LiSA初の横浜アリーナ2Days “太陽”と“月”をモチーフに描き出した壮大なストーリーを完全レポ

レポート
音楽
アニメ/ゲーム
2016.12.3
LiSA photo by hajime kamiiisaka

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11月26日(土)、27日(日)に神奈川・横浜アリーナでLiSAのライブ『LiVE is Smile Always ~NEVER ENDiNG GLORY~』が開催された。LiSAにとって初めてのアリーナ公演は、「the Sun」(26日)、「the Moon」(27日)とタイトルされた“ストーリー体験型ライブ”。“Sun”“Moon”の姉妹の物語を軸にしながら、LiSAの代表曲・ヒット曲が網羅され、大スケールの演出もたっぷり織り込まれた2日間のライブを完全レポートする。

11月26日/「the Sun」

「the Sun」と名付けられた初日は、“NEVER ENDiNG GLORY”のストーリーを軸にしたアニメーションからスタート。妹の“Sun”が姉の“Moon”とケンカし、ピンク色の不思議なカエルと出会う――という物語が描かれた後、ステージ中央にポップアップでLiSAが飛び出し、いきなりライブが始まる。オープニングナンバーは極上のアッパーチューン「コズミックジェットコースター」。観客はピンクのペンライトを激しく振りまくり、会場の熱気がグングン上がっていく。そのまま「飛ばしていくよ!」というシャウトとともに「Rally Go Round」「say my nameの片想い」を連発。アグレッシブかつポップなロックチューンによってLiSAは、アリーナ全体を一気に掌握してしまった。

LiSA photo by hajime kamiiisaka

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「(超満員の会場を見渡して)これ見てよ! すごくない!? こんなにもたくさん入ってる横浜アリーナを初めて見ました!」と喜びを爆発させるLiSA。「1日目“the Sun”です。今日来たみなさんは、“ドS”に楽しみたいということでよろしいですか? ドSが好きってことは、ドMってことでしょ? 恥ずかしいことをいっぱいやってもらいましょう!」という挨拶とともに「エレクトリリカル」へ。揃いの振り付けで一体感を演出した後は、ピンクラメで彩られたエレキギターをLiSA自身が演奏した「ANTIHERO」、スタンドマイクに体を絡ませるセクシーなパフォーマンスが印象的だった「DOCTOR」、LiSA史上もっともヘビィな音像を持つ「L.Miranic」といったロックナンバーを次々と披露。強烈なスピード感とラウドなバンドサウンドを突き抜けるLiSAのピーキーなボーカルも絶好調。どんなに会場が大きくなっても、観客ひとりひとりの感情を揺さぶる彼女の歌の鋭さは、まったく揺らぐことがない。

LiSA photo by hajime kamiiisaka

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この後はLiSA自身のリアルな思いが込められたメッセージ性の強いナンバーが続く。切ない情感を呼び起こすアコースティックギターを軸にした「僕の言葉で」では“不器用でもいいから、自分の言葉を伝えたい”という切実な感情を描き、「変わらない青」では「言えず/何度も飲み込んだ/想いが溢れても」というフレーズを高らかに響かせる。LiSAが発するすべての言葉にじっくりと耳を傾けるオーディエンスの姿も印象的。内に秘めた思い噛みしめるような歌詞、それを豊かなエモーションに伝える表現力もまた、彼女のライブの魅力なのだと思う。
「強がってばかりじゃダメだけど、強がってないとやってられないときもあるよね!」という言葉に導かれた「ツヨガリ・ファンファーレ」によって、ライブは再び高揚感を増していく。<Goodbye,see you again./“Thank you”to you my dear.>というフレーズでは観客の大合唱が生まれ、さらに強烈な一体感へとつながる。

LiSA photo by hajime kamiiisaka

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“ピンクのカエル・モモコとSunが謎の占い師・シャンウェイ(パンダ)を訪ね、「心のままに行動しなさい」と告げられる”というアニメーションが映し出された後は、<もう一歩だって迷わないで/最高な“横浜アリーナ”を見せてね>というフレーズから始まる「ジェットロケット」。さらに「ラブリーデイ」では、LiSAがピンクの自転車に乗り、そのまま(まるで“ET”みたいに)フライング! このサプライズによって、会場全体に大歓声が響き渡る。自転車は会場後方のサブステージに着地。「まさか飛ぶと思わなかった?! 私、ずっと自転車にライブで乗りたくて。今日のために空飛ぶ自転車作ってもらいました!」というLiSAもめちゃくちゃ楽しそう。

