SePT独舞vol.22 黒沢美香ソロダンス特集『この島でうまれたひと』

黒沢美香『Wave』(1985年)  撮影:スタッフ・テス

黒沢美香『Wave』(1985年) 撮影:スタッフ・テス

 少し意外な気がした。

 世田谷パブリックシアターの『SePT独舞』シリーズは、期待の新人の登竜門的なイメージがあったからだ。しかし今回登場するのは30年以上トップランナーであり続けている黒沢美香なのである。今回は3本立てだが、これがなかなか意義深い組み合わせになっているのだ。

 というのも3作品のうち、ふたつは「1985年に初演された作品」なのである。まさにコンテンポラリー・ダンスの黎明期だ。なんと黒沢のソロデビュー作『Wave』が本人によって甦る。また『6:30AM』は「ラジオ体操第二」をモティーフにした作品で、オーディションで選んだ5人のダンサーが出演する。

 コンテンポラリー・ダンスも今や次の世代に「踊り継ぐ」時期に来ているが、『SePT独舞』も、そういう時代に沿った使命を果たそうとしているようだ。いずれも30年という時を超えた作品が、現代のダンサーと観客にどう伝わっていくのかが見所である。

 そして3本目にはバルトークの曲による黒沢自身のソロ『この島でうまれたひと』。これは新作で、他の2本との比較も面白いだろう。

 離れた時空をダンサーの身体でつなぎ、伝えていく公演になりそうだ。

文:乗越たかお
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年8月号から) 

SePT独舞vol.22 黒沢美香ソロダンス特集『この島でうまれたひと』
8/28(金)〜8/30 (日)
シアタートラム
問合せ:ダンスインディード090-4429-5747

WEBぶらあぼ
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