NOISEMAKERがcoldrain、FROM DAY TO DAYとともに北の大地を揺るがした一夜
NOISEMAKER
2011年、NOISEMAKERがまだ札幌に拠点を置きながら「Platinum shoes」をリリースした頃からAGがことある度に口にしていた言葉がある。
「いつか必ずこの地で自分たち発信のフェスをやりたい。世界中から自分の好きなバンドを呼んでここ札幌に音楽で恩返しがしたい」
NOISEMAKERが最初に契約していたインディーズレーベルが無くなり、新たにYumechika Recordsと契約をし再出発を計ったばかりで、全国的な知名度もない頃の話だ。きっと皆も半信半疑で話を聞いていたと思う。しかし5年たった今、そんなAGの夢物語に向かって最初の一歩を踏み出す時が本当にやってきた。2016年4月9日開催 NOISEMAKER presents “CIRCLE OF US Fes 2016”。会場は札幌ペニーレーン24。500キャパのこのライブハウスは、すでにソールドアウト。会場の外には、春とはいえど札幌はまだまだ風が冷たい中、Tシャツ姿でスタンバイ完了しているオーディエンスが長蛇の列を作っている。16:30、いよいよドアオープン。会場に待ちわびたオーディエンスが流れ込んだ。
FROM DAY TO DAY
超満員の中、会場BGMが彼らのミニアルバム「INCEPTION」のオープニングナンバー「Echoes」に爆音で切り替わると、この日の1バンド目FROM DAY TO DAYの登場。先月、札幌在住ながら竿の三人がESP/E-Ⅱとエンドース契約を結ぶなど、バンド結成時より北海道のラウドシーンを牽引し続けている屈指のライブバンドだ。ヘヴィでアグレッシブな、この日の3バンド中では、一番メタルコア・スクリーモよりと言っても良いであろうそのサウンドを1曲目「The Curse」から叩き込んでくる。
FROM DAY TO DAY
「今からエンジンかけていかないと間に合わないぞ!」と言うVo.Takanoriに応えるかのように、続く「A Witness」では早くもダイバーも続出。照明効果もあいまって加速度的に重厚さを増していく。Takanoriのスクリームとメロディアスなサビでのクリーンの使い分けの上手さがFROM DAY TO DAYの大きな魅力であり武器であり、非常に重たく激しいながらも曲としてきちんと聴けてしまう重要な要因となっている。
TakanorのMCでは、NOISEMAKERとは地元も一緒の幼馴染がメンバー同士がいるなど、本当に旧知の仲の彼らだからこそできる、HIDEいじりで会場から笑いが起こる。
「NOISEMAKERには本当に感謝しています。だから今日はNOISEMAKERを殺しにかかります!」と言い放ち最高にヘヴィネスな「Bring me Back」へ。そしてミュージックビデオにもなっている「lies」で会場はダイバー、モッシュで溢れる。
ここで、また短いNOISEMAKERいじりのMCを挟み、ポピュラリティの欠片もない超高速変則ナンバー「It Whispers」からラスト「A Sleep」へと繋いで、この日のFROM DAY TO DAYのステージは終了した。同じラウドという土俵とはいえ、彼らの放つ轟音を若干の戸惑いと共にしかし、しっかりと受け止めたオーディエンス。FROM DAY TO DAYにとっても地元・札幌で確かな爪痕を残したライブだった。
FROM DAY TO DAY
coldrain
NOISEMAKERとは旧知の仲とも呼べるcoldrain。今年3月のアメリカツアーも成功し、間違いなく日本のロックシーンを代表するバンドの一つである彼らだが、実はNOISEMAKERがまだまだ全国的には無名の頃から、自分たちのイベントやツアーに呼ぶなどし、NOISEMAKERの全国進出への足がかりを作ってきた。この日はそんな盟友のために一肌脱ぎに来たということだろう。
coldrain
待ち切れない会場はすでに異常なほどの熱気を放っている。メンバーの登場で歓声が鳴り止まない中、おなじみのギターリフで始まる「No Escape」でこの日のcoldrainのステージが始まった。ノー!エス!ケープ!! オーディエンスが叫ぶ。すでにメンバーも全開モードだ。そして、最新アルバム『VENA』から「WRONG」へつなぐ。「To Be Alive」では二つ三つとサークルができ、早くも会場全体がうねりまくる中、4曲目「Gone」終わりでMasatoがMC。
coldrain
