電車の中で演劇公演!独自の上演形態が話題の注目劇団「シアターキューブリック」へインタビュー

インタビュー
舞台
2016.3.14
シアターキューブリック『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』

シアターキューブリック『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』

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活動スローガンを「まち・れきし・あそび!」とし、これまでにない上演形態で話題を呼んでいる注目の劇団「シアターキューブリック」。あの「ぬれ煎餅」や「かみのけくろはえ駅」などで有名な銚子電鉄とコラボレーションした演劇公演を行うなど、精力的に活動している。今回、そんなシアターキューブリックの役者・広報担当の奥山静香にインタビュー取材を敢行。独特の上演形態での公演を行うようになったきっかけや、これからの展望についてなどたっぷり伺った。

 

――シアターキューブリック結成までの経緯を教えてください。

シアターキューブリックは、作・演出の緑川憲仁が中心となり、一般公募200名を超える中からオーディションで集まった仲間とともに、2000年2月に旗揚げしました。

 

―シアターキューブリックの作品の特徴や雰囲気、作風を教えてください。

上演作品の特徴は、絵本のようなファンタジー世界。ダンスや音楽などでの多彩な演出や銭湯や鉄道など特別な空間で行い、演劇に馴染みのない方でも安心して楽しめるようなポップなエンターテインメント作品に仕上げていますが、作品の根底には誰しもが持つ心の傷と向き合う姿が描かれています。観た後は「明日に踏み出す力を得られる」作品です。作品テーマは「家族・絆・愛」。ノスタルジックな作風にも定評があります。

―次回公演『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』について、公演の形式と作品のストーリーを併せて教えてください。

『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン-spring version-』は旅をしながら演劇を楽しむ「ローカル鉄道演劇」です。
走行中の車内で演劇を楽しんでいただきますので、始発のひたちなか海浜鉄道勝田駅からご乗車いただき、作品の前編を見ていただきます。終点の阿字ヶ浦駅で下車後、物語の世界とリンクしたまちあるきを体験。もしくは観光。再び、阿字ヶ浦駅からひたちなか海浜鉄道にご乗車いただいて勝田駅まで後編をご覧いただきます。ローカル情緒漂う阿字ヶ浦での海辺の路地探訪と舞台と客席の境目のない劇空間で展開する、体験型鉄道演劇です。

~ものがたり~
「帰れない湊」
開け放った車窓から懐かしい海風の匂いが入ってくる。
同じ海でも、ここの海風は芋畑の土の匂いが混ざっている。
まるで家出少年の気持ちで見る久々のひたちの大地は、
誰よりも会いたくて、けれども誰より会いたくない彼奴のよう。
ふと向かいの席に目をやると、一人の知らない女。
彼女は、責めるような、すがるようなまなざしで僕の瞳を捕えて離さなかった。
「お前もか……」。
僕はすぐに彼女の心情を汲んだ。
僕も、彼女も、帰りたい湊へ帰ることができない難破船だった。
「湊線」と呼ばれる小さな列車は、
二つの物語と春風を乗せて、ふたたびゆっくりと動き出す。

 

―次回公演『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』の見どころを教えてください。

見どころは、全て、といっていいほど、です。動く列車と車窓の景色は最高の舞台装置ですし、その日・その時間しかない天候で変化する明かりは最高の照明です。脚本もひたちなか海浜鉄道でしか得られないオリジナルな魅力をふんだんに盛り込んでいます。その刻一刻と変わっていく舞台美術と一緒に息をするように演じていく俳優たちの演技も見どころです。まちあるきも参加していただいたから「作品がより深く感じられた」とのご感想をいただいております。俳優ナビゲーターならではの視点で、一味違ったまちあるきが楽しめます。

―シアターキューブリックの活動スローガンは「まち・れきし・あそび!」とのことですが、地域や地元の人と深くかかわる公演スタイルを始めることとなったきっかけを教えてください。

2008年にスタートしたローカル鉄道演劇を銚子電鉄で行わせていただいたのですが、その際、はじめてまちあるきを取り入れました。はじめはせっかく遠方までいらした方に”訪れた土地を存分に楽しんでいただきたい””ガイドブックには載っていない土地の魅力を知っていただきたい”という思いのほうが強かったのですが、参加いただいた地元の方から、「今まで見慣れていた場所がこんなにいいところだと改めて気づかされた」と言っていただいたことから、演劇の新たな可能性を感じ、このスタイルを始めるきっかけとなりました。今では劇団の拠点である墨田区の商店街でも毎週末ステージを行うなど、継続して地域や地元の人と深くかかわる活動がされており、様々な公演に生かされているように思います。

公演の前半が終了した際に行われる「まちあるき」の様子 まちの解説とともに、物語のサイドストーリーをたどっていく

公演の前半が終了した際に行われる「まちあるき」の様子 まちの解説とともに、物語のサイドストーリーをたどっていく

―シアターキューブリックの今後の展望・野望があれば教えてください。

劇場公演も劇団として大切にしていきたいので継続して行っていきたいですし、劇場に人を呼ぶだけでは得られない、演劇が人やまちをつなぐ力を感じることができる地域や地元の人と深くかかわる公演スタイルも広げていきたいと思っています。

 

―シアターキューブリックに関心を持たれた方に、メッセージをお願いいたします!
演劇の良さは大変アナログであることで、映像やインターネットでは得られない、そこに行かなければ得られない贅沢な生の感動があることだと思います。ぜひ、足を運んで体感していただけたらと思います。

 

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イベント情報
シアターキューブリック ローカル鉄道演劇アンコール公演
「ひたちなか海浜鉄道スリーナイン-spring version-」


日時:
2016年3月26日(土) ~ 2016年4月3日(日)
1便 10:43発~14:22着  2便 14:38発~18:12着

会場:ひたちなか海浜鉄道車内

出演者:片山耀将、谷口礼子、高橋茉琴、千田剛士、榎本悟、ささきくみこ
 

 

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