しソング「Gold Desire」のブレイクダウンではヘドバンの嵐。MAYSON’s PARTYの楽曲は鮮度が命、ほぼ3分以内で勝負をつけるからフレッシュな興奮が持続する。8曲やってもまだ20分ちょっとだ。
MCでは昔話に花が咲く。2019年アメリカツアーでの「TSUKASAのパスポート置き忘れ事件」に繋がる思い出の曲「SON OF A BITCH」や、2025年のアルバム『GO』からのカバー曲「Daydream Believer」と「PUNK ROCK BOMB」や、8年間の思いをセトリにぎゅっと詰め込んでライブは進む。SAKIの振り付け指導で全員揃ってラブラブポーズを決める「Give me your LOVE」、そして「久々の曲やるわ」とAYATOMOが紹介して「Don’t Bring Me Down」。どの曲も全力燃焼、会場いっぱいのシンガロングから1曲ごとの愛されっぷりがよくわかる。
MAYSON’s PARTY
ここでAYATOMOが一通の手紙を取り出して読み始めた。初ワンマン記念企画「MAYSON's PARTYとあなたとの思い出の一曲」に寄せられた多くのメッセージを代表するその一通は、コロナ禍でシンガロングも禁止されたライブの中で、バンドからもらった勇気に感謝するもの。壁をぶち壊して夢をつかみ取れ。MAYSON's PARTYの音楽は、あらゆる規制と区別と同調圧力に抗ってこそ強く輝く。今の時代もそうじゃないか?
全員、床をぶち壊すくらい飛び跳ねろ! AYATOMOの煽りから、その思い出の1曲「Break down!!」へ、さらにオーセンティックなスカナンバー「UNITE&SKA」から「Tiny Tune」へ。スカは楽しいダンス音楽でありながら、同時に反逆の音楽だ。「In the Mood」のメロディを拝借した「Gettin’in the Mood」からアイリッシュトラッド風味の「Whiskey Boy」へ。フロア前方はリフトアップしながらスクワット、もはやエクササイズメニューのようでやる気満々。ここまで18曲で50分ちょっと。凄いスピードだ。
10分間の休憩タイムの間もお楽しみは続く。場内に流れるのはお馴染み「MAYSON's [Tea] PARTY in Podcast」の特別編で、メンバーが自分たちの楽曲のイントロドン!に挑戦するトークが面白い。そして最後まで答えられなかったTSUKASAへの罰ゲームは、最近練習中という民族楽器・カリンバを今日この場で弾いて見せること。すかさず大歓声に迎えられて登場したTSUKASAが、カリンバで「COUNT DOWN」のメロディを奏でて盛大な拍手喝采を浴びる。もはや罰だかご褒美だかわからないが、MAYSON’s PARTYらしい楽しさ満点だからOKだ。さぁ後半も飛ばして行こう。
MAYSON’s PARTY
元気印SAKIを筆頭に、クールビューティーMOEとダンディーPONのホーン隊がぐいぐい引っ張る「La-La-La」、イルカやシャチやカメの浮き輪が投げ込まれてフロアを泳ぐシュールな光景が楽しい「Ocean」から「RIDE THIS WAVE」へ、TSUKASAとYANOKがソロプレーで見せ場を作り、フロアではサークルモッシュの輪ができる。ポップでノスタルジックなサマーソング「Summer Over Drive」のあとは、オーディエンスを3チームに分けてコーラスと手振り合戦で盛り上がる「Apple Orange Banana(A.O.B)」へ。バンドが一番楽しみながらあの手この手で盛り上げて一人も置いていかない、それがMAYSON's PARTYのライブスタイル。
ピークはまだまだ続く。猛スピードで駆け抜けるハードコアな短距離スカナンバー「BAM BAM BAM BOOM」を経て「ハッピーエンド」へ、SAKIの呼びかけでウォール・オブ・デスならぬ「ウォール・オブ・ハッピー」のぶつかり合いで一体感を高めると、「Rachel」「TWISTED」と畳みかけて休む暇もない。明るい曲もシリアスな曲も全部まとめて、ブレーキのないジェットコースターのように走り続けて止まらない。
MAYSON’s PARTY
「いろんなバンドをやっていたメンバーが、もう一回成功したい気持ちで、30歳を超えて始めたようなバンドです。ようやくここまで来れました。でもまだまだ挑戦し続けますので、これからもどうぞよろしくお願いします!」(AYATOMO)
ラストスパート、遊んで帰ろうぜ! 8年間の、いやそれ以前からの長く曲がりくねった道のりの感傷を笑顔の裏に隠して、MAYSON’s PARTYは走る。「RAIN」「Carry on」「SUNSHINE」と、雨→続ける→陽の光という曲順だけで言いたいことが全て伝わる。MAYSON's PARTYがあなたたちの人生の光になりますようにーー「SUNSHINE」を歌う前のAYATOMOの言葉が、曲が終わってもいつまでも余韻として残り続ける。
MAYSON’s PARTY
そしてアンコール。聴き慣れないSEに続き、見慣れないお洒落で斬新なツートーン衣装に身を包み、聴いたことのない曲を歌う7人に目と耳が釘付け。SEと衣装はこれからのバンドの象徴で、MIKIがリードボーカルを取る初披露の「Shining light」は4月22日リリースのセカンドミニアルバム『7』収録の新曲、疾走感と哀愁を併せ持つメロディックチューンだ。「これから新しい旅が始まります」。AYATOMOの声にも自信がみなぎる。
残る2曲、「Going Home」「You Found Your Way」ととっておきの大騒ぎパーティーチューンを全力で演奏して、全34曲2時間弱に及ぶ初ワンマンは参加者全員優勝のハッピーエンド。記念写真にラインナップ、メンバー以上にフロアでタオルを掲げるパティスタたちが誇らしげに見える。人生という旅は一歩一歩着実に歩む者ほど遠くへ行ける。それぞれに得意技を持ち寄って助け合う、キャラの立った7人は冒険アクション少年マンガのヒーローたちに似ている。PARTYには「参加者」「団体」という意味もある。彼らのスローガン【PARTY4YOU】――観て、聴いてくれる“あなた”のためのパーティーを鳴らし続けるという信念の通り、その音楽を好きになれば、誰だってMAYSON's PARTYに加われる。
取材・文=宮本英夫 撮影="SUGI" Yuya Sugiura
MAYSON’s PARTY
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