北海道の大地で繰り広げられるサバイバル漫画『ゴールデンカムイ』が大賞に輝いた「マンガ大賞2016」表彰式レポート

『ゴールデンカムイ』が大賞に輝いた「マンガ大賞2016」表彰式

『ゴールデンカムイ』が大賞に輝いた「マンガ大賞2016」表彰式

 2016年3月29日(火)、「今、一番友達に薦めたいマンガ」をコンセプトに選出される「マンガ大賞2016」の、大賞授賞式が行なわれました! 2008年から毎年開催されてきた漫画賞、及び授賞式ですが、過去に『銀の匙 Silver Spoon』『ちはやふる』『3月のライオン』など、アニメ化された、もしくは今後アニメ化する人気作も勢揃いです。

 そして今年の大賞受賞作は、野田サトル先生による『ゴールデンカムイ』が大賞に輝きました! 本稿では、作者の野田先生も登壇し、作品の誕生秘話などを語った受賞式の模様をお届けします!

 
■「マンガ大賞2016」最終順位

1位 『ゴールデンカムイ』野田サトル 91pt
2位 『ダンジョン飯』九井諒子 78pt
3位 『恋は雨上がりのように』眉月じゅん 42pt
4位 『町田くんの世界』安藤ゆき 38pt
5位 『東京タラレバ娘』東村アキコ 29pt
6位 『岡崎に捧ぐ』山本さほ 28pt
7位 『とんかつ DJ アゲ太郎』イーピャオ / 小山ゆうじろう 25pt
8位 『BLUE GIANT』石塚真一 68pt
9位 『僕だけがいない街』三部けい 55pt
10位 『百万畳ラビリンス』たかみち 49pt
11位 『波よ聞いてくれ』沙村広明 43pt
※同票の作品があったため、ノミネートは11作品

○選考について
選考対象:2015年1月1日~2015年12月31日に単行本が出版された作品で、最大巻数が8巻までのマンガ作品。
選考方法:
第1次選考:各選考員が、「マンガ大賞」に推薦したい作品、最大5作品を選考。
第2次選考:第1次選考で投票数が多かった11(同率順位含む)作品をノミネート作品とし、選考員は、全ノミネート作品を読んだ上で、上位3作品を選考し、集計の上『マンガ大賞』を決定。

【『ゴールデンカムイ』あらすじ】
 舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治後期。日露戦争という死線を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元軍人・杉元は、ある目的の為に大金を欲していた……。一攫千金を目指しゴールドラッシュに湧いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは…網走監獄の死刑囚達が隠した莫大な埋蔵金への手掛かりだった!? 雄大で圧倒的な大自然! VS凶悪な死刑囚!! そして、純真無垢なアイヌの美少女との出逢い!! 莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開けるッ!!


■ 『ゴールデンカムイ』は……恋愛漫画!?

 ノミネートされた作品の中から、本年度の大賞が発表される授賞式。発表前には、昨年『かくかくしかじか』で大賞を獲得した東村アキコ先生が登壇し、挨拶を述べていきます。大賞を受賞した後の反響や、周囲の人からのリアクションが大きかったと話す東村先生は「今、この賞の注目度が上がっていることを実感しました」とコメント。

 
 そして、東村先生から『ゴールデンカムイ』が大賞に選出されたことを発表されると、野田先生がステージに登壇。お祝いの言葉と共に、記念モニュメントを受け取りました。大きな拍手に包まれながらも、第一声に「『ダンジョン飯』に勝てて嬉しいです!」と受賞の感動を口にして、会場の笑いを誘います。

 改めて『ゴールデンカムイ』が生まれたきっかけを尋ねられた野田先生。すると、203高地に赴いた経験がある屯田兵の曽祖父の話を描きたいと思ったことが、きっかけだと話します。また話作りに煮詰まっていたところ、編集者の大熊八甲氏から送られた北海道が舞台の狩猟小説を参考に、今の作品の世界観が作られたとのこと。

 
 また作品にリアリティを出すため、徹底的に取材をしていると語る野田先生。「この間は猟師に付いて鹿を狩猟し、脳みそを食べてきました。アイヌの血を引く猟師にも“さすがに脳みそまでは食べない”って言われました(笑)」と語り、熱心な探究心が伺えるエピソードも。ちなみに、鹿の脳みその味を聞かれると「味がないグミみたいで、塩を忘れたのが悔しかったです」と、まさに本作の作者らしい発言が飛び出る一幕もありました。

 そんな野田先生ですが、漫画家を志したきっかけを「何もすることがなくて、20歳過ぎにマンガを描いてみようと思いました」と話し、衝撃の事実が明らかになりました。そして連載している現在、担当編集の大熊氏の協力もあってか「自由に書いてます」と話す野田先生。作品のクライマックスについては「大まかな骨組みはありますが、その肉付けをどうしようかと考えています」とコメントし、ファンの期待を煽ります。

 サバイバルやミステリー、異食グルメなど様々な要素がある中、作品の大きな魅力を尋ねられた野田先生は「やっぱり狩猟だと思います。獲物を獲って食べて、毛皮などを活用して生きていく。そんな姿を魅せらたらいいですね」と語りました。それらも踏まえて“本作を一言で表すと?”という質問に対し「恋愛漫画ですかね(笑)」と冗談を交え、会場の笑いを誘います。

 そんな注目度が高まる本作ですが、今後十分に有り得るアニメ化の話題が挙がると、野田先生は「アイヌ語が音声になるので、そこが難しいのかなと思います」とコメント。アイヌ語の発音の難しさを語りながら、自身が話せるアイヌ語は「オソマ(※排泄物)くらいですね(笑)」と笑いながら話しました。

 担当編集の大熊氏は「野田先生は行動力と、情報知識量を作品に落としこむ力がある方です」と語ります。また作品を作る上でのルールとして“面白いと思ったら妥協せず、俎上に載せる”や“馬鹿なことも真面目にやる”などを挙げ、面白さへの追究が伺えるエピソードが飛び出しました。最後に、野田先生が受賞のために描き下ろした受賞イラストが公開されたところで、表彰式は終了しました。

 
>>「マンガ大賞」公式サイト
>>週刊ヤングジャンプ公式サイト『ゴールデンカムイ』ページ

 

アニメイトタイムズ
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