SPICE編集部がサマソニを振り返る、放談企画

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左から総編集長・秤谷、風間、加東

左から総編集長・秤谷、風間、加東

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2015年のサマソニは僕らに何を残したのか。

風間:SUMMER SONIC2015(以下、サマソニ)が終わりましたね。SPICE編集部サマソニ班の我々が好き勝手総括しようというという企画です。僕は残念ながら2日目は別件でいなかったわけですけど、お2人は……

秤谷:SONIC MANIAからだと約3日間いましたね。

加東:では、総編集長! まず、どうでした? 今年のサマソニって。

秤谷:最初から総括みたいになっちゃうけど……ターニングポイント的な回だったなと思って……去年あたりからなのかもしれないんだけど、俺もサマソニ自体久しぶりに行ったわけですよ。あのね、様変わりしていた、ユーザーが。特にオーディエンスが。

加東:うんうん。

秤谷:音楽好きが来るフェスだったわけ、もっと。それこそ、俺が行ってて一番楽しかったのって、METALLICAが来たとき。METALLICA、HOOBASTANK、DEFTONES……っていう、マリンがずっとラウドロックだったときだったんで。

風間:2006年ですね。

秤谷:そうそう。あの頃のお客さんって、基本的に音楽好きばっかなのね。あとはバンドマンとか業界の人もいっぱいいたし。今は一般オーディエンスというか……音楽だけが好きというよりは、パーティ要素が好きという人が多くなって、ラインナップもそういう風になったっていう印象。生演奏も減ったし。ライブアクトっていうよりは、ショーケースっていうか、ショーみたいなものが増えて。それは、全体的な音楽業界の流れでもあるんだけど。それこそ……何ていうか、「普通の人」が来てるね。

加東:そうですね。なんか、夏の思い出づくりみたいな人が多かった気がする。みんな女の子、頭に花の冠着けて、手にペイントして、ペイントブースもすごい並んでて。お化け屋敷を出してるフードブースとかもあったりして。まあ、アミューズメントというか遊園地だなと。

秤谷:うん、アミューズメントだよね。

風間:選ばれてるアクトもそうですしね。

秤谷:そうそう。例えば16日にImagine Dragonsが出てて、すごいカッコよかったんですよ。ものすごく音もいいし、音源で聴いてるときよりも、すごいロックだったし「あ、いいライブするんだな」って思ってたんだけど……ファレルとかZEDDと比べると、お客さん入ってないわけ、マリンが。

風間:そのときどこ行っちゃってるんですかね?

秤谷:裏でね、マウンテンがね、強かったんだよ、確か。

風間:ああ、Carly Rae Jepsen!

加東:ソニックステージでも防弾少年団があって、そのあと郷ひろみがあったりとか、そういう流れでね。

風間:確かにロックフェスなメンツじゃないけど、強力でしたね。そこでいうと僕は今回「マウンテン専」だったじゃないですか。

秤谷:「マウンテン専」だね(笑)。

風間:メッセから一歩も外に出てないっていう(笑)。で、ソニマニからしてPerfumeで始まったわけじゃないですか。サマソニに関しても、1日目こそロックよりだったけど、2日目だと室内はそれこそ郷ひろみとかカーリー、Smallpoolsが出てたりとか。たしかに、ロック!ってバンドは、室内でも多くなかったですね。

秤谷:そうだよね。あえてそうしたのかは分からないけど、色んなジャンルのアクトが各ステージに散りばめられてた気がして。そんな中、若手が躍動してたね。

加東:BLUE ENCOUNTとか、もともと好きだったので、観れてちょっと嬉しかったですね。

秤谷:SHISHAMOも良かったし。

風間:メイン級でもZEDDにしろ、Porter Robinsonにしろ、Madeonにしろ、若いじゃないですか。

加東:23とか。ZEDDも25ですからね、まだ。

風間:若手って言うのもはばかられますけど。年齢的には、間違いなく若手なんですよね。

秤谷:ZEDDはすごかったよ、やっぱ。唯一の入場規制?

