映秀。 「俺が一番楽しんじゃってるかもしれない(笑)」――夏祭りをモチーフにした一夜限りのスペシャルライブ『色祭』レポート

レポート
音楽
18:00
映秀。

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One Night Summer Live 2026 ~色祭~
2026.8.1 Spotify O-WEST


「うわーっ、楽しい!」

この日、映秀。はMCの度、心の声を素直に言葉にしていた。

「俺が一番楽しんじゃってるかもしれない(笑)。楽しんでくれてるでしょうか?」

ふと我に返って、観客を気遣う映秀。を見ながら、あぁ、彼は本当にライブが、いや、ライブがというか、この5年、ステージを共にしてきた4人のサポートメンバーたちと演奏しながら、観客とともにライブを楽しむことが心底好きなのだ、と8月1日(土)、渋谷Spotify O-WESTで開催された『One Night Summer Live 2026 ~色祭~』を観て、一番に感じたのは、それだった。

ライブごとにコンセプトを設け、趣向を凝らしたライブを繰り広げている映秀。がこの日、一夜限りのライブをスペシャルなものにするため、夏祭りをモチーフにしていたことは、ステージ中央にドーンと鎮座した和太鼓やステージを飾る提灯からも明らかだった。SE代わりの祭囃子や蝉の声が流れる中、ライブは法被姿でオンステージした映秀。が「そーれ!」といきなり和太鼓を叩き、スタンディングのフロアを沸かせながら始まった。

後述するとおり、この和太鼓がこの日、かなり活躍するのだが、和太鼓の連打からやはり法被姿のメンバーたちとともになだれこんだ1曲目は「誰より何でしょ 人より事よ」。

そこから「Boys & Girls」「脱せ」とリズムがファンキーに跳ねるポップナンバーをたたみかける5人の演奏は、もちろん映秀。の歌も含め、一気に温度を上げ、それに応える観客のシンガロングやハンドクラップとともに序盤から大きな盛り上がりを作り出していった。

アドリブを交えたり、ソロを回したり、全員でキメを合わせたりする5人の息もぴったりだ。これなら映秀。も歌っていて、すこぶる気持ちがいいだろう。

法被を脱ぎ、「いいでしょ? 今日のために作ったんだよ」とカラフルなインクでランダムにペイントしたという白いオーバーオールを見せながら、「なぜ『色祭』(読み:しきさい)というタイトルにしたかと言うと」と映秀。は今回のライブのタイトルに込めた思いを語る。

「いろいろなところから、いろいろな思いや考えを持った人たちがこうやって集まって、一緒に音楽を楽しみながら、カラフルでお祭りのような夜にしたいと思って、今回、『色祭』というタイトルにしました! それぞれの、その人らしさって僕はけっこう色で捉えるんだけど、その人らしさが一番輝く瞬間って心のしこりがほぐれた時だと思っていて。だから、今日のライブ、お祭りみたいにいろいろな楽しみ方ができると思うんだけど、歌詞を聴いたり、音を聴いたり、一緒に踊ったり、いろいろな楽しみ方でそれぞれの心がほぐれる時間にできたらと思っています!」

この日、映秀。がたっぷり2時間、披露したのは、「全然やってなかった昔の曲」だという「i shadow」をはじめ、ファンキーだったり、アーバンだったり、エモかったり、バラードだったり、ロックンロールだったりという様々な色を持った新旧の全22曲。ステップを踏みながら歌ったり、ラップしてみせたり、ファルセットを交えたり、体を震わせ熱唱したりする映秀。のボーカルからも曲ごとに様々な色が感じられた。

そんなセットリストの中で「せっかくだから最高のメンバーをフィーチャーするセクションを作ってみました」と言いながら、4人のメンバーの色をそれぞれに際立たせるアレンジを楽しませた中盤は、この日のライブならではの見どころだったと言えるだろう。

まず披露したのは、ソウルなバラードの「My Friend」。元々、ベースラインが印象的な曲だが、この日は山本修也(Ba)のベースだけをバックに歌うパートやベースソロも織りまぜながら披露。続いて、榎本響(Key)のクラシカルともジャジーとも言えるピアノソロから始まった「笑い話」はバラードと思わせ、徐々に音数が増えつつ、同期のストリングスも加え、ゴージャスなポップサウンドを鳴らしながら、最後は榎本によるニューオーリンズジャズっぽくも聴こえるピアノソロで締めくくるという、ある意味シンフォニックな展開が観客を釘付けに。