「NOISEMAKERは彼らの地元・札幌だから俺らに勝てると思っているのは大間違いだという事を証明します!」間髪入れずに「Six Feet Under」。イントロからヘドバンしまくりで呼応するオーディエンス。Masato渾身のシャウトから「Die tomorrow」とヘドバン曲をたて続けにぶち込んでくる。「Runaway」では大合唱&ジャンプで、会場はここまで恐ろしい程のテンションの中でライブが進んでいる。ライブも終盤に差し掛かった時の「The Story」で会場全体が唸るほどの大合唱には鳥肌が立つほどの圧巻の景色だった。
coldrain
ラスト3曲は完全にオーディエンスを殺しにかかる「Aware And Awake」「Fire In The Sky」「The Revelation」を叩き込み、圧倒的なパフォーマンスと熱狂の中でこの日のcoldrainのステージが終了。終わってみればあっという間の全11曲。メンバーもオーディエンスも体力温存など考えずに最初から最後の1曲までぶつけ合った50分間だった。
coldrain
「今日出た3バンドと今会場にいる500人で始まったこのフェスが、最大のものになるまで俺らは出続けます」。
“CIRCLE OF US Fes”を始めたNOISEMAKERにとって、これ以上ない祝福の言葉を残して去るMasatoの笑顔がこの日の成功を約束してくれた。
coldrain
NOISEMAKER
coldrainの余韻がまだまだ強く残るペニーレーン24。いよいよ、この“CIRCLE OF US Fes 2016”のホストバンドNOISEMAKERの登場だ。先にステージを終えた2バンドのパフォーマンスの素晴らしさも後押しして、満員の会場は何かが起こりそうな異様な雰囲気に包まれている。HIDEのチューニング違いのギターが3本並ぶステージから、果たしてどのようなセットリストで挑んでくるのかに俄然期待が高まる。先に述べたとおり、5年前のNOISEMAKERを考えてみると、今日という日を今の彼らが出来うる最高の形で迎えられたことを本当に素晴らしく思う。
NOISEMAKER
すっかりお馴染みとなった「Back to the Future」のテーマに乗ってメンバーがステージに板付いていく。このフェスをオーガナイズする彼らを迎える地元のオーディエンスも、どこか誇らしげだ。この日のステージは5月25日発売のフルアルバム『ROAR』に先駆けて1月にリリースされた「Butterfly」で幕をあけた。並々ならぬ思いでこの日を迎えたであろうメンバーの表情は意外にもリラックスしている。サビの歌詞が今日は一段と彼らにリンクして、1曲目からグッとくるものがある。
NOISEMAKER
「Her Diamond」ではAGが先ほどのMasatoのMCに応える形で会場を煽り、「Heads and Tails」はイントロから大合唱。そしてジャンプ。多くのイベントや夏フェスに出演し結果を出してきた裏付けのある演奏は一層の安定感を増している。そのステージからは以前のような不安は微塵も感じられない。MCではホームというリラックスした雰囲気の中、今日このイベントを開催できた喜びを素直に言葉にするAGにオーディエンスも大きな拍手で応える。
NOISEMAKER
そして、5月25日に発売するメジャー移籍1stフルアルバム「ROAR」より「Flag」を札幌初披露。3月に開催されたFX2016でも福岡初披露だったにもかかわらず、その日一番の盛り上がりを見せたキャッチーなロックナンバーだ。やはり、ここ札幌でも最高の盛り上がりを見せる。相変わらずNOISEMAKERはこういう曲の処理が抜群にうまい。続く「DRIFTING CLOUDS」では開放感のあるサビが会場をどこまでも突き抜ける。中盤ラストのこのタイミングで放つ、彼らの出世作とも言える「THE NEW ERA」で更にもう一段階ヒートアップするペニーレーン24。切れ味鋭いエッジの効いたリフが冴え渡る。
NOISEMAKER
自分たちの主催でこうしたイベントを行えたこと、参加してくれたcoldrain、FROM DAY TO DAY、この場に集まってくれたオーディエンスへの感謝の言葉を改めて述べるAG。
「札幌じゃ無理だ、このジャンルじゃ無理だ、お前らじゃ無理だ。そう言う奴らにここにいる皆のチカラで可能だということを証明したい」5年前からAGがステージでもよく口にしている言葉が思い出された。それを受けるように「Point of Origin」へ繋ぐ。歌詞にある“Glowing in the darkest night(この深い夜を鮮やかに照らすんだ)”がまるで、そんな彼らを象徴しているようだ。続いてライブでここぞという時に発動する大人気激アゲカバーナンバー「Rude Boy」をぶち込んできた。いつの間にか上半身裸のYU-KIの汗が、最前のフロアに飛び散る。その勢いそのままに、鉄板の「PLATINUM SHOES」へなだれ込む。彼らが8ビートのロックチューンに挑んだインディーズ時代を代表する楽曲で、とんでもない盛り上がりの中、本編は終了。
