神田沙也加が歩くバービー人形に!~『キューティ・ブロンド』取材会レポート~
神田沙也加
日本でも大ヒットを記録した映画『キューティ・ブロンド』が原作のブロードウェイ・ミュージカルが、神田沙也加を主演に迎えて日本初上陸! 失恋を機に一念発起、弁護士を目指してハーバード大のロー・スクールに進学するオシャレ大好き女子大生のエル・ウッズに、神田はまさにハマリ役。キュートでパワフルな日本版が誕生することになりそうだ。
“カリフォルニア感”漂う絶対的ヒロインに
――出演が決まった時のお気持ちは?
もともと映画版が大好きで、ニューヨークで上演されたものも観ていたので、「やっと日本に来るんだ!それを自分がやれるんだ!」って、すごく嬉しかったです。ひたすらポップで可愛い世界観の作品で、私が演じるエルは、“歩くバービー人形”とも言われる女の子。日本人の風貌で、日本語で上演した時にどこまでテンションがキープできるか、という課題はありますが、それも含めて楽しみだなと思いました。
――ニューヨークには、よくいらっしゃるのですか?
いえ、全然そんなことはないので、この作品を観ていたことに不思議なめぐり合わせを感じます。10年近く前、ミュージカルを志そうと思った時に、本場と言われるニューヨークとロンドンに舞台を観に行ったんですね。10日間、もう毎日昼も夜も劇場に行って、時差ボケと戦いながら観劇する日々だったので(笑)、単純計算で20本くらいは観たんじゃないかな。そのうちのひとつがこの作品だったんです。主役の女の子がもう人間な感じがしないぐらいパワフルで(笑)、その絶対的なヒロイン感がすごく印象に残っています。
――今思う、エルという女性の魅力や、共感できるポイントは。
絶対的ヒロインとしての可愛らしさがありつつ、色々な素質も秘めているところが魅力かなと思います。人の心をキャッチする人間的な素質という意味でもそうですし、知的な素質もないと、急に目指したハーバードには入れないですもんね(笑)。共感するのは、大好きな彼にフラれてしまって、見返すために頑張るところ。そういう原動力ってなんか、女子ならではだなぁって(笑)。あとは、女友達との絆というか、「女の子が結託したら男の子になんか負けないんだから!」っていう強さも、現代的でいいなあと思いますね。
――チラシの写真にも、すでにそういうエルの雰囲気が現れています。
撮影、すごく楽しかったんですよ!女子なら「キャー❤」ってなる可愛いアイテムに囲まれて、ブロンドのカツラを被って、普段のテンションでは着こなせない服を着て。しかもワンちゃんまでいたので、もうキャーキャー言いながら、クルクルずーっと動き回っているうちに終わった感じです(笑)。現場でよく言われたのは、“カリフォルニア感”を出してほしいということ。単にテンションが高いだけじゃなく、突き抜けた感じというか…変な意味じゃなく、“浮かれてる”ことが必要ということだと思って(笑)、頭上に常に光り輝く太陽をイメージしながら撮影に臨んでいました。
――そのテンションを、本番中はずっと保ち続けることに…?
そうなんですよね、そのためにはどういう生活を送ったらいいかなって、実は考えているところで。私は日常と役が、無意識のうちにつながってくるタイプ。だからピンクの服を着たり、食べるものもちょっとテンションの高いものとか、アメリカのちょっと毒々しい色のお菓子とかにしようかなと思ってます(笑)。原宿系の格好をしていた時にはこのチラシのようなピンクもよく着てたんですが、最近は落ち着いてきてしまったので、1回そのころの自分に戻ったほうがいいのかもしれないですね。
――今日のネイルもピンクで可愛らしいですが、それもエル仕様だったり?
あ、これは全然大人しくて(笑)、撮影の時はもっと可愛くハデにしてました。チラシには全然写ってないですけど(笑)、お衣裳にピッタリ合っていて嬉しかったですね。お稽古が始まったら、またエル仕様にするつもりです。本番中はちょっとずつデザインを変えたりして、自分も楽しみながら、お客さんにも楽しんでいただけたらと思っています。
神田沙也加主演公演=知ってる人がいる食事会!?
