ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』“頂の景色”公演レポート

レポート
2016.5.9
 (C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会 撮影:引地信彦

(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会 撮影:引地信彦

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昨年11月の初演時にハイテク技術とマンパワーを融合させた“ハイパープロジェクション演劇”という独創的な演出アイデアで観客を魅了、2.5次元舞台の新たなオリジナリティーを見せつけてくれた『ハイキュー!!』。その速効再演 『ハイキュー!!』“頂の景色”が、5月8日、盛況の中幕を閉じた。

真新しいシューズで駆けずり回っていた少年たちが、共に経験を重ね、しっくりと馴染んだ自分だけの武器を身に付けてよりしなやかな跳躍を見せてくれた──。初演の衝撃から半年、『ハイキュー!!』再演は、そんなカンパニー全体の深化を刻みつけた力強いステージとして観客の前に帰ってきた。

(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会 撮影:引地信彦

(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会 撮影:引地信彦

一部キャストの新加入もあったが、主人公・日向翔陽役の須賀健太、日向のチームメイト・影山飛雄役の木村達成を中心にほぼ初演メンバー続投の再演は、前回公演をさらにブラッシュアップした新たな見どころはもちろん、一度練り上げているからこその安定感も大きな魅力に。チーム内での多彩な人間関係、個人技の見せ方、連携のリズム感、プロジェクションマッピングやサウンドとのシンクロが、熟練度を増した強さでピタリピタリとハマるたび、そこに生きている若者たちの感情がダイレクトに伝わって来る。この気持ちよさこそ、“ハイパープロジェクション演劇”ならではの醍醐味。舞台上で起こるすべての出来事は、観ている側の鼓動や興奮を増幅させてくれる“わくわくの種”だ。
 

(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会 撮影:引地信彦

(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会 撮影:引地信彦

始めに目を引くのはやはり役者たちの身体能力と、感情の揺らぎに寄り添うように駆使される照明や映像の効果だろう。しかし、その効果も物語がなければただのショーでしかない。本作が目先の楽しさだけなく、観客がいつの間にか作品世界そのものに食らい付きたくなる演劇としての引力を備えているのは、バレー少年たちの真っすぐな競技愛と友情…飾らない熱い思いに裏打ちされた青春ストーリーが根底にきっちり流れているから。原作でバラエティー豊かに描き分けられている各々のキャラクターの個性も、役者たちがしっかりと自身に落とし込み、弾けるような熱を伴って実体化してくれている。
 

(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会 撮影:引地信彦

(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会 撮影:引地信彦

今回は、仲間とコートに立ってバレーボールを楽しむことを渇望していた日向がかつての強豪校・烏野高校バレー部に入部、同じ1年生で天才セッターの影山と出会い、先輩たちと共にバレーボールへとのめり込んでいくまでが描かれている。そう、まだまだ日向の物語は始まったばかりなのだ……と思っていた矢先、本年秋に待望の新作“烏野、復活!”の上演が決定という嬉しいニュースが飛び込んできた。面白さの余韻を持ちながら次回作を具体的に心待ちにできるこの勢い、このスピード感。イイッ!

ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』が突き進む新たな表現への挑戦、日向たちが逞しく成長していく姿を進行形で目撃できるのは嬉しい限り。道はどこに続いているのか。様々な可能性を期待しながら、引き続きの情報解禁を待ちたい。
 

[文=横澤由香]

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」2016 年秋 待望の新作公演決定

公演情報
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝烏野、復活!〞​

2016年 秋上演予定

原作:古舘春一「ハイキュー!!」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載中)
演出:ウォーリー木下
脚本:中屋敷法仁・ウォーリー木下

公式サイト:http://www.engeki-haikyu.com/
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