鈴木京香がナビゲーター「デトロイト美術館展」記者発表会をレポート 作品の写真撮影や土曜夜の閉館後貸切も
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音声ナビゲーダーを務める女優・鈴木京香
フォード、GMなど自動車産業の大都市デトロイト。実はそこに、全米屈指の伝統ある美術館が存在することをご存知だろうか。
この春から秋にかけて豊田市、大阪、東京で公開される「デトロイト美術館展 大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち」。6万5千点にもおよぶ膨大なコレクションの中から、モネ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌ、マティス、ピカソといった名画ばかり52点が厳選され公開される。
展覧会の開催に先駆け、音声ナビゲーターを務める女優・鈴木京香と、ニューヨーク近代美術館への勤務経験もある小説家・原田マハを交えた記者発表会が、3月29日新宿のヒルトン東京にて行われた。
左から監修・千足伸行氏、鈴木京香、作家・原田マハ
ヨーロッパ近代絵画のハイライトを一望
まず「数は多くありませんが、中だるみなどの一切ない、徹頭徹尾ここちよい緊張感を持って見られる展覧会です」と見どころを語ったのは、本展監修の千足伸行氏(成城大学名誉教授/広島県立美術館館長)。
ゴッホら印象派の画家を中心に、マティス、ピカソらのキュビズム、そして20世紀ドイツ絵画と、まさにヨーロッパ近代美術のハイライトを一望する内容だ。アメリカの公共美術館に初めて入ったゴッホの「自画像」は、目玉作品のひとつ。
本展監修・千足伸行氏(成城大学名誉教授/広島県立美術館館長)
デトロイト美術館に「物語の鉱脈を見つけた」
続いて、美術にまつわる小説を数多く書いてきた作家・原田マハは、小説「デトロイトの奇跡」の執筆を発表。
2013年デトロイト市の財政難により、一時はコレクションが売却の危機にあった際、市民の声が作品たちを救ったという実話に感銘を受けた原田マハ。「この美術館には物語の鉱脈がある」と感じ、自ら小説化を提案した。芸術新潮5月号より4ヶ月間の連載が開始され、9月末には新潮社より単行本が出版予定だ。
小説「デトロイトの奇跡」を執筆する作家・原田マハ
アートと向き合う時間を深める手助けを
さらに、本展の音声ナビゲーターを務める女優・鈴木京香が登場。普段から美術館に頻繁に訪れ、旅の目的にすることもあるという彼女だが、音声ナビゲーダーには難しさも感じているという。
「個人のアートと向き合う時間を邪魔したくはないんです。でも、興味を深めるお手伝いはしたい。アートをどんどん好きになってもらえるよう頑張ります」と、自身の美術館体験も生かした声の仕事への意気込みを語った。
音声ナビゲーターを務める女優・鈴木京香
撮れる!触れる!おどろきの展覧会
本展の特徴はその見せ方にもある。なんと全作品写真撮影が可能なのだ。(一部作品はSNSなど不特定多数への公開が禁止されている。)また、東京展のミュージアムショップでは「触れる絵画」が登場。最新鋭のインクジェット技術を生かし、ゴッホの筆致を再現した複製画に直接触れられるのだ。
さらに、大阪展ではイープラスによる定員制の夜間貸切公開も行われ、普段よりもゆっくり鑑賞しながら名画の数々をカメラに収める貴重な機会が得られる。
最新鋭のインクジェットプリンターによる「触れる絵画」
時代の危機も海も乗り越えてやってくるデトロイトの誇りたち。近くを巡ってきた際には、触れ合うチャンスを逃さないでほしい。
豊田展
会期:2016年4月27日(水)~6月26日(日)※休館日:月曜日(但し、5/2は開館)
開館時間:10:00~17:30 ※入場は17:00まで。但し5/13,20,27及び6月中の金曜日は20:00まで開館。入場は19:30まで。
会場:豊田市美術館
大阪展
会期:2016年7月9日(土) ~9月25日(日)※休館日:月曜日(7/18、8/15、9/19は開館、7/19は休館)
開館時間:9:30~17:00 ※入場は16:30まで
会場:大阪市立美術館
東京展
会期:2016年10月7日(金)~1月21日(土)※休館日:10月21日(金)
開館時間:9:30~16:30(但し、毎週金曜日9:30-20:00)※入場は閉館の30分前まで
会場:上野の森美術館
展覧会公式サイト:http://www.detroit2016.com/index.html