中川晃教・平野綾・橋本さとし・濱田めぐみが、妖艶な男女の三角関係を巡り激突するミュージカル『マーダー・バラッド』
左から中川晃教、平野綾、濱田めぐみ、橋本さとし
中川晃教、平野綾、橋本さとし、濱田めぐみといった本格派俳優4名が、妖艶な男女の三角関係を演じるミュージカル『マーダー・バラッド』が、11月3日(木)から兵庫・兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールで開幕した。11月11日(金)からは東京・天王洲 銀河劇場にて上演される。兵庫の開幕に先立ち、都内のスタジオで行なわれた稽古場を見学取材した。
本作は、ニューヨークを舞台に、ナレーター(濱田)が物語をつむいでいく。バー「キングス・クラブ」のオーナー・トム(中川)と、その元恋人で、すでに結婚した夫・マイケル(橋本)との間に子供がいるサラ(平野)の禁断の恋の末、未解決殺人事件が起こるという衝撃的な内容だ。
殺人を扱っているのだから、さぞやものものしい雰囲気なのだろうと、やや緊張気味に稽古場へ。だが、ちょうど4人が全員そろって、明るいラップ調の曲を歌って踊る場面をさらっており、とても楽しそうな空気が流れている。そこの通しが一度終わると、橋本が「俺、息が続かない……。もう断末魔よ」と肩で息を切らしながらぼやき、周囲の笑いを誘う。本人としては、なかなか思うようにいかないらしいが、「ノリノリでやります!」と宣言、見事に渋くてクールなノリを披露していた。
カメラを抱えていると、中川が「今日は好きに撮ってくださいね」とフレンドリーに声をかけてくれる。お言葉に甘えて、ご本人にレンズを向けると「え、僕を撮ってくれるんですか?」と照れ笑い。ところが、いざ通しになると、この笑顔が眼光鋭いバーのオーナーに豹変するから驚きだ。
そんないい男ふたりの間で揺れ動く平野は、男が奪い合いになるのがわかるほど、納得のキュートさ。子供のいる役は初めてだと、10日に行なわれた制作発表では語っていたが、子供のいるシーンでは、慈悲深い聖母のような表情になる。「女性目線で観ていただきたい」とも言っていた平野だが、「女」と「母」、それぞれの目線で観ると、また違った面白みがあるのだろう。
そしてストーリーテラーの濱田は、安定の存在感。ずっと舞台に出ずっぱりのまま、作品全体の流れを引っ張っていく。話の要となる濱田あってこそ、この作品の重厚さが出るのだとわかるようだ。濱田といえば、最近では『王家の紋章』など、コスチュームものが多い印象だが、今作ではピンヒールを履き、煙草をくゆらすなど、ラフでセクシーな姿で登場する。
和やかな雰囲気の稽古場とは反対に、刺激的な結末を迎える本作。恋愛とは、家族とは、殺人と引き換えに得るものとは? 観客は、改めて考えさせられるきっかけとなるに違いない。
(取材・文:こむらさきⅡ)
■日時・会場:
<兵庫>2016年11月03日(木)~06日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
<東京>2016年11月11日(金)~27日(日) 天王洲銀河劇場
■出演:中川晃教・平野綾・橋本さとし・濱田めぐみ
■訳詞・上演台本:森雪之丞
■演出:上村聡史
■音楽監督:島健
■公式サイト:http://hpot.jp/stage/murderballad
■主催:ホリプロ/スポーツニッポン新聞社/WOWOW/銀河劇場
■企画制作:ホリプロ
【アフタートークショー開催】
●11月4日(金)14:00公演後(兵庫公演)
中川晃教×平野綾×橋本さとし×濱田めぐみ
●11月13日(日)17:30公演後(東京公演)
中川晃教×平野綾×橋本さとし×濱田めぐみ
●11月20日(日)17:30公演後(東京公演)
中川晃教×平野綾
●11月23日(水)17:30公演後(東京公演)
橋本さとし×濱田めぐみ
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