――共演者の皆さんの印象を聞かせてください。
樹里咲穂さんは前に共演させていただいた時に同じ楽屋だったので仲よしで、新田恵海さんはアニメのお仕事でご一緒したことがあるんですが、それ以外の方は“初めまして”。でも佐藤隆紀さんのことは、出演されてる舞台を本当によく拝見しているので、勝手に知ってる気持ちになってます(笑)。ワーナー役の植原卓也さんとは完全に初めましてですが、エルがワーナーと幸せの絶頂にいるところから物語が始まるので、私も植原さんに夢中にならないと(笑)。皆さん個性が違ってカラフルなので、すごく面白いカンパニーになりそうですね。
――では、演出の上田一豪さんについては。
演出を受けるのは初めてなんですが、上田さんとは演出部のスタッフとして、何度もご一緒してるんですよ。だから、萎縮しないで何でも相談できそうです。実は、さっきお話した“カリフォルニア感”という言葉を、最初に言い出したのは上田さん。日本人向けにどれぐらい趣向を変えるのかはまだ分からないですけれど、浮かれた感じを求めていることは間違いないと思います(笑)。チラシ撮影のためのカツラ合わせの時から、ブロンドの色味にまですごくこだわっていたので、ビジュアル的なものにかなり力を入れて演出されるんじゃないかな。
――振付が藤林美沙さんと梅棒さんということで、ダンスシーンにも期待が高まります。
それについては、相当おびえてますね…もう、ガクブルです(笑)。私、前世で踊りと何かあったんじゃないかと思うぐらい、ダンスが苦手なんですよ。頭上に踊っている自分を見ているもうひとりの自分がいて、「何踊ってんだよ」って言われている気がするというか(笑)。だから今回も恐ろしいですが、先輩方が何でもできる方ばかりなので、皆さんのお力を借りながら頑張っていければと思っています。主演だからといって誰にも頼らないんじゃなく、「教えてください」って言える主演でありたいなって。
――各地方を回る公演になりますが、楽しみにしていることは?
楽しむ余裕があるか分かりませんが(笑)。ホテルからホテルへ、お引越しの連続だと思うので…。私の大っ好きな大地真央さんのお部屋は、どこに行っても“自分の部屋”なんですよ、明るさとかまで調整されていて。すごいなあと思っていましたが、それぐらい気を使ってリラックスできる環境を作らないと、主演として地方公演を回ることはできないということなのかもしれません。だから、何かを楽しむということはできないと思いますが、各地の皆さんにこの作品をどんなふうに観ていただけるのか、反応はすごく楽しみです。
――これだけ色々な都市を回れるのは、神田さんの人気あってこそだと思います。
いえいえ全然、そんなことないです!でも、ミュージカルに対して「敷居が高い」と感じている方に、「ああ神田沙也加、知ってる。この人が出てるなら観に行ってみようかな」と思っていただけるような、架け橋になれたらという思いはありますね。それは、私がテレビに出ている理由のひとつでもあります。なんと言うか……知ってる人がいる食事会って行きやすいじゃないですか(笑)。この公演がそんな食事会のようになったらいいなと思いますし、これが初ミュージカルになる方々に、「明るくてとてもハッピーな空間だった!」という印象を残せたらと思っています。
――最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
映画版のファンの方、可愛いもの好きの女子の皆さんには、「安心して観に来てください」。男性の皆さんには、「女子にはパッと見では分からないことがたくさんあるから、中身を見てお付き合いしたほうがいいって分かってもらえる作品です」(笑)。ミュージカル好きの皆さんには、「実力ある先輩方が揃ってますし、私も頑張ります」。どんな方にも楽しんでいただけるよう、間口を広く、受け入れ体制をバッチリ整えてお待ちしています!
(取材・文:町田麻子 写真撮影:荒川潤 ヘアメイク:吉田真妃(クララシステム))
■日程:2017年3月21日(火)~2017年4月3日(月)
■会場:日比谷シアタークリエ
■料金:全席指定10,800円
■音楽/詞:ローレンス・オキーフ&ネル・ベンジャミン
■脚本:ヘザー・ハック
■翻訳・訳詞・演出:上田一豪
■出演:神田沙也加
佐藤隆紀、植原卓也、樹里咲穂、新田恵海、木村花代、長谷川初範
中村百花、真瀬はるか、ダンドイ舞莉花
武者真由、他
■公式サイト:http://www.tohostage.com/cutieblonde/
■一般発売:2016年12月17日(土)
主催:キョードー東海 問合せ:052-972-7466
主催:(公財)大分県芸術文化スポーツ振興財団 問合せ:097-533-4004
主催:キャナルシティ劇場 問合せ:092-271-6062
主催:新広島 問合せ:事業部 082-256-2213
主催:キョードー東海 問合せ:052-972-7466
主催:関西テレビ 問合せ:梅田芸術劇場 06-6377-3888
http://www.ktv.jp/event/cutie/index.html