風間:あとは、BABYMETALぐらいですかね。

秤谷:ああ、そうか。

加東:マリンでは唯一の規制じゃないかな。パンパンだった。

秤谷:やっぱり、アクトとしてもすごいよかったし。セットも『ULTRA』のときほどじゃないにしても、やっぱり、ZEDDのセットっていうのをちゃんと組んでやってたから。ショーケースとしてすごい完成されてるし、音もいいし。まず、知られてるよね、曲をね。

加東:ZEDDが、息を絞って「Singing!」って言うと、みんな歌えるんですよ。あれはやっぱすごいよね。日本でやってもみんな歌えるっていう。

風間:確かに。ちゃんと聴いてきてるんですよね。

加東:そんな中で、ぼくと編集長は3日間、風間くんは2日間、ソニマニから行ったわけですが。ベストアクトは?

秤谷:ぶっちぎりです、俺は。

風間:じゃあ、最後に訊きましょう(笑)。僕は……悩むんだよなあ。

加東:たぶん、突き詰めると3人とも同じ結論になると思うんですよね。

風間:RADやMONOEYESの邦楽勢も、それぞれ「らしい」ステージで素晴らしかったんですけど……アクトそのものっていうより、僕の人生での中で大きかった、意義があった出来事っていうのは、やっぱりマリリン・マンソンを生で観たことですね。

秤谷:ああ! マンソンはやっぱり、「分かってるな」と思って。ちゃんと応えてくれる人なんだな、皆さんが思っている以上にエンターテイナーなんだなっていう気はしましたね。燃やしてはいけないものを燃やしてくれましたし(笑)。

風間:決して燃やしてはいけないあの本(笑)。

加東:僕はですねえ……まあ、記事も書いたんですけど、ソニマニではポーターがやっぱすごかった。なんだろう、多幸感のかたまりみたいな。何かわかんないけど、ちょっと天を仰いで泣きたくなるような。あと……同じような理由で、フェス感というか、野外フェス感ていう意味ですげぇ良かったのは、初日のバスティアン・ベイカーかな。

風間:あー、なるほど!

加東:僕はシークレットライブ(前日にLIVING ROOM CAFE by eplusで開催)に行けなかったんで、観に行ったんですよ。あのガーデンのステージで、キーボードとアコギ1本っていうすごいシンプルなセットで。なんだろう、空気とマッチングするようなプレイをして。

秤谷:ガーデンステージっていうのもまた良いよね。

加東:すごく気持ち良かったというか、なんだろう、全部マッチングしてる、色んなものがマッチングしてる瞬間!

秤谷:で、Oasisやってくれて。

加東:最後、「wonderwall」やって。周りのビール持ってる知らないお兄さんと、よくわかんないんだけど、泣きそうになりながら肩組んで歌うっていう(笑)。

秤谷・風間:あはははは!!(笑)

加東:夏のいい思い出だなっていうのはあるよね。共有体験だと思うんだよ、フェスって。

秤谷:そうだね。実はバスティアンってバンドセットらしいですよ、本来。今回はアコースティックセットで来たけど、事務所の人は「バンドで観てほしいな」とは言ってた。

加東:総編集長はベストアクトどうですか?

秤谷:ぶっちぎりでPRODIGYですね。

風間:絶対そうだろうなあって思ってました(笑)。

秤谷:ぶっちぎりだと思うんだよね。かなりの量を観たけど、この3日間で。いやぁ……ちょっと別格だったなと思うんだよね。

加東:低音で人が死ぬんじゃないかっていう。

秤谷:あれでもね、全盛期ほどには殺される感じはしないの。だけど、全盛期よりもブラッシュアップはされてるわけよ。音とか、余裕感とか。でも、あんな余裕ある感じでステージングしてるのに、何で殺されそうになるのかなって(笑)思うくらいの音だったじゃない?