LiSA photo by hajime kamiiisaka

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楽しい時間はまだまだ続く。「BRiGHT FLiGHT」では女性ダンサーふたりとキュートに踊りまくり、「confidence driver」では観客にウェーブを促し、「rapid life シンドローム」では“L、i、S、A”というコール&レスポンスで盛り上げる。アリーナの隅から隅まで熱狂の波が渦巻くなか、メインステージに戻ったLiSAは黒を基調にした衣装に早着替え、「Brave Freak Out」によってライブはクライマックスに突入していく。濃密なエモーションをたたえたロックチューン「She」ではステージの奥から“不安”“絶望”から生まれた巨大なモンスターが出現。アリーナ公演ならではの大スケールの演出に圧倒されていると、「Rising Hope」が放たれ、観客のテンションは一気にピークに達する。リフターに乗って上昇した状態でダイナミックなボーカルを放ちまくるLiSAからは、現在の音楽シーンを代表するロックシンガーとしての強烈な存在感がはっきりと伝わってきた。エンディングではサーベルを持ち、モンスターを倒す演出も。さらに「みんなでお祝いの歌を歌おう!」とコールされた「Hi FiVE!」、“the Sun”のエンディングを飾る「終わらない冒険」によって本編は終了。

アンコールでは新曲「Catch the Moment」(2月15日リリース/『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』主題歌)を初披露。“かけがえのない瞬間を大切に重ねていきたい”という思いが込められたこの曲は、LiSAの新たな代表曲になりそうだ。
さらに夏モード全開の「halo-halo」でハッピーな雰囲気を演出したあと「今日は楽しかったですか?! 一生懸命生きてたら、いつだって最高なんだよ!」と「best day, best way」を全員で歌い上げ、初日の「the Sun」はエンディングを迎えた。

LiSA photo by hajime kamiiisaka

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2日目「the Moon」

2日目の「the Moon」のオープニング映像の主人公は、姉のMoon。奔放な妹(Sun)とは違い、思慮深く、ちょっと引っ込み思案なMoonが家出した妹のことを心配ながら歩いていると、やはりピンク色のカエルと出会い……という映像が映された後、前日と同様にポップアップでLiSAが登場し、1曲目の「crossing field」を放つ。さらに「ようこそ『LiVE is Smile Always ~NEVER ENDiNG GLORY~ the Moon』へ! 最高に楽しんでいきましょう! ピース!」と叫び、「ROCK-mode」「Bad Sweet Trap」というラウド&ファストなロックナンバーを続ける。バンドの一体感、LiSAのテンションも明らかに前日以上。最初の3曲だけで「今日は絶対にすごいライブになる」という確信が芽生える。

LiSA photo by hajime kamiiisaka

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「1日目は不安もいっぱいあったんですけど、その魔物を倒しておきました!」「今日はthe Moonということで、ひとりぼっちが好きだとか言ってホントは寂しい、っていうドMのみなさんばかりと言うことでよろしいですか? 君の寂しさやワガママ、全部the Moonに置いていっていいよ」というMCを挟み、「アコガレ望遠鏡」。さらにLiSAがノイジーにギターをかき鳴らした「ヒトリワラッテ」も披露。“人間はみんな孤独”という真実を見つめながら、それでも誰かを求めてしまう――そんな切実な思いを込めた楽曲によって、LiSAとオーディエンスの気持ちの距離が縮まっていく。

ステージの上で仰向けになりセクシーな表情を浮かべた「DOCTOR」、ピンクの扇子を振りまくってパーティ気分を盛り上げた「Psychedelic Drive」など、楽曲のイメージに合わせたステージングも楽しい。そしてライブ前半で個人的にもっとも心に残ったのは穏やかな雰囲気のウィンターナンバー「シロイトイキ」だった。<シロイトイキがいつしか誰かの手を/温めてくれるような 歌いになれたらいい>というフレーズ、「月の光がみんなに届きますように」という祈りにも似た言葉は、この日、横浜アリーナに集まった全員の胸にしっかりと届いたはずだ。

