オリジナル版の日本上演は今年でファイナル! 『blast ブラスト!』キャスト5名にきく、公演の魅力&見どころとは?

インタビュー
舞台
2026.7.10
テオ・ガスリー、渋田華暖、石川直、米所裕夢、ジェリエル・ヴァスケス

テオ・ガスリー、渋田華暖、石川直、米所裕夢、ジェリエル・ヴァスケス

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神技の演奏とパフォーマンスがステージを駆け巡る“音爆のサーカス”『blast ブラスト!』の、オリジナル版の日本での上演が今夏、ラストを迎える。2026年7⽉25⽇(土)から、8月30日(日)にかけて、全国14都市で計38公演を開催するツアーに臨むメンバーの中から、石川直(パーカッション)、米所裕夢(トランペット)、渋田華暖(トランペット)、テオ・ガスリー(トロンボーン)、ジェリエル・ヴァスケス(トランペット)の5人に、作品の魅力などを聞いた。

――オリジナル版の日本上演が、本ツアーで最後を迎えます。

石川:僕は『ブラスト!』に入った時に、このショーと出合い、ともに進化をし続けていきました。振り返ればもう25年以上。自分の人生の半分以上を占めると言っても過言ではないこのショーでは、仲間たちから大きな刺激を受け、いろんなものを学んできました。それが今回、最後を迎えるということなので、本当にすごく感慨深いものがあります。最高の作品に仕上げて、ツアーに臨みたいなと思っております。

米所:僕が、『ブラスト!』を知ったのは中学の時で、その時はこのオリジナルバージョンをやっていました。19歳で入団をした時も初めて触れたのはオリジナル版でした。そこから15年。この間には、『ミュージック・オブ・ディズニー』を上演したり、コロナ禍でツアーがない時期もありました。それで約2年前に、またオリジナル版をやると聞いて、めちゃくちゃ嬉しかったんです。またできるという喜びのなかでやっていたので、今回のファイナルを聞いてとても寂しい気持ちでいっぱいです。でも、終えることは決してネガティブな意味じゃなくて、『ブラスト!』が新しいフェーズに進むための、ポジティブな意味なんだと、色々やっている中で気がつくことができました。いまは、自分が愛したオリジナルに並ぶようなものを、若い世代とともに作っていきたいです。今年に関しては、ファイナルなので、思いっきり爆発的なラストをお届けしたいと思ってます。

渋田:私は小学校5年生の時に、母に連れられてブラスト!を初めて見ました。当時10歳で、「私、これになりたい!」と思って15年。人生の半分以上をずっと『ブラスト!』につぎ込んできて、ずっとファンとして見てきました。前回のツアーでようやく憧れの舞台に立って、「夢って本当に叶うんだ!」って思いましたし、叶えられた自分に拍手を送りたい気分になりました。今回ファイナルと聞いて、自分が心を動かされたものが終わりを迎えてしまうという、寂しい気持ちはすごいあるんですけど、長い歴史の最後の最後に、私が愛し続けた『ブラスト!』という作品のファイナルに立ちあえることを光栄に思います。

テオ・ガスリー:私は2007年に入団し、約20年近く、本当に人生の半分近い時間を過ごしてきました。この20年の間に色々な人生経験をしていますが、『ブラスト!』があるから、いまの自分がいるということは間違いありません。オリジナル版はこれが最後のショーになりますので、間違いなく今までで1番キャストのエネルギーやパワーを感じていただけるものになると思います。

ジェリエル・ヴァスケス:2001年に米・ブロードウェイで初演されて以降、いくつかのバージョンが生まれ、そして進化を遂げながら上演されてきました。今回、オリジナル版はファイナルを迎えますが、これは〝終わり〟ではなく、さらなる進化をするための節目のファイナルなので、お客さんには思いっきり楽しんでいただきたいです。いままで以上のベストなラストをお届けするので、楽しみにしていてください!

――日本公演で印象的だったことや、楽しみにしていることを教えてください。

ヴァスケス:僕は2024年に『ブラスト!』に入団しました。そして同じ年に行われた日本ツアーで初めて来日し、昨年の11月から福岡で暮らしています。来日当時は、色んなことがカルチャーショックでしたが、日本の人はとても礼儀正しいですし、ご飯もおいしくて素敵な場所だと思っています。『ブラスト!』の魅力の1つに、お客さんとキャストがつながるということがありますよね。日本でもある会場で1列目にいた方がキャスト全員とコミュニケーションを取ろうと、前のめりになってくれていたことがありました。夏のツアーでも、皆さんとつながることができればと思います。

渋田:私は地元が福岡なので、福岡のステージに立った時のお客さんの反応は特別なものがあります。前回は1階席がほぼ知り合いでした。舞台から客席がよく見えるので、友達から手を振られたり、先輩が名前を呼んでくれたり、そういうことがうれしかったです。楽器を始めるきっかけをくれた先生が、泣きながら見ていた時はすごくうれしくて、17年かかったけど、やっと恩返しができたなと感じました。