風間:トガリ倒してましたね。

秤谷:あれはヤバいよ。

加東:前のほうから、女の子が肩で担がれて下がってきて。音圧に負けて(笑)。

風間:男の子も1人ボロッボロになってフラフラ歩いてたし(笑)。

秤谷:初めて観た人もいっぱいいたみたいだよね。Twitterを見てる限り。でも、やっぱり「PRODIGYが一番すごかった」っていう意見もあって。だから俺からすると、「日本人、聴く耳持ってくれてて嬉しいな」って思うわけ。……そりゃそうだよね、すごかったんだから。全てがカッコよかったもの。

風間:結構お歳のはずなんですけど、あのフィジカルと気迫。

秤谷:いやいや、結構なお歳だよ。だって、1990年代のカルトスターですよ、キースは。でも、キースはちゃんとキースだったよね。

加東:じゃあそろそろまとめましょうか。ということで、「初心者シリーズ」の島崎さん呼んで来よう。

(島崎呼ばれてくる)

シマザキ

シマザキ

島崎:え、コレなんですか? 反省会ですか?

加東:サマソニの総括してるの。記事になるから。で、初心者・島崎的にはどうだった?

島崎:……観客がイケイケでしたね。

風間:それは、前回のフジと比較して?

島崎:うん。怖かった(笑)。

秤谷:やっぱり、普段ちょっとインドア気味の生活をしてるとね。

島崎:そう、「これが外か」っていう(笑)。

加東:楽しめた?

島崎:楽しかったか……うーん……ビーチステージは楽しかったです、波打ち際。

秤谷:それは海が楽しかったって話になっちゃう(一同笑)。

加東:初めてのフェスがFUJI ROCK。で、1日だけどサマソニ行って。比較するとどうでした?

島崎:やっぱり、サマソニのほうがライトですよね。なんか、気軽というか……

風間:気軽だけど、オラついたヤツが多くて困ったと(笑)。

秤谷:(笑)

島崎:そういう意味でもライトっていうか。色んな意味でライトだなっていう。

秤谷:音楽に対してもライトだなっていう。もっとFUJIのほうが、音楽聴きに来た人が多かったってことだよね。

島崎:うんうん。

風間:確かによく分からなかったのが、僕、ホステス(HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER)も行ったじゃないですか。あそこでの明らかなメインがトム・ヨークという存在で。

秤谷:たしかに。

風間:なのに、トム・ヨークがやってるときに、裏のスピリチュアライズドを観てるわけでもなく、ただ外でしゃべったり飲んだりしてる人がたくさんいて、こいつら何のためにオールナイトのチケットを買ったんだろう?っていう。

加東:単純に集まりたかったんじゃない?お金払ってでも。

島崎:そんな感じしましたね。なんか、その「サマソニというイベント」を楽しみに来てる。延々と写真撮ってる人もいたり。

加東:そうそう、3人の女の子グループが、ずーっとそれぞれの写メをループで撮り続けてて。すげえな。みんな自撮り棒持って、GoPro持って、写真とか「イェーイ!」ってやり続けてるっていう文化。

風間:そうっすよね。

秤谷:そういう面で言うと、俺は最初、朝いちガーデン観に行って。そしたら端っこの丸太で寝てたヤツがいたんですよ。そこからいろいろ廻って、5時間くらい経って戻ったら、そいつまだ寝てたもん。何しに来てんだって(笑)。

加東:気持ちよかったんだろうね、木陰がね(笑)。まあ、そういうわけで、今年のサマソニの結論を。じゃあ、島崎さん。結論をひとことで。

島崎:……え?(笑)

加東:じゃぁ、ここまでフジとサマソニを初体験してみて、どっちかもう一回行けって言われたら、どっちに行く?

島崎:うーん、FUJIに出てた人がサマソニに出てくれればいいのにっていう感じですかね(笑)。

秤谷:ああ、なるほど。FUJIのアーティストのほうが好きだったんだ?

秤谷:趣味の問題だね。 

島崎:そうですね。趣味と気合の問題です。

秤谷:行きやすいところに、好きな人たちが出てくれたらいいなって思うわけだね。

島崎:そうです、そうです! 「山に行く気合は無え!」みたいな(笑)。

風間:じゃあ、結論は「近くでやれ、FUJI ROCK」でいいですか(一同笑)。

島崎:そうそう!