NOISEMAKER
アンコールでは、先日そのミュージックビデオが公開され、故郷を離れた人や“Home”と呼べる大切な記憶や場所のある人へ歌った新曲「Home」を披露。初めて日本語を織り交ぜた歌詞にこれまでの彼らの軌跡が重なる。最後の最後は彼らが2012年シーンに衝撃を与えNOISEMAKERの名が全国的に知られるきっかけとなった「SOMEBODY WANTS DAYS YOU CLOSE」でガッチリと締めた。
NOISEMAKER
アンコールのMCでは「ROAR」の発売に伴うリリースツアー『NOISEMAKER“ROAR TOUR 2016”』の開催が発表された。北海道は7月28日(木)帯広 REST、7月29日(金) 旭川 CASINO DRIVE、そして7月31日(日)にここ札幌ペニーレーン24でワンマンライブを行うとのこと。キャリア初のペニーレーン24でのワンマンをどのような形で迎えるのか、今から期待が高まる。
そして、今日の一回り大きくなって帰ってきたNOISEMAKERを見ていると、もしかするとこの『CIRCLE OF US Fes』も巨大なフェスに成長するかもしれないという期待を抱かせてくれた。確かに今はまだ、NOISEMAKERの長年の想いが、ここ札幌でやっと小さな実を結んだにすぎない。しかし、諦めずに進めば必ずや結果がついてくるという、至極単純だが一番難しいことを彼らはファンを裏切らずに、有言実行でやってのけた事は、とてつもなく大きな出来事だ。これからも休むことなく走り続ける彼らなら間違いなく実現するであろう『CIRCLE OF US Fes 2017 』の開催を首を長くして待とうと思う。
NOISEMAKER
なお、NOISEMAKERは5月25日発売のメジャー移籍1stフル・アルバム『ROAR』のTシャツなどグッズが同梱となっている受注生産限定BOX(http://www.asmart.jp/p_10014969)を受け付けている。申し込み期限は4月24日(日) 23:59までとなっており、アルバム発売に伴うリリースツアー『NOISEMAKER“ROAR TOUR 2016”』のオフィシャルサイト先行(http://w.pia.jp/s/noisemaker16of/)は4月23日(土)~より受付開始となっている。是非チェックしてみよう。
Photo by 泉谷研太 Text by 水谷禎志
NOISEMAKER / FROM DAY TO DAY / coldrain
2.A Witness
3.Bring me Back
4.Lies
5.It Whispers
6.A Sleep
2.Wrong
3.To Be Alive
4.Gone
5.Six Feet Under
6.Die tomorrow
7.Runaway
8.The Story
9.Aware And Awake
10.Fire In The Sky
11.The Revelation
2.Her Diamond
3.Heads and Tails
4.Flag
5.DRIFTING CLOUDS
6.THE NEW ERA
7.Point of Origin
8.Rude Boy
9.PLATINUM SHOES
EN1.Home
EN2.SOMEBODY WANTS DAYS YOU CLOSE
品番:AZCS-1057
価格:¥2,500(税抜)/¥2,700(税込)
初回プレス限定仕様:スリーブケース仕様
<収録曲>
1. Flag
2. Mouse Trap
3. Home
4. 2nd Sun
5. Butterfly
6. Matador
7. Minority
8. Black and Red Knees
9. Point of Origin
10. One Way Letter
「ROAR -Limited Box-」
形態:Box Set(New Album「ROAR」+Tシャツ+ラバーバンド+ステッカー+直筆サイン入りポスター)
価格:¥5,000(税込)
[予約受付URL] http://www.asmart.jp/p_10014969
[予約受付期間] 2016年3月29日(火)19:00~2016年4月24日(日) 23:59