LiSA photo by hajime kamiiisaka

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艶めかしいメロディが印象的だった「蜜」、スピード感あふれるギターフレーズとドラマティックな歌声が絡み合う「traumerei」、LiSAが小型のデジタルムービーカメラを持ち「いつかみんながこの景色を観られるように、撮っておくからね!」と「No More Time Machine」をきっかけにライブは後半へ。星型のサイリウムで会場が埋め尽くされた2日目の“自転車フライング”が実現したのは「WiLD CANDY」。ステージ後方のサブステージに着陸すると、客席に向かって「どこから来たの? 江戸川区? わりと近いね!」「電車混んでた? LiSAッ子だらけだった?」「久しぶりにやる曲が多いけど、ついてこれてる?」と話しかける。さらに客席の左右で“Sun”“Moon”に分け(Sunは赤、Moonは青のサイリウムで染められる)コール&レスポンスでさらに一体感を高めた後は「エスケープゲーム」。さらにアリーナ中央をトロッコに乗って移動しながら「Rally Go Round」を披露した後、「横アリ、そろそろ本気見せてよ」という煽りに導かれた「Brave Freak Out」をきっかけにライブの興奮度は頂点に向かう。「She」で巨大なモンスターが姿を見せ、「みんな、戦う準備はいい?」という言葉にリードされた「Rising Hope」で一気にテンションを高め、LiSAが不安と言う名の怪物を倒すというストーリーは初日の「the Sun」と同じだが、バンドの演奏のクオリティ、観客の盛り上がり、そして、LiSAのエモーショナルかつ鋭利なボーカルはさらに向上。常に不安や葛藤と向き合いながらも、自分を支え、応援してくれるオーディエンスともに未来の光を手に入れてみせる――“NEVER ENDiNG GLORY”の物語は、そのままLiSAの軌跡と重なっている。LiSAとファンのつながりを端的に示す歓喜のナンバー「Hi FiVE!」、“どんなに大変なことがあっても、この物語を続けよう”というメッセージを込めた「終わらない冒険」は、今回の横浜アリーナ公演の意義を明確に示していたと思う。

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アンコールは新曲「Catch the Moment」からスタート。「大事なものが出来ると、終わりの時間はすごく寂しいけど、この先に何かあるんじゃないかなって強がってみる歌をみんなと歌いたいと思います」という言葉から「ツヨガリ・ファンファーレ」、さらにLiSAが自転車で客席をぐるりと一周しながら<自分だけのストーリー/描いていくからね 希望、勇気、重ねて>というポジティブなワードを響かせた「best day, best way」も。最後は観客と一緒に写真を撮り、この記念すべきライブは終了した。

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初のアリーナ公演2daysをこちらの予想を遙かに超えるスケールで実現させたLiSAは2017年、初めてのアリーナツアー『LiVE is Smile Always ~LiTTLE DEViL PARADE~』(2017年6月17日(土)兵庫県 ワールド記念ホール/2017年6月24日(土)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ/2017月6月25日(日)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ/2017年7月1日(土)愛知県 日本ガイシホール)の開催を発表。いまや日本を代表する女性アーティストとなったLiSA。ポップとロックを自由に行き来する音楽性、強いメッセージ性と華やかなエンターテインメントを共存させたステージはここから、さらに大きなフィールドへと進んでいくことになりそうだ。


取材・文=森朋之 撮影=hajime kamiiisaka

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リリース情報
LiSA 11th single「Catch the Moment」
(「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」主題歌)
2017. 02. 15リリース

【初回生産限定盤(CD+DVD)】 
価格:¥1,800(+税) 品番:svwc70233-70234
・収録曲
01. Catch the Moment
02. カップリングA
03. カップリングB
・同梱特典
☆「Catch the Moment」ミュージッククリップ
&特典映像収録DVD付
☆16P撮り下ろしブックレット封入
 
【期間生産限定盤(CD)】
価格:¥1,300(+税) 品番:svwc70235
・収録曲
01. Catch the Moment
02. カップリングA
03. Catch the Moment –Instrumental-
・同梱特典
☆アニメ絵柄描き下ろしイラストミニポスター封入
☆三方背スリーブケース仕様
 
【通常盤(CD)】
価格:¥1,200(+税) 品番:svwc70236
・収録曲
01. Catch the Moment
02. カップリングA
03. カップリングB
※「初回生産限定盤・通常盤」と「期間生産限定盤」は
CDの収録楽曲が異なります。

 

ツアー情報
「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~」
・2017/6/17(土)神戸ワールド記念ホール(兵庫)
・2017/6/24(土)さいたまスーパーアリーナ(埼玉)
・2017/6/25(日)さいたまスーパーアリーナ(埼玉)
・2017/7/1(土)日本ガイシホール(愛知)
料金:指定席7,560円(税込)
 
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