加東:サマソ二の総括だっって言ってるのに、「近くでやれ、FUJI ROCK」って(笑)。

秤谷:音楽的なことほとんど無くなっちゃってる(笑)。

加東:でもさ、サマソニってパーティーだよね。超デカいパーティー。

風間:音楽が流れてて、クラブにもなって、ライブハウスにもなって。好きな楽しみ方が出来るっていうことなんじゃないですか。

加東:想像してた以上にアミューズメントに徹してたイメージはありますね。

秤谷:あとは……「日本の若手はもうちょい頑張れ」と思いますね。厳しいことを言うなら。ラスベガスとか、マイファスとか、キートークとか、あのあたりの若手ですよね。いま台頭してきてる人たちは、もうちょっと頑張れって思いますね。

風間:もっと出来るだろって?

秤谷:うん。やっぱ、外国のアーティストは歌が上手い! 日本ではあんまりポピュラーではない存在でも、パッと見て「すごい」って思えるよ。世界各国から制作が選んできてるから、そりゃあそうなんだけど。やっぱ2~3歩追いついてないんじゃないかなって、俺は思っちゃったので。

風間:そこは一緒にやったことによって、彼らが「おお、すげえな」「負けたくねえな」っていう風になってれば良いですよねね。

秤谷:観てほしいなって思う。今、邦楽ロックというか、日本のアーティストメインのフェスが多いでしょ? FUJIもサマソ二もそうだけど、洋楽と邦楽のミックスのフェスって、やっぱ良いなぁと思ったの、俺は。そのレベルの部分が分かるから。ワールドスタンダードを肌で感じられるわけじゃん? 日本のロックだけで固まってたら、その中でクオリティが一番高いところがカッコいいってなるんだけど……それじゃあ、ZEDDに勝てないわけでしょ? 

風間:そうですね。

秤谷:俺は、クオリティの部分で、まだ勝ててないと思う。だからこそ、やっぱああいうミックスド・マッチっていいと思うね。続けてほしい、こういうフェスを。

風間:そうですよね。海外の大物が出るって、FUJIとサマソ二ぐらいしかないですもんね。まあ、ラウド系とかジャンルを限れば、また別のものもありますけど。

秤谷:ね、なかなか無いじゃない。これって日本の音楽業界を底上げするためにはいいと思って、観てた。PRODIGY観りゃわかんだけど……ずっとPRODIGYって言ってるけど、俺は(笑)。何から何まで、作られてるトラックの精度からなにから違ったよね。彼らはデジタルとロックのミクスチャーなわけじゃん。デジタルとロックの融合をやってる日本のアーティストもいっぱいいて。たとえば、PRODIGYの「OMEN」をCROSSFAITHがカバーしてるけど、同じようにCROSSFAITHがあそこでやったときに……CROSSFAITHもすごいいいライブするけど、PRODIGYは超えられない。PRODIGY以上のアーティストがいないんでしょ?って思っちゃうわけじゃん。でも、そうなって欲しいよね、もっと。

一同:うん。

秤谷:ああいう場で、観て、学んで。それに日本のオーディエンスももっと耳を肥やして欲しいなと思う。でもね、さっき島崎ちゃんが言ってたみたいに、パーティーピーポーが増えてるからね。もう、そういうフェスじゃないのかもなっていう気もしてる。

風間:お祭り感を重視なのか、競い合って成長できる場なのか。

秤谷:両方を混ぜこぜにするのもいいんだけど、わかりやすく、1日目、2日目で、パーティーピーポー用と、音楽用みたいな呼び方しちゃっていいのかなとも思うけどね。

風間 そういった意味でも、最初に出てたように、ターニングポイント的な部分になってるのかもしれませんね。

加東:ということで、いい加減結論を!

風間:もう……とにかくPRODIGYがすごかったってことですよね。それに尽きちゃう。

加東:PRODIGYがすごかったっていうのと、島崎が怖がってたというのが、総括。

島崎:(笑)

秤谷:じゃあ、それで(笑)。来年もよろしくお願いします。

一同:ありがとうございました!

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