ミュージカル『アニー』 遼河はるひインタビュー

遼河はるひ

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間もなく名作ミュージカル『アニー』の初日が開幕する。多くの子供たちが詰めかけるオーディションが毎年話題となり、初演から今年で31年目を迎えるという超人気作品だ。その舞台で、今回新しいミス・ハニガンとして登場するのが、元宝塚男役スターでテレビドラマやバラエティで活躍する遼河はるひ。子供たちの天敵(?)である孤児院の院長として、舞台にアクセントをつけるこの役を、遼河はるひはどんなふうに演じてくれるのだろうか?

演劇ぶっく4月号のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介。
 
ミス・ハニガンのちょっと乙女だったりキュートな面を
 
──宝塚退団後初めてのミュージカルですが、この作品になったのは特に理由が?
 
私はすごく子供好きで、宝塚退団後に「チャイルドマインダー」という資格を取ったくらいなんです。それもあって『アニー』に出演する子供が、どういう気持ちで本番や稽古やオーディションに取り組んでいるのか、その精神面などにとても興味がありました。それから、中学生のときに、『アニー』のドキュメンタリー番組をTVで観て、あんなに小さい子たちが「舞台に立ちたい」という気持ちで、親から離れて、泣いたりしながらも稽古をしている、「すごいな」と感動しました。そういう意味でも『アニー』は関わりたかった作品なんです。
 
──ミス・ハニガン役についてはどう演じようと思っていますか?
 
ハニガンは、ただ意地悪なだけではなく、ウォーバックスさんと結婚したかったという願望があったり、恋愛のラジオを聞いて「こうなりたい」と王子様を待っているところもあったり、ちょっと乙女だったりするんです。そして自分が生まれた境遇をすごく恨んでいるというか。屈折してしまっているのかなと。でも本当はやさしさとか素直な部分もあると思うので。映画の『アニー』でキャメロン・ディアスさんの演じているハニガンはまさにそんな感じで。私も、そういう彼女のキュートな面も出したいなと思います。
 
──そういうふうに捉えるととても普通の女性です。
 
そのためにも心理描写をしっかりしていきたいし、一人の女性としてのむなしさだったり、孤独ゆえのひがみみたいなところも出せればと。女性として可愛い人だと思いますし、私自身がハニガンを愛してあげたいなと思います。
 
──ミュージカルですから歌がありますね。
 
歌う機会はTVでもけっこういただいているのですが、舞台はやっぱり緊張すると思います。
 
──宝塚時代は男役で朗々と歌っていました。
 
いえいえ(笑)。男役は低い声を作るし、がなったりもするから、喉のコントロールがたいへんでした。ハニガンでは普通の女性の声とちょっと男役のような声と、うまくミックスして歌えたらいいのではないかと思っているのですが。
 
 
遼河はるひ

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特化した何かでなくオールマイティになんでもやります
 
──遼河さんはバラエティに沢山出演していて、ドラマの主演も務め、そしてまた舞台にも出ます。それぞれの面白さはどこですか?
 
面白さと大変さは正反対だったりするんですよね。ドラマは次々に覚えていかないといけないし、バラエティはどんな返しがくるかわからないから、その場で何を返すかを考えるという大変さもあります。でもそれが面白さでもあるので。舞台は一度覚えてしまえば、バラエティほどの瞬発さを要しませんがその分、それを毎日新鮮な気持ちで繰り返すというのが最大の大変さだと思います。
 
──宝塚を退団してから6年、すっかりTVでも遼河はるひという名前が浸透しましたが、ここまで適応できた理由はどこにあると思いますか?
 
どこかに特化した資質とか才能があるとは自分では思っていなくて、どれもニュートラルに普通にやらせてもらっているだけなんです。何色にも染まるし、オールマイティになんでもやりますという気持ちなので、逆に色々やらせてもらえるのかなと思います。
 
──性格的にバラエティに向いているなと思う部分は?
 
好奇心は旺盛ですね。人と話したり、人を見たり、観察するのも好きですね。ですから人に会うことが多い今の仕事はとても楽しいです。
 
──そんな世界から再び挑むミュージカルへの意気込みを、最後にぜひ。
 
私自身、子供の頃にミュージカル『アニー』を観て、子供たちの姿に感動して、宝塚に入って自分が舞台を踏むようになってからも、子供たちが脇目もふらずに『アニー』という舞台を作る姿に励まされ、つねに初心に戻れました。宝塚の稽古場や楽屋でもよく「トゥモロー」を歌っていたし、去年、この出演のお話が決まるときも、ドラマの撮影に行く車の中で「トゥモロー」を歌っていたんです。他にも名曲が沢山あって、何度観ていただいても感動できる作品です。30年周年を超えて、今年は31年目という新たなスタートの年でもありますし、これだけ長く続いていることが納得できる素晴らしいミュージカルですから、ぜひ観にいらしてください。
 

りょうがはるひ○愛知県出身。元宝塚歌劇団月組の男役スター。09年の退団後は、女優・タレントとして活動。バラエティ番組にも多数出演し、活動の幅を広げている。15年8月スタートの昼の連続ドラマ『癒し屋キリコの約束』では連続ドラマ初主演を務めた。主な出演作品は、舞台『エリザベート』(宝塚歌劇団)、映画『はなちゃんのみそ汁』など。TVで『天才カンパニー』『PON!PON!ボシュレ』『スッキリ!』などのレギュラー番組に出演、活躍中。

〈公演情報〉
 

 
公演情報
丸美屋食品ミュージカル『アニー』

■期間:2016/4/23(土)~2016/5/9(月)
■会場:新国立劇場 中劇場 (東京都)

■脚本:トーマス ミーハン
■作曲:チャールズ ストラウス
■作詞:マーティン チャーニン
■演出:ジョエル ビショッフ

■出演:
アニー:河内桃子[スマイル組]/池田葵[トゥモロー組]
<大人キャスト>
三田村 邦彦(ウォーバックス)
遼河 はるひ(ハニガン)
木村 花代(グレース)
大口 兼悟(ルースター)
野呂 佳代(リリー)
園岡 新太郎(ルーズベルト大統領)
■公式サイト:http://www.ntv.co.jp/annie/

※地方公演
[福井]8月 6日(土)~ 7日(日)フェニックス・プラザ 大ホール
[大阪]8月10日(水)~16日(火)シアター・ドラマシティ
[福岡]8月20日(土)~21日(日)福岡市民会館
[名古屋]8月26日(金)~28日(日)愛知県芸術劇場 大ホール

 

 

 

演劇キック - 宝塚ジャーナル
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