映秀。と山近拓音(Dr)がそれぞれ和太鼓とフロアタムをドドンガドンと鳴らしながらなだれこんだ哀愁ポップスの「喝采」もこの日は、映秀。と山近による迫力満点のツインドラムを軸に榎本が摺鉦代わりにカウベルをチキチキと鳴らしながら祭囃子バージョン(?)にリアレンジ。ランランラランラランラと歌う勘のいい観客のシンガロングとともに大いに盛り上がった。

そんなふうにメンバーそれぞれの色をフィーチャーしたセクションのトリを飾ったのは、ファンキーなポップスの「全部しようぜ」。「笑い話」「喝采」の流れから一転、タイトなバンドアンサンブルの中で上杉謙心(Gt)がリフ、ソロ、カッティングとソリッドなギタープレイを存分に閃かせ、フロアを揺らした。

そこからラップパートも含むロックンロールの「反論」を挟んでからメンバー全員で渾身の演奏を繰り広げ、観客を圧倒したのが「残響」。アンサンブルは極めてタイトながら、メンバーたちがそこに込めた熱量が凄まじかった。

全員でタオルを回した「星の国から」から「ほどほどにぎゅっとして」「よるおきてあさねむる」とポップナンバーを繋げていった後半戦。クライマックスにふさわしい盛り上がりを作り出したのは、「Fly You to the Moon」だった。曲の途中で「声を聴かせてくれますか!? ムーン」と歌い始めた映秀。に応え、観客が声を上げると、「そのまま続けて!」と映秀。とバンドは観客のシンガロングとともにサビになだれこむ。その瞬間、フロアが熱気のみならず、大きな一体感に包まれていたことを誰もが感じたはずだ。

そこからオールディーズなロックンロール「寄り道」に繋げ、本編の最後は観客とともにSNS動画で恒例のダンスを踊る。

もちろん、そこで終わりじゃない。『One Night Summer Live』と謳った一夜限りのライブにふさわしく、ファンキーな「東京散歩」で再びフロアを揺らしたアンコールでは8月28日(金)に配信リリースする新曲「虹色エール」も披露した。今年2月、映秀。が大阪マラソンに参加したとき、沿道からの応援があったからこそ完走できたという体験をきっかけに作った曲なのだそうだ。

「普段、がんばれって言われても、いやいや、もうがんばってるからと思ってしまう自分がその時は素直にその気持ちを受け入れられて自分の一歩一歩に繋がった、だから今度は自分が何かそのお返しがしたいと思って作りました」

5月の代官山UNITワンマンでも披露していたが、「さらにアップグレードしている」と映秀。は自信を滲ませる。ミッドテンポの8ビートと頭打ちのスネアがロックンロールなんて言葉も連想させるポップナンバーは、これから彼のライブに欠かせない曲になっていきそうだ。

そして、最後の最後にもう1曲、映秀。が三たび和太鼓を叩きながら、前向きなメッセージを持つアンセミックなポップソング「失敗は間違いじゃない」を全員で歌いながらライブは終演を迎えたのだが、メンバー紹介に映秀。が付け加えた「and you!!」という一言は、彼がライブに何を求めているのかを物語っていたように思え、なんとも心憎かった。

その映秀。は来年1月9日(土)、新代田FEVERで『新年FEVERしまSHOWTIME!!』と題したワンマンライブを開催する。毎回、趣向を凝らしたライブを見せてくれる彼が今度はどんなライブを見せてくれるのか、今から楽しみだ。首を長くして、待っていよう。


取材・文=山口智男 撮影=小林一真

セットリスト

One Night Summer Live 2026 ~色祭~
2026.8.1 Spotify O-WEST

01. 誰より何でしょ 人より事よ
02. Boys & Girls
03. 脱せ
04. 第弐ボタン
05. 涙のキセキ
06. ハ茶メ茶オ茶メ
07. 黄色の信号
08. My Friend
09. 笑い話
10. 喝采
11. 全部しようぜ
12. 反論
13. 残響
14. i shadow
15. 星の国から
16. ほどほどにぎゅっとして
17. よるおきてあさねむる
18. Fly You to the Moon
19. 寄り道
<ENCORE>
20. 東京散歩
21. 虹色エール(新曲) 
22. 失敗は間違いじゃない

■セットリストプレイリスト 
https://eisyu.lnk.to/Summer26

リリース情報

Digital Single「虹色エール」
2026年8月28日配信

ライブ情報

映秀。ワンマンライブ2027「新年FEVERしまSHOWTIME!!」
2027年1月9日(土)新代田FEVER
開場16:30 開演17:00
購入及び詳細はこちら
https://eisyu0317.com/news/detail/884
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