工藤真由がファンに届ける感謝の歌声「ありがとうの気持ちを込めて」
工藤真由
工藤真由 Go My Way!III ~Going MAYU Way☆~ 2016.6.12(Sun) 柏DOMe
2016年6月12日(日)DOMe柏にて、シンガー・工藤真由のワンマンライブが開催された。当日は、昼と夜の二部公演になっており、トークメインの昼公演『工藤の部屋』とスタンディングの夜公演『Go My Way!Ⅲ~Going MAYU Way☆~』で構成。昼公演は、ゆったり席に座って歌声を観賞することができ、夜公演では大声を張り上げて盛り上がることができる。それぞれ違うスタイルで、自らの歌声を響かせる彼女の歌声にはいったいどのような思いが込められているのだろうか?
工藤真由
読者の中には“工藤真由”(以下、工藤)というシンガーについて知らない方もいるかもしれないが、テレビアニメ『プリキュア』シリーズの主題歌を担当する女性アーティストと言えばご存知の方も多いはず。その活動はアーティストだけでなく、役者として『風雲新撰組-月影-』や『流星降る夜に』などでも舞台に立ち活躍の場を広げている。そんな彼女が4ヶ月ぶりにワンマンライブを開催し、ファンの前に姿をあらわした。今回は“くどまゆ魂”で笑顔を生み出す、シンガーとしての工藤の魅力に迫ってみた。
工藤真由
「まず自分が楽しく歌わないとお客さんには伝わらないなって!」
オープニングで自身が担当した『映画 プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花』主題歌の「キラキラkawaii!プリキュア大集合♪~いのちの花~」(short サイズ)を歌いながら、工藤が持ち前の笑顔を見せて登場し、昼公演『工藤の部屋』がスタートする。「さぁ皆さん、今日は盛り上がっていきましょう!」の一声と同時に、オーディエンスの手拍子が会場中に鳴り響いた。序盤から楽しそうに歌う工藤は、シンガーというよりも、歌のお姉さんと呼んだ方が正しいのではないだろうか。一曲目が終わり、続けてトークイベントへ進んでいく。
工藤亮・工藤真由
今回のトークイベントにはゲストに弟の工藤亮(以下、亮)が登場。亮もバンドをやっており、姉弟そろって音楽に縁のある組み合わせとしてトークを繰り広げていく。トーク内容は、母親が決めたお題をランダムで選び、談笑していくというものだった。選んだお題は【幼い頃の思い出は?】【姉と弟、お互いを褒め合って下さい】【家はいつ頃建ててくれる?】の3つ。特に1つ目のお題について、亮は工藤を“怖い姉”と思っていたと告白。母子家庭ということもあり、工藤が厳しく亮をしつけていたら、いつの間にか、あまりの恐怖心に姉に身構えるようになってしまったという。そんな亮が唯一印象に残っていることは、工藤が『Yes!プリキュア5』の主題歌に抜擢されたときに、泣きながらお母さんに報告をしていた姿を見たときだった。いつも泣かされてばっかりだった弟からすると、意外な姉の一面を見て驚きを隠せなかったとのこと。そんな話も、今では楽しそうに笑い話にできるのは、お互いが好きな音楽を通して仲睦まじい関係を築いたからだと思う。
Howemote
RYO
YUMA
TAKAHIRO
トークイベントの次は、お待ちかねのライブコーナーかと思いきや、その前に亮が組んでいるバンド『Howemote』が、生演奏を披露してくれるというサプライズが行われた。メンバーは、RYO、YUMA、TAKAHIROの3名で、現在はアルバムを制作中、8月にレコーディングが終了したらアメリカへの進出を考えていると話していた。今回披露してくれたオリジナル曲「One day」は、ギターの音色と心地よいコーラスが特徴的な楽曲で、オーディエンスも思わず聞きほれてしまう。何よりも、音楽に真摯に向き合う3人の姿勢と想いが、聞く人の心にも伝わったのではないだろうか。その答えは、彼らが歌い終わった瞬間に会場いっぱいに鳴り響いた拍手を聞けば一目瞭然だ。
工藤真由
弟・亮の演奏後は、昼の部のメインである工藤のライブへと突入した。「人生レボリューション」「Go My Way!」と自身のオリジナルソングを披露し「人生レボリューション」では、サビの部分で踊ったり、一緒に歌ったりなど、ライブでしか成しえないアーティストとオーディエンスが一体となる様子を見せてくれた。アップテンポのリズムにあわせて楽しそうに歌う工藤の姿に、いつの間にかオーディエンスから手拍子が起こる。“歌って踊れる人”を目標とする工藤にとって、ライブというものは幸せ以外の何物でもないのではないだろうか。ラストの「プリキュア~永遠のともだち~」では、会場全員のテンションが最高潮に達し、フレッシュさとパワフルさを兼ね備えた工藤の歌声に、この昼一番の盛り上がりが見えたところで昼の部『工藤の部屋』は幕を下ろした。
工藤真由
「皆さんが笑顔になってくれたらなって思いながら、いつもライブをやっています」
昼の部の公演後に、工藤本人から聞いたこの言葉と想いは、ファンへしっかりと伝わっているように感じる。それは昼の部の開演前のこと、開場と同時に最前列から順々に席が埋まっていった。そこへ、少し遅れて娘を連れたお父さんが到着する。「前の席、よかったらどうぞ!」と1番に会場入りしたであろう男性が、真っ先にステージ正面の席を譲っていたのだ。工藤のライブの常連のようで、周りにいた顔見知りのライブ仲間に声をかけ、親子2人のために席を用意していた。それは親切心で取った行動だったかもしれない。しかし、工藤の考える“楽しんでもらいたい”という想いをファンも自然と汲み取って、自分たちだけでなく、“参加者全員が笑顔に”と考えているように見えた。きっと工藤真由というシンガーの歌声には、人の心を動かす力があるのだと思う。
工藤真由
