力強く繊細な石丸さち子の演出で大野幸人が再び挑む1人芝居!『Angel』
ダンサーであり、かつミュージカルやストリートプレイなど、その活躍の場を広げ続けている大野幸人が、再び1人芝居『Angel』に挑戦する。
脚本・演出は、ニューヨークのオフ・オフ ブロードウェイ演劇祭に日本人として初めて招かれ、最優秀ミュージカル作品賞・最優秀演出賞・最優秀作詞賞などを獲得、さらに「第24回読売演劇大賞・演出家大賞」にノミネートされている石丸さち子。本年の6月に上演され、好評を博した舞台だ。
舞台写真は前回公演より
【STORY]
かつて“アイドル”と呼ばれた青年が、彼を熱烈に愛した人々の世界から、ある日突然姿を消す。
そして、高い塀を建て、青春期の痛みを抱えたまま、閉じこもって暮らしている。
長い長い孤独な時間に、一瞬の輝きを放った、少女との出会いの記憶…。
石丸が書き下ろした大野のセリフは、およそ50ページ。大野はひとり、ひたすら語り、演じる。
そして、観る者は皆いつの間にか、彼の世界『Angel』の中に入り込んでいく。
初演から、更に進化した大野幸人の孤独な戦いを、石丸さち子の熱いエネルギーを、その目で確かめて欲しい。
【石丸さち子コメント】
二度目の公演をやらせて頂くことが決定した『Angel』という作品。
お話としては、一世を風靡したアイドルが、青春期の大きな痛みを抱えて姿を消して。引退という形をとらないで、失踪して芸能界を去って。そしてずっと青春期の痛みを抱えたまんま閉じこもって暮らす。これが「ライ麦畑でつかまえて」で有名なサリンジャー(J・D・サリンジャー)という作家の、後半世の隠遁生活をモデルにしているんです。
こういうと何かものすごく文学的で暗い話に聞こえるのですが、ダンサーである大野幸人が演じると、叫びたい「声」や「体」を閉じ込めた切なく辛い時代の後に、とんでもなく美しい開放の、奇跡の瞬間が顕れるんです。
それは、長く暗い孤独な時間に、一瞬の輝きを放った、少女との出会いの記憶。海馬のあたりの短期記憶から脳髄の広間に大事にとってあった、愛と救済の記憶。
「あの人と見たあの景色があるから、元気がない時もやってこれた」みたいな、恒久的な生きるエネルギーになりうる美しさです。誰もが経験のある、神様が与えてくれた奇跡みたいな一瞬。この芝居にもそんな一瞬が現れます。とってもハッピーで心が浄化されて美しい。台本と大野幸人という表現者との出会いで、かけがえのないシーンが生まれました。ダンスに親しんでいない人でも、演劇に親しんでいない人でも、ちょっと元気がない時に 見ていただけると、2017年を生きる元気になってもらえる、一生覚えていて頂ける美しさじゃないかなって、私は自負しています。
solo act+dance『Angel』