舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~ ゲネプロレポート

レポート
2016.3.25
© 渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~ GR 製作委員会 2014   © 渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、セガ・ライブクリエイション

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 3月4日TOKYO DOME CITY HALLにて開幕した舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~。現在絶賛ツアー中の本作の東京公演での公開ゲネプロより、その最新の魅力をレポートする。

 第一作以来、回を重ねるごとにファンを増やし、“ペダステ”の愛称で親しまれている本作。主人公・小野田坂道が小越勇輝へとバトンタッチした前作の「IRREGULAR~2つの頂上~」より新たなシリーズへと移行したが、ストーリー的には坂道の先輩たちを中心としたスピンオフだったこともあり、この「総北新世代、始動」は“小越坂道”が改めて真ん中に立って展開してくネクストステージのペダステとしても注目の一作となった。

 初出場でインターハイ優勝という初心者の奇跡を起こした翌年。2年生に進級した坂道は、あらためて自転車競技への情熱を感じながらも2年目のプレッシャーを胸によぎらせている。特に強く感じるのは、尊敬すべき巻島先輩の不在だ。やがて、目標とすべき存在を失った先に改めて“走る意味”を見出していく坂道の心の成長も、今回のエピソードのひとつの柱。2年生になった坂道と2作目に挑んでいる小越の状態が微妙にリンクしているのもなんだかじわじわと利いてくる。彼は一体どこまで走っていくのか──不器用な坂道の思いの丈、内に秘めたとびきりの情熱のすべてをペダルを漕ぐ足に注ぎ込んでいく小越の研ぎすまされた走りは、とても美しかった。

© 渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~ GR 製作委員会 2014   © 渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、セガ・ライブクリエイション

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 “新世代”と呼ばれる新メンバーの中で特に輝きを放っていたのが、新キャプテン・手嶋役の鯨井康介。下級生である坂道たちと凌ぎを削った前年の校内レースの回想シーンでは、クレバーさと豪快さでド迫力のレース展開を披露。新参加ながら先輩の意地をクッキリと刻みつけた。また、坂道の同級生・杉元役の山本一慶もスマートながむしゃらさでレギュラー奪取への執念を爆発させ、感動的な汗を輝かせてくれた。

© 渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~ GR 製作委員会 2014   © 渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、セガ・ライブクリエイション

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 もちろん、おなじみのレギュラーメンバーもそれぞれに進化系として登場し作品を根底から支えてくれているし、まだまだ気になる新メンバーも各校で増殖中。それにしても…人気キャラクターが入れ替わっていく中、改めて総北高校自転車競技部の層の厚さを、そして、ペダステに果敢に挑んでいく若き俳優たちの底知れぬ役者魂を私たち観客に存分に与えてくれるこの“ペダステの奇跡”! 脈々と続いていく作品の歴史に立会えていることが嬉しくなる。

© 渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~ GR 製作委員会 2014   © 渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、セガ・ライブクリエイション

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 杉元の弟・定時の純粋さを体現した中村太郎、(今は)謎のメカニック・古賀役の輝馬の“次回に乞うご期待”ぶり、箱根学園(ハコガク)の新キャラクター・葦木場役の東啓介の天然風味もそこはかとなく気になる存在。一年ぶりの出演となった京都伏見・御堂筋役の村田充はヘアスタイルも新たに登場。鳴子役の鳥越裕貴と見せてくれたキレのあるガチなスプリントバトルの先に到達するメタモルフォーゼなシーンも含め、そこかしこに今後の展開を期待させる思わせぶりな伏線が置かれていくのも心躍る展開だ。

© 渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~ GR 製作委員会 2014   © 渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、セガ・ライブクリエイション

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 パズルライダーと呼ばれるアンサンブルを中心に、役者たちの手で稼働させていくスロープとブリッジのみのシンプルなセットで多彩な自転車レースの模様が表現される“ペダステスタイル”は本作でも健在。しかしその動きはより複雑でスムーズに進化、役者の身体表現との融合で登り坂にも下り坂にも自在に変容していく様は体感的にもとても心地よく、“ただの坂”がいつしか生き物のように見えてきさえするから不思議だ。演出・脚本家の西田シャトナーの立体的なイマジネーションと、それを実現させていく役者たちとの信頼関係があってこその人間にしかできない表現。そこにノンストップで存分に乗せられていく情熱、肉体、汗、汗、汗。まずはシンプルに「楽しかった」と目の前の躍動を堪能しよう。そして、彼らのドラマと個性的なキャラクターをじっくりと反芻して、次のレースに備えたい。

© 渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~ GR 製作委員会 2014   © 渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、セガ・ライブクリエイション

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文=横澤 由香

公演情報
舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~
 
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■日程
2016年3月17日(木)~3月21日(月・祝)オリックス劇場(大阪)
2016年3月25日(金)~3月27日(日)KAAT神奈川芸術劇場(神奈川)

■スタッフ
原作:渡辺航「弱虫ペダル」(秋田書店『週刊少年チャンピオン』連載)
演出・脚本:西田シャトナー
音楽:manzo

■キャスト
小越勇輝 太田基裕 鳥越裕貴 鯨井康介 八島諒 山本一慶
椎名鯛造 植田慎一郎 中村太郎 輝馬 植田圭輔 河原田巧也 東啓介 兼崎健太郎
桝井賢斗 天羽尚吾 村田充
パズルライダー:一瀬悠 掛川僚太 伊藤玄紀 河野智平 村上渉

■舞台『弱虫ペダル』公式サイト
http://www.marv.jp/special/pedal/


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全国+海外の映画館にて千秋楽公演ライブビューイング開催決定!
《開催日時》3月27日(日) 17:00~上映開始(予定)
《チケット》 料金:3,600円(税込)
《開催映画館》 日本国内、海外(台湾、香港、韓国) 詳しくは公式HPまで

 

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