昼の部とは一転して、夜の部『Go My Way!Ⅲ~Going MAYU Way☆~』はオールスタンディングでの開催となり、スタートからオリジナルソング「Go My Way!」で会場をヒートアップさせた。この「Go My Way!」は、はじめて工藤が作詞・作曲した自身の人生観を表現した楽曲で、1曲目から活き活きと歌う彼女の姿に、観客も思わず頬をほころばせていた。
「笑顔は永遠不滅! “くどまゆ”こと工藤真由です!」と定番の自己紹介をして、会場に拍手の渦を巻き起こしていく。その雰囲気に合わせるように、まゆ友バンド(工藤のバックバンド)も「盛り上げていくぞー!」と序盤とは思えないほどの勢いを見せた。そのまま「my partner」「負けない」「Dreamin’Drops.」と3曲続けて披露。シンガー・工藤真由という存在を見せてくれる。これまで、“カワイイ”をイメージとしていた彼女からは想像もできないような格好よさを見せつけられ、そのギャップに驚いた。5曲目には震災の影響で辛い思いをした人たちのことを思いながら「キミがいる」を歌唱し、気持ちのこもった工藤の歌声に先ほどまで絶唱していたオーディエンスも静かにその姿を見守った。
MCではファンとのやり取りを大切にしながらも「ライブでは楽しむことを忘れず、そして歌を聴いてほしい」と語りかけ、自分の歌を聞きに来てくれたファンに感謝の気持ちを歌に乗せて届けてくれた。
工藤真由
工藤が今回のライブでキーワードにしていた“感謝”という言葉。自分を育ててくれた母親、歌を歌わせてくれる環境、ライブでメロディを奏でてくれるまゆ友バンドメンバー、活動をサポートしてくれる弟、そして何より彼女を応援する“まゆ友”と呼ばれるファンへの工藤からの感謝の気持ちが如実にあらわれた本イベントだが、感謝の気持ちを忘れないからこそ多くの人々に受け入れられ、全員が笑顔になれる。そして相手のことを第一に考えて行動する彼女の人間性が工藤真由の魅力の秘密なのではないだろうか。それは彼女にインタビューを行ったときに実感することができた。
――真由さんはアーティスト活動をはじめて何年ぐらいになりますか?
もう今年で14年になりますね。
――14年ですか!? ライブを見ていて感じたんですけど、ホントに歌が好きなんですね。
そうですね! 歌はまず自分が楽しくないとお客さんに伝わらないなって思っているので。私のライブでは“くどまゆ魂”と言って、ファンの皆さんに笑顔を届けています。
――楽しんでもらいたい。それが工藤さんのライブコンセプトに繋がっているのでしょうか?
今はライブハウスで、お客さんと近すぎず遠すぎずの距離感で歌っているんですけれど、曲の途中でお客さんにコーラスを歌ってもらっているんです。やっぱり、お客さんあってのライブなので、一緒に楽しんでもらいたいです。出会えたことに感謝!
――ライブには新規で参加される方もいらっしゃいますか?
いますね! 女性の方も何人かで遊びに来てくださったり、“ライブ”というものにはじめて来る方だったり、いろいろなお客さんがいて嬉しいなって思います。
――今後シンガーとして目指す目標などは。
これからはゆっくりと、自分のペースで楽しくやっていきたいなって。人生を楽しみたいっていうのが大きいので、そこにファンの方がついて来てほしいです。
――では、最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
今まで大変な時期もあったんですけど、それでも応援してくださる方々や、今まで出会ってくださった人たちに、私のすべてを届けたいと思っています。人生は嫌なこともありますが、私の歌で皆さんが笑顔になってくださったらすごく幸せです! これからも“くどまゆ魂”を届けたいなと思っていますので、応援よろしくお願いします!
工藤真由・まゆ友バンド
自分のライブに来てくれた人、自分のために協力してくれた人、一緒に活動してきた人など、相手に対する感謝の気持ちを忘れない工藤。今回のライブでは、身近な人に対する感謝の気持ちを歌に乗せてオーディエンスへ届けてくれた。誰かの笑顔のために歌で幸せを作ろうとする人柄こそが“工藤真由”という人間なのかもしれない。
撮影・文=野島亮佑
2016.6.12 柏DOMe
1. キラキラkawaii!プリキュア大集合♪~いのちの花~(short サイズ)
[トークイベント(30 分)]
2. One day
3. 人生レボリューション☆
4. プリキュア5、スマイルgo go!(TV サイズ)
5. ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪~ ∞UNLIMITED∞ ver ~(TV サイズ)
6. Go My Way!
7. Tomorrow Song ~あしたのうた~(TV サイズ)
8. ハートキャッチ☆パラダイス!(TV サイズ)
9. プリキュア~永遠のともだち~
夜の部『Go My Way ! Ⅲ ~Going MAYU Way☆~』
2016.6.12 柏DOMe
1. Go My Way!
2. my partner
3. 負けない
4. Dreamin’Drops.
5. キミがいる
6. ひまわり
7. 友情リボン∞
8. 糸
9. 「誓う事」-Summer Side After-
10. Birthday Present☆
11. Tomorrow Song ~あしたのうた~
12. chocolate love
13. プリキュア5、フルスロットルGoGo!
14. ハートキャッチ☆パラダイス
[ENCORE]
15. たとえどんなに離れていても
16. Go My Way!
Go My Way! <ライブ限定販売CD>
工藤真由ライブ会場にて発売中
1. Dreamin' Drops
2. Birthday Present