ザ・クロマニヨンズとドレスコーズが約12年ぶりの邂逅、ソールドアウトとなった2マンをレポート

2026.10.6
レポート
音楽

ザ・クロマニヨンズ / ドレスコーズ

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『RED-HOT ROCKSTREAM2026』2026.09.24(thu)CLUB CITTA

9月24日(木)に川崎 CLUB CITTAでザ・クロマニヨンズとドレスコーズとの対バン『RED-HOT ROCKSTREAM2026』が開催された。『RED-HOT ROCKSTREAM』は、両バンドの関東エリアにおけるライブプロモートを担当しているライブプロモーター「HOT STUFF PROMOTION」が主催を務める企画。ザ・クロマニヨンズとドレスコーズの2マンライブは、2014年にZepp Nambaで行われた公演以来、約12年ぶり。がソールドアウトしたこの公演の模様をレポートする。

ドレスコーズ

ドレスコーズ

田代祐也(Gt)、有島コレスケ(Ba)、ビートさとし(Dr)、中込陽大(Key)に続いて志磨遼平(Vo)が現われ、フロア全体から沸き起こったものすごい歓声。そして「ヴィシャス」がスタートした。ステージから押し寄せる音に合せて打ち鳴らされる手拍子が激しい。しかし、とても明るい響きを帯びている。ドレスコーズと観客による合奏が、ライブならではの血の通った熱を早速体感させてくれた。続いて「聖者」。空間系のエフェクトがかかったギターの音色、危険な香りと人懐っこさが入り混じる志磨の歌声に包まれていると、胸が心地よく締め付けられる。甘酸っぱいノスタルジーのようなものを誘うのが、ドレスコーズの音楽の醍醐味だなと感じた。

ドレスコーズ / 志磨遼平(Vo)

「リンチ」も届けられてから迎えた最初の小休止。「今日はドレスコーズとザ・クロマニヨンズ。こんなの最高じゃないか! フロアで観られるみなさんが羨ましいです。僕も観たかったです。とにかく。ということは。ロックンロールやるよ!」というMCを経て、曲がさらに連発されていった。マイクスタンドを傾けながら歌う志磨のシルエットが美しかった「ボニーとクライドは今夜も夢中」。ロマンチックなメロディに痺れた人々が夢中になって飛び跳ねた「Mary Lou」。グラマラスなビートがフロア内に漂う熱気を急上昇させた「あん・はっぴいえんど」。《ナナナ...》という大合唱がまぶしい光を放っているかのように感じられた「コミック・ジェネレイション」……爆音、ビート、メロディ、ハーモニーがひたすら甘美な刺激を放っていた。

ドレスコーズ

「僕にロックンロールのすばらしさ、パンクのすばらしさ、ブルースのすばらしさを教えてくれたのは、この後に出てくるヒロトとマーシーのおふたりです。僕の人生を変えてくれたふたりでもあるわけで。この場でそのふたりにお礼なんか言うのはちょっと気恥ずかしいので、この曲を贈ります」という言葉が添えられた「ピーター・アイヴァース」。心震わす音楽との出会いは、目の前に広がる世界を突然変えてくれる。そんな感覚を思い出させてくれる曲とじっくり向き合うのは、とても幸福な体験だった。続いて届けられたのは「ビューティフル」。観客が繰り返す《ビューティフルに》という歌声に、曲に対する思い入れの強さが滲んでいる。志磨の音楽もたくさんの人々にすばらしい世界を教えてきたのだと思う。そしてラストを飾ったのは、ミラーボールがキラキラした光の粒子を放つ真下で鳴り響いた「愛に気をつけてね」。客と何度も交わし合った《Baby Baby あんたなんか》を経て志磨が叫んだ《きらい!》は、抑えられないくらいの愛を込めたI Love Youのように聴こえた。言葉の表層上の意味を超えた部分で繋がり合えたあの感覚を思い出すと、改めてとても嬉しくなる。サウンドの匂い、肌触り、熱と共にすてきな場所に辿り着ける音楽の魅力を再確認させられる曲だった。歌いを終えると、ものすごい喝采を浴びたステージ上の5人。投げキッスをしてステージを後にした志磨を大きな拍手が見送った。

