ストレイテナー ビルボードライブでディナーショー実現「酔っ払ってステージ上がってきちゃって!」怒涛の2016年へ

レポート
音楽
2016.1.28


 他では絶対作れないものを目指し、似たようなことをやっていたら生き残れない00年代を戦い抜き、今も進化し続けるスーパーバンド ストレイテナー。1月24日 ビルボードライブ東京にて【Special Talk & Acoustic LIVE‘STRAIGHDINNER’】を開催した。

<スタイリッシュな衣装で客席をまわりながらハイタッチ>

 このライブは、ホリエアツシ(vo,g,key)いわく「大御所の人たちがやるディナーショーってあるじゃないですか。行ったことはないんですけど、きっとすごく楽しいんだろうなって思っていて(笑)。それをストレイテナーでやってみたいなと思って。普段のライブにはない驚きを取り入れたい」という想いから実現。あのストレイテナーがディナーショー!? とファンは度肝を抜かれたと思うが、実際にライブタイトルは「ストレイディナー」と名付けられ、観客は開演前からオシャレで美味なお酒や食事を堪能。そこへジャケットやハットなどスタイリッシュな衣装に身を包んだメンバー4人が現れ、ファンの席をまわりながらハイタッチ。たしかにディナーショーそのものである。

<ライブもトークも自然体で楽しませてくれるストレイディナー>

 なお、このライブは、1st stageと2nd stageそれぞれに異なるセットリストを用意。19時半スタートの2nd stageでは「皆さん、こんばんは。ストレイディナーへようこそ! お酒もジャンジャン飲んでください」「飲みたくしてやる。演奏中に「すみません、もう1杯ください」って言っちゃっていいんで。遠慮なくガバガバ飲んで酔っ払ってステージ上がってきちゃって(笑)」と、馴れないロケーションでのライブに緊張しているであろうファンをいつものテンションで緩ませ、この日の為にリアレンジされたアコースティックバージョンで「彩雲」「TOWER」「FREE ROAD」と、メンバーにとってもファンにとっても思い入れの深いナンバーたちを次々と届けていく。

 拳を振り上げながら暴れまわるのもストレイテナーの楽しみ方のひとつだが、映像や風景を想起させる彼らのドラマティックで繊細な楽曲群、その世界にアルコールの力も借りながらどっぷりと浸かり、その音やグルーヴに体を揺らしながら酔いしれる贅沢。様々な娯楽の登場で音楽離れする人が増えている……なんていう定説が語られるようになって久しいが、この日のライブは音楽の本来の楽しみ方をメンバーもオーディエンスも体現しており、人間と音楽は切っても切れない関係性であることをナチュラルに再認識させてくれた。「皆さん、何を飲んでらっしゃるんですか? カクテル? レモンチューハイ?」「レモンチューハイは新橋」「乾杯しようか? かんぱーい!」ライブもトークも自然体で楽しませてくれるのがストレイディナーである。

<「ここからまた可能性が広がるかもしれない」怒涛の2016年へ>

 後半の最新シングル曲「DAY TO DAY」では、ステージ背後の幕がゆっくりと開いていき、観客の眼前に六本木の煌びやかな夜景が広がる。その何ともロマンティックなシチュエーションに酔いしれていたファン一同だったが、ナカヤマシンペイ(dr)が六本木ヒルズを指差し「ホリエくんが住んでるからね」と言えば、ホリエが「やべぇ、電気つけっぱだ」と返すくだりで大爆笑。ライブでムーディーな空気を生み出しながら、トークで自らそれを壊すというストレイテナーらしさ(?)も凝縮された同公演だったが、最後は「明日からまた新曲作りに励んで、また良い曲を皆さんに届けたいと思います。今年は怒涛な感じなんで、「えぇ!?」ってなると思うよ」と期待を募らせ、そして「渾身の1曲でお別れしたいと思います」と「Lightning」を披露。

 事前のインタビュー(http://bit.ly/1Ka6uq4)でホリエは「自分たちの決まりきった場所じゃないところに出ていく、そのひとつでもあるから、ここからまた可能性が広がるかもしれない」と同公演について語っていたが、最後の「Lightning」に陶酔しながらストレイテナーの更なる可能性や、彼らの音楽が今まで以上に大衆の心を捉える未来はきっとある。そう感じたのは自分だけじゃないだろう。「えぇ!?」ってさせてくれるストレイテナーの2016年、要注目である。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:橋本塁(SOUND SHOOTER)

◎ライブ【Special Talk & Acoustic LIVE‘STRAIGHDINNER’】
01月24日(日)ビルボードライブ東京 セットリスト:
1st stage
01.Farewell Dear Deadman
02.EVERGREEN
03.YOU and I
04.Phantasien
05.Starless Coaster
06.SIX DAY WONDER
07.CLONE
08.NO ~命の跡に咲いた花~
09.DAY TO DAY
10.彩雲
En1.Lightning
2nd stage
01.彩雲
02.TOWER
03.FREE ROAD
04.Phantasien
05.Starless Coaster
06.シンクロ
07.Toneless Twilight
08.ネクサス
09.DAY TO DAY
10.Farewell Dear Deadman
En1.Lightning

 

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