ガスリー:僕も昨年9月から、日本で暮らしています。なのでもう日本の文化には、だいぶ馴染みがあります。石川さん、米所さんとは多分500回ぐらい一緒にショーをやってきたので、ステージ内外で色んな思い出があります。日本の観客の皆さんは、ショーやキャストに、尊敬の心を持って、心から楽しんでくれていることを感じるので演奏していて凄く楽しいです。ショーの中で、ジェリエルが民族楽器を演奏するシーンがあるんですけど、その時は僕も客席に降りていくので、客席とコミュニケーションを取ることができるのが楽しいです。子供がいたら、子供に向かって演奏するとか、良いリアクションがあると僕もとても楽しいです。

米所:僕自身、勉強のために観客としていろいろなステージを見に行くことがあるのですが、僕ら日本人って、ショーの時に拍手をしたり、歓声を上げるタイミングとかを考えてしまいがちですよね。誰かが拍手を始めたら、周囲もそれに続いてワーッと広がって行くとか。でも『ブラスト!』のステージに立ってる時には、そういったものがないんです。曲が終わったら、”ドカン!!”ってなってくれる。お客さんが楽しんでいることが伝わるので、楽しいですね。今回は2部の中盤頃に、僕が1人で2階に行ってスタンバイする曲があるんですけど、その曲では客席の通路に出て演奏をするので、お客さんがハイになっている様子をとかを間近で体感できるんです。自分が生まれ育ったこの日本で、このステージに立ててること。様々な会場で、色々なお客さんに出会えることがすごい幸せです。

石川:アメリカで生まれたショーを日本で初演した2003年に、我々カンパニーが集められて、『これから日本の初演を迎えるけれども、日本人のお客さんっていうのは、これまでやってきたアメリカのお客さんとは違って大人しく見てくれる人が多い。でもそれは決して楽しんでないわけではなくて、日本の国民性がそういうもの』って説明があったんです。僕も日本人として『そうなんだよな』とか思ったのですが、実際のショーでは開演前から客席が賑わっていて、客殿が落ち始めたらもう開演前のサンバ(客席に流れるSE)が聴こえないぐらいわき始めたんです。アメリカでもそんな経験はありませんでした。本当に楽しみにしてもらえていた。スーパースターのように待ち望まれたカンパニーだったっていうのを肌で感じた瞬間でした。音楽とダンスを通じて時間を共有してくださっている。一緒に楽しむもパーティーのようなショーなので、今回も他のショーでは見られないような現象が起こるのではないかなと思います。

――日本公演の中でご自分の見せ場や、オススメポイントを教えてください。

渋田:私は「ランド・オブ・メイク・ビリーブ」という、第2幕の終わりがけの曲。色で言うとオレンジのシーンがオススメです。子供の頃からも1番好きで、今も変わらずに好きな曲です。子供の時は、客席の通路にキャストが降りてきて、間近で演奏してくれるのがうれしくて、その時の感覚はいまでも忘れられません。お客さんと一緒になって楽しむシーンなので、キャストになったいまは子供を見つけると、子供の所に行って演奏をしたくなります。素直な反応がうれしいですし、私が感じた気持ちをバトンタッチできればという思い出やっています。

米所:僕は前半に演奏する「ロス」という楽曲です。今年もソロを担当させていただきます。『ブラスト!』は、公演のテーマを「エモーショナル・ジャーニー(感情の旅路)」といっていて、演奏する曲によっての動く感情や、皆さんがイメージする色をステージ上で展開しているんです。「ロス」という楽曲は誰かを亡くしたとか、会いたい人に会えないとか、目に見えない悲しみの感情を表現しています。これまで15年の間に、自分自身も色々な経験をしているので、ちょっと違った形でお届けできるんではないかなと思っています。

ジェリエル​:僕はブラックのシーンで演奏する「メディア」です。一幕最後の曲で、この曲の前にドラムパーカッションチームが、フィーチャーされたパワフルな曲が大音量で終わって会場がワーッとってなった後に演奏するんです。「メディア」は、マーチングバンドをやっている人なら一度は触れたことがある有名な曲。僕はこの曲の中に隠されたストーリーラインが好きなんです。例えばホルンとバリトンがそれぞれソロで出てきて、デュエットするようなシーンがあるんですけど、この音楽からは苦悩しているダークな感情を感じます。その後に展開するドラムバトルは、苦悩に立ち向かっていくような感じがします。ぜひそういうところにも注目して、感情移入をして見ていただきたいです。

