【コラム】ボードゲームに恋して~ ROUND:4

コラム
2015.8.1
 (c)Dear Spiele

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「ホウキに乗った魔女が薬の宅急便!...おや?」
#ブルームサービス

さて、ちょっと大枠のお話からさせていただくと、ボードゲームの本場ドイツでは毎年、その年に出たゲームの中から業界関係者が最もオススメしたいゲームを選ぶ「ドイツ年間ゲーム大賞」というものがあります。

ドイツ年間ゲーム大賞は現在、主にファミリー層向けを意識して、ボードゲームの普及に一役かってくれそうなオススメゲームを選ぶ「年間ゲーム大賞」、ゲーマー向けを意識して戦略性があり且つ、比較的カジュアルに遊べるオススメゲームを選ぶ「エキスパート大賞」、より低年齢層向けを意識し、簡単且つ、テーマやギミックが楽しいオススメゲームを選ぶ「キッズ大賞」の3つの部門に分かれていて、今回紹介する「ブルームサービス」はこの中の「エキスパート大賞」を受賞したゲームになります。

要は、ちょっと考えること多目でドイツゲームのエッセンスが存分に味わえるけど比較的カジュアル!そんなゲームの本年度の代表作って感じです。

面白いかどうかの尺度は人それぞれなので「大賞だから絶対面白いよ!」ということでは無いかもしれませんが、「比較的安心してオススメできるゲーム」というポジションではあるのではないでしょうか。

......ということで、便乗してオススメしちゃおうかなと思います(笑)

 

>>どこかで観た世界観?ワールドワイド宅急便

ゲームの目的としては、各プレイヤーはホウキにまたがった2人の魔女を操って、ボード上の各地域に散らばった塔に薬を届けることです。日本ではお馴染みの(?)魔女による宅急便のお話です。(あの作品とは無関係です)

しかし、ゲームでは他のプレイヤーが操るライバルの魔女が先に薬を納品してしまったり、空の移動の際に雷渦巻く積乱雲が立ちふさがったりと、飛行船の事故や救出劇はないものの、映画さながらの困難を伴います。(あの映画とは無関係です!)

綺麗なボードと木のコマ。これぞドイツゲーム!という感じ  (c)Dear Spiele

綺麗なボードと木のコマ。これぞドイツゲーム!という感じ (c)Dear Spiele

そんな困難のなか、いち早く薬を届けたり、たくさんの積乱雲を魔法で消すことで勝利点を得ることができ、最終的に勝利点をより多く獲得したプレイヤーが勝利します。

と、まあ説明するとこんな感じにアッサリ簡単テイストですが、もちろん一筋縄には行かないもので......

薬を手に入れるにも、移動して届けるにも、はたまた積乱雲を取り除くにも、積乱雲を取り除くために必要な魔法(のステッキ)を手に入れるにも......実行するためにはひとつ、たったひとつですが天高くそびえ立つ大きな壁があります。

その壁が以前ご紹介した「ハゲタカのえじき」に代表されるシステム「バッティング」です。

 

>>心理戦と推理力で、強気と弱気を使いこなせ!

各プレイヤーはゲーム開始時に、実行できるアクションを示す10種類のカードを等しく与えられます。そのなかで、1ラウンドで使えるカードは基本たった4枚だけ。

もうこの時点でメチャクチャ悩みます!
あれもこれもしたいのに!
もーー!(笑)

カードは全10種類。全員が同じものを持っています  (c)Dear Spiele

カードは全10種類。全員が同じものを持っています  (c)Dear Spiele

なんとか悩みながらも各プレイヤー4枚のカードを選び終えたら、スタートプレイヤーからまず自分が行いたいアクションのカードを提示します。他のプレイヤーは同じカードを持っているか順番に宣言していくのですが、「ハゲタカのえじき」に類するバッティングゲームとの違いは、たとえバッティングしていたとしても、上手くすればカードのアクションを実行出来るところです。

それらアクションの0(消失)と1(実行)とを決定する選択肢が「強気」と「弱気」です。アクションはカードを出す際に「強気」あるいは「弱気」を必ず宣言しなければなりません。

「強気」を宣言した場合、アクションを「実行することができれば」、実行の際に最大限の恩恵を受けることが出来ます。ただし、後続のプレイヤーに同じく「強気」を宣言されてしまうと、アクションの実行権利を失い、何も出来ず。手番を丸損してしまう結果になります。

一方、「弱気」を宣言した場合は宣言した後、直ちに、確実にアクションを実行することが出来ますが、アクションの効果は最低限しか得られず、点数があまり伸びないといった結果に陥りやすい面があります。

手番ではカードを1枚出すだけ  (c)Dear Spiele

手番ではカードを1枚出すだけ  (c)Dear Spiele

他のプレイヤーがどんなカードを持っているか?
持っているだろうから「弱気」?持っていないだろうから「強気」?
もしくは、強気でカードを出した後に、同じカードを持っている後続のプレイヤーに心理戦を仕掛けて弱気で実行させるなんてことも......

そんな予想と決断とちょっとした心理戦の連続がこのゲームの真骨頂といえます。

出たとこ勝負のバッティングゲームも盛り上がりますが、ちょっと戦術的に相手のカードを予測する本作「ブルームサービス」のようなバッティングゲームは、バッティング時の盛り上がりはそのままに、「考えた結果」の答え合わせ的な楽しさがあり、当たってもハズレても楽しさがプラスされるんです。

この楽しさの先にある充実感!
「ドイツゲーム遊んだな!」って気分になります。

 

>>実はこれってリメイク作品

実はこの「ブルームサービス」は、「魔法にかかったみたい」というゲームのリメイク作品になります。

基本的なシステムはそのままですが、個人的には圧倒的にこちらの方がオススメ!
というのも、カードとちょっとした素材のコマのみで構成されていた「魔法にかかったみたい」に対して、ボードが加わった「ブルームサービス」は、見た目だけピックアップしても格段に「ボードゲーム」っぽいです(笑)

もちろん、理由はそれだけではなく、ボードが加わりシステムがボードの要素(地域や塔、積乱雲など)に合わせて変更されたことによって、「魔法にかかったみたい」より確実に、ボード上から他のプレイヤーが実行したいアクションを読み取りやすくなっています。

前述したように、他のプレイヤーのアクション予測の当たりハズレが楽しさの一部となっているため、予測のヒントが得られる仕組みは、間違いなくテンションアップの一助です。

ゲームの終了条件も、ラウンド数(7ラウンド終了でゲーム終了)と変更されており、終了へ向けた見通しもよくなっていて良いことずくめ!「魔法にかかったみたい」がちょっと苦手~という方でもきっと楽しめる作品になっているのではないでしょうか。

是非、宅急便業にチャレンジしてみてください。

日本で流通するまでもうちょっとかかるかもしれませんが、ホウキで飛ぶ練習をしたり、黒い猫相手に会話を楽しみながらしばしお待ちを!

 

See You :-)
 

ゲーム情報
ブルームサービス(Broom Service)
 
(c)Dear Spiele

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 作者:Andreas Pelikan(アンドレアス・ペリカン)
    Alexander Pfister(アレキサンダー・フィスター)
 販売:alea ※国内未流通(2015年8月7日現在)
 定価:未定
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