ザ・クロマニヨンズ

ザ・クロマニヨンズ

「オーライ! ロックンロール!」と叫んだ甲本ヒロト(Vo)がブルースハープを吹き鳴らし、真島昌利(G)小林勝(B)、桐田勝治(Dr)の演奏も合流。「キャブレターにひとしずく」がスタートした。早くも居ても立ってもいられなくなった観客の掛け声がものすごい。野性に還った人々の興奮と戦慄きで満たされた会場内は、ロックンロールが絶対王として君臨する空間と化していた。続いて「グルグル」と「タリホー」も届けられたが、フロアを埋め尽くした人々が無我夢中で歌う《グルグルグル》《グールグル》《わいタリホー》《さめタリホー》に漲るピュアな喜びが清々しい。意味なんてよくわからないが口にするとウキウキしてしまって無敵になれる言葉が、ロックンロールにはとてもよく似合う。歌って飛び跳ねる至福に身を任せた観客も抜群にかっこよく感じられた序盤の3曲だった。

ザ・クロマニヨンズ / 甲本ヒロト(Vo)

「今日は最後まで最高の夜にしたいと思います! どんどんやるぜ!」と観客に呼びかけて突入した「イノチノマーチ」は、何でもやれそうな気がしてくる爆音の塊だった。そして「生きる」も披露された後、ギターを持ち替えたマーシー。彼の愛器といえばTVイエローカラーのレスポール・ジュニアだが、水色のストラトキャスターを手にしている姿が新鮮。鳴らされたCメジャーコードでキーを確認してからヒロトが歌い始めた「グリセリン・クイーン」は、観客のシンガロングで熱く彩られた。そして「暴動チャイル(BO CHILE)」「エルビス(仮)」「紙飛行機」も連発されてから迎えた小休止で、Tシャツを脱いで上半身裸になったヒロト。「さっき楽屋で着替えてる志磨くんを覗いてたら、同じようなもんだったから。『これでいいのかなあ』って自信になりました。志磨くんを見て自信がついた。彼は俺を見て自信がつく」――ヒロトと志磨が互いにとても痩せていることについて触れた言葉は、ロックンロールと共に生きている同志への温かな敬意がこもっているのを感じた。

ザ・クロマニヨンズ

「最後までぶっ飛ばしていくぜ! 今日、ここまですばらしい1日です。あとちょっと、ここから打ち上げのつもりで盛り上がってください」という言葉と共に雪崩れ込んだ「エイトビート」。ヒロトが吹き鳴らすブルースハープが暴れまくり、ビートがワイルドに躍動。こんなサウンドを浴びたら体内のアドレナリン分泌は、ますます促進される。そんな状態になったところで「あいのロックンロール」と「ギリギリガガンガン」も放たれ、今日は最高!という気持ちがますます深まる。カタカナ9文字の《ギリギリガガンガン》は、興奮の極みに辿り着ける呪文なのだと思う。そしてクラブチッタの地元チームである川崎フロンターレの応援歌「ナンバーワン野郎!」が、《ナンンバーワン ナンバーワン ナンバーワン》という観客の猛烈な歌声を巻き起こし、ラストは「クロマニヨン・ストンプ」。衝動のままに身体を揺らし、声をブチ上げるのは本当に楽しい。身も心も完全に解放する喜びと共にザ・クロマニヨンズのライブは締めくくられた。ヒロトが「ありがとう。楽しかった。またやろうな。また絶対やろうな。ロックンロール!」と叫び、マーシーが「ドレスコーズ、ありがとう。またね!」と言って手を振る。彼らがステージを後にしてからも暫くの間、心地よい余韻に浸ることができた。


取材・文=宮本英夫 撮影=柴田恵理

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ライブ情報

RED-HOT ROCKSTREAM 2026
2026年9月24日(木)CLUB CITTA'
・出演
ザ・クロマニヨンズ/ドレスコーズ