国内で唯一アフリカゾウの家族に会える!「愛媛県立とべ動物園」vol.1
-
ポスト -
シェア - 送る
仲良し姉妹の成長が楽しみな「ゾウストリート」
愛媛県立とべ動物園(愛媛県伊予郡砥部町)の前身は、1953年に設立された道後動物園。より多くの動物がより自然生態に適した環境の中で生活できるようにと、静かな丘陵地の県総合運動公園内へ移転し、1988年4月にとべ動物園が誕生しました。動物園前のバス停や駐車場から正面ゲートへ向かう道の途中に、道後動物園から約12㎞の移動に使われたインドゾウの檻が残されています。檻の中を通り抜けられるようになっているので、ぜひインドゾウの大きさを体感してみましょう。
インドゾウの移動に使われた檻
園内は、「ゾウストリート」「ベアストリート」「アメリカストリート」など、10のストリート(ゾーン)に分けられています。その中で、まず注目したいのが「ゾウストリート」。
同園は、国内でアフリカゾウの家族が見られる唯一の動物園です。現在同園で暮らすアフリカゾウは、父親の「アフ」(推定28歳)、母親の「リカ」(推定28歳)、長女「媛(ひめ)」(8歳)、2013年生まれの次女「砥愛(とあ)」(2歳)の4頭。2009年に生まれた長男の「砥夢(とむ)」は、2012年に多摩動物公園(東京都日野市)へ移動となりました。3頭のゾウたちは元気に育っていますが、当初リカは赤ちゃんゾウとの接し方がわからなかったので、媛は飼育員さんによって育てられました。アフとリカがアフリカの保護施設から来園したのは、推定1歳ぐらいのとき。メスのゾウは本来、群れの中で育児の仕方などを学びますが、リカは学ぶ機会がなかったため、授乳ができなかったのです。しかし、砥夢が生まれたときには授乳できるようになり、砥愛のときは飼育員さんも安心して見ていられるほど立派な母親になりました。
左:媛、右:砥愛、奥:リカ
飼育員さんに育てられ、はじめは鼻を上手に使うこともできなかった媛も、砥夢と遊びながらゾウの社会性を学び、ゾウとして成長することができました。今ではすっかりお姉さんになり、砥愛の世話をする場面も見られます。父親のアフは柵を挟んだ隣の運動場にいますが、柵越しに鼻を絡ませるなど、リカたちとコミュニケーションをとる様子も見ることができます。
右:アフ
アフリカゾウ舎の前にある「展望レストラン東雲」では、窓際の席から、アフリカゾウの家族を見ることができます! 料理を待つ間もゾウを観察できるので、退屈しません。レストランは2階にあるので、下で見るのとはひと味違う光景が楽しめます。
展望レストランからアフリカゾウを観察!
「かくれんぼオムライオン」(800円) 中にハンバーグが隠れています
アフリカゾウ舎の隣に、もう1つゾウ舎があります。そこは、かつてインドゾウの太郎(2013年に死亡)とハナ子(2006年に死亡)が暮らしていた場所。現在インドゾウは飼育されていないので、ゾウ舎の中に入り、ハナ子の骨格標本を見ることができます。実物大パネルやハナ子の一生について書かれた年表なども掲示されているので、こちらのゾウ舎にもぜひ入ってみましょう。
インドゾウ「ハナ子」の骨格標本
「ゾウストリート」から2ゾーン超えた先の「アジアストリート」には、サル山があります。観覧車型の遊具の上には、通称「しあわせの鐘」と呼ばれる鐘があり、サルたちが観覧車に乗りながら、この鐘を鳴らすことがあるそうです。滅多に鳴らしてくれないそうなので、もし鐘の音を聞くことができたら、本当に幸せになれそう。サル山に来たら、鐘に注目してみましょう!
開園時間:9時から17時(入園は16時30分まで)
休園日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開園)、12月29日から1月1日