SET『土九六村(どくろむら)へようこそ』が開幕!三宅裕司・小倉久寛+若手中堅らも大奮闘!

2016.10.25
レポート
舞台

劇団スーパー・エキセントリック・シアター『土九六村へようこそ』


三宅裕司が座長を務め、今年で創立37年目を迎えた劇団SET(スーパー・エキセントリック・シアター)。その54回目の本公演となる舞台『土九六村(どくろむら)へようこそ』が、10月21日(金)、池袋・サンシャイン劇場にて開幕した。同劇団の本公演は、総勢40名以上の劇団員が総力を挙げて挑む年に一度の舞台。今回は、その公演初日の模様をレポートする。

【あらすじ】
東京から離れた土九六村では、村立30周年のお祭りが催されていた。村長である吉蔵(三宅裕司)の一人娘・お龍(西郷みゆき)が中心となり、歌と踊りで盛り上がり、今年の豊作を「ドクロ様」に祈る村民一同。「ドクロ様」は村の広場にある鉄の扉のむこうにいると信じられているが、村の若者たちは、「ドクロ様」「村のしきたり」に違和感を覚え、親世代の村民たちとぶつかっている。その急先鋒がお龍だった。秘密を抱え、“本当のことが言えない”村長や家長たちは、若者たちに対して説得力に欠ける行動や言動が多くなってしまう。30年間“秘密の任務”をしていた村長からの提案で彼らは密かに“ある人物”と連絡を取り合うことにした。そんな村に移動型ミュージカル劇団「放浪座」がやってくる。団長兼演出家のヒロ(小倉久寛)とメインボーカルで息子のアツシ(大竹浩一)は、土九六村に巨大な鉄らしき反応があるという情報を得ていた。「村民たちは何かを隠しているー」彼らもまた、単なるミュージカル劇団ではなかった…。

劇団スーパー・エキセントリック・シアター『土九六村へようこそ』

“ミュージカル・アクション・コメディー”を掲げて三宅が旗揚げした同劇団の持ち味は、本作『土九六村(どくろむら)へようこそ』でも健在だ。その旗印に違わず、笑い・音楽・ダンス・アクションが盛りだくさんの内容になっている。

ベテランから中堅、若手まで、広い年齢幅の役者が揃っており、客演を呼ばずに劇団員だけで全てのキャスティングできる劇団SETだが、今回の公演では若手中堅を多く抜擢したという。特に、若者世代の中心となっている大竹と西郷が、舞台上で三宅と小倉にどう絡んでいくのかは大きな見どころの一つ。また、その一方で、三宅と小倉のコンビは相変わらず抜群。二人だけの会話シーンで見せる息の合ったやり取りに、会場は爆笑の嵐だった。

劇団スーパー・エキセントリック・シアター『土九六村へようこそ』

若手中堅たちを中心としたダンスやアクションも、「ミュージカル劇団」という設定によって、バリエーション豊富で飽きさせない。そんなダンスシーンでは、若手たちに混じって踊る小倉の姿も必見だ。さらに、この劇中劇団ならではの“劇団あるある”的なセリフや、ミュージカル・シーンへのメタ発言が飛び出す展開に、舞台好きなら思わず笑ってしまうこと間違いなし。

舞台稽古の際、三宅が「役を理解してその役で台本に書かれていることをちゃんと演じれば、それがお客様に伝わり笑いになっていく。笑わせようとすると、それがお客様にばれてしまい、笑いにはならない」と語ったとおり、役者たちの何気ないセリフからも次々と笑いが起きる。座長・三宅の思いを劇団員たちが舞台上に実現していることを、客席で起こる爆笑の連続が物語っていた。

田舎のドタバタ・コメディと思いきや、ミステリーな展開から社会風刺の効いたストーリーが繰り広げられる本作。前半の笑い満載な展開と、切れ味鋭い後半との落差によって、ストーリーがより深く心に刻まれる。笑って楽しく、それでいて考えさせられるという、実に劇団SETらしい話だ。

劇団スーパー・エキセントリック・シアター『土九六村へようこそ』

スーパーエキセントリックなストーリーに、笑い・音楽・ダンス・アクションをふんだんに盛り込んだ“大エンターテインメント”な本作。最初から最後まで笑って、元気になって、明日も頑張るぞ!という気持ちにさせてくれる舞台だ。

劇団SET 第54回公演『土九六村(どくろむら)へようこそ』は、11月6日(日)まで池袋・サンシャイン劇場で上演中。その後、11月11日(金)・12日(土)に愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールで上演される。

劇団スーパー・エキセントリック・シアター『土九六村へようこそ』

(取材・文・撮影:はろるど りゅうのすけ

公演情報
劇団スーパー・エキセントリック・シアター
第54回本公演 ミュージカル・アクション・コメディー『土九六村(どくろむら)へようこそ』

■作:福田哲平
■演出:三宅裕司
■出演:三宅裕司/小倉久寛/劇団スーパー・エキセントリック・シアター
■公式サイト:http://www.set1979.com/

 
<東京>
日程:2016年10月21日(金)~11月6日(日)
会場:池袋・サンシャイン劇場
 
<愛知>
日程:2016年11月11日(金)・12日(土)
会場:愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
 
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