ガスリー:僕は「マラゲーニャ」です。トロンボーンと、トランペットのソリストが掛け合うシーンでは、アイコンタクトをしながらジャズにその場のムードを感じながら演奏しています。トランペット奏者としてジェリエルがスイングで入る日もあるので、僕との掛け合いも見ていただきたいです。ショーの最後に演奏する曲なので、クライマックスに向かって、自分たちの気持ちも上がっていってるので、とても楽しいです。全員の気持ちが乗ってる状態なので、お客さんも間違いなく好きになっていただけるシーンかなと思います。

石川:『ブラスト!』は魅力がたくさんあるので、いくつかあげてもいいですか。最初は僕のスネアドラムの演奏から始まる「ボレロ」。そして心を掴まれる「ロス」もオススメです。僕の演奏ではソロのほかに、ラックドラムやバトルシーンなど激しい所も見ていただきたいです。ダークな世界を見せる「メディア」もオススメの曲。苦悩とか、ダークな世界の後に、休憩が入るんですけど、僕らパーカッションセクションは、この時間にコミカルなバケツを椅子を叩くパフォーマンスを皆さんの目の前で披露するんです。曲に没入した直後に、一緒に楽しむ体感型に切り替わる。そういった幅の広さも『ブラスト!』の魅力だと思います。

――『ブラスト!』の公演テーマは「エモーショナルジャーニー(感情の旅路)」です。照明などでも曲の色のイメージが表現されますが、ご自身の感情にマッチしているなと感じる曲を教えてください。

米所:本当はイエローでハッピーって言いたいんですけど、僕は「ロス」の淡い青的な色が好きです。スッと落ち着いた状態でいられます。

渋田:私はグリーンのシーンが、自分の心とカラー繋がっていると感じます。ほかのシーンは動きがたくさんあるので、そちらに集中しがちなんですけど、グリーンのシーンは、金管楽器が1列に並んで前に進むので、お客さんの顔をしっかり見られるんです。泣いてるお客さんとかも結構いらっしゃるので、私たちが音に込めてる思いに感動してくださったのかなと、お客さんの感情が伝わってくるので、グリーンが1番心に残っています。

ガスリー:「レモンテック」のイエローです。『ブラスト!』の視覚的な部分を担っているシーンで、照明がフラッシュしてるようなところもあります。ここはビジュアルアンサンブルのダンサーたちが大活躍します。舞台袖から飛んでくる旗をキャッチして踊るなど神業の連続でプロフェッショナルを感じる場面です。

ヴァスケス:ブルーのシーンです。トランペットのソリストがフィーチャーされる「エブリバディ・ラブズ・ザ・ブルース」という曲で、スイングなど、クールで自信に満ち溢れています。そこに素敵なライティングも入っているので、ぜひ楽しんで演奏しているところを見ていただきたいです。

石川:赤のシーンですね。ショーを締めくくる「マラゲーニャ」は、約2時間のショーをやり通して、最後に思い切りはじけられるシーン。前半はゆったりと始まりますが、途中から金管楽器が走り回るドリルフォーメーションステージングなど、ものすごく激しくなっていく。強烈なラテンの音楽を、我々パーカッションは、うねりのようなグルーブを作って盛り上げていきます。ダンサーたちは赤い旗や、赤いライフルを手に走り回るなど、目まぐるしく展開していく。『ファイヤー!!』っていう感じで、僕は途中で叫びながら叩いてるところもあるぐらいです。血液がもし燃料だったら火がついてる状態。我々のエネルギーも最大限の火力が出るシーンです。

取材・文=翡翠

公演情報

 

『blast ブラスト!』

<ツアースケジュール>
2026年7月25日(土)~8月30日(日) 全14会場38公演
https://blast-tour.jp/schedule.html
 
7月25日(土)13:00 [山形] シェルターなんようホール
7月26日(日)18:00 [宮城] 東京エレクトロンホール宮城
7月29日(水)18:30 [茨城] 水戸市民会館
7月30日(木)18:30 [千葉] 市川市文化会館
7月31日(金)18:30 [埼玉] 大宮ソニックシティ
8月1日(土)16:30 [栃木] 宇都宮市文化会館
8月2日(日)16:30 [長野] ホクト文化ホール
8月4日(火)~16日(日) [東京] 東急シアターオーブ
8月19日(水)18:30 [広島] 広島文化学園HBGホール
8月20日(木)18:30 [熊本] 熊本城ホール
8月21日(金)18:30 & 8月22日(土)11:00/15:30 [福岡] 福岡サンパレス
8月24日(月)18:30 & 8月25日(火)13:00 [愛知] Niterra日本特殊陶業市民会館
8月26日(水)18:30 [静岡] 浜松アクトシティ
8月28日(金)18:30 & 8月29日(土)12:30/17:00 & 8月30日(日)11:00/15:30 [大阪] オリックス劇場
 
公式サイト:https://blast-tour.jp

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