“忍ミュ”初お披露目! フレッシュ五年生の座談会&稽古場レポート『ミュージカル「忍たま乱太郎」 第8弾~がんばれ五年生!技あり、術あり、初忍務!!~』
ミュージカル「忍たま乱太郎」五年生キャスト
2017年に第8弾を数える大人気ミュージカル「忍たま乱太郎」。いよいよ五年生にスポットライトが当たるミュージカル「忍たま乱太郎」は、尼子騒兵衛著作の漫画『落第忍者乱太郎』(朝日新聞出版刊)、及び、それを原作としたアニメ『忍たま乱太郎』(NHK Eテレ)をミュージカル化したもの。漫画やアニメとは一味違い、主に六年生を中心に、ギャグや殺陣、アクションふんだんのオリジナルストーリーで世界観を創り上げている。
近年盛り上がりをみせる漫画やアニメのミュージカル化の人気作品として、2010年1月の第1弾以来、“忍ミュ”の愛称で多くのファンを獲得。カッコいい六年生たちがずっと注目されてきたが、ここへきてついに、5人の五年生キャラクターが誕生することになった! 『がんばれ五年生!技あり、術あり、初忍務!!』と題し、初めての“忍務”を通して成長していく姿を描く。プロ忍者手前の六年生と、アイドル的四年生に挟まれた、ちょっと頼りなくも伸びしろじゅうぶんな五年生。実際、これがミュージカル初出演というフレッシュなキャスティングもあり、幕が開いてなにが飛び出すかわからないワクワク舞台になるのは必至だ。
久々知兵助役の山木透、尾浜勘右衛門役の佐藤智広、不破雷蔵役の吉田翔吾、鉢屋三郎役の久下恭平、竹谷八左ヱ門役の栗原大河、5人の稽古場に潜入し座談会を拾ってきた。
座談会の様子
――5人全員が初“忍ミュ”。出演が決まった時の気持ちと、稽古が始まった“いまの自分の忍者度”自己評価とは?
山木:出演の連絡を受けた時は“すん?”と一回止まりました(笑)。それから、跳ねて喜ぶという表現がぴったりなくらいハシャいでしまって。“忍ミュ”は以前から知っていたし、第8弾という歴史ある作品に自分が出られるなんて驚いています。いまの自分の忍者度は90%くらいですね。
全員:おー! すごいなぁ。
山木:いやいや、心持ちはね。あと10%は稽古で。
山木 透(久々知兵助役)
佐藤:僕は、新五年生来たー!と思いました。これまで六年生の皆さんが積み重ねてきた作品の中の、新しい五年生に自分が入れた!と感激です。うれしいのと同時に、ミュージカルは初めてなので、「歌って踊って芝居する!?」、「踊りながら声が出せるのか!?」と不安もありますが、新しい挑戦なのですごく楽しみです。
いまの自分の忍者度はゼロ。僕は元気にやりたいタイプなので、忍びなのにぜんぜん忍べていないから(苦笑)。どうやって元気を隠すかな?と、これから演出の菅野臣太朗さんと相談していきます。
佐藤智広(尾浜勘右衛門役)
吉田:マネージャーさんに電話をもらった時はメチャクチャうれしかったんですが、5分で冷静に戻り、今年見た第7弾の初演を思い出しました。体力も、アクションも、歌も踊りも、これはかなり大変だぞと。いまの自分の忍者度は10%ですね。楽しく稽古していますが、正直「忍者?」、「忍たま?」というのが自分の中にまだ落ちていなくて。忍者感をしっかりつかんでいきたいです。
吉田翔吾(不破雷蔵役)
久下:何回もしつこく聞き返しました。「ほんと? 冗談? もし冗談ならすごくタチが悪いよ、本当のこと教えて!」と(笑)。聞き返して、聞き返して、本当だとわかって、喜びより、まさか!が先に来ました。これまでの共演の方々が“忍ミュ”には多く、素敵な先輩ばかりで、いつかまたご一緒したいと思っていたのが、まさかの“忍ミュ”の輪の中に入れてもらう形で実現するとは。やっと、実感が湧いてきたところです。
いまの自分の忍者度は、髪は鉢屋のように伸びてきましたが(笑)、気持ちは50%。キャラクターは自分ひとりでは作れないものだから、周りと一緒にやることで作ってもらって……、(吉田に)頼んだよ。
吉田:まかせて。10%の僕が言うのもナンだけど(笑)。
久下恭平(鉢屋三郎役)
栗原:“忍ミュ”のオーディションを何度か受けていたんです。だから今回合格をいただき、「はー、……やっとだ!」と、念願叶ったホッとした気持ちが正直強かった。先輩方も多くがこの“忍ミュ”から出発している。周りからもガンバレって言ってもらっています。いまの自分の忍者度を90%とか言ってる人もいるけど、木刀振っただけでみんな筋肉痛ですから(笑)。
全員:(爆笑)
栗原:スタートラインに立ったばかり。ここから90%、100%を突破する壁が来ると思います。いまの僕の忍者度は、気持ち的に99%! 忍者にはほど遠くバタバタしていますが、稽古で精度を上げていきたいです。
栗原大河(竹谷八左ヱ門役)
――ほぼ初顔合わせの五年生5人ですよね。仲間感はどうですか?
久下:結構自信ある!
吉田:今のところ自信あるのはそこだけですから(笑)。
栗原:結束感はありますね。一緒に稽古場に来たりもするほど。
(左から)吉田、久下、栗原
――それぞれの武器や忍術と、楽しみにしていることは?
山木:僕の武器は寸鉄(すんてつ)。手に隠れるサイズで、回転させて相手を突くんです。こうやって、こうやって……。
久下:文字にしづらい(笑)!
山木:かなりの接近戦ですね。そうとうアクションをがんばらないと!
山木 透
佐藤:僕は万力鎖(まんりきぐさり)。相手の刀を受け止めて奪ったり、そのまま相手の懐に突っ込んでいけます。回したり、放り投げてキャッチしたりと、イリュージョンやサーカスのようにできたらいいなと。笑顔で爽やかに回して、お客さんと一緒に楽しみたいです。
佐藤智広
吉田:僕は印地(いんぢ)。投石ひもを使う技なんですけど、ぶわー!と回して、ガー!と投げるもので……。
栗原:わかりづらっ(笑)。
吉田:スチル撮影で持たせてもらったんですが、これ、僕に扱えるのか?と。たぶん、舞台の一番高いところに立つんですよ。もしかすると石が落ちるかもしれないのに振り回して戦うなんて怖い(苦笑)。技の稽古はまだですが、慣れるために一日一回は触っています。
吉田翔吾
久下:僕の武器は、鏢刀(ひょうとう)という手裏剣の一種。あと、変姿(へんし)の術もあって、普段から雷蔵(吉田)の姿でいることも多いんです。なので、いまからずっと翔吾を見ています。こんなときこんなことするんだ、あ、いま一人になりたいんだな~、と(笑)。変姿の術のためには、まず真似るところから。芝居の中だけでは時間が限られるから、稽古中や稽古以外の吉田翔吾を見るのが一番かなと。見てるよ~。
吉田:知らなかった(笑)。でも、僕もなんとなく三郎(久下)を見ています。そっちがこっちを真似る術だけど、舞台で見せるには、僕からも譲歩しないとでしょ。
久下:優しいね(ウットリ)
吉田:そんなことないよ(ウットリ)
久下恭平
栗原:え……! いま、なんか危ない感じがした!
山木:うわっ(笑)。
栗原:僕は微塵(みじん)。先に鉄球がついた3本の鎖が輪につながっているもの。舞台道具だから軽いんじゃないかと侮ったら、結構重い! 僕は体が軽いほうなので、武器に体を持って行かれないようにしないと。こっちが使われないように、稽古で使いこなせるようになりたいです。
栗原大河
――今回の第8弾で見てほしいポイントは? 劇場は「東京ドームシティ シアターGロッソ」ですがアクロバティックな演出も可能な劇場なので、そのあたりの見どころも教えてください。
久下:お芝居も殺陣もダンスも歌も見てほしいところはたくさんありますが、一番は、この五年生5人のひとり一人はもちろん、五年生みんなで作る個性です。五年生という全体のカラーを愛してもらえるようがんばります。
栗原:そう、五年生が初めて揃って登場する瞬間に期待していただければ!
吉田:個人的にもメチャクチャ楽しみ。僕は高いところが大好きなので。
栗原:僕と久下は高所恐怖症だけどね(苦笑)。
久下:怖い……! がんばる!
吉田:それと、僕が演じる不破雷蔵は優柔不断。台本でもよく迷っているけど、台本じゃない部分も究極的に迷っていこうと思いので、そこをぜひ見てください!
佐藤:原作やアニメとは違う、ミュージカルの五年生はこれが初です。第三のコンテンツとしてミュージカルの五年生を楽しんでください。頼りないかもしれないけど、五年生もやればできる!
山木:ミュージカルの五年生キャラクター、これは、山木透の久々知兵助と、僕らひとり一人にしかできないもの。ぶちかましたいから乞うご期待! 心を届けていきます!
(左から)山木、佐藤
座談会後はさっそく稽古。暗闇から五人が忍び出てくるシーンのようだ。まずは基礎的な体の使い方を学ぶ。
稽古の様子
振付担当の田中むねかずは、「どうすればカッコいいかをちょっとずつ伝授します」と、スッと腕を前に出すだけの簡単なポーズにこだわってレクチャーした。肩の位置や、ステージ下の客席から見られることなど、わずかな意識があるとないとではぜんぜん違う。5人も自分の姿を鏡で見て「おお~」と納得の様子だ。
忍者の動き(?)
続いて、音楽に合わせた登場アクションがひとり一人に与えられていく。呑み込みが早い。数回の振り付けであっという間に最初の出が決まり、「そういうこと! いいね。細かくはおいおい詰めていくとして、まずは覚えよう」、「ハイ!」。元気な返事が快感だ。
振り付けを確認
多くのファンに長く愛される“忍ミュ”に初登場の五年生。彼らが“忍務”を無事果たし、定番キャラクターとして輝いていく姿をぜひ劇場で!
仲良し五年生
インタビュー・文=丸古玲子 撮影=岩間辰徳
■会場:東京ドームシティ シアターGロッソ
■原作:尼子騒兵衛 著「落第忍者乱太郎」より アニメーション「忍たま乱太郎」
忍術学園五年生/山木 透、佐藤智広、吉田翔吾、久下